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HTML化した人:lain.
夏目「お、おじゃまします……」
1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/05(土) 23:20:44.25 ID:7Z/fPKhM0

 カキカキ カキカキ

沙英「ふぁ〜あ、やっぱり暖かいと眠くなっちゃうな……」

沙英「でもだからといって、この時期に暖房は手放せないよね〜」

沙英「外……雪降ってるな。これ、ゆののおへそくらい積もってるんじゃない?」

 カキカキ…

沙英「はぁ、喉乾いたな……ちょっとしんどいけど、そこの自販機でコーンポタージュ買ってこよ」

 テクテク…ガチャ

夏目「う、うう……」ガタガタガタガタ

沙英「」


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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/05(土) 23:24:48.67 ID:7Z/fPKhM0

沙英「ちよ……どうしたのよ夏目!?」

夏目「あ、……え、っと、さ、さささ、さえ」ガタガタ

沙英「と、とりあえず入りなよ!」

 ガチャ

沙英「どうぞ」

夏目「お、おおおじゃまします……」ガタガタ

沙英「はい、羽毛布団」ファサ

夏目「あああありがとう……ふぅ……」ブルブル

沙英「で、ええと、どうしてこんなところにいたのか、教えてくれない?」

夏目「ゆ、雪で、電車が止まって」

沙英「それで?」

夏目「帰るにも帰れなくて、それで、やまぶき高校の外で立ち往生してて……べ、べつに沙英の部屋に行きたかったからとか、そそそそういう理由じゃなくて、」

沙英「えー! もう学校終わって三時間も経ってるよ! どうしてもっと早く言ってくれなかったのさ、すぐ入れたのに!」

夏目「そ、そんなの……」

夏目(言えるわけ、ないじゃない……普通に話しかけるだけで緊張しちゃうんだからっ)
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2013/01/05(土) 23:26:43.31 ID:+abMjvVTo
遂に夏目が報われるssが…?
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/05(土) 23:26:49.13 ID:7Z/fPKhM0

沙英「はぁ……」

夏目「な、なによっ」

沙英「どうせ優しい夏目のことだから、私に迷惑がかかるかと思って言い出せなかったんだろうけどね……」

夏目「そんなんじゃ、ないわよ……でもそう思ってくれてたのは嬉しいけど……」

沙英「? 何か言った、夏目?」

夏目「何も言ってないっ」

沙英「そ。でもね夏目」

夏目「な、なに?」

沙英「私たち友達なんだから、もっと頼ってくれてもいいんだよ?」

夏目「え?」

夏目(とも、だち……)プシュー
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/05(土) 23:29:00.30 ID:7Z/fPKhM0

沙英「夏目? 夏目、大丈夫? 顔真っ赤だけど、もしかして風邪!?」

夏目「大丈夫よ! 心配することなんて……」

沙英「うそ。息も少し荒いみたいだし」

夏目「こ、これは……」

夏目(ドキドキしたんだから、その分だけ酸素を取り入れてるだけだって!)

沙英「熱、あるんじゃない?」ピト

夏目「あ……」ドキッ
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/05(土) 23:31:31.07 ID:7Z/fPKhM0

夏目(な、なんだ、手か……おでこはくっつけてくれないのね。……って、私はなんでそんなこと期待してたのっ!?)

夏目「ほ、ほら、大丈夫でしょ?」

沙英「うーん、正直今手が冷えてるから、よく分からなかったんだよね……」

沙英「えいっ」ピト

夏目「〜〜〜〜!!」ビクッ

夏目(ふふふふふふふふふふふふふ不意打ちは卑怯よ沙英っ……)ドキドキ

沙英「うーん……」

夏目(あわわわわわわわわわわわっ! 沙英近い沙英近い沙英近いっ!)バクバク

沙英「本当に熱はないみたいだね。顔は真っ赤なのに……」

夏目「か、顔が赤いのは沙英のせいよっ!」

沙英「え?」

夏目「なっ、なんでもないっ」

沙英「? そう」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/05(土) 23:33:08.08 ID:7Z/fPKhM0

