過去ログ - 放課後の理科室、水槽のフグ、剥製の鳥、窓から差し込む陽光、夏の風、空を舞う青い鳥 -AA独り言

過去ログ - 放課後の理科室、水槽のフグ、剥製の鳥、窓から差し込む陽光、夏の風、空を舞う青い鳥

↓ 1- 覧 板 20

282:名無しNIPPER[sage/saga]
2020/07/19(日) 11:42:16.11 ID:xaBbuCi4o

　アメリカ大統領が通訳の男を介して、ソビエトに緊急の電話をかけている。
「議長ですか？　アメリカ合衆国大統領です。私の声が聞こえますか？」
「ええ、聞こえますよ。元気ですか？」
「議長、緊急な要件で電話を差し上げた。些細なことで終わればいいのですが……。はじめて起きたことで、決して誤解しないでいただきたい」
「それは、こちらへ向かって飛んでいる飛行機のことを言っているのですか？」
「そうです、議長」
「こちらとしては、よくあるコースを逸れた偵察機だと。大統領、何度も警告をしました。武装した戦闘機を飛ばすのは、ソビエトに対する……」
「間違いなのだ。これは重大なミスだ。これは重大なミスです」
「よろしい。それでは、何の間違いです？」
「20メガトンの水爆を2基積んだ爆撃機編隊が、貴国へ向かってしまったのです」
「監視します。注意深く見ています、引き返すのを」
「それが……呼び戻すことができないのです」
「……つまり、呼びかけに応じないということですか？」
「原因はわかりません。機械的な故障かもしれませんが、とにかく事故なのです。戦争を起こすためでも、貴国に対する攻撃でもない」
「どうやって理解しろというのです？　戦闘機がレーダーを避けて飛ぶ理由を」
「事故であることを証明したいのです。今、責任を持って間違いを正しているところです」
「続けて」
「爆撃機を撃墜するために、戦闘機を飛ばしたのはご存知か？」
「アメリカの戦闘機が、アメリカの爆撃機を？」
「その通りです」
「あなたが命令を？」
「出しました」
「どうすればわかる？　こちらのレーダーを避けるために高度を避けたのかもしれない」
「制御不能機として我々司令部のスクリーン上に表示された。そちらにも同じ装置があるでしょう？」
「あなたの真意が読み取れません、大統領」
「さっきから話してます」
「信じろというのですか？」
「信じていただきたい」
「この難しい時にですか？」
「今、我々が信じ合わなかったら、もう機会はない」

<<前のレス[*]｜次のレス[#]>>

1002Res/2763.69 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