【艦これ】まるゆ「隊長が鎮守府に着任しました」
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62: ◆UeZ8dRl.OE[saga sage]
2015/05/15(金) 01:12:32.67 ID:dWXgK8rU0
 提督が熟読した本が艦娘全員に知られた日の昼、食堂には質問責めされる彼の姿があった。

「隊長、あの本は何なんですか?」

「とある人から貰った。“これでも読んで提督としての威厳を少しは持て、そのままだと第一印象ただの馬鹿にしか思われんぞ”って言われたんだよ」

「司令官の素って、そんなに馬鹿っぽいの?」

「そんなことはない、と思う……多分」

「ゴーヤ、てーとくの素が気になるでち」

「今更出せるかそんなもん」

「でも、もうバレちゃってる時点で隠す必要無いのね」

「こ、今後着任する艦娘も居るしだな……」

「口止め料に、シュトーレン食べたいな」

「その本読みながら言うのやめろ。というより、食事中に読むな」

 昼食である卵かけご飯をかっ込み、提督は先に食事を終える。
 そこで立ち去らず全員を待つ辺りが律儀であり、今更多少口調や態度が変わったところで、今の彼が全て作り物の上辺しか見せていないと彼女達も思ってはいなかった。

「隊長、まるゆはどんな隊長でも全力でついていきます!」

「変態でも?」

「イムヤ、まだ根に持ってたのかお前……」

「その話、すっごく気になるのね」

「てーとくがイムヤの――」

「ゴーヤ、段ボール達とさよならしたくなければ口を閉じろ」

「お、横暴でち!」

「“その六十七、部下を脅してはいけない”」

「だから読むのやめろって」

 熱心に読み耽っているハチから、提督は本を回収する。
 付箋と下線だらけのそれを暫くネタにされるのは多少居心地が悪いものの、何も気にした様子がない彼女達に、彼は内心感謝していた。

(これはもう、必要無いか)

 翌日からほんの少し肩肘張らずに接しようと心に決めながら、提督は仲良く笑っている潜水艦娘達を見つめるのだった。




「おー、おはよーさん! 今日も元気に出撃すっか!」

「「「「「……どちら様ですか?」」」」」


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