 ・
 ・
 ・

沙英「今乃莉に聞いてきたけど、雪、過去に類を見ないレベルですごいらしくて。電車、明日の朝まで動きそうにないらしいよ」

夏目「そう……じゃあ、やまぶき高校に泊まれるか訊いてみるわ」

沙英「いいよ、そんなことしなくても」

夏目「?」

沙英「うち、泊まってきなよ」

夏目「え……」ドキッ
8 :沙英と智花が違う布団で寝てたか正直覚えてない[saga]:2013/01/05(土) 23:38:37.12 ID:7Z/fPKhM0

沙英「妹が来たとき用に、布団二枚用意してあるし。お風呂も入れるし」

夏目「そ、そんな、迷惑じゃ……」

沙英「ないよ。さっきも言ったばかりじゃん。頼りたいときには頼ってよ、友達なんだからさ」

夏目「う、うん」キュン

夏目(目下わたしの心配としては、このままドキドキで心臓がはち切れそうなことくらい……)ドキドキ

沙英「それに……サイズが合うかは分からないけど、パジャマもあった方がいいでしょ?」

夏目「そ、そうね……」

夏目(沙英のパジャマかぁ……)ドキドキ

沙英「それに、下着も替えないと気持ち悪いと思うし」

夏目「えっ」ビクッ

沙英「う、上は……まぁ、合うのないと思うけど。でもパンツくらい替えないと気持ち悪いでしょ? だったら私のが……」

夏目「そ、そんな……」バクバク

夏目(沙英の、履いた、パンツを……?)バクバク

沙英「幸い、まだ使ってないのがあるし」

夏目「そ、そうよね……」

夏目(……って! どうしてわたしはそんなことにがっかりしてるのよっ!)

沙英「?」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2013/01/05(土) 23:38:43.99 ID:7o7F7juF0
友人帳の方を期待して開いて見たが、ひだまりも俺得だ。保守。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/05(土) 23:42:44.94 ID:7Z/fPKhM0

沙英「早速だけどお風呂沸いたよ」

夏目「そ、そう。沙英の家なんだから、先にどうぞ」

沙英「うーん」

夏目「な、なによ」

沙英「いや、夏目さ。さっきからずっと我慢してるでしょ?」

夏目「? なんの……」

沙英「とぼけたって無駄だからね。ほら」ギュッ

夏目「な、わ、」カァァ

沙英「手だってこんなに冷たいし。三時間も外にいたんだから、我慢してちゃダメだよ? 本当に風邪引いたらどうするの」

夏目「し、心配御無用よっ」ドキドキ

夏目(それより手を放してっ! もう心臓が痛いくらいなのにっ! あ、でもやっぱり放さないで! あわわわわ)ドキドキ

沙英「ほら、さっさと服脱いでさ、」

夏目「!」ビクッ

沙英「え? ……ああ、いや。今のはお風呂入ってきなよって意味で、べつに他意はないよ」

夏目「わわわわわわわわかってるわよ!」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/05(土) 23:48:50.57 ID:7Z/fPKhM0

 ガチャ バタン

夏目「はぁっ、はぁっ……」

夏目(すごい……まだ心臓バクバクいってる……)

夏目(なに? ……わたしって、自分で気付かないところにそういう願望があったの?)

 ヌギヌギ

夏目(沙英のことは、確かに大好き。視界に入っただけで、もう他のことが考えられなくなっちゃうくらいに大好き。心の中でなら、素直にそう言える……)

夏目(廊下を歩いているときに、ついつい探してしまったり)

夏目(授業が被っていると、黒板なんてそっちのけて、沙英の後ろ姿をずぅっと見つめてしまったり)

夏目(学校が終わると昇降口で待ち伏せして、偶然を装ってお話をする機会をうかがったり)

 ガチャ…チャプン

夏目(この好きは、恋、なのよね……?)

