377: ◆7MD0tm3Wnt1M[sage saga]
2022/06/13(月) 23:38:42.57 ID:oG2gM1780
ちょっと濡れちゃったよ。
子供なのか少女なのかよくわからないような声音。
猫鬼は呟いて外套を脱ぎ衣紋掛けに掛けている。
長靴も既に脱いでいる。
宿に戻る前に雨が降りだした。
ちょっとねえ。急いだ方がいいよねえ。
外套も長靴も防水だが、あまり湿気たくない様子で猫鬼は小走りになった。
小雨なので別に多少濡れても良かったが猫鬼に付き合うことにした。
ててて、と猫鬼は湿り始めた土の道を駈ける。
時期のわりに冷え冷えとした夜が後ろに流れて行く。
街の門が近付いてきた。正門は既に閉じているが、脇の詰め所の明かりは付いている。
消えていたら問題だろう。
簡単な手続きをして副門から街に入る。
あとは宿に戻るだけだ。
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