忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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106: ◆jOsNS7W.Ovhu[sage]
2013/10/13(日) 02:40:47.48 ID:Woe7yKGf0
 ――梅雨が明けて、少し経つ。

 どんよりとした曇り空が、カラッとした晴天に変わった。
 学生たちにとって、梅雨明けというものは二重の意味で嬉しいものだ。

 一つは、なによりどんよりとした気分が晴れること。
 人によっては校庭で遊んだり、中庭で青春を謳歌することだろう。

 二つは――


「やっほー! ようやくカレンダーに、『赤』が蘇ったぞー!」
「……陽子、そればっかりね」


 と、猪熊陽子が代弁してくれている通りなので、割愛。


「とはいえ、気は抜けないんじゃない?」
「へ? なんのことだ?」

 この世の春とばかりにステップを踏む陽子の一方で、綾の声音は冷静だ。
 コホンと一息つくと、彼女は陽子の目をしっかりと見つめ、


「――期末試験、近づいてきたわよ……」
「私の春を返せぇー!」
「よ、陽子! い、いきなり近づかないで!」


 綾のすぐ近くまで、にじり寄る陽子。後退りしながら、顔を赤らめる綾。
 そんな二人の胸中に、芽生えた想いは一つ。


「「勉強、しなきゃ(しましょう)!」」




――昼休み・教室


忍「勉強会、ですか……」

綾「そう」

陽子「さすがに、ちょっと頑張らないとなー」

アリス「……陽子、成績良くなかったの?」

陽子「――ちゅ、中間のことは無かったことに……」

綾「現実から目を逸しちゃ、ダメよ?」

陽子「ぐっ……あ、綾、シビアなやつめ」



忍「わぁ、楽しそうですねぇ」ニコニコ

綾「――た、楽しそう?」

陽子「あー、シノは私以上に、真剣味が足りませんなぁ」

綾「……寧ろ、私はあの点数でここまでのほほんとしていられるシノが、羨ましくすらあるわ」ハァ

忍「?」キョトン


アリス「シ、シノはやれば出来るよっ!」アセアセ

陽子「え? アリスはシノのそんな姿を知ってるのか?」

アリス「……」

アリス「わ、私の『第六感』がそう言ってるの!」キリッ

綾(何故、スピリチュアルに……)

陽子(要は、「シノのことは私が誰よりも知ってる」と……やれやれ)


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