夏目「はぁ……」

夏目(素直になれない自分を捨てたい……)
12 :夏目→ヒロの呼称が分からないorz[saga]:2013/01/05(土) 23:52:20.73 ID:7Z/fPKhM0

夏目「出たわよー、沙英ー? ……!」

ヒロ「あら、夏目さん?」

夏目(ヒロっ!?)

沙英「雪で電車が止まっちゃって家に帰れないんだってさ」

ヒロ「あら、雪ってそんなに降っていたの!? 大変ね、夏目さん……」

夏目「そ、それほどじゃ、ないわよ……。その、こんばんは」

ヒロ「ええ、こんばんは。……そう言えば夏目さん、お夕食は?」

夏目「ま、まだよ」

ヒロ「だったらうちに食べにこない?」

夏目「えっ?」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/05(土) 23:54:46.84 ID:7Z/fPKhM0

沙英「せっかくなんだから、ご馳走になっていきなよ」

夏目「じ、じゃあ、沙英も……」

沙英「あー。私はさっき食べたばかりだからいいや」

夏目「そ、そう……」

ヒロ「(一緒に食べてあげなさいよ)」

沙英「(えー、なんでさ? 夏目だって、一人の方が落ち着けると思うけどな)」

ヒロ「(朴念仁)」ボソッ

沙英「? ヒロ、何かいった?」

ヒロ「いいえ、なんにも」

夏目「……」

夏目(やっぱり、沙英の瞳に映っているのはいつもヒロ……)

夏目「……それじゃあヒロ、おじゃましてもいい?」

ヒロ「ええ、いらっしゃい♪」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]:2013/01/05(土) 23:59:46.23 ID:7Z/fPKhM0

風呂入るからしばらくストップ
15 :1[saga]:2013/01/06(日) 00:23:57.35 ID:jzzsvpml0

ヒロ「チャーハンを作ってみたの。どうぞ召し上がれ」

夏目「わぁ、すごい本格的……」

ヒロ「そんなでもないわよ。意外と簡単に作れるのよ」

夏目「……あの、」

ヒロ「なぁに?」

夏目「今度、作り方教えてもらってもいいかしらっ?」

ヒロ「いいわよ。……誰に作ってあげるの?」

夏目「そ、そういうのじゃなくてっ! ただ、スキルを高めたいからというか……」

ヒロ「特に相手がいないのなら」

夏目「え?」

ヒロ「作りたいという相手がいないのなら、沙英に作ってあげたらどうかしら」

夏目「なっ! そ、そんなどうしてっ!?」ドキッ

ヒロ「あの子、小説の締め切りが近づくと、いつも食事が不健康になるのよ。だから夏目さんがご飯を作ってあげたら、きっと喜ぶわよ?」

夏目「そそそそんなっ、わたしが作ってもきっと、迷惑なだけよ……。それに沙英だって、ヒロの美味しい料理の方が好きに決まってるし。わたしの付け焼き刃な料理なんて……」

ヒロ「ひだまり荘に住んでいる一年生に、一人料理が苦手だった子がいるの」

夏目「え?」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/06(日) 00:26:03.19 ID:jzzsvpml0

ヒロ「その子はあるとき、両親が来るからといって、わたしに料理を教わりに来たわ。言葉通りに本当に料理ができなくて……教える時間が足りなくなるくらいにね。結局教えられたのは唐揚げくらい」

夏目(なずなさんのことだわ……!)

ヒロ「でもね、その子の両親は、彼女が作った料理を食べて、心の底から美味しいと言ったわ。お世辞なんかじゃないってことくらい、傍から見ただけで分かるくらいにね」

夏目「……」

ヒロ「ありふれた言葉だけれど、夏目さん。

 料理は腕も大事だけれど、それだけじゃない。食べてくれる相手を想う気持ちが、一番に大切なのよ。気持ちのこもっていない料理は、どんなに味覚的に美味しくても、心が満足しないの。

