VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/09/01(土) 03:38:28.39 ID:zcwF6SMp0<>士郎「来い、セイバー!」 さやか「可愛い女の子かと思った? さやかちゃんでした!」


・Fate/stay night(第5次)と魔法少女まどか☆マギカのクロスオーバーです。ネタバレ注意砲。
・SS書くの初めてなんで色々アレな所ありますがご了承下さい。
・最初に言っておきますが書き溜め分は完結してません。
・昨日大量書き込みだかで忍法帖飛んだので投稿間隔おそいかも。

※なお、ネタ自体は第4次で「セイバーさやかちゃん」という作品が既出のようです(>>1は未読でした……)
※過去VIPでスレ立てて最初の投稿の時点でフルボッコでしたので、安価などの名残がありますが気にしないで下さい



例によって、何やかんやで第5次聖杯戦争開幕☆マヂカ


凛「来たれ、天秤の守り手よ――!」キィイイン

凛「――これは完っ璧! 間違いなく最強のカードを……!」


ちゅどーん!


(中略)


凛「ああもうっ、邪魔だこのっ!」ドゲシ!

扉「」


煙の奥から現れたのは――?

ニア1.まどか

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1346438308
<>士郎「来い、セイバー!」 さやか「可愛い女の子かと(ry VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/09/01(土) 03:39:40.61 ID:zcwF6SMp0<>
煙が晴れ、瓦礫の散乱した部屋の真ん中には困惑した表情の少女?が一人。

凛「それで。貴女、なに?」

?「ティヒッ、これはまた、とんでもないマスターに引き当てられちゃったね」

ピンクを貴重とした、なんだかフリフリのコスプレ?っぽい格好をした少女は困ったような笑顔を浮かべた。

凛(――それにしても。 これが、サーヴァントなのだろうか――中略――アレが桁外れの魔翌力をry)

凛「――確認するけど、貴女はわたしのサーヴァントで間違いない?」

?「ウェヒヒヒ、まぁ、そういうことになるの、かなぁ」

次第に、眼前のサーヴァント?のステータスが脳裏に浮かび上がってくる。

凛(筋力:? 耐久:? 敏捷:? 魔翌力:EX 幸運:? 宝具:EX ――って、
  何よ、このステータス! 虫食いだらけじゃない――!)

それでも、規格外の存在[サーヴァント]としても、それをさらに超越した魔翌力と宝具の持ち主であることだけは理解できる。


?「そんな緊張しなくていいよぉ、マスターとサーヴァントなんだから」

凛「で、貴女、何のサーヴァント?」

?「あっ、自己紹介がまだだったよね。 私かな――じゃなくって、この場合『アーチャー』になるの、かな?」

凛「はぁ?」

サーヴァントの少女の自己紹介は、いまひとつ要領を得ないが――

凛「……分かったわ。 もうひとつ、これはマスターとしての質問よ。 貴女、セイバーじゃないの?」

アーチャー(まどか)「うーん、剣は使ったこと、ないかなぁ……」

凛(やっぱり、あれだけドジっておいて最強のカードを呼ぼうっていうのは、不手際すぎたか……)


後悔先にたたず。それよりも今は――

ニア1.サーヴァントの真名を聞きださないと
 2.何というか、ピンクでフリフリの衣装が気になって仕方ない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/09/01(土) 03:41:44.76 ID:zcwF6SMp0<>
凛「ハァ……。 それでアンタ、真名は?」

アーチャー「それは――うーんと……秘密、かな?」ティヒヒ

凛「はあああああ!? なによそれ、アンタわたしの事――」

アーチャー「あ、ううん、誤解しないで? あなたをバカにしてるってわけじゃないから!」

アーチャー「なんていうか、不完全な召喚が原因?で、ちょっぴり記憶が混乱シチャッテ」テヘペロ

アーチャー「まぁ、気にすることないし、きっと大丈夫だよ」

凛「気にすることない――って、気にするわよそんなの!」

凛「サーヴァントの真名がわからなきゃ、どのくらい強いのか――あるいは弱点は何なのかわからないじゃない!」

アーチャー「なーんだ、そんなことは大した問題じゃないよ、ティヒッ」

凛「大した問題じゃないって、そんな――」



アーチャー「だって、私はあなたが呼び出したサーヴァントだよ? だからきっと、最強なんじゃないかな」キリッ!



凛「な――」


臆面も無く、堂々とそう言い切った少女の表情が、なんだか――

ニア1.とても、頼もしく思えた
 2.単に、調子に乗ってるだけのような気もした <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/09/01(土) 03:43:26.21 ID:zcwF6SMp0<>
凛「ま、いいわ。 そのうちわかるでしょ。 それよりアーチャー、最初の仕事だけど」

アーチャー「ウェヒヒヒ、なんだかやる気充分だね。それで――」

凛「はい、ホウキとチリトリ。 部屋の掃除お願いね。 貴女が散らかしたんだから」

アーチャー「えー……」

文句ありげな表情を浮かべながらも、少女は渋々部屋の掃除に向かった。


さて、夜も遅いし、今夜は――

 1.休もう
ニア2.軽く敵情偵察でもしておこう




<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/01(土) 03:44:20.74 ID:yIlprO2S0<> メ欄にsagaいれると捗るぞ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 03:45:58.96 ID:zcwF6SMp0<> >>5
かたじけないm(_ _)m

――


何やかんやで夜の学校の屋上――

凛「まさか学校に結界が張ってあったなんてね。 しかも、こんな悪趣味な――」

結界の基点に魔翌力を込め、一時的に効果をなくしたのだが――


?「なーんだ、消しちまうのかよ、もったいねぇ」


給水等の上から、鯛焼き?らしきものを頬張った赤い影が見下ろしていた。

凛「――これ、貴女の仕業?」

?「いいや。 チマチマした小細工は趣味じゃないからねぇ。 それに、アタシらの役割は別さ」

?「だろ、そっちのお嬢ちゃんよぉ」

アーチャー「……」

凛「やっぱり、サーヴァント――!」

?「そうさ。 ちなみに、それが判るオネーサンは、アタシの敵、ってコトでいいのかな?」


頬張った鯛焼きを飲み込んだ赤い影の殺意が、槍のように射抜いてくる。
どうする――?[安価]

 1.問題はない、ここで――!
ニア2.この場所は拙い、とりあえず校庭[ひろいばしょ]へ――!
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 03:47:13.18 ID:zcwF6SMp0<>
凛「アーチャー! 着地お願い!」バッ!

