らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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167:こなたの旅H 4/4[saga sage]
2013/06/29(土) 21:11:14.12 ID:yEHDPHfR0
 C開店1分前。
こなた「あの角を右に曲がればすぐ資料室だよ、監視カメラに気をつけてね」
あやめ「ここから先は私がする、ありがとう」
神崎さんは私の手をとってにっこりと微笑んだ。眼鏡を取ると曲がり角を見た。彼女の顔が一変して厳しくなった。そして角に向かって歩き出した。
曲がり角を曲がると彼女は見えなくなった。さて。私は戻るかな。

 何だろう。この胸騒ぎ……
階段を下りている途中だった。何か嫌な予感がする。
神崎さんはちゃんと資料を集められるのか……
パソコンの操作は大丈夫なのか……
警備員は本当に居ないのか……
監視カメラは本当に止まるのか……
私は立ち止まった。そして上の階を見上げた。
彼女なら問題なく出来るさ、それに彼女自ら自分だけでするって言った。私がしゃしゃり出て手伝ったら今度こそ怒られそう。
下の階を見て下りようとした。
………
だめだ。やっぱり気になってこれ以上下りられない。かがみが自分の招待状を渡してまでして協力してくれた。本当は来たかったに違いない。
それに別れ際のあの笑顔。喧嘩をした相手にあんな表情なんか出来ない。
もし、警備員に捕まればあの貿易会社の事だ。どんな仕打ちがまっているか分からない。警察沙汰になるならまだましかもしれない。
そんな事になれば神崎さんのお母さん、正子さんが……
放っておけない。怒られても構わない。私の予感が外れていればそれで良い。

私は走って階段を駆け上った。そして神崎さんと別れた場所を過ぎ曲がり角を曲がった。扉は開けられたままになっていて静かだった。カードキーが正常に働いたみたい。
私はそのまま資料室に入った。神崎さんがパソコンの画面で何かを操作している。後ろを向いているのでどんな事をしているのか分からない。
入ってすぐに神崎さんは私に気付いたのか後ろを向いて私を見た。神崎さんの顔色が真っ青になっていた。
あやめ「ど、どうしよう」
かなり動揺している。
こなた「どうしたの?」
私は神崎さんの側に駆け寄ってパソコンの画面を見た。
「warning」
画面に大きくそう書かれていた。そして画面が赤く変色している。これは……
咄嗟にポケットからUSBメモリーを取り出しパソコンに挿した。「warning」画面がそのままの状態で止まった。
神崎さんは私を見た。
あやめ「な、何をしたの?」
こなた「パソコンの動作を一時的に止めた」
このUSBメモリーはめぐみさんがくれたもの。めぐみさんの作ったハッキングプログラムが入っている。私はそのままキーボードを打ち始めた。
あやめ「操作なんかして大丈夫なの?」
こなた「パソコンを完全にハッキングして外部から一度遮断して隔離するよ、そうじゃないと多分警備会社に連絡が行っちゃうかもしれないからね」
使う気はなかった。だけどあの状況では使うしかなかった。
私の悪い予感が当たっていた。それにUSBメモリーを持ってきておいてよかった。
10年ぶりに使うめぐみさんのプログラム。でも体が操作をまだ覚えていた。
こなた「完全にこのパソコンは私の手中に入ったよ……それで、どのフォルダーをコピーするの?」
あやめ「え、あ、えっと……」
神崎さんに言われる通りのフォルダーをUSBメモリーにコピーした。
 私は時計を見た。開店時間を1分過ぎていた。あと2分か……
こなた「このビルの管理サーバーにアクセスしてと……やっぱり防犯カメラはこのサーバーに一回記録される仕組みなっているね……
さっきのワーニングでカメラが起動したかもしれないから念のため今から3分前の画像データを消去するから、
    それからこれから3分間電源を切ってこのビルを停電にして、その隙にここから逃げよう」
あやめ「そのパソコンはどうなるの、ハッキングなんかしたらバレてしまう」
こなた「大丈夫、このUSBメモリーを抜けば履歴もなにも残らない」
あやめ「あ、貴女……プロのハッカーなの……いや、プロでもそんな事は出来ない……泉さん、貴女は何者なの……」
残り1分……
こなた「時間がないよ、行こう!!」
携帯電話を取り出し明りを付けた。そしてUSBメモリーを抜いた。部屋の照明が切れて停電になった。しかしパソコンの電源は入ったまま再起動になった。
やっぱりUPS機能が付いていた。
私は立ち上がり照明を部屋の出口に向けた。
こなた「行こう」
あやめ「あ、待って」
神崎さんは鞄からハンカチを取るとキーボードを拭きはじめた。指紋を消しているのか。まだ起動中だから問題ない。私は照明を神崎さんの手元に向けた。
拭き終わると神崎さんは私の後に付いた。
こなた「非常口から出て下に降りよう、走るよ」
あやめ「うん」
携帯の照明を頼りに非常口を出て下の階34階に下りた。

こなた「神崎さんはそのまま非常階段で下まで下りて、私はこのままサイン会に紛れて出るから」
神崎さんはじっと私を見ている。
あやめ「神社の寄贈は匿名で、しかもネット経由だったって聞いていた……泉さん……まさか、もしかして本当に……」
さすがにあそこまでネタバレしたら分かってしまうか。
こなた「……だから言ったじゃん、嘘はついてないって……」
あやめ「泉さん……私……」
こなた「時間がないよ、データは明日神崎さんに家で渡すから、それで良いでしょ」
あやめ「う、うん……明日の夕方で…」
神崎さんは何を言おうとしたのかな……それは明日分かるか……




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