夢を夢見る夢みたいな女の子と僕＠VIPService過去ログ倉庫

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HTML化した人：Kastanie ★

夢を夢見る夢みたいな女の子と僕

1 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]：2014/07/31(木) 22:55:54.80 ID:M0NgOek10: 誕生から20年、僕は一度も女性に愛された事がない。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1406814944
2 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]：2014/07/31(木) 22:57:23.23 ID:M0NgOek10
3 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]：2014/07/31(木) 22:58:11.20 ID:M0NgOek10: 僕を生んでしまった母親は出産時の出血がひどくそのまま他界。
父が男手ひとつで育ててくれた。

こんな僕を20年も根気良く育ててくれたんだ。世間から見れば立派な親父だろう。

だが、僕にとっては只の障害でしかなかった。
4 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]：2014/07/31(木) 23:03:33.34 ID:M0NgOek10: 父は僕に母の面影を重ねていた。

幼い頃は特に感じなかったが、小学校高学年を迎えたあたりから違和感を感じ始めた。

父は僕に女の子みたいな格好をさせる。
はじめはスキニーパンツ、次にレギンス、ロングスカート、ミニスカート。
最終的にはワンピースに落ち着いた。
5 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]：2014/07/31(木) 23:09:47.10 ID:M0NgOek10: 男にもかかわらず女性物の服を着ることに羞恥心を感じていた僕は、一度だけ父に「やめてほしい」といった事がある。

そしたらどうだ。
父は顔色を赤へ青へとぐるぐる変えて、唾をまき散らしながら僕の頭を床に叩き付けた。
何度も何度も床へ打ちつける。
どんどんどんどん
どんどんどんどんどんどんどんどんどんどん
6 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]：2014/07/31(木) 23:16:55.91 ID:M0NgOek10: 僕は泣いたっけ？
きっと泣いていた。泣くしかなかった。泣く以外何もできなかった。

僕はごめんなさいって言ってたっけ？
きっと言ってた。言うしかなかった。言う以外どうしようもなかった。

僕悪いことしたっけ？
僕は何をしたんだっけ？
僕はどうして頭を打ちつけられているんだっけ？
7 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]：2014/07/31(木) 23:17:45.49 ID:M0NgOek10: 『そうだ、きっとぼくが悪いんだ。あんなこと言った僕が悪い。恥ずかしいと思った僕が悪い。誰のせいでもない、僕が悪いんだ。』
8 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]：2014/07/31(木) 23:29:59.56 ID:M0NgOek10: 小学校を卒業するまで、僕は父の着せ替え人形として、忠実に役割を果たしていった。

僕は逆らわなかった。

父は楽しそうに僕の服を選ぶ。
母親の名前を鼻歌交じりに口ずさみながら。
母親が着ていた服と同じようなものを。
僕に母親の面影を重ねて。

服を着せるとき、いつも父は言っていた。
「ママに会える、ママに会える！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　………やっぱりママじゃない」
9 ：M0NgOek10[saga]：2014/07/31(木) 23:59:48.21 ID:M0NgOek10: 疲れたので明日以降書く。
見てくれた方いたらおやすみ。
10 ：M0NgOek10[saga]：2014/08/04(月) 00:29:15.19 ID:bjg7fT1c0: 小学校に友達はいなかった。当たり前だ、女の格好をしていたのだから。

男からスカートをめくられ、女からは侮蔑の目で見られた。
誰一人、僕とまともに関わろうはしなかった。誰一人。
11 ：M0NgOek10[saga]：2014/08/04(月) 00:34:08.62 ID:bjg7fT1c0: 中学校は制服だったので学ランを着た、わけではなかった。

女物の制服であるジャンパースカートを着ていた。
女性物の服を着る事に抵抗を感じなかった僕。しかし周りの目は奇異で満ちていた。

担任の教師には「性同一性障害」を騙っていた。誰一人疑う者はいなかった。

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