?「ハッ、アタシと追いかけっこしよーってか? 上等じゃん!」

屋上から飛び降り、疾風[ボルト]のように――否、それよりも疾く駆け抜ける。
100mを6秒台、常人には残像しか見えない速度、だが――

?「へぇ、驚いた。 こんなところで仕留めちまうには、勿体ねぇ脚してんじゃん」

凛「サーヴァント相手には何の意味も無いか……アーチャー!」

眼前に桃色の装束が具現する。

?「へっ、おもしれーじゃん!」

気がつくと赤い影がの手には、先ほどの殺気を、そのまま形にしたような槍が握られていた。

凛「ランサー、か。」

ランサー(杏子)「そうさ。 そっちのお嬢ちゃんは――弓使い[アーチャー]か」


もはや待った無しの状況だが――どうする?

ニア1.アーチャー、貴女の力を見せて
 2.この間合いは拙い。 ここは一端引くべきか
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/09/01(土) 03:47:41.43 ID:yIlprO2S0<> サゲじゃなくてサガだよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 03:48:35.30 ID:zcwF6SMp0<>
アーチャー「いきなり秘密がバレちゃったね」

ピンクのサーヴァントの手にも、得物が握られる。

アーチャー「他のクラスの皆には……内緒だよっ!」

その言葉を引き金に、アーチャーは音よりも速く矢を放っていた。
それも一息で10――20本に届こうかという乱れ撃ち。
それでいて、その1本1本が赤い影を狙い撃つ――!

ランサー「上等っ!」

高速で撃ち出された矢を、流れるように華麗な槍捌きで打ち落としていくランサー。
目にも止まらない、とはこのことか。
風車の羽のようかと思えば、間合いに入る前の矢を打ち落とす様は
まるで何本もの触手を伸ばしているかのようにも見える。

――これが、サーヴァントの戦い。
魔術師をも凌駕する、この世の理を外れた存在の競い合い――!
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/09/01(土) 03:50:47.86 ID:zcwF6SMp0<> >>8
重ね重ね申し訳ないでつorz

――

アーチャーの矢が奔る。
その勢いはまさに雨霰の如く、ランサーを射抜かんとなおその速度が上がる。
一方のランサーも負けじと、速度を増して矢を弾く。
そればかりではない。
己が槍の間合いに持ち込まんと、徐々に間合いを詰めている。
槍の間合いに届けば最期、弓使いであるアーチャーが矢をつがえるよりも速く、その穂先が貫きにかかるだろう。
つまるところこの戦いは、懐に入れまいとするアーチャーと、槍が届く間合いに詰めるランサーの、意地のぶつけ合い。

暫く膠着状態が続いたが、仕切り直すためかランサーが大きく間合いを離す。
その速さは猫科の猛獣よりも疾い。


ランサー「チッ、このままじゃ埒が開かねーじゃん」

一度離れたランサーが、それこそ矢をつがえるかのように構え直す。

凛「――なんていう、殺気――!」

ランサー「いっちょ派手にかましてやろーじゃん、必殺の一撃ってやつをさぁ!」

凛「アーチャーっ!」


その瞬間、校庭の片隅に人影が……あれは――!

 1.衛宮
ニア2.士郎 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/09/01(土) 03:51:34.49 ID:zcwF6SMp0<>
ランサー「誰だッ!」

目撃者[ぶがいしゃ]を消す為か、赤いサーヴァントが人影を追って消える。

凛「追ってアーチャー!」

駆け出すアーチャーの後を追いかける。
そしてわたしは、なんだってこんな日に学校に残ってたのか、
全く理解不能なバカモノの、死にかけた姿を目撃した――。


凛編 ひとまずEND <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/09/01(土) 04:30:38.42 ID:zcwF6SMp0<>
士郎編

一体、なんだったのだろう。
夜の学校で見知った顔を見かけて、その傍らにいた二人の女の子がいきなり戦い――そもそもあれは
戦いなどというレベルだったのだろうか――を始めて。
そしてそのうちの片方に身体を貫かれて意識を失い、その後目が覚めて俺――衛宮士郎は、
なんとか家まで帰ってきた。

先程のあれは夢だったのだろうか。
しかし、制服に穿たれた穴と大量の赤い染みが、決して夢などではないという事実を告げていた。
ちなみに、目覚めた廊下に転がっていた赤いペンダント?は回収してあったりする。
何故か、それは拾っておかないといけないような気がしたからだ。


(中略)


赤い影「へぇ、面白ぇ真似すんじゃん」

魔術で強化したポスター(という名の紙切れ)で正体不明の人物の攻撃を凌いでいたが、
遊ばれているのは明白だった。
それもにも飽きたと言わんばかりに屋内から庭に蹴り飛ばされ、なんとか土蔵まで逃げ込んだが――

士郎(この先は無い……殺されるっ!)

