964:以下、名無しにかわりまして一人でお送りします(不明なsoftbank)[sage]
2021/03/11(木) 21:22:58.24 ID:v0Bz5Pbw0
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/ / \ 小さいころ、ホワイトチョコレートに憧れていた。
/ /| | \ \ その純白のお菓子が、わたしには摩訶不思議な
___ ____ __ / / /^| ∧ | | おもちゃみたいに見えていたのだ。あるいは、
/.....`´........`( .........V / /X |/ l | | | きらきら輝く宝石のようにも。
!.../.............................. ノ / 芹、 /_/ | | | |
∨..............................八 /イ l〈 {:l'} ´ヌトx从ノ | | | ママがときどき、おやつにチョコを与えてくれるたび、
{.....................................ト, | ハ V {:リ 〉 | /!: | | わたしは「どうして白くないんだろう?」と考えた。
八.................................. }ノ ||{""′ ` "" / /ノ}::. | | 「どうやったら白くなってくれるの?」と悩んだ。
\................-''''''ミノ || \ 、 .:| |_ノ、::. | | わたしという子は、ホワイトチョコレートが黒を白に
ヘ{............/{............\ |∧ {.>―r< | /_: : |: || | 染め上げて作られたものだと信じて疑わなかったのだ。
{'´{........ 〈ヽ\............ ̄ ̄`ヽ ) ノX/ 」 , /┼\ /| |
∨..........∧ \_____ノ人(/廴} _//‐<┼] / \ \ わたしはホワイトチョコレートに思いを馳せた。
/...............人 }`'〜、、-|,.ィヽヘ<芥>ニ/イ.l‐┼┼Yヽ /| |\ \ どんな味? どんな食感? 甘いのかな、苦いのかな。
.........................\ ``-ノ┼\ハ〉__/メ┼┼┼ }!-}/// | | サクサクするのかな、トロトロするのかな。
{.............................``〜、、 /‐┼┼ ̄\┼┼┼┼/-// / / それはどこか空想に似ていた。魔法の箒で空飛ぶ夢を見るように、
八.................\..................(\/┼┼┼┼┼┼┼┼//  ̄ ̄ わたしはホワイトチョコレートを口にしたいと願っていた。
>― ''~⌒>―― ''\____┼┼┼┼┼┼/../
|-/、 \_____/┼/ だからこそ、両親にそれをねだるのは憚られた。
|/:/ }iト=゙--|┼┼┼_/ わたしはこれで、意外とおりこうさんだったから。サンタクロースの正体が
/:i:{ || | |┼┼┼ \ ママとパパなことにも、幼くして気づいていたから。空想の産物である
{:i:i:{ || | |┼┼┼┼〈 ホワイトチョコレートを求めたところで、大人を困らせるだけだと思ったのだ。
/⌒">―/| || | ヽ‐┼┼┼‐\ もしもわたしが頼んだら、両親は喜んでそれを用意してくれただろうに。
(__L⌒\ー \.| | | \..┼┼┼‐}\___ まったく……子どもの浅知恵ほど、役に立たないものはない。
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