【艦これ】まるゆ「隊長が鎮守府に着任しました」
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95: ◆UeZ8dRl.OE[saga sage]
2015/09/22(火) 12:59:39.74 ID:4znI5lyO0
運、それは良い方向にも悪い方向にも一瞬で傾かせる人の手に余るモノ。
艦娘の場合においても例外でなく、天使が微笑むか悪魔が笑うかは誰にも分からない。
そして、今回においては――。
「に、逃げ切ったの?」
「まだでち」
「ホンット〜にしつこいのね!」
後方にまだ艦影が見えるのを確認した六人の顔には、疲労感が浮き出ている。
既に二度の戦闘を彼女達は潜り抜けており、これ以上の戦闘は航行に影響の出る損傷が出かねない為、避けるのが妥当だった。
「やっぱり敵主力艦隊群の一部と出くわしちゃったからかなぁ……」
「運が良いのか悪いのか、悩むところですね」
「シオイ的には良いんだと思うけどなー」
全力での航行を続けながら、六人は現状は運が良かったと言えるのか悩み始めた。
裏を返せばそれを考える余裕程度はあり、変に気負っていないということである。
疲労は基本的に思考を鈍らせるが、常に逆境の中で鍛えられた彼女達にとっては現状の方が本領を発揮出来るのだ。
「皆、とにかくこのまま無事に鎮守府に帰ろうね」
「鎮守府に帰るまでが任務だもんね」
「その言い方だとまるで遠足じゃない……」
「帰ったら皆でお出掛けしたいのね」
「はっちゃんはゆっくり部屋で本――」
「いいね! 飛び込み台のあるプールでどぼーん! とかしたいなー」
(……まぁ、たまにはいい、かしら)
魚雷や爆雷、砲撃の音がする中でなおも続く会話。
時折潜行も織り混ぜながら、巧みに直撃を避けていく。
そして、六人は示し合わせた訳でもなくこれだけ全力を出しきれる要因の一つに“完璧な整備”というものがあると認識するのだった。
――――戦果報告、敵主力艦隊群ノ一部ヲ捕捉。全隊ヲ確認スルニハ至ラヌモ、新種ノ発見ニ成功セリ。尚、先行偵察隊ノ損傷ハ中破四、小破二デアル。
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