赤い影「じゃーなボウヤ。 もしかしたら、アンタが――人目だったのかもな」

槍が閃く。
圧倒的な「死」が、眼前にまで迫ったその瞬間――
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/09/01(土) 04:32:15.56 ID:zcwF6SMp0<>
――土蔵の中で一瞬風が吹き荒れ、突如として現れた刃がその槍を打ち払った。

赤い影「くぅッ!」

影を土蔵の外に叩き出した新たな影が、こちらに振り向いた。




?「――問おう。 あんたが、あたしのマスターなの?」

士郎「ま、マスター?」




「可愛い女の子かと思った? 残念、さやかちゃんでした!」




士郎「――は?」

呆気にとられたのも束の間、現れた影――少女は、どこか恥ずかしそうに咳払いをして言い直した。


セイバー(さやか)「サーヴァント・セイバー、召喚に従いここに参上!」

セイバー「さぁマスター、なんなりと指示をしてくれたまへ?」ニコ


痣の出来た右手が疼く。
無意識にそれを左手で庇った仕草を見て、その少女は頷いた。


セイバー「契約完了――って、なーんかこの響き、嫌だなぁ……」ポリポリ

セイバー「ま、いいや。 これからあたしの剣はあんたと共にあるから。 とりあえずよろしくね」


言うが早いが、セイバーと名乗った少女は、土蔵の外に飛び出した。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/09/01(土) 04:35:23.87 ID:zcwF6SMp0<>
土蔵の外では、セイバーの猛攻を赤い影が凌いでいた。

赤い影「テメェッ!」

弾き飛ばされた影が、悪態を吐く。

セイバー「どーしたのさ、ランサー。 止まってるなら、またこっちから行かせてもらうよん」

ランサー「ハッ、死にてーみてぇだな! その得物――アンタはセイバーか」


槍を持った少女が構えを直し、その殺気が膨れ上がる。
――あの構えは知っている。
校庭での激闘に終止符を打たんと、赤い少女が繰り出しかけた必殺技。


あれはまずい。 どうする――[安価]

ニア1.何が出来ようか。 とりあえず様子を見守る
 2.嫌な予感がする。 何とかしないと――!



ランサー「"――刺し穿つ、幻影の赤[ロッソ・ファンタズマ]――!"」



セイバー「!」

その一撃を、確かに躱したはずのセイバーの背後。
そこにもう1人の影が現れ、まるで鏡像のような同じ槍の軌跡が、
セイバーの腕から背中にかけてを、浅く切り裂いていた。


セイバー「今のは幻影……いや、実体を持った分身――!」

ランサー「ちぇっ、必殺名乗ってんのに、躱されたとあっちゃしょーがないねぇ」


そう言い捨て、ランサーはきびすを返した。

セイバー「はぁ? あんた、今更逃げる気?」

ランサー「おっと、勘違いすんなよ。 これが躱されたら一旦引けってのがマスターの方針でね」

まるで猫のように家屋の屋根に飛びながら吼える影。

ランサー「追ってくんなら容赦しないぜ。 いずれまた、アンタは叩きのめしてやるよ!」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 04:43:19.06 ID:Xs4+7zyDO<> ようわからんな…安価とか書いてあるのに安価無いしニアとかよくわからんな
まどマギキャラは皆顔見知りじゃないのか?
まどかとさやかとマミとほむらは顔見知り?
それともまどかとさやかのみ顔見知り? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2012/09/01(土) 05:09:49.09 ID:6sPuCFjI0<> >>1乙 読んでいる、続けてくれ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 06:14:56.25 ID:m9jGan1Uo<> まどかに因果ブースト入ってる時点でもうまどかのさじ加減次第だよね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/09/01(土) 10:02:03.06 ID:Xkx9US130<> >>15
ギャグアニメとかで頭に選択肢が浮かんで、それを選ぶみたいな表現をしてるのもあるじゃん、そんな感じかな? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 10:31:02.34 ID:gaYYkhLIO<> これほど頼りのないセイバーは始めてだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2012/09/01(土) 10:56:47.43 ID:A2nmZWRz0<> >>15
VIPに立てた時この安価だったんじゃないのか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/09/01(土) 12:16:50.67 ID:zcwF6SMp0<> >>1です
すみませんが寝落ちしてしまいました
既に読んでくださる方がいたのには驚きましたが、ありがとうございます
書き溜めもうちょっとだけあるので投下します

>>15
>>20
もともと安価で分岐の予定でしたが、一応メインルートということで書いてます
ニアは>>18の通り、RPGなのでよくある選択肢の指マークのAAです
魔法少女たちが知り合いだったり知り合いじゃなかったりする理由は後々明らかになるかと

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/09/01(土) 12:19:36.13 ID:zcwF6SMp0<>
槍の少女が退き、ひとまず危機は去った。
しかし残された少女は何者なのか。


士郎「なぁ、おまえ――何者だ?」

セイバー「さっきも言ったとおりセイバーちゃんだけど――今は悠長に話してる暇ないかな」

そう言い残し、セイバーと名乗る少女は門を潜って外に飛び出した。

士郎「なっ、おい!」


後を追って飛び出るまで、数秒もなかった。
その間、門の外では見知った顔と先程のピンクの少女、そしてセイバーが対峙していた。
驚いた表情で呆然と立ち尽くしていたように見えたのも束の間、
アイツ、今にも斬りかかろうとしてやがる――!


どうする?

ニア1.止める
 2.止めない
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/09/01(土) 12:20:39.11 ID:zcwF6SMp0<>
士郎「やめろ、セイバー!」

ビクリと身体を震わせ、振りかぶった剣を止めるセイバー。
よかった、間に合ったか――

?「呆れた。 あとコンマ数秒遅ければ、令呪を浪費してたところよ?」

緊張した面持ちながらも、軽口を叩くそいつはさらに続ける。

?「それに、敵を前に刃を止めさせるなんて、貴方、正気?」

知らないハズはない。
校内でも有名人、それにさっき校庭でも赤い影と対峙していたそいつは――


士郎「……遠坂」

凛「とりあえず、こんばんは、衛宮君」



(中略)



なんやかんやで、家にあがった遠坂から聖杯戦争について教えてもらい、
その後に言峰とかいう、いけ好かない神父のいる教会まで連れて行かれ、
俺は正式なマスターとなるに至った。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/09/01(土) 12:22:25.27 ID:zcwF6SMp0<>
その帰り道――


