341: ◆7MD0tm3Wnt1M[sage saga]
2022/05/18(水) 01:49:30.10 ID:Z5EIWZ4W0
ここは、どこだというの。彼女は呟きました。
彼女は観客席に座っています。気付けばそこに座っていました。
舞台はただ照らされるだけで何の演目も行われていません。
インタールード、幕間と言ったところかな、と青年の声が聞こえました。
誰? と彼女が辺りを見回しても姿は見当たりません。
名乗るほどの者じゃないよ。おひめさま。そう声が続きました。
随分な呼び名ね、と彼女は呟きました。
お気に召さないかい? 似つかわしいと僕は思うが。
召しません。彼女は緩慢に首を横に振り、その黒く艶やかな長い髪はしずかに揺れました。
それは残念。そうなると僕はきみをどう呼ぶべきか少々困りつつある。
彼女は目を伏せたままため息。では御随意に。話に詰まられる方が面倒だから。
躊躇いの間。そうかい? なら、おひめさまで通させてもらうよ?
どうぞ。座り心地のよい座椅子に彼女は沈み込みました。
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