422: ◆lu5mqPKdjRWD[sage saga]
2020/02/03(月) 23:40:58.91 ID:OJJ5ImLg0
雪が降り始めた
ただ、ひとりのための、閉じた庭園に
雪のひとひらが、ひとひらが、無数に
"どうしても、外においでになるのであれば"
"姫、身支度を致しましょう"
短い時間のうちに
随分と、雪はつもり
"やはり、外は、お寒いでしょう"
"まだ、少しおられますか"
灰と白と、紺の光景に、薄暗がりが滲み始めている
姫君は、滅びた神の、最後のひとかけらは
どことなく、うつろで、はかなげに
従者を見上げ、微かに頷いた
#創作メモ
1002Res/996.88 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20