らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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ひよりの旅 87/112
[saga sage]
2013/02/11(月) 21:15:14.57 ID:W145K4B60
お稲荷さんが涙を流すのを初めて見た。つかさ先輩やかがみさんはもう見たのだろうか。でも見たと言っても人間の姿だから特段珍しい光景ではない。
千年前の恋人か……私に同意を求めていて悲壮に満ちていたあの姿は流石にもらい泣きしてしまった。いのりさんと逢う度に懐かしさと悲しさが同時に来たに違いない。
逢いたいけど逢えないか……拒み続けていた理由が分った……解決できるだろうか……それにはいのりさんに佐々木さんの全てを話す必要があるような気がする。
そうでないといのりさんは決められない……
そんな事をしたらまつりさんの二の舞になるかも……それとも受け入れてくれるかな……どちらにしろいのりさん次第か……
そういえばまなぶはまつりさんと会う約束をしたって言っていた。まさか……告白する気なのだろうか。佐々木さんとまなぶの会話だとそう取れる言い方だった。
佐々木さんとの話しで気にていなかったけど、これはこれで凄い事かもしれない……成功するのだろうか……失敗しても故郷には帰らないって言っていたっけ。
それなら失敗したら私が……あれ、失敗したらどうすると……私ったら何を考えている。失敗を前提にしているなんて……
『ブーン、ブーン』
ポケットから振動を感じた。携帯電話だ。私は考えるの止めて携帯電話を手に取った。ゆーちゃんの名前が出ている。出る前から用件は分かるような気がした。
ひより「もしもし……」
ゆたか『あ、ひよりちゃん、今何処にいるの?』
ひより「整体院を出て駅に向かっている所……」
ゆたか『丁度良かった、今から家に来られないかな、相談したい事があるのだけど』
ひより「それってワールドホテルの脱税事件の話しかな……」
ゆたか『テレビのニュース見たの……つかさ先輩達大丈夫かなと思って……私達が心配してもしょうがないけど……』
やっぱりこの話しか。ゆーちゃんの所までなら歩いて行ける距離だ。
ひより「いや、心配するだけで意味はあると思うよ、分かった、そっちに行くから」
ゆたか『ありがとう、待っているね』
私は駅から泉家に進路を変えた。
泉家に付くとゆーちゃんが出迎えてくれた。
ゆたか「いらっしゃい、待っていたよ、私の部屋で話そう、あっ、そうそう、みなみちゃんと高良先輩もこっちに向かっているから」
ひより「高良先輩……」
ゆたか「そうだよ、高良先輩が来ると頼もしく感じるよね……」
そうか、みなみちゃんが今までの事を話してくれたのか。高良先輩からもいろいろ聞けそうだし。もしかしたら何か解決策が見つかるかもしれない。
ひより「そうだね……」
ゆたか「後、宮本さんにも携帯電話をかけたのだけど……マナーモードになっていて連絡取れなかった、整体院に行っていたでしょ、留守だったの?」
マナーモード……さては勝負をしているのか、それとも既に勝負が付いているのか……
ひより「彼は今まつりさんと会っている、邪魔したら悪いよ……」
ゆーちゃんは驚いた顔で私を見た。
ひより「人間に長時間居られるようになったし、この前のような失敗はないと思うよ……どうしたの、そんなに驚いて……」
ゆたか「う、うんん、急な話しだったから……」
今度は心配そうな顔で私を見た。
ひより「……私も急な話しだった」
ゆたか「大丈夫なの?」
ひより「大丈夫って何か?」
ゆたか「え、えっと、その、ひよりちゃんは宮本さんの事を……」
ひより「それはこの前話したと思ったけど」
ゆたか「あ、そ、そうだったね、ごめんね、蒸し返しちゃって……そ、それより、大変な事になっちゃったね」
ゆーちゃんは慌てて話題を変えた。謝るなんて、そんなに私怒っていたかな……
ひより「佐々木さんから聞いた情報だと……」
みなみちゃんと高良先輩が来るのか……
ひより「二度手間になるから二人が来てから話すよ……」
ゆーちゃんはまた心配そうな顔になった。
そして二人が来るのを待って私は整体院で佐々木さんと会話した内容を説明した。
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