過去ログ - 放課後の理科室、水槽のフグ、剥製の鳥、窓から差し込む陽光、夏の風、空を舞う青い鳥 -AA独り言

過去ログ - 放課後の理科室、水槽のフグ、剥製の鳥、窓から差し込む陽光、夏の風、空を舞う青い鳥

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283:名無しNIPPER[sage/saga]
2020/07/19(日) 11:45:11.32 ID:xaBbuCi4o

「あなたの国の戦闘機が海に落ちるのを見た。それについての説明を聞きたいのだが、あなたの命令だったのか？　辛かったろう、部下に死を命じるのは」
「当然だ」
　通訳の男が大統領に耳打ちする。
「……今、誰かがこれは罠だと言っています。反撃すべきと」
「ソビエト領空は今のところ平静を保っている、大統領。だが、侵犯されたら撃墜する。それから、我が国はミサイルと全戦闘機を待機する」
「我が軍の爆撃機を撃墜することは了解しますが、決してそれ以上のことはなさらないようにしていただきたい」
「防衛せねばならない」
「しかし、そちらのミサイルが発射されれば、こちらも同じことをする。生き残る者は少ないです」
「……了解した。他に言いたいことはあるか？」
「一つ提案があるんだが、オマハのアメリカ空軍司令部とソビエト空軍の司令部とを通信ラインで結んでおきたい。どうだろう、お互いを助け合うために」
「我が国に助けは必要ない。自分の国は自分たちで守る」
「お好きなように。だが、断っておきますが、そちらが何をしようと、　少なくとも1機は目標に達するでしょう」
「目標とは？」
「モスクワです」
「……後でかけ直す。軍備を確認する」
　通話が切れ、大統領は受話器を置く。

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