男「……いよいよメラが使える様になるとか末期だな俺は」
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669:名無しNIPPER[saga]
2015/12/25(金) 16:54:06.20 ID:C6jqQMhWo

……どの位、前の事だろうか。


たった三週間程度前、俺は更なる非日常が訪れる事を予感して自室で崩れ落ちた。


泣いたのか、絶望したのか、もう覚えていない。


少なくとも希望なんてものはずっと抱いていない。


雨に打たれたままの冷えた体で、俺はずっと先の事も過去の事も考えられずにいるのだ。


店員という女性、そしてじごくのよろいとベホマスライムというモンスター達。


彼等に出会い、話をしても俺は何も考えられないでいる。


疲れた。


疲れたのだ、俺はきっと。


だから脳は浅い眠りの中で俺の記憶を整理しようとして夢を見せているに違いない。


でなければ、これは何の意味があるのだろう。




「嫌っ……やめて、やめて下さい…やぁ……ッ」

「動くんじゃねぇ!!」

ガッ!

「……〜〜っ」




何もない雪景色の中で、制服らしき物を着た少女がもがいている。


人の腰まで積もり、掻き分けられて壁の様になっている雪の中に押さえ付けられて。


顔は見えない、悲痛な声を漏らして自身に覆い被さる男に何度も手足をぶつけている。


しかし男は止まらない。


少女は次第に繰り返される暴力と、雪の冷たさに弱々しくなっていった。


何だこれは。


俺の夢にしては悪趣味だった。


だから、これは疲れているに違いない。


俺は……生きる事に疲れているんだ。


そうだ、あの時俺は死んだ、死んだ、俺は死んだ。


四年前……皆と死んだんだ。






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