凛「いい? 私たちは敵同士なんだからね?」

士郎「はいはい。 お前、結構いい奴なんだな」

凛「はぁっ!?」カオマッカ(///


?「こんばんわ、お兄ちゃん」


白い少女が現れ、その傍らには――

凛「まさか……バーサーカー!?」


――あれが、バーサーカーだって?
だって、あれは――

ニア1.黄色いスカートを履いた、岩石のような怪物じゃないか!
 2.そんな――セイバー(さやか)が、もう一人!?
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/09/01(土) 12:31:15.72 ID:zcwF6SMp0<>
――それにしても、なんという異形[デカブツ]か。
黄色を基調とした――はっきり言って、全く似合っていないドレスのような衣装では
隠し切れてない岩盤のような手足が伸びており、
大木のように太い首の上には鬼人の如く厳しい顔。
さらにその表情の奥からは、見ただけで殺されかねない狂気が伝わってくる。
そしてその手には――あれはマスケット銃だろうか――巨大な銃身が、まるで戦斧のように握られている。


イリヤ「はじめまして。 私はイリヤ。――(中略)―― さぁやっちゃえ、バーサーカー!」

バーサーカー「ヴォオオオオオオッ!!!」(例の声になってない咆哮)

セイバー「マスター下がって! ここはあたしが――!」

セイバーが突撃し、遠坂がその後に続く。


あれ、そういえばあのピンクのアーチャーがいないようだが――

1.遠くからセイバー(さやか)ごと狙っている!?
2.少し離れた所から援護射撃をしているようだ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/09/01(土) 12:36:17.59 ID:zcwF6SMp0<>
1.を選択した場合

アーチャー「ティヒヒ、マミさん。 そんな姿になったらデカブツマミさん、略してデミさんだよぉ」

その怪物の猛攻を凌ぐもう一方の少女も、照準の範疇にいる。
究極まで引き絞られた一矢が、2人のサーヴァントをまとめて吹き飛ばさんと迫る!

士郎「セイバー、危ないっ!」





2.を選択した場合

アーチャーの援護射撃を、その肉厚の身体でものともせず、
セイバーを猛攻で追い詰めるバーサーカー。
その巨体からは想像も出来ないほどの速度は、まるで雷のような地響きを起こしている。
吹き飛ばされたセイバーが剣を杖代わりに立ち上がったところに目掛けて、
無慈悲な銃底が振り下ろされる――!

士郎「セイバー、危ないっ!」



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/09/01(土) 12:37:45.01 ID:zcwF6SMp0<>
凛「そんな、これは――」

セイバーを庇おうと、思わず飛び出して真っ二つにもげかけた身体が何故か再生し、
どうやら俺はまた死から逃れたらしい。
この身体の秘密は?
そしてサーヴァントとして現界した、魔法少女たちの秘密は?


第一夜・完

――第二夜に続く

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/09/01(土) 13:07:13.54 ID:zcwF6SMp0<>
というわけで、書き溜め分は以上です。
序盤はどうしてもFateよりになってしまいましたが、
今後魔法少女が出揃ってくれば話が変わってくるのではないかとおもいます。


最期に、現在現れた鯖のステータスとか


セイバー
真名:美樹さやか
属性:秩序・善
ステータス:筋力:B 耐久:B+ 敏捷:B 魔力:C 幸運:D 宝具:?


アーチャー
真名:鹿目まどか
属性:秩序・善
ステータス:筋力:? 耐久:? 敏捷:? 魔力:EX 幸運:? 宝具:EX


ランサー
真名:佐倉杏子
属性:中立・中庸
ステータス:筋力:C 耐久:D 敏捷:A 魔力:C 幸運:D 宝具:C
宝具:刺し穿つ幻影の赤[ロッソ・ファンタズマ]
 幻影魔術を応用した分身攻撃。
 宝具扱いになったことで、分身はそれぞれ実体を持ち、攻撃判定を有する。
 なお分身のステータスは、本体よりランクが一段下がる。
 分身が実体で無い(幻影の)場合、攻撃判定は無いが敏捷(速度)などは下がらず、
 また消費魔力も少なくて済む。


バーサーカー
真名:巴マミ
属性:秩序・狂
ステータス:筋力:B+ 耐久:A 敏捷:A 魔力:B 幸運:D 宝具:? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 13:56:15.02 ID:Xs4+7zyDO<> 面白い…面白いとは思うがマミさん好きの俺としてはマミさんの姿が可哀想だ!
通常は普通のマミさんでいざとなったらゴツイのになるって感じでいいじゃないか…
>>1はマミさん嫌いなのか!
あとニアじゃなく→の方がよくない? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/09/01(土) 14:10:03.08 ID:zcwF6SMp0<> >>29
>>通常は普通のマミさんでいざとなったらゴツイのになるって感じでいいじゃないか…

それが君の願いかい?
残念だけど、それを叶えるには因果が足りないようだね……。

とまぁ冗談ですが、きっとこのデ……マミさんにも見せ場はあると思いますよ。
ちなみに>>1はマミさん大好きです。
選択肢は、出てくるとしたら今後は本当に安価になる予定です。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/09/01(土) 14:10:15.19 ID:9xqLHRIU0<> まーたデミさんバーサーカーかよ。確かに射撃系の枠はまどかなりほむらなりに取られちまうから仕方が無いけど。
あとこのデミさんの姿はヘラクレス召喚用の触媒を経由して呼ばれたからだと俺は思ってるんだが。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 14:22:13.01 ID:Xs4+7zyDO<> >>31
でもアーチャーは弓兵だからまどかだからマミさんに残りのクラスであうとしたらバーサーカーしかなくね?
マミさんにキャスターやライダーやアサシンは…ねぇ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/09/01(土) 14:25:46.28 ID:ATmxSKnV0<> キャスターやアサシンは合うと思うんだがなぁ・・・・・
おりマギキャラが出るとしたらキャスターやアサシンも取られるけど・・・・ <> 1<>saga<>2012/09/01(土) 14:34:28.52 ID:zcwF6SMp0<> >>31
デミさんの姿ですが、まんまFate本編のバーサーカーが、マミさんコスプレをしてる感じのイメージで合ってます。
バーサーカー枠としては、狂戦士という文字通りならばマミさんよりも、さやかのほうがより適していたのですが、
今回はルート上デミさんにご登場願いました。
触媒や召喚などに関しては今後明らかになるかと。

