485: ◆7MD0tm3Wnt1M[sage saga]
2022/10/13(木) 21:08:19.99 ID:3CnHKT+N0
なるほど彼女か。
いまひとつ浮き世にあらずが常の君も関心を示す対象があると。
下世話とまでは言わないが、随分と人がましいな君も。
そうかい？ そうかもしれないな。
他人が無機質に指摘した自身におかしみでも感じたのか、彼はやや芝居がかった様子で肩をすくめる。その挙動は劇場の類で見る品の良さが漂っているようにも思えなくない。旧世紀の作家がいうように世そのものが劇場であるのであれば適格そのものだ。
しかし万人に好まれるように作られ、特に異を唱えることもなく育ち生きてきた者と自分ではやはり認識と感覚が違う。同じような物言いで嫌悪される者もいるだろうが、彼の所作含む総合は精々が呆れ程度に緩和する。
あらず、あらず。そうだな。
彼女もまた世から外れているところがありそうだからね。
何しろ私は色々と知らされているわりに知らされていないことも多い。
共通項か。なかなかに恋物語の発端と言い張れなくもなさそうだが？
いう自分でも本気で取り合っていないようだが楽しげだ。
退屈しのぎのどうでもよしといったところか。
君の言葉遊びも嫌いではないが失礼するよ。
あまりもたもたしていると、知らないどこかで扉が閉まってしまいそうな気がするのでね。
ああ。行ってくると良い。よい旅を。
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