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128:名無しA雑民
2024/04/12(金) 15:23:30.94 ID:1sicjWbco
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　　　 /: :-- : : : : : : : :＿,,: :斗fセ}∨ﾐ丶: : :.　　　　　　　『死に山　世界一不気味な遭難事故ディアトロフ峠事件の真相』を読了しました…！
.　　　 /: : : : : : : : : ／^＼: : : ＿}: : | ',: :＼＼:＼　　　　　この本は1952年に実際にソ連で起きた遭難事故の謎を解くノンフィクション小説です。以下、感想です…！
　　　 ′: : : : : : : :'´: : >ヽr≦=ミ､',::|　',: : ::＼｀Y:ﾞ.､　　　　最初に目次に目を通したとき、私にはこの本は読めないかもしれないと思いました。
　　　|: : : : :ﾍ: : : : :／　' i! 　,)｡::::ﾑ',}!　 ,: : :'ﾍ:＼}: ::丶　　　なぜなら、・2012年　・1959年1月23日　・2010年　というように過去と現在が入り乱れて書かれていて、とても複雑そうだったからです。
　　　|: : : :∨ﾍ: :／　　　　　又::シ　}　 ,: : : : :＼}: : : 丶　　無理かもな～と思いながら読み進めていたのですが、p.34の文章で一気に心を掴まれました。
　　 ∧: : : : :从' __　　　　　　　　"""{,／: : : : : : : : : : : : .　　引用します。
.　　　∧: : : ::/　{ ,)ﾑ　　　　　　__　　 ∨: : : : : : : : : :＿:∧
　　　　∧: : : ＼弋,Vﾊ ,　　　／ﾍ　　　〉: : : : 斗 '´　／｀ヽ、『この部屋を眺める人がいれば、そのはがれかけた壁紙、ぼこぼこのマットレス、共用のキッチンから漂ってくる悪臭からして、
　　　　　＼,-,: :＼　¨’　　／　　 >r ､/^,: : ::∨　　 /　　　　'　ここで暮らす学生たちは、物的な快適さ以外のものに喜びを見いだしているにちがいないと思うだろう。』
　　　　　　　| ﾄ: : : ＼"" ,　　　∠/´二｀ヽ: :/　　　/　　　　　 ',『きっと、書物や芸術、友人や自然ーこの物置のような見すぼらしい部屋から、かれらをはるか遠くに連れて行ってくれるものーを
　　　　　　　| { ',: : : : :> '　　　　ｲ[＿,　　∨　　ノ　　　　　　　,生きがいにしているにちがいないと。』
　　　　　　　|　,　,: : ::〈　　　　　　7 ､　　　 ∨､　 ',　　　　　 l
　　　　　　　＼} 　 ,: r_-ァ　　　　　｀ヽ　,／ﾍﾍ_,　,　　　　　　入　私も、みすぼらしい部屋からはるか遠くに連れて行ってくれるものを生きがいにしているタイプの人間なんです。
　　　　　　　　　　　∨丶,＞　　　　　　〉,ノ＼　ヽ　　　　　　　 )けれどその心情を言葉にすることは出来ていなくて、その不足した部分をこの著者がきれいに文章にしてくれたんですよ。
　　　　　　　　　　　 j ,＼〈　　　　　　<'　　　ヽ　 ,_}　　　　　 /　{　これは、著者を信頼するに十分すぎることでした。私はたった34頁目にして、この400ページ以上の本を読み切ることを決心しました。
　　　　　　　　　　　ﾍ }-),　　　　　　　／'} ､　　　, i!　　　　〃　 |
　　　　　　　　　　　 /,V ﾍ　　　　／ ´　Y＼　　l }　　／　/　 !　さて、それで実際の内容なんですけど…めちゃくちゃ面白かったです…！！
　　　　　　　　　　　 Y/>ﾍ ',　　／'´　　　}＼＼ﾍ　／　　　　八　まず、作中に登場する当時の写真の多いこと！一般人がカメラを所持できる最初の時期だったのでしょうか…？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　遭難してしまった登山チームが、実際に山に登っている写真まで残っているんです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　目に見える形で、彼らの足跡が追えるというのは素晴らしいことです。登山日誌も、同様に彼らが実在した人物であることを思い出させてくれました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　この小説は一次資料がとても多いんですよね。ノンフィクション小説を普段読まないので、それが当たり前なのかは判断がつきませんが、没入感を高めてくれます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして、ノンフィクションとは思えないほど、謎が濃い！！遭難した状況が謎で、自然現象説から、痴情のもつれ、軍の秘密実験などの陰謀論まで…
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　当時の捜査資料や、当事者へのインタビューを交えながら一つずつ仮説を消していき、真実へ迫ろうとする様子はさながら推理小説のようでした…！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　読み終えてみると、入り乱れるように書かれていた時系列も、きれいに最終点へと収束してくれています。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　私でも読み切れるくらいにきれいに！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　私は最初、著者の内的な物の描写に惹かれて読んでいたんですけど、評価するべきは、理論立てて事件を説明していくような
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　理性的な描写力の方なのかもしれません。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　長くなりましたが、とってもおすすめの本です…！文庫版は2023年10月発売なのでまだ書店にあると思います…！是非…！！

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