忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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87: ◆jOsNS7W.Ovhu[saga]
2013/10/09(水) 02:28:53.62 ID:HJLwRldP0
つらつらと書いていたら、とても長くなってしまいました。
ゆっくりと投下していきます。





 ――人の想いに関わらず、時は過ぎゆく。

 いつしかカラッとした陽気はどこかへ行ってしまい、蒸し暑い時期がやって来た。
 湿気は多く、紫陽花こそ綺麗であるものの、人々の気分は一様に重くなる――梅雨の到来だ。
 とりわけ、梅雨の時期の6月というものは、例外なく学生が最も気落ちする月でもある。

 すなわち――


「……あれ、おかしいな。何度見ても、カレンダーに『赤』がないぞ?」
「陽子――いくら見ても『赤』は浮かんでこないわよ……」


 こんな時期。



――朝・大宮家



忍「それじゃ、行ってきます!」ガチャッ

アリス「いってきまーす!」

母「はいはい、行ってらっしゃい」



バタン・・・



母「……」

母「二ヶ月、か――」

勇「どうしたの、遠い目しちゃって?」

母「勇……」


母「ううん、ちょっと考えただけ」

母「あの子――忍は、高校生活を充実させられてるのね、って」

勇「それは、まぁ」

勇「――この前、クラスの男の子と何かあったみたいだけど」

母「……え?」ピクッ

勇「もしかして、ね……」

母「……」


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