忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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340: ◆jOsNS7W.Ovhu[saga]
2014/09/19(金) 06:10:22.06 ID:6tdc02e90
 

 ――AM9:48


(あぁ、そろそろ時間が……)


 私は焦った。
 昔から、時間通りに事が運ばないと、すぐに困ってしまう性分だった。
 予定通りにやるべきことをテキパキとこなす。
 その流れが崩れると、途端にポツンとしてしまう。


 10分前になるまで、2分足らず。
 シノの元へ男子二人が行ってから、ハラハラと見ていたけど、そろそろ時間だ。
 シノを呼んで、メイド喫茶側も最後の打ち合わせを行わないといけない――


(……どう、すれば)


 チラッと見れば、和装をした「彼女」は、どこかボンヤリとしている。
 ダメだ。こういう時のあの子は、あまり頼りにならない……。


「……うぅ」


 ゆっくりと、私は立ち上がった。
 ただでさえ衣装のせいで恥ずかしかったのに、心臓の鼓動は倍加したようにすら感じる。
 どうすればいい? 「男子」となんて、話したこともない気さえする。シノは例外中の例外で。



 ――綾、変わったよな――



(……陽子)


 電流が、身体に走ったような気がした。
 「図書室に行こう」と提案した私に、彼女はそんなことを言った。
 その名の通り、太陽のような笑顔で。
 その言葉が、私の中でずっと響き続けている。


「……」


 ゆっくりと、彼らに向かう。
 少しばかり逡巡していた間に委員長まで加わり、どうやら事態はよりややこしいことになっているようだ。
 ……それでも。


(足は、止めない……)


 そう、私は「変わった」はず。
 大丈夫だ、落ち着くのよ私。
 もう、中学時代の私は、いない――!
 四人の近くにまで行き、スゥっと息を吸い、


「……あ、あの」


 我ながら何て、か細い声。
 ちゃんと伝わっただろうか?


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