【艦これ】まるゆ「隊長が鎮守府に着任しました」
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12: ◆UeZ8dRl.OE[saga sage]
2015/03/12(木) 12:54:00.46 ID:yUSUK4N70
 執務室に戻り、イムヤの机とゴーヤの机を作った後、本格的に提督は荷物整理を始める。
 とは言っても半分ぐらいは彼の私物であり、四人でここに必要なものだけを出していくと、そう時間はかからなかった。

「ふぅ……とりあえずは出来ましたね、隊長」

「この段ボール机、どうにかならない?」

「ゴーヤは結構気に入ったよ。おっきな段ボール、大好きです」

「段ボールを被るなゴーヤ、それは隠れる為の物じゃない」

 頭隠して尻隠さず、段ボールからはみ出ているゴーヤの尻を提督が直視していると、二つの視線が彼に突き刺さった。
 別にそれを見ていかがわしい事を考えていた訳ではないのだが、ずっと見ているのは確かに無遠慮だったなと視界から外す。

「――時にお前達、料理が出来たりするか?」

 場の空気を変える為、という訳でもなく真面目に聞いた提督の問いかけに、まずは首が二つ横に振られ、残る一人は段ボールを左右に振って答える。
 つまり、艦娘の中に料理が出来るものは居ないということだ。

「となると、必然的に俺が作ることになるのか」

「隊長、料理出来るんですか?」

「出来る。が、味は保証しない」

「司令官以外にこの鎮守府に人は居ないの?」

「どこの鎮守府にも“人”は提督しか居ない。何か鎮守府内で問題が生じた時、処分する人間の数は少ない方がいいという有難い配慮があってのことだそうだ」

「ふーん……」

 “労働力が足りないのならば艦娘を使え”、それが大本営の方針だ。
 確かに掃除や洗濯、炊事も自分達でやってやれないことはなく、無駄な人件費を一切省き資源や物資などの確保に回すというのは、一つの正しい選択といえる。
 ただ、泡まみれの手で出撃準備や、慌てて火にかけっぱなしになった油がはねて火事になるというような事態にもなりかねないので、ある程度の人数が揃わないと管理が大変なのも事実だった。

「そもそも初めて物を口にするから、ゴーヤには味なんて全く分からないでち」

「私もよ」

「まるゆは普通に食べてたから、分かります」

「どうせそのうち自分で作ることにもなるだろう。今から食堂で作るから横で見とけ」

「隊長、何を作るんですか?」

「チャーハン」




 総評、食べられる。


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