【艦これ】まるゆ「隊長が鎮守府に着任しました」
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98: ◆UeZ8dRl.OE[saga sage]
2015/10/17(土) 07:43:45.08 ID:DAsEycml0
“休み、休ませることも戦いのうちである”。
これが今の提督と艦娘という上下関係を良好に保てる環境の基礎固めにおいて、忘れてはならない言葉の一つとされている。
ピンと張り詰めた糸はいとも容易く切れ、また何かを切ることもある。
故に彼等は今、目一杯糸を緩めているのだった。
「お前達、あまりはしゃぐなよ」
「司令官、もう遅いわ」
「し、しおいとゴーヤの姿が見当たらないです」
「アイツ等……」
既に索敵範囲から離脱している二名に頭を痛めつつ、提督は違う意味で問題な二人へ視線を向ける。
「――別にはしゃげとは言わんが、一緒に遊んだらどうだ?」
「コレを読み終わったら行きます」
「……」
防水カバーに守られた鈍器の様な本を読むハチと、水着の上からパーカーを着て三角座りで彼をにらむ明石。
前者は既に後ろからトリプルテールの悪魔が忍び寄っているので陥落は時間の問題だとしても、後者はなかなかに骨が折れそうだった。
「強引に連れ出したのは俺じゃない。恨むならコイツ等を恨め」
――なっ、何っ!?
「止めずに見ていたんですから同罪です」
――イクの前で隙を見せたのが悪いのね!
「俺が止めたところで聞くわけもないし、結果は変わらなかったと思うが?」
――ほ、本にシワが出来ちゃ、やめ、くっ、ふふっ、いい加減に、して!
「威厳、無いんですね」
――な……殴る方が、本に良くないと、思うの……ね。
「命令を聞かせるだけが提督の役割じゃないんでな」
――アハトアハト、いえ、八十八ミリのこの本は叩く程度ではビクともしません。
「……怪我させないようにしっかりと監督ぐらいはして下さい」
「努力はしよう」
「隊長! 飛び込んだしおいと潜ってたゴーヤが衝突しました!」
「……努力はしよう」
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