【艦これ】まるゆ「隊長が鎮守府に着任しました」
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110: ◆UeZ8dRl.OE[saga sage]
2016/02/11(木) 10:14:59.74 ID:sQ0s+NhW0
深夜の工廠、そこで動くものは一つしか存在せず、それは一人の艦娘の艤装の前に立っていた。
小型のヘッドライトで手元を照らし、扱い慣れた工具で本来とは正反対の作業を開始する。
――例えその行為が間違っていたとしても、それが、彼女なりの精一杯の償いなのである。
「――イクの艤装が原因不明の不調?」
「はい」
「珍しいこともあるものだな。お前が“原因不明”なんて報告をしてくるとは」
「事実を報告したまでです。そういうことなので、暫く彼女には出撃させないで下さい」
「明日、出撃の予定がある」
「少し修理しないと日本語すら理解できなくなりましたか? 暫く出撃は無理だと言ったんですよ」
「間に合わせろ」
「っ……結局、貴方もそういう人なんですね」
「俺は何もおかしなことは言っていない」
「何と言われようと、明日彼女の艤装は動きません。失礼します」
軽蔑と落胆の入り交じった視線と声を残し、彼女は部屋を去る。
一難去らずまた一難、優秀な工作艦の仕事ぶりに、彼はどんな手が通用するか一人思案に耽るのだった。
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