男「……いよいよメラが使える様になるとか末期だな俺は」
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776:名無しNIPPER[saga]
2016/08/30(火) 01:18:09.08 ID:6JFLvN2lo

━━━━━━━━ 【其処に居た者】



男「もう……俺は…………」


   「大丈夫だよ」


男「……俺は、大丈夫……?」


   「大丈夫」

   「ほら、ゆっくり……深く息を吸って……」


男「…………すー……」


   「ゆっくり吐いて……」

   「そうだ、雨降ってるんだから空を見上げて深呼吸したほうが良いよ」

   「君は ”いつも” 追い詰められた時、自分が〜とか、それに対して理由が〜とか、考え過ぎだよ」


男「…………」


   「ね、人を助ける時に頭で考えながら助けようとしてない?」

   「男くんは何でも頭で考えてから行動しようとする」

   「一ヶ月以上前、ホテルで女の人を助けたよね? あの時は何も考えずに動けてたじゃない」

   「あれで良いんだよ」


男「……だけど、俺は主任のような戦う理由なんて……」


   「ほら、直ぐ理由を探しちゃう」


男「……!」


   「確かに君は最初の一ヶ月は色々な人を見殺しにしたかもしれないね」

   「きっと一人くらいは君が手を引けば助かったかもしれない」

   「でもね、きっとその結末は酷い事になってたの」

   「だから私が君の心に干渉した」


   「全部私のせいなんだよ、男くん」



男「…………」スッ

男「君は……誰だ…………」



──────────・・・



男(……誰も、いない……)


男「…………」





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