【艦これ】まるゆ「隊長が鎮守府に着任しました」
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153: ◆UeZ8dRl.OE[saga sage]
2017/03/25(土) 22:14:20.67 ID:3KS8zK3A0
執務室に集められた艦娘の顔には、今から自分達に求められることが期待通りのものかどうかという不安が表れていた。
ゴーヤが居なくなったと報告を受けた提督の反応は、そうか、という一言のみ。捜索は命じられず、全員命令あるまで待機という言葉だけが彼女達の耳に届いた。
不満や憤りはあれど、誰も勝手に探しに行かなかったのは、どこか不恰好ながらも積み重ねてきた信頼があったからだ。
そして、一夜明けた今、提督は彼女達に新たな命令を下す。
「――出撃だ」
「……隊長、どこへ、ですか?」
「オリョール、南西諸島、バシーなんかもいいな」
「イク、あんまり今は行きたくないの……」
「旗艦、まるゆ」
「ちょっと司令官!」
「イムヤ、イク、シオイ、ハチ――」
「それとゴーヤ、でしょ?」
「おい、先に言うな……あー、出撃メンバーの変更はしない。ここに居ないなら首根っこ引っ掴んででも連れてこい」
「はっちゃん達、探す振りして逃げるかもしれないよ?」
「それは問題だ。俺もお前達の監視として同行する」
「……面倒な頭の構造してますね」
「お前に言われたくはない」
「っ……隊長! 索敵範囲はどのぐらいですか?」
「半径三キロ、市街地に限定。アイツのこれまでの行動を思い出せ、見付けられない場所にアイツは隠れない。全員、これを持っていけ」
「司令官、これは?」
「隠れてそうな場所のリストだ。それのお蔭で日光が眩しい」
「イクのスナイパー魂がウズウズするの!」
「シュトーレン、奢り」
「よし、晩飯はチャンプル作戦、開始!」
「提督、その作戦名はなしかな」
「……徹夜なんだ、察しろ」
数えた数字は百を優に超えている。返事はないが、もう十分。鬼が七人、隠れたのは一人。頭に角を生やした七人に、見つかったらどんな目に合わされるか、彼女は知る由もない。
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