男「……いよいよメラが使える様になるとか末期だな俺は」
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762:名無しNIPPER[saga]
2016/08/27(土) 10:23:46.77 ID:uGE1Alt4o

多少の余裕はあったとはいえ、それでもブラッドソードが戦闘不能になる必要があった程の相手。

その実力に狂いはなく、店員が聞かされていた『八魔将』の名に値する脅威だった。


しかし。


エビルマージは『一人ではなかった』。


エビルマージD「まさか儀式場を邪魔されない為に配置した『私』が敗北するとは、些かこちら側の人間を嘗めていたか」ザッ…

エビルマージB「それだけではない、幾つかの報告にあった未知のモンスター……先の『ヒャダイン』を回避したのを見るに相当の熟練者だ」


緑衣から放たれる重圧感と耳に残る低い声。


エビルマージC「エレメント系か……いや、純粋なエレメント系とは違い性質は亡霊に属する者に近い」

エビルマージC「呪文も扱えるとして、さて……『私達』を相手にどこまで堪えられるかな?」


嘲笑するかに見えて、その実、決して警戒を怠らずに能力を考察する。

店員が見ている新たな緑衣の魔導師は、確かに一人一人が先程まで戦っていたエビルマージと同一の存在だった。

仕草から、その視線の動きに至るまでが同じ。

僅かに後退りする店員を引き止めたのは白銀のマントのみで浮遊する、仲間のモンスターだった。


シルバーマント「あれの戦い方がいまいち支援型に見えていたが、なるほどこういったタイプのモンスターか」

店員「リリィ……ここは撤退しよう」

シルバーマント「駄目だ」

店員「……何故?」


リリィと呼ばれたモンスターは、虚空から同じく白銀の剣を取り出す。


シルバーマント「男と主任、あの二人ではエビルマージ一人にすら勝てないだろうな」チャキッ

シルバーマント「であれば私とセイバーがやるべきことは見えている」

店員「…………」

シルバーマント「私の力を全く借りずに、あくまでも自身の限界と向き合って戦ってきたお前なら分かるはずだ」

シルバーマント「ここで、お前はエビルマージと戦うべきなのだ」

シルバーマント「ブラッドソードの奴がお前を買っているのも、セイバー……いや、店員、お前が特別だからだ」


シルバーマント「見せつけてみろ、私に、そしてお前が憎んできた『出来ないこと』に」

シルバーマント「逃げずに戦い続けてきたお前の強さを奴等の脳髄に切り込んでやれ」


店員「…………」




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