忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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12:1[saga]
2013/09/01(日) 04:45:11.84 ID:ECufGEjL0


 
 ――私は、一つの「禁」を破ってしまった。
 それは、「日本に来たら、決して嘘はつかない」ということ。

 日本人は、嘘が嫌いだ。
 だから、私はその「禁」を作った、のに――


「……シノ」


 吸い寄せられるように、脚は階段を昇る。
 一歩、一歩。
 トイレの場所を教えてもらいながら、私がやっていることは――


「シノ……」

 大好きな人の名前。
 それを何度も何度も紡ぎ出しながら、私は一つの扉の前に立つ。

 疑念は晴れてくれなかった。
 いや、むしろシノが好きだからこそ、その疑念は大きくなっていった。
 教室で、抱きついた時のシノ。
 その時の――感触は。

「――シノ?」

 コンコン、とノックする。
 本当は、ノックすらしたくなかった。
 すぐに入って……確かめたかった。
 それでも、私の中の理性はそれを押しとどめてくれた。

「……アリス」

 中から、シノの声がした。

「――いいですよ。入って、下さい」

 いつもと何ら変わらない、シノの口調。
 シノはどんな表情をしているのだろう……?
 心拍数が上がって仕方がない。


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