忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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244: ◆jOsNS7W.Ovhu[saga]
2013/12/14(土) 17:47:09.06 ID:Kls8wf240


 ――二人でブランコを漕いでいる間、私はというと、昔のことが頭に浮かんでは消えていくばかりだった。


 私とシノは、イサ姉の言葉があったからこそ、一緒にいた――なんて。
 やっぱり、自分は騙せない。
 帰り道で思っていた「言い訳」めいたことは、この時間で全て吹っ飛んでしまっていた。


 隣で楽しそうに、ブランコを漕ぐシノ。
 そんな友人の笑顔を見てれば、「言い訳」なんて勝手に崩れてしまうのに。


「……陽子ちゃん」


 ぼんやりとシノを見ていると、シノが声をかけてきた。
 シノがブランコを漕ぐのをやめ、身体ごと私に向ける。


「呼び出したのは、何でですか?」


 その口調は思ったより真剣だったので、私もブランコを止めて、シノと向きあった。

 元々、呼んだ理由なんて、なかったも同然だった。
 ただこうして、高校生になってから二人だけで過ごしたことが無かったことを思い出しただけで。


「――シノと、話したくって」
「お話、ですか……?」


 私はシノに、何を話したかったんだろう。
 そんなもの、大して考えてない。
 だから、この会話だって、行き当たりばったりだろう。上等だ。


「……私は、さ」


 ブランコから降りて、私はシノの前に移動する。
 シノは、ブランコに腰掛けながら、私の顔をジッと見つめる。
 ……よくもまぁ、整った顔立ちをしているものだ。


「シノが、『特別』で――」
「……」
「好き、だよ」


 あ、意外とあっさり言えた。
 こんな言葉を言うだけでも、かなりまごつくと思ったんだけどな。

 で、シノはというと――


「私も、陽子ちゃんのことは、好きですよ」


 意外とあっけらかんと、シノも同じことを言ってくれた。
 お互い、ちょっと顔に赤みが差していただろうけれど、戸惑うことなしに。


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