>>32-33
ちなみに没案ではマミさんはキャスターとして、他にも第8クラスとしてアヴェンジャーなども登場する予定でしたが、
>>1が外伝未読(正確にはかなり飛ばし読み)だったので、今回は鯖も7柱ではありません。
個人的には、ほむほむ辺りが多重クラスに該当するので(弓スキルや時止めによる気配遮断スキルなど)、
Flashゲームのincubatorのオマージュで、ほむほむとメガほむみたいに同時に複数登場させる案もありましたが、
収集つかなくなるので泣く泣く断念しましたorz <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 14:38:01.36 ID:cJ+AU8jg0<> >>34
何が言いたいのか分かりにくい
一行でまとめて <> 1<>saga<>2012/09/01(土) 14:42:33.66 ID:zcwF6SMp0<> >>35
とりあえず明日以降とかまた書くのでよろしくです <> 32<>sage<>2012/09/01(土) 16:15:57.65 ID:Xs4+7zyDO<> やはりアサシンは淫獣なのだろうか…
STAYだからアサシンはキャスターのだからってことでマミさんにキャスターは合わないかなと思った
だからやはり今回のキャスターはほむほむでアサシンの淫獣を門番にして無駄にまどかと接触させないとか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 18:46:51.77 ID:F2n9gKi2o<> マミさんに恨みでもあるのか…… <> 1<>saga<>2012/09/01(土) 19:05:25.78 ID:zcwF6SMp0<> 第二夜


ほむらサイド


――意識がハッキリしてくる。
時を巻き戻した際の、眠りから覚めるようなこの感覚にも、もう慣れてしまった。


また、救えなかった。
まどかはキュゥべえと契約し、一撃でワルプルギスの夜を撃退し、魔女化してしまった。
これも、初めてのことではない。
ある時は魔法少女として、またあるときは契約をせず普通の少女として、
何度も何度も死に行くまどかの姿を、目の当たりにしてきた。

……これから一体、何度繰り返せばまどかを救えるのだろうか。
つい弱気になりそうになり――そんな自分を叱咤する。
それもいつものことだ。

――まどかを救う。
たった一人の友達との、決して破れない約束。
それを果たすまで、私は、私の戦いを終えることは、出来ない――!

<> 1<>saga<>2012/09/01(土) 19:06:19.18 ID:zcwF6SMp0<>


ほむら「――え?」



目蓋を開けて、飛び込んできた光景は、いつもの見慣れた白い天井ではなかった。
そこは薄暗く――有り体に言えば陰気臭い、遺跡のような石室――だろうか。
気がつけば私の周囲を、濃密な魔力が霧のように覆っていた。
これは一体……?


?「これが、サーヴァント――?」


視界が、次第に晴れていく霧の向こうに、当惑した表情の少女と、その傍らの老人を捉える。


?「カカカ、どうやら召喚は成功したようじゃな。 しかし、これは――」


その杖をついた老人が怪訝そうな声をあげた瞬間、私の脳裏に情報が流れ込む――!


……おおよそ、理解した。
眼前の少女の正体と、自身の身体を構成する因子。
私が知り得ぬはずの時空に喚ばれた事実と、その役割。


――そして、この戦いこそが、私の悲願を遂げるに相応しい過程なのだと。
<> 1<>saga<>2012/09/01(土) 19:07:33.23 ID:zcwF6SMp0<>

ほむら(ライダー)「サーヴァント・ライダー。 召喚に応じ参上した」

ほむら「あなたが、私のマスターかしら? 間桐桜――」

桜「ええっと――」


困惑する少女の身体には、間違いなく令呪が浮かび上がっている。
何より、今もこの身に流れる魔力は、少女――桜のものだ。
ゆえに契約など形式的なものでしかないが、この戦いを共に戦い抜くのであれば、
その覚悟を問わねばなるまい。


?「――さて、どうするつもりじゃな、桜よ」

私たちのやりとりを眺めていた老人が、少女に問いかける。


?「このサーヴァント――これまでの者とは些か毛色が異なるようじゃが、サーヴァントであることに変わりはあるまい」

?「お主の見立て通りであれば、遠坂の娘にも――あるいはお主が執心しておる衛宮の小倅にも、令呪があるじゃろう」

?「お主が戦いを放棄するというのであれば、魔力はそのまま流させるが、マスターとしての役割は慎二に任せても良い」

?「元より儂の本命は次回、お主の産み落とす子か、その次代の術師の戦いじゃ」

?「じゃが、慎二では望み薄なれど、お主が戦い、此度の聖杯を勝ち取るというのであれば――」


?「――その暁には……応とも、仮初ながらもお主に自由を与えることも、やぶさかではない」


その老人に逆らえぬ事情があるのか。
あるいはまた、何か別の事情があるのか。
覚悟の定まりきらない表情でこちらを見つめている。


桜「わたし――>>[選択肢]」

→1.戦う
 2.戦わない
<> 1<>saga<>2012/09/01(土) 19:10:16.83 ID:zcwF6SMp0<>

桜「わたし――戦う。 戦います、お爺様」


それも束の間、覚悟を決めた表情に変わった。


ほむら「契約は完了ね――まさか、私自身がこの台詞を言うことになるとは、思わなかったけれど」

忌まわしい淫獣の姿を思い出しかけ、そのイメージを振り払う。
とにかく、契約は完了した。
あとはこの娘と戦い抜き、万能の聖杯を手に入れれば、あの淫獣[キュゥべえ]を出し抜いて、
私自身の戦いにも終止符を打つことができる。

――このイレギュラーな戦いに感謝すべきかどうかは、結果次第。
これがキュゥべえの策略なのか。あるいは他の誰かの「願い」によるものなのかは判らない。
いずれにせよ、全てが判るのは、この戦いの役者が揃った時なのだろう――。



――その暫く後。



臓硯(――やはり此度の戦も、前回以上の異常が発生しておるとみて、間違いあるまい)

