【艦これ】まるゆ「隊長が鎮守府に着任しました」
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166: ◆UeZ8dRl.OE[sage saga]
2017/07/08(土) 22:59:20.25 ID:0QPsSj3Q0
「そういう本を読んだので、練習中です」
「やりたかったらイムヤの部屋にしろ」
「はっちゃんは百合より薔薇の方が好きです」
「お前、後で私物検査な……で、知ってどうする」
「それは知ってから考えます」
「“絶望”するかもしれんぞ」
「人間しか絶望しないなら、どっちに転んでも悪くありません」
「……分かった。とりあえず、そこはもう二度と開けようとするな。どうせそこにはお前の探してるものはない」
場所を変えるぞと顎で示す提督にハチはついていく。歩きながら確認した彼女の手は、針金の形に赤くなっており、じっとりと汗ばんでいた。
「コーヒーでいいか?」
「砂糖五杯入れて下さい」
「想像しただけで口のなかが甘くなるな……」
「――提督」
「何だ?」
「深海棲艦って、何?」
「俺もその正しい答えは知らん。だが、アレは人を滅ぼす為のシステムであると俺は考えてる」
「システム……」
「人の作った兵器はほぼ無効化され、突貫や自爆、毒、熱、冷凍、色々試してはみたが“人の手のみで行うあらゆる行為”が無意味らしい」
「――核も?」
「例外は無い。現代兵器は等しくガラクタ同然になったそうだ、資材に生まれ変わって有効活用はされてるが」
「じゃあ、艦娘は何なんですか?」
「クソゲーの救済措置」
「クソゲーって、言葉のチョイスを考えてほしいな」
「実際問題そうだ、お前達の力を借りれてなければ確実に俺達は絶滅危惧種になってるか絶滅してる。艦娘が現れてなかったら俺もこうしてここに居なかった可能性が高い」
冗談めかしてはいるが、そこに嘘はない。対抗策が存在しない外敵が現れれば、蹂躙されるが道理であり、例外はない。
「深海棲艦がシステムなら、私達はそれを破壊するバグ?」
「バグというよりファイアウォールだ。人間って脆弱なプログラムを守るためのな」
「――秘密にされてるのは、仕組んだ存在?」
「そこから先は俺も詳しくは分からん。ただ、一度だけ俺を鍛えてくれた恩師に同じ質問をした時の返答はこうだ」
――もしそんな奴が居るなら、パンドラの箱を退屈だからと開くような奴じゃよ。
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