忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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◆jOsNS7W.Ovhu
[saga]
2015/02/05(木) 01:16:17.84 ID:vG49zpyi0
――それから。
私たちは近くのファミリーレストランで、ささやかながら打ち合げをした。
適当に料理を頼んで、思い思いに食べるという感じで。
なんといってもよく食べたのが陽子で、「これ美味いな……」なんて言っている内に、テーブルから料理が消えていった。
シノは、「ふふっ、陽子ちゃんは相変わらず食いしん坊さんです」と、陽子をからかいながら、自分の取り皿に料理を取っ ていく。
……私は、というと。
「もう、陽子。私が取ろうと思っていたのに……」
そんな風に友達をからかいながら、自分の取り皿に料理を載せていったりしていた。
色々と言いたいこと(さっき、陽子に話した『想像』のこととか)はあったものの、今それを俎上に載せるのは無作法と感 じていた。
……せっかく、ささやかながらの『打ち上げ』なのだから。
「……陽子ちゃん、綾ちゃん」
そんなことを思っていると、ふとシノがそんなことを言った。
陽子は口に食べ物をくわえたままで、私はスプーンを取り皿にあてていた。
「私、アリスとカレンを悲しませてしまったかもしれません」
どうすれば、いいでしょうか。
迷うことなくシノは、シノにとっての本題を私たちに訊いてきた。
「……シノはさ、妙な所で真面目すぎるんだよ」
最初に口を開いたのは陽子だった。
いつも通り飄々とした口調のまま、シノに向けて陽子は言う。
「こう言っちゃ悪いかもしれないけど。授業中のシノみたいに、もっと適当に考えてみたらいいと思うよ?」
「た、たしかに授業中はお昼寝とかしてますけど……アリスやカレンに対しては」
「シノ、声が強張ってるわ」
陽子に対してシノが言い返そうとしている所に、私は言葉を挟む。
「シノがアリスやカレンに対して、どれだけしっかりと考えているか、私は知ってる」
でもね、と私は続けて、
「だからこそ――シノは、緊張しちゃダメだと思うの。シノが緊張してると、きっとあの二人も困っちゃうわよ」
ここまで言ったところで、私は気付いた。
こんなに自分の意見を言ったことなんてなかった、ということに。
見れば、陽子は私の方へ嬉しそうな視線を向けている。
……どうしよう。何か言い返したほうがいいのかもしれない。
と、思いながら私は、
「……だ、だから。『適当に』やりましょう、シノ?」
陽子の言を借りながら、私もまた顔を赤らめてテーブルへと視線を落としてしまうことになった……。
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