臓硯(英霊ならざる者――それでいて、その因果は並みのサーヴァントを凌駕しておる存在、とはの)

臓硯(桜に授けた基本の戦術は、これまで通り、魔術師であることを隠し、衛宮の倅の下に通うというもの)

臓硯(あの小倅の家には、いずれ遠坂の娘や他のマスターどもが集う――何となく、そんな気がするのじゃ)

臓硯(他のマスター共の様子を伺い、しかと見極めた上でこれを討つ――案外、此度は期待が持てるかもしれん)

臓硯(いずれにせよ、儂自身はまだ暫く様子見じゃ――蟲共の調子も良くないしの)

臓硯(――しかし最期に聖杯を勝ち取るのは、このマキリの手……それだけは譲れぬからのう)


臓硯「……カカカ……カァーッカッカッカ!」


ほむらサイドEND

<> 1<>saga<>2012/09/01(土) 19:12:35.36 ID:zcwF6SMp0<> ※注:読み返すとわかりにくかったので、以後鯖は台詞のみクラス名ではなくキャラ名で記載します。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 19:22:20.79 ID:Xs4+7zyDO<> 淫獣はでるよな? <> 1<>saga<>2012/09/01(土) 19:31:54.95 ID:zcwF6SMp0<>

士郎サイド2


士郎「――正義の味方、か」

翌日、懐かしい夢から目覚めた俺は、遠坂から昨日のあらましを聞いた。
俺はあの化物のようなバーサーカーに胴体を千切られかけ、
そのバーサーカーはアーチャーの一撃で一度退いたということ。
そして千切れかけたハズの胴体が何故か元通りに再生をはじめ、
残った傷は遠坂が手当てをしてくれたということ。

――それはおかしい。
何がおかしいって、俺は蘇生なんて高度な魔術は修得していない。
だが遠坂によると、原因はサーヴァントにあるらしい。
マスターとサーヴァントには、契約という霊的な繋がりがある。
ゆえにサーヴァントの魔術――もっと漠然と言えば特性のようなもの――が俺の身体に影響を与えたのだ、と。

そして話は、今後の戦いについて移った。
狂戦士[バーサーカー]――昨日俺を殺しかけた、正真正銘の怪物――そのマスターは、
アインツベルンという名門の魔術師。
加えて、昨日会ったあの白い少女・イリヤは、マスターとして桁違いの存在であるらしい。
名実共に化け物であるコンビを打ち倒すには、並みの作戦、それも単体のサーヴァントでは勝ち目が無い。
だからあの怪物を倒すまでの、遠坂からの休戦協定の申し出はこちらとしても有難かった。
しかし遠坂曰く、理由はそれだけではないらしい。
<> 1<>saga<>2012/09/01(土) 19:33:11.02 ID:zcwF6SMp0<>
凛「理由、ね――それは、これよ」


遠坂が示した先には、セイバーとアーチャーが控えていた。
セイバーはどことなく居心地の悪そうな、
そんなセイバーを見つめるアーチャーは、何故かニコニコと笑顔を浮かべている。


凛「あなたたち、真っ当なサーヴァントじゃないでしょ」

凛「だって本来、聖杯戦争で呼ばれるサーヴァントは、過去現在未来を通じて英雄と呼ばれた者の魂、すなわち『英霊』」

士郎「なっ、英霊だって――!?」

凛「そうよ。 昨日わたしも、綺礼も言ったでしょ? 聖杯戦争とは、7人のマスターと英霊との争奪戦だって」

士郎「そういやそんなこと言ってたな……その、セイバーはあんまり英霊っていうイメージじゃないから、すっかり忘れてたけど」

凛「そうね。 私のアーチャーも、英霊っていうイメージじゃないし」


遠坂がジロリと一瞥した先では、相変わらずアーチャーが笑っている。


凛「そろそろ教えてもらおうかしら、貴女の真名。 英霊じゃないのなら、名前くらいバレても問題ないわよね」
<> 1<>saga<>2012/09/01(土) 19:35:08.89 ID:zcwF6SMp0<>
なるほど。
もし英霊――英雄が呼び出されたのであれば、その正体がバレるということは、すなわち弱点を晒すことと同義だ。
だが英雄でなければ、名前がわかったところで何ら問題はない。
例えば俺が、もし知らないヤツに衛宮士郎だと知られて、たとえそいつが喧嘩を吹っかけてきても問題はないように。
なぜなら、有名ではなければ、名前だけじゃ俺の苦手な事物はわからないからだ。

――しかし名前とは、逆に魔術の世界においては重要な意味を持つ。
未だに中国あたりでは、人を本名で呼ぶことが忌避される習慣もある。
名を知られるということは、本質を知られるということだからだ。
……だが英霊ではないが、サーヴァントである彼女たちほど力を持つものならば、それすらも意味の無いことなのだろう。


凛「それに貴女達、顔見知りなんじゃない?」

士郎「なっ――!」


二度驚く。
確かに最初、遠坂とアーチャーに対峙したセイバーの驚く様は、尋常ではなかった。
何と言うか、まるで生き別れた友人に会ったような……そんな表情を浮かべていたからだ。


まどか「いきなり秘密がバレちゃったね」ティヒヒ

まどか「私は鹿目まどか。 そして私たちは英霊と呼ばれる存在じゃなくて、『魔法少女』なんだよ 」

凛「なっ! 魔法って、あの魔法――!?」
<> 1<>saga<>2012/09/01(土) 19:37:15.21 ID:zcwF6SMp0<>
遠坂の驚きはもっともだ。
俺たち「魔術」師にとって、「魔法」という言葉が意味するものは、一般人が考えるほど生易しいものではない。
それは現代までの如何なる手段やテクノロジーをもってしても達成不可能な奇跡――それが魔法とよばれるものだからだ。
半人前の俺とは異なり、遠坂のような真っ当な魔術師ならば、誰もが目指す最終到達地点――。