 逆に、心を込めて作った料理というのは、腕の優劣なんて吹っ飛ばすくらいに美味しくなるものなのよ」

夏目「心を、込めて……」

ヒロ「夏目さんがご飯を作ってあげたら、沙英はきっと喜ぶわ。だから夏目さん」

夏目「え?」

ヒロ「また、ひだまり荘に来てね。……今度はお料理道具を持って♪」

夏目「え、ええ……ありがとうっ!」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/06(日) 00:28:37.17 ID:jzzsvpml0

 ・
 ・
 ・

夏目「た、ただいま、沙英」

沙英「おかえりー、夏目。どうだった?」

夏目「今度、料理を教えてもらうことになったわ」

沙英「へぇ? かなり話が飛んだね」

夏目「だっ、だから、沙英」

沙英「ん?」

夏目「わ、わたしが作った料理、食べてくれるっ?」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/06(日) 00:30:53.05 ID:jzzsvpml0

沙英「私にくれるの?」

夏目「え、ええ。なにか文句でも?」

沙英「ないない。楽しみだなー、夏目の料理! 何作ってくれるの?」

夏目「そ、それは当日のお楽しみよっ!」

夏目(よかった……)ホッ

夏目「あ、それと、沙英」

沙英「なに、夏目?」

夏目「あっ、あとで、大切な話があるからっ」

沙英「なによ、今言ってよ」

夏目「だ、だめっ」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/06(日) 00:35:47.18 ID:jzzsvpml0

 ・
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 ・

沙英「電気消すよ」カチッ

沙英「ごめんね。布団、外に干してたこと忘れてて」

夏目「い、いいわよべつに……」

夏目(二つあるうちの片方の布団が雪にまみれていたおかげで、わたしは沙英と同じ布団で寝られるんだから……)ドキドキ

沙英「……それでさ、話ってなに?」

夏目「な、なんのことかしらっ?」

沙英「とぼけたって無駄だよ。ちゃんと覚えてるんだから、『大切な話がある』って言ったこと」

夏目「え、ええ」バクバク

沙英「夏目? 夏目、背を向けてないでこっち向いて」ガシッ

夏目「きゃっ」ドキッ
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/06(日) 00:37:17.35 ID:jzzsvpml0

沙英「私言ったよ。友達なんだから、頼るときには頼りな、って。夏目も、うんって言ってくれたよね」

沙英「今の夏目は、なんか隠してる。そんなの友達として嫌だよ。できることは少ないけれど、私、力になるから。だからちゃんと、教えて」

夏目「……うん」


夏目「わたし、好きな人がいるの」


沙英「……え?」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/06(日) 00:49:10.09 ID:jzzsvpml0

夏目「最初に出逢ったのは、二年前の春。桜が満開のやまぶき高校の昇降口」

夏目「それからずっと一緒にいられたわけじゃないし……わたしも素直じゃないしで、出逢ってから最初の一年間は、距離がほとんど縮まらなかった」

夏目「でも、二年目になって、わたしも友達がたくさんできて――皆が後押ししてくれたおかげで、少しだけ素直になれた。少しだけ、距離が縮まった気が、するわ」

夏目「偶然を装って帰りを待ち伏せしたりもした。会いたい会いたい会いたいって、ずっと思ってた」

夏目「その人とずっと一緒にいたいと思った。その人の笑顔が、目に焼き付いて離れなかった。その人がいたお陰で、毎日が輝いて見えた」

夏目「わたし、人を好きになった――って、思った」

沙英「……」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/06(日) 00:53:52.39 ID:jzzsvpml0

夏目「でも、沙英……その人には、他に大切な人がいる。確証があるわけでは、ないのよ。でも、確信はある」

夏目「その人の瞳には、いつもわたしじゃない別の人が映っているのよ!」

夏目「最初にそのことを知ったときは、とても嫉妬した。当のその人にきつく当たってしまうくらい、悲しくて悔しくて辛かった」

夏目「けれどね、今は、それはそれでいいとも思っているの!」

夏目「もう嫉妬なんてしない――だってその人は、今ある関係が一番好きなんだから。今のままが、その人にとっては一番幸せなんだから!」

夏目「あなたが今のままで幸せなら、わたしは介入しない。あなたが笑っていられるなら、わたしは涙を飲んだってかまわない。あなたに会えるのなら、わたしは、なにもいらない」

