忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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[saga]
2013/09/01(日) 16:59:40.47 ID:ECufGEjL0
――二人が出会って別れるまでに、抱いた想いに嘘はない。
初めてアリス・カータレットが「少女」と接触した時、アリスはとても臆病だった。
それが、異国の地で生活する「少女」に、どれだけ不安を与えただろうか。
しかし、「少女」はそんなアリスの態度に気を害した風もなく、いやむしろ――
「――アリス! ハロー!」
「……コ、コニチハ!」
ホームステイに来た「少女」のその柔らかな物腰に、アリスは心から安心し、大いに交流を楽しんだ。
それが、アリスの心に、一つの「想い」を生ませる契機となった。
そして、今。
アリスは自身の頭の中で、その時の光景がクルクルと回っているような感覚に囚われていた。
映画フィルムのごとく高スピードで回る、あのイギリスでの日々。
何故、気付かなかったんだろう。
あれからたった2年経っただけで、おおよその日本語は修得できたのに。
そのフィルムの一部だけ、どうして今まで注目しなかったんだろう……?
「……アリス、イギリスはいい国ですね」
「――イ、イエス?」
「はい。『イエス』です!」
「いつか、アリスも日本に来てくれると、凄く嬉しいです」
「――ニポン?」
「……ええ、その時は」
「その時は、『ボク』がアリスと一緒にいますから……」
改めて、思い出す。
この1ページを、自分は都合よく記憶から排除してしまっていたのか……?
そうだ、今なら分かるはずだ。
少なくとも一般的な日本人なら、自分のことを「ウチ」とか「私」とか「あたし」とか言うはずなのに――
「少女」は、「ボク」と呼んだではないか。
ホームステイで触れ合った時間の中で、アリスが「少女」の一人称を聞いたのは、ほぼ全くなかった。
触れ合っていく中で「少女」は、少し油断してしまったのかもしれない。
そう言った後で、ハッと「少女」が口元を抑える光景も、脳内で鮮やかに蘇ったから――
自分の親はどうだろうか? 父も母も、「少女」のことを知っていたのだろうか?
今、それを確かめる術はない。
だから――
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