さやか「そうだね。 あたし達は奇跡を叶えた少女。 そういう意味でも、魔法少女っていう呼び方も、今なら間違ってないと思うよ」


屈託の無い笑顔を浮かべるアーチャー……まどかと名乗った少女とは対照的に、
セイバーの顔には乾いた表情が張り付いている。


さやか「あたしは美樹さやか。 そしてあんたが言うとおり、そこのアーチャー……まどかとは、友達、だったよ」

凛「だったって、それはどういう――」



そうして俺たちは、彼女たちが名乗った「魔法少女」について聞かされた。
なんでもそれは、奇跡――これこそ文字通り「魔法」なのだろう――を叶えた代償に、
「魔女」とよばれる怪物を倒す運命となった存在らしい。
願いをかなえる為に戦うマスター[俺たち]とは逆に、願いを叶えたことで戦いを強いられる魔法少女。
奇しくも、俺たちとは因果が逆転した存在だ。
また願いを叶える者――彼女たちが言うには「キュゥべえ」とかいう白饅頭みたいなヤツらしい――
そいつが全てのはじまりにして、原因らしいが――。


まどか「それにしても、こうしてまた『人として』さやかちゃんと会えたのは、とっても嬉しいなって」ティヒ!

さやか「――あたしは、驚いたかな。 まさかあんたが生きてたとはね。『アイツ』の話じゃ、もう元には戻らないってことだったのに」

まどか「……」シュン
<> 1<>saga<>2012/09/01(土) 19:40:02.32 ID:zcwF6SMp0<>
セイバーの言に、アーチャーは何かを思い出したように項垂れてしまった。
一方で遠坂は、なにやら思案顔でブツブツと呟いている。


凛「……たしか父さんも昔言ってたような……時として時計塔ですら原因が解明できない不思議な現象が起きることがあるって」

士郎「おい遠坂、何難しい顔してるんだよ。 額にシワができるぞ」

凛「そうね、シワが……って、なにがシワよ! わたしはまだそんな年齢[とし]じゃないわよ!」


一転して、ウガーッと怒る遠坂の表情は、なんだか昨日のバーサーカーを思わせる迫力があった。
……これこそ言わぬが華なのだろう。


凛「ごほん! まぁそういうわけだから、あのバーサーカーに対抗するのもそうだけど、この聖杯戦争は何かおかしいのよ」

凛「わたしはわたしでちょっと調べてみるから、衛宮君もそのセイバーとよく話しておいて――わたしも、アーチャーには聞きたいことがあるし」


そう言い残して、遠坂はアーチャーを引き連れて家に帰っていった。
家には俺と、浮かない顔をした青髪の少女――セイバーが残された。
元々変な感じだったが、彼女の様子が一層おかしいくなったのは、昨日アーチャーに会ってからだ。
彼女たちの間に、一体どんな因縁があったというのだろうか。

――それを聞き出す前に、意識が明滅したのも無理は無い。
遠坂と話していた時は緊張して(?)いたせいか気付かなかったが、何しろこっちは1日に3度も殺されかけてるんだ。
そんなことを考える暇すらなく、俺の身体は畳に倒れこんでいた。


士郎サイド2 END
<> 1<>saga<>2012/09/01(土) 19:45:42.38 ID:zcwF6SMp0<> とりあえず書き溜めは本当にこれで終わりです。
おおよそ筋はありますが、最後がどうなるかはまったくわかりません。

あとマミさんに恨みはありません。
そしてあの淫獣も、必ずどこかで姿を見せます。
本当にこの先ないので筆が遅くなりますが、気長にご期待頂ければ幸いです。


そして今後の分岐点こと安価


ランサー(杏子)のマスターは?>>55

1.綺礼
2.バゼットさん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)<>sage<>2012/09/01(土) 19:46:29.56 ID:vUKyTUoho<> 1 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/01(土) 21:57:12.52 ID:a9vwFmnAo<> ダメット <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2012/09/01(土) 21:57:55.91 ID:A2nmZWRz0<> 1 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)<>sage<>2012/09/01(土) 22:14:44.77 ID:lHphY9dko<> 1かな。

それにしてもここで安価って珍しい気がするが、どうなんだろう。
(別に悪いとかそんな事はないケド) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2012/09/01(土) 22:17:19.65 ID:A2nmZWRz0<> >>54
意外とあると思うぞ
問題はそれなりに長期でやってるやつは人多いけど初期だと過疎る

st <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 22:18:15.36 ID:JFwkvBj/o<> 1 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 23:32:40.62 ID:Xs4+7zyDO<> キレイキレイの方が面白いがキレイキレイだと捨て駒だし2の方が… <> 1<>saga<>2012/09/02(日) 04:44:14.28 ID:KSzYPOwb0<> これは綺礼ということで……いいのかな?
安価はまた追々出てくる予定です。
(というか、ラスボスや結末の鍵を握るのは安価だと思うので……^^;) <> 1<>saga<>2012/09/02(日) 04:44:53.42 ID:KSzYPOwb0<>

杏子サイド


そうしてアタシは、与えられた役目を果たして教会に帰ってきた。


……これまでの経緯は、些か複雑だった。
アタシを、聖杯戦争だなんていうワケのわからない戦いに呼び出したバゼット――
アタシの本来のマスターだったが――は不意打ちを喰わされ、この教会の主にして
バゼットの知り合いだと抜かす男、言峰綺礼が今のマスターになった、らしい。
アタシも、割と好き勝手やってた手前偉そうな事は言えねーが、
一度果たした契約を反故にするのは筋が通らねぇ……そんな風に思っていたら、
言峰のヤローは令呪とやらを行使してアタシの自由を奪いやがった。

