らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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64:ひよりの旅 99/112[saga sage]
2013/02/11(月) 21:27:57.30 ID:W145K4B60
 日曜日の午後三時三十分。神社の入り口で待っていると佐々木さんがやってきた。
あれから誰とも連絡は取っていない。もう私の出来る事はし尽くした。
これで私の関わるミッションは全て終わる。小林さんとひろしさんは私が直接関わっていないから高良先輩にお任せだ。あとは時間が解決してくれる。
すすむ「場所は知っている……別に待っていなくても……」
ひより「もしもがありますからね……行きますか」
倉庫の広場に付いた。
ひより「私が居てはなにかとやり難いでしょ、私は帰りますね……」
すすむ「……何から何まで世話になったな……」
ひより「さよならは言いませんから……」
私は広場を出て茂みの中に入り回り道をして広場出口の反対側に出た。ここなら誰にも見つからない。
さて、ゆーちゃんの手伝いは終わった。この後の展開を見るだけ……そう、見るだけ……

 午後三時五十九分……そろそろ時間。
『ザッ、ザッ、ザッ』
出入り口の方から足音が聞こえる……来た、ゆーちゃんが来る……
すすむ「いのりさん……」
いのり「佐々木さん……」
えっ……そ、そんな……
そこに来ていたのはゆーちゃんではなくいのりさんだった。
ば、ばかな、ゆーちゃんが来ないと、ゆーちゃんを先に会わすのが私の目的だった。私の様な失敗はさせまいと思ってゆーちゃんを最優先にしたんだ。
これは何かの間違えだ。私は茂みを掻き分けようと前に出た。
「邪魔したらだめ」
後ろから小声で私を止める人がいる。後ろから手が伸び私の腕を掴むとグイグイと茂みの奥に引っ張り込まれた。すごい力だ……いや、後ろから引かれているから力が出ない。
いのりさんと佐々木さんが見えなくなるまで移動すると手を放した。後ろを振り向くとゆーちゃんが立っていた。
ひより「ゆーちゃん!!」
ゆたか「やっぱりひよりちゃんはこうすると思った、来て良かった」
ひより「良かったって……ま、まさか、最初からいのりさんを会わすつもりだったの……どうして……」
ゆたか「だって、そう言ったらひよりちゃん反対するでしょ」
笑顔で話すゆーちゃん……
ひより「当たり前じゃない、これじゃ私と同じじゃないか、バカ、ゆーちゃんのバカ……お人好しすぎだ……」
ゆたか「まだ、二人が結ばれるなんて決まっていない……私は確かめるの」
ひより「確かめるって……何を?」
ゆたか「いのりさん佐々木さんの恋人の生まれ変わりかどうか……そうなら二人は結ばれる、違っていれば私にもチャンスがある……」
ひより「そんなおとぎ話みたいな話なんてないよ……」
ゆたか「だから確かめるの……生まれ変わりだったら素敵でしょ……」
ゆーちゃんは目を輝かせて広場の方に歩いてった。

 ゆーちゃんは絵本を書いた事をあるのを思い出した。メルヘンやファンタジーはゆーちゃんの大好物。 
ゆーちゃんに千年越しの恋話はしてはいけなかった……でも、あの時はまさかゆーちゃんが佐々木さんを好きになっているなんて知らなかった。
遅い……そう、遅い。たかしが私に言った言葉を思い出す……
先読みしていたつもりだった。だけど現実はその先を進んでいる。所詮恋愛の手助けなんて……
ゆーちゃんは自分を犠牲にしてまつりさんと佐々木さんをくっ付けようとしたのか。
違う。
……ゆーちゃんのあんなに喜んでいる姿なんて久しぶりに見た。犠牲になるような人があんな嬉しそうな顔になるのか……
ゆーちゃんはそれを選んだ……私はそれをただ見守るしかない……それなら見させてもらう、いのりさんが生まれ変わりかどうか。
私はゆーちゃんの後を追った。




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