らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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668:母の夢の戻り道 1/10[sage saga]
2018/12/04(火) 01:46:35.10 ID:tkcstJKX0

 ―――背はわたしに似ず、性格はそう君に似ませんように。

 わたしを抱いたひとが、そんなことを言う。
 そこには、とてもやさしい、親愛のこもった微笑の表情が浮かんでいた。

「――……?」
 ベッドのうえで息を漏らす。
 わたしをのぞき込んでいた女性の顔から、白い天井へと、いつ、視界が変わったのか。
 もう一度、目を閉じてみても。夢に、立ち戻るなんてことはなく。
 白だか青だか緑だか、なんともいえない色の粒子がまざる、暗い世界が広がるだけ。

 母親の夢をみていたのか、と。自分を振り返った。
 夢に出てきたのは、わたしに似ているひと。
 おかあさん、やっぱり若いひとだなあ。おとうさんには、苦労させられたんだなあ。
 と、ニヤニヤするいっぽうで、珍しいなとも思った。
 さっきまでみていた、夢の内容。それを、目を開けたあとでも、鮮明に覚えている。


「……まあ、あれだよね。あの父(おや)にしてこの娘あり」

 夢の内容を反芻して。自分と父を、省みてみる。
 わたしの将来を想い、しあわせそうに微笑むおかあさん。
 だけれど、現実に、おとうさんが施した情操教育の結果。できあがったわたしはこんなんで……。
 よくよく考えてみると、おかあさんへの良心が、痛まないでも、ないような。しないような……?

 苦笑いとともに、ふう。と息をついた。
 ……線香あげておこうか。 
 ベッドから足を降ろしながら、わたしはひとりごちた。



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