らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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109:こなたの旅B 5/8[saga sage]
2013/04/27(土) 17:15:08.29 ID:52lA7s3a0
 車を近くの駐車場に停め、柊家の玄関の前に立ち呼び鈴を押そうとした時だった。玄関の扉が開いた。
みき「あら、泉さん?」
こなた「こんにちは……つかさはいますか?」
みきさんが出てきた。そしてすぐにただおさんも出てきた。
みき「つかさなら帰ってきて……」
みきさんとただおさんはとても困った顔をしていた。
みき「帰ってくるなり自分の部屋に入ったまま出て来なくて、もしかしてひろしさんと喧嘩でもしたのかしら……」
みきさんとただおさんは顔を見合わせていた。
こなた「つかさに会えますか?」
みき「どうぞ入って、私達はこれから買い物に出かけてしまうからおもてなしはできないけど……」
こなた「いいえ、お構いなく……」
私は家の中に入ろうとした。
みき「泉さん、つかさをよろしくお願いします……」
こなた「え、あ、はい」
みきさんはつかさの部屋の方を見ながらそう行った。そしてただおさんと駅の方に歩いて行った。
みきさんはつかさを心配している。幾つになってもつかさはみきさんにとって子供なのか……母と子か……羨ましいな……
って、私はこんな気持ちになるために来た訳じゃない。こんな歳になって……
家に入り二階のつかさの部屋に向かった。姉たち三人は全てこの家を出て行った。つかさだけがこの家に残っている。高校時代からつかさの部屋の位置は変わっていない。
かさの部屋の扉が人の入れる位の隙間があって半開きのままになっていた。廊下からつかさの部屋を見た。
カーテンを閉めて薄暗いままの部屋につかさが椅子に座っている。片手に何かを持ってそれをじっと見つめていた。よく見るとそれは木の葉っぱだった。
葉っぱの付け根を摘んで人差し指と親指をゆっくり動かしながら葉っぱをくるくる回転させてそれをじっと見ていた。なんで葉っぱなんか持っているのかな……
それに葉っぱを見つめるつかさの目ががこれまで見た事ないような悲しげな表情をしている。
つかさは私に気付いていない。私は一歩つかさの部屋に入り半開きの扉をノックした。
つかさ「はぅ!!」
音に驚いたつかさは慌てて葉っぱを財布に仕舞い私の方を向いた。
つかさ「こ、こなちゃん!?」
こなた「驚いちゃったかな、私に気付いていなかったみたいだから」
私は窓まで移動してカーテンを開けた。午後の日差しが入ってきてつかさに当たった。つかさは眩しそうに目を細めた。明るくなって気付いた。つかさの目が少し赤い。泣いていたのか。
つかさ「あ、い、いらっしゃい……気付かなかった、お母さんなんで教えてくれなかったのかな……」
こなた「おじさんもおばさんも買い物に出かけたよ、私と入れ替わりにね」
つかさ「そ、そうなんだ……こなちゃん、仕事はどうしたの?」
こなた「今日はおやすみ、つかさの方こそどうしたのさ、お店をほったらかしにして帰っちゃうなんて」
つかさ「う、うん……」
つかさは言葉を詰まらせて項垂れた。
まぁその理由は知っている。だけどつかさは落ち込んでいるからいきなり本題にはいると話し難いな。
こなた「さっき持ってた葉っぱは、何?」
つかさはゆっくり首を上げて私を見た。
つかさ「見てたんだ……こなちゃんはあれが葉っぱに見えたの?」
こなた「見えたも何も葉っぱ以外にには見えないよ」
つかさ「それなら前に一度見た事があるよ……覚えていない?」
こなた「一度見ているって……」
つかさ「最初見た時は一万円札に見えた……だけど一日経つと……」
……思い出した。それはお稲荷さんの真奈美がした悪戯の葉っぱだ。
こなた「まだ持っていたんだ……」
つかさ「まなちゃんの形見だから……婚約者のたかしさんが言ってくれた、これは私が持っていろって……辛いとき、悲しいとき、これを見ているとまなちゃんの事を思い出すの」
こなた「知らなかった……」
つかさと同居していた時もそうだったのかな。全く知らなかった。同居していたと言っても食事以外はそれぞれ自分の部屋で過ごしていたから細かい所までは分からない。
つかさ「こなちゃんは取材に参加したの?」
つかさの方から話しを持ってくるとは思わなかった。
こなた「うん、そりゃ店のスタッフだし、ホール長だから」
つかさ「そうだよね、うん、分かってる、私なんかもうレストランかえでのメンバーじゃない、関係者じゃない……だから怒られた……」
こなた「そ、そうだよ、分かってるジャン、それが分かっているならもう大丈夫だよ」
本当は違うけどね。
つかさ「こなちゃんはかえでさんが何故取材拒否してるか知ってるの?」
こなた「もちろん、店が混雑してお客様へのサービスが低下するのを防ぐため……」
つかさは私をじっと見ている。何か言いたげにしている。
つかさ「かえでさんね、ずっと昔取材を受けたことがあって……」
私は驚いた。かえでさんが取材を受けた事があるのに驚いた訳じゃない。神崎あやめがかえでさんに取材を受けるのが初めてなのかって聞いていた事に驚いた。
彼女はかえでさんの嘘を見破っていたのか。受け答えが慣れていたから。仕草からなのか。事前に調べていたのか……どちらにせよ彼女の洞察力は侮れない。
つかさは私の表情を見てからまた話し出した。
つかさ「知らなかったの?……辻さんが亡くなって、その一番の親友であるかえでさんに自殺した原因があるのではってしつこく嗅ぎ回れたの、辻さんの死を悼んでいる余裕もなかった
    って言ってた、かえでさんの心の中に土足で入ってくるような嫌らしさがあったって、だから記者を嫌いになったって……」
こなた「知らなかった……」
そっちの方が理由としては強かったのかもしれない。
つかさ「そんなかえでさんが何故急に取材を受けるなんて……私、分からないよ、こなちゃんなら何か聞いているでしょ」
理由は只一つ、つかさの側ににその記者を行かせない為、つかさを守る為。それは言えない。
こなた「え、えっと」
潤んだ目で訴えている。教えてくれって。だけどなんて言えば良いんだ。
こなた「昔の取材の話し、私は知らなかった、もしかしてかえでさんに内緒って言われていなかった?」
つかさ「えっ、うん、言われていたけど……」
こなた「つかさ、内緒って意味知ってる?」
つかさはおろおろし始めた。
つかさ「知ってる……よ」
こなた「それじゃどうして私に話したの」


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