379: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/20(木) 17:52:11.20 ID:v4+DVNQXO
放課後となり、ジュウはさっさと帰り支度を進めていた。
雨はいつも通りの補習授業であり、ジュウはもちろん部活動には所属していない。
基本的にジュウは暇を持て余しているが、ここ最近のように予定が次々に入ってくるのは自分のペースを崩されるようで疲れる。
ジュウは円の言いつけを守る気などさらさらない。
家に帰って、昨日借りてきたレンタルDVDを消化する順番を考えながら、ちょうど校門を出てすぐのところだった。
「やあ、柔沢。迎えに来たぞ」
爽やかな笑顔の好青年が、校門の影から顔を出した。
大柄なジュウとさほど変わらない背丈に、服の上からでもわかるほどに鍛え上げられた筋肉。
彼の名前は伊吹秀平。
円堂円や斬島雪姫と同じ光雲高校に通う二年生である。
その伊吹がなぜ違う高校の校門前に、しかも空手着で立っているのか。
「……円堂のパシリか?」
「円堂さんのパシリだよ」
「…………」
「いや、言わないでくれ。悲しくなる」
苦笑いする伊吹に対し、ジュウは憐みの視線を隠せない。
おそらく、円はジュウが光雲高校に来るつもりがないであろうことはわかっていたのだろう。
そしてこの伊吹が保険というわけである。
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