255:以下、名無しにかわりましてA雑民がお送りします(埼玉県)[sage saga]
2012/02/21(火) 19:53:50.93 ID:qYsKKvfIo
民子は一町ほど先へ行ってから、気がついて振り返るや否や、あれッと叫んで
駆け戻ってきた。
「民さんはそんなに戻ってきないッたって僕が行くものを……」
「まア政夫さんは何をしていたの。私びっくりして……まア綺麗な野菊、政夫さ
ん、私に半分おくれッたら、私本当に野菊が好き」
「僕はもとから野菊がだい好き、民さんも野菊が好き……」
「私なんでも野菊の生れ返りよ。野菊の花を見ると身震いの出るほど好もしいの。
どうしてこんなかと、自分でも思う位」
「民さんはそんなに野菊が好き……道理でどうやら民さんは野菊のような人だ」
民子は分けてやった半分の野菊を顔に押しあてて嬉しがった。二人は歩き出す。
「政夫さん……私野菊の様だってどうしてですか」
「さアどうしてということはないけど、民さんは何がなし野菊のような風だからさ」
「それで政夫さんは野菊が好きだって……」
「僕大好きさ」
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