他所では書きたくないことを書くための鍵付きの箱
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57: ◆hrnlXUwgqq8a[sage saga]
2019/08/16(金) 03:15:52.19 ID:E1VTHCJp0
おじさん、だいじょうぶ?

歌い終えた少女はパーシヴァルのそばで
ぺたん、と座り込んでいた

こういう歌も知ってるし
おじさんが物凄く苦しそうだったから

少女は淡々と告げた

「……礼は言っとくぞルシール」
「討伐の分け前を余分にもらっとけ。俺が言ってたって言えば通るだろ」

パーシヴァルは立ち上がり、塒への歩みを進めた
べつにいいよそんなの、と少女は後を追うつもりで立ち上がりかけたが
手負いの獅子のような気配に気を削がれ、ぼんやりと見送った

辺りには誰もいない

ベルおじさんが来てくれたら、もうちょっとましになるかなあ
でも、名前呼んでくれただけ、まだいっか
座り込んだままの少女は俯きがちに、小さな溜め息をついた


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