らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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319:こなたの旅 22 1/7 [saga sage]
2014/03/31(月) 21:50:38.42 ID:Gf4pjY+v0
22

 足元に大男が横たわっている。倒したのは武道の心得のない女性記者。神崎さん。蹴りや手刀で攻撃したのではない。お稲荷さんの秘術を使って倒した。
神崎さんは私と目が合うとにっこり微笑んだ。
あやめ「これで、相子ね……」
相子……それってこの前の潜入の事を言っているの……
確かにあの時と逆だ。私はさっき警備員と戦う覚悟がなかった……
こなた「お相子って……神崎さん……」
すすむさんが私の前に割り込んできた。
すすむ「神崎あやめ……お前、何者だ、さっき手をかざした時、警備員の記憶を奪ったな……何故人間のお前がそんな事が出来る」
すすむさんが神崎さんに詰め寄った。
あやめ「泉さんの顔を見られた……顔を覚えられるのは避けたい……」
記憶を奪う……もうこれは人間技じゃない。間違いない。神崎さんはお稲荷さんだった。
すすむ「ば、ばかな、我々4人以外は全て帰ったはずだ、それになぜメモリー板が反応しない……人間になったのか?」
神崎さんは倒れている警備員を見た。
あやめ「……そんな詮索をしている暇なない、見なさい……」
私とすすむさんは警備員を見た。胸のポケットに入っている手帳の様なものが赤く点滅している。
こなた「なに、点滅している……」
あやめ「転倒センサー……警備員が倒れれば何か異常があるのは明らかよね、センサーが感知して警備管理センターに通報された、間もなく大勢やってくる」
辺りは静か。警報音も人がくる気配もない。
こなた「た、ただの無線機じゃないの、警報も鳴ってないし、静かだよ」
神崎さんは首を横に振った。
あやめ「ここの警備員は貿易会社直属、それに警報は鳴らない、分かるでしょ、ここ他人には知られてはならない秘密の場所、彼等は侵入者に容赦しない」
あの警備員が向かって来た時の勢い、凄くて圧倒されたのはその為……
すすむ「詳しいな、神崎あやめ、以前に此処に入ったのか……」
神崎さんは何も言わず微笑み私達に背を向けた。
あやめ「もう時間がない、早く逃げて……私が引き付ける……」
こなた「引き付けるって……どうするの?」
あやめ「早く、行きなさい……」
こなた「……で、でも……」
あやめ「捕まったら命の保障はない」
こなた「わ、私がパソコンを触っていなかったら……こんな事に……ごめんなさい……」
あやめ「泉さんがそうしなくても結果は同じだった、それに小林さんと約束したから、誰も傷つけないって、逃げ切って……さぁ、早く」
かがみ……かがみのバカ……そんな約束しちゃダメだよ
こなた「で、でも……」
私の腕をすすむさんが掴んだ。
すすむ「行くぞ!」
遠くから沢山の足音が聞こえてきた。一人や二人じゃない……ぞっとしてきた。
すすむさんが力強く引っ張る。
こなた「今なら一緒に逃げられるよ」
足音はどんどん大きくなってきた。数人どころじゃない大勢の足音。すすむさんが更に強く引っ張る。
神崎さんは私に背を向けると足音がする方向に向かって走り出した。通路の曲がり角を曲がると神崎さんは見えなくなった。
『※!!#&☆』
意味の分からない怒号が飛交う。警備員は日本人だけじゃないみたいだった。足音が私達から遠ざかっていく。
すすむ「彼女の行為を無駄にする気なのか?」
……すすむさんの言葉に私はどうしようもない気持ちでいっぱいになった。
私達は思いっきり走って出口に向かった。



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