夏目「ねえ沙英、沙英、沙英。わたし、わたしね、……」

沙英「……悪いけどその相談には乗れないよ」

夏目「……な、なんでよっ」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/06(日) 00:58:01.17 ID:jzzsvpml0

沙英「恋の相談だったら乗ってあげられる。アドバイスくらいなら、いくらでも出してあげるよ。背中を押すなり、手を引かせるなり……ようは、相談してくる人が最も望む解答を提示してあげれば、それでいいんだからね」

夏目「だったら乗ってよ……わたし、ゆ、勇気を出して相談してるんだからっ!」

沙英「ダメ」

夏目「どうしてっ!」

沙英「夏目はその人のこと、他の誰よりも想っているんでしょ?」

夏目「と、当然よっ! わたしはその人が幸せなら、他には何もいらない……」

沙英「相手の幸せだけ望んで、自分は何も望まない――ね。それはもう、恋なんかじゃないよ、夏目」

夏目「恋じゃ、ない」

沙英「恋なんていうのは結局、突き詰めるところまで突き詰めてしまえば、独占欲になってしまう。『私はあなたがほしい』、『あなた以外には何も要らない』ってね」

夏目「……」

沙英「『あなたが幸せならそれでいい。他になにもいらない』――夏目のそれには、独占欲なんて、一欠片もないじゃない。それはもう、恋なんて段階をとっくに超えているよ」

沙英「だからごめん、夏目。私にこれは、荷が重すぎる。私はあなたの相談に、乗ってはあげあられない」

夏目「……そう」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/06(日) 00:59:39.59 ID:jzzsvpml0

 ・
 ・
 ・

「……ねえ」

「ん、なに?」

「××の一番って、誰?」

「んー。やっぱり、お父さんやお母さん……それと妹、かな」

「家族はダメだって!」

「ダメかぁ……」

「友達でも恋人でも、どういうポジションの人でもいいのよっ! ……あなたの一番ってだれ?」

「恋愛とか、そういうのって……恋愛小説を書いている身で恥ずかしいんだけど、まだ未経験なんだよね。それに、そういう関係になる相手に予定もない」

「……そう」

「でも、現時点で、そういうのを除いて、考えるとしたら―――」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/06(日) 01:03:25.57 ID:jzzsvpml0

 ・
 ・
 ・

夏目(わたしが一番好きな人の一番は、やっぱりわたしが思っていた通りの人だった)

夏目(わかりきってたことだから、悲しくないし悔しくないし辛くないし嫉妬しない)

夏目「……」グスッ

沙英「な、夏目っ!? 泣いてる……?」

夏目「泣いてなんかないわよっ」

夏目(そう、泣いてなんかいない。泣いていたのだとしても、それは嬉し泣きだ。嬉しくて、笑って、泣いているだけだ)

夏目(わたしの好きな人が幸せでいられることが、ただ嬉しいだけなんだ)

夏目「沙英……」

夏目(沙英、沙英、)

沙英「なに?」

夏目「な、なんでもないっ! 明日も学校なんだし、もう寝るっ!」

沙英「はいはい。おやすみ」

夏目「……おやすみ」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/06(日) 01:04:49.96 ID:jzzsvpml0

夏目(沙英、沙英。これからもずっと好きだよ――沙英)
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/01/06(日) 01:05:56.47 ID:jzzsvpml0

終わり
さいご投げやりで申し訳ないけどやっぱりツンデレは片思いが一番輝くと思うのあけましておめでとう。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2013/01/06(日) 01:08:47.40 ID:HsCEArZMo
おつおめ
切ない
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2013/01/06(日) 03:36:04.42 ID:bSRwsT2AO
あけおめ乙
夏目大好き
夏目×沙英増えろ!
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2013/01/06(日) 11:15:48.00 ID:mTRLSJQAO
どうせ友人帳の方だろうな…と思いながら開いたらまさかひだまりだったとは
ここでひだまりSSが読めるとは思わなかった




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