男「……いよいよメラが使える様になるとか末期だな俺は」
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378:名無しNIPPER[saga]
2015/10/28(水) 22:15:26.48 ID:S4DV6QxNO


──────── ガギィンッ!!



俺は迷い、腕の中にいる主任を強く抱き寄せた瞬間。

目の前を散った火花で俺の意識が前に向いた。

眼前に立っていたのは、黒いさまようよろいだった。


男「な……」

さまよう鎧…?【シィィ……】ギシッ…ギチギチッ


左腕に携えた円盾を前に突き出したまま、右手の剣を構えて動かない。

俺はその鎧の影から向こうを見て声が出せなくなった。



バンパイア【……やはりか】ギロッ

バンパイア【貴様、『依り代』無しに……こちら側へ来ているな?】


さまよう鎧…?【シィィ…ッ】ギギギッ……


バンパイア【さては精霊の力でも借りたのか、裏切り者がぁ!!】


さまよう鎧…?「五歩下がれ、人間」ドンッ

男「っ!?」



激昂を露にして鋭い爪を鳴らして襲いかかる黒マントのモンスターは、その細い身を捻らせて一閃させた。

少なくとも俺にはそうとしか見えなかった。


────────── ジャリィンッッ
    ゴッ!!       ビュガッ……!!

          ギギギギィンッッ ──────────


……だが俺の耳が捉える轟音が、そして数瞬前まで立っていた位置で弾けた閃光が、実際は違うと否定する。

全くの別次元だった。

目で追う事が出来ないならば避けられないのと同じ。

俺が入り込めない世界に、二体のモンスターは互角の戦いを見せていた。


主任「……化け物…っ」

男「…………」





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