――その時与えられた命令は二つ。
一つ、主替えに賛同すること。
二つ、全ての敵と戦い、その全てと引き分けて帰って来ること。

そうしてアタシは、さっき言ったとおりこの無茶な注文をクリアして帰ってきた、というわけだ。
待ちかねていたのか、教会の奥には、言峰が何やら思案面で突っ立っていた。


言峰「帰ったかランサー。 この令呪の反応、私が与えた役割を無事に果たしてきたようだな」

杏子「最初の一言がそれかよ。無茶な注文[おつかい]果たして帰ってきたのに、労いのひとつも無ぇのかい」

言峰「サーヴァントに労いなど不要だ。 それにお前には、無茶であろうと私に従わねばならぬ理由があるはずだが」

杏子「――チッ!」

<> 1<>saga<>2012/09/02(日) 04:45:30.85 ID:KSzYPOwb0<>
そうだ。
渋々ながら、主替えの命令に従ったのには理由がある。
令呪の拘束力もそのひとつだが、理由はそれだけじゃない。

今、バゼットの身体は、この言峰が確保している。
どうやら不意打ちを喰らわせたとはいえ、殺してはいなかったらしい。
だが生かすも殺すも、この言峰の意思一つである、という状態に変わりはない。

アイツと過ごした僅かな期間でひとつだけわかったのは、
アイツもこれまで――その人生の多くを――たった独りで戦ってきた、ってことくらいだ。
バゼットが今回、何を願って、どうして戦いに身を投じたのかは知らない。
でも願いを叶えるために戦いをはじめたのに、その戦いすらもろくにしないままご退場、
というのは、些か気の毒ってものだろう。
無論、その願いを叶えてもいない。
そんな元・マスターを放っておくってのは、『願いを叶えて戦ってきた身』としちゃあ、寝覚めが悪い。

――そうしてアタシは、言峰の命令に従ってるってワケだ。
アタシが首尾よくこの戦いを勝ち抜き、件の聖杯とやらを持ち帰った暁には、
バゼットの命は保障する、とか何とか。
言峰は喰えねーヤロウだが、それについてだけは嘘を言っているようにも見えなかった。
……そして何より、アタシ自身にも戦う理由――つまり願いは、ある。
それを叶えるためにも、このいけ好かねーオッサンに付き従ってるってわけだが……。
<> 1<>saga<>2012/09/02(日) 04:46:11.81 ID:KSzYPOwb0<>
杏子「それにしても驚いたよ。 まさかこんな見知らぬ時空[ばしょ]で、見知った顔に会うとはねぇ」

言峰「今回の聖杯戦争……本来呼び出されるべき『英霊』が現れず、その代わりにお前達『魔法少女』が召喚された」

言峰「加えて……本来なら7柱あるべき席が、今回は5柱。 やはり今回は、聖杯戦争自体が、何らかの異常をきたしているというのは、間違いないだろう」

杏子「へぇ……それじゃ何かい。 アタシらが呼び出された事自体、何かの手違いってことかい」

言峰「無論だ。 だが過程には問題があろうと、結果に変わりはない」

言峰「お前達とそのマスターが戦い合い、最後の1組が聖杯を勝ち取る」

言峰「些か数は足りぬようが、それでも最期の時になれば聖杯は願望機としては機能する」

言峰「それに召喚に応じたということは、お前達にも叶えたい望みがあるのだろう」

杏子「そうだけど。 それにしても言峰、その試合[ゲーム]の審判が試合に参加するってのは、ルール違反なんじゃないのかい?」

言峰「承知の上だが、問題はあるまい。 聖杯戦争は、令呪を身に宿した魔術師が、マスターとして競い合うものだ」

言峰「ならば令呪を持つ魔術師である監督役[わたし]が、参加したとしても何らおかしいことではない」

杏子「ふーん……ま、アタシにはどうでもいいけど」

<> 1<>saga<>2012/09/02(日) 04:47:20.59 ID:KSzYPOwb0<>
やはり喰えないヤローだ。
アタシにはアタシの、この男にはこの男の目的[のぞみ]がある。
つまるところアタシたちの関係は、互いの利害の一致でしかない。

アタシは言峰から目を逸らし、ぼんやりと教会の内装を見回す。
ここにはじめて来た時も思ったが、良い教会だ。
全体的に質素ながら、これだけの教会をつくるには、一体どれほどの金が必要なことか。
……アタシの実家だったボロ教会とは、雲泥の差だ。
神様とやらは、たとえ熱心に祈っても金を恵んでくれるわけじゃない。
神の家を建て、それを維持するにも金が必要というのは、なんだか皮肉な話だ。


言峰「それにルール違反というならば、前回からして既にあってはならぬ事だったのだ」

言峰「聖杯戦争の監督役の息子が、マスターに選ばれる、などということはな」


この言峰も、アタシと同じように神父の親父を持っていたらしい。
だが境遇は同じでも、その有り様は随分と違う。
その正しく在ろうとする男の息子に生まれたこの空虚な男が「答え」を得たのは、10年前らしい。


言峰「私にも私の望みがある。 『アレ』の誕生を見守ることが、私にとっての願いであり、目的だ」


『それ』が何かは知らないが、きっとろくでもないモノであるということだけは判る。

――そしてこの男だけじゃない。
この聖杯戦争とやらには、かつてアタシと共に戦ったほむらに、
見る影もない姿に変わり果てていたとはいえ、マミの野郎もいた。
他の2人には見覚えがなかったが、かつてのご同業であるのは間違いない。
『望みを叶えて』魔法少女になった連中にも、このアタシと同様、叶えたい2度目の願いがあるらしい。


このろくでもない戦いが、たとえ神様の悪戯なのだとしても、構わない。
――最期に勝つのは、このアタシだ。
何もかも、間違ったまま終わっちまったアタシの人生をやり直せる、千載一遇の機会。

それは誰にも渡さない――。


杏子サイド END

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/09/02(日) 04:57:14.47 ID:+IBBokMTo<> ほむらのことは知ってるのにさやかのことは知らないのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 05:08:32.30 ID:wd++Q9l/o<> 今んとこ何でそうなるの?っていう展開ばかりで面白くない
キャラ違うしありえないでしょ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2012/09/02(日) 06:49:14.29 ID:viS9KPomo<> そういうのはいいから <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)<>sage<>2012/09/02(日) 10:07:03.19 ID:ZTrDanR9o<> キャラそんなに違うかね?
FateはZeroのアニメとWikiの情報くらいでしか知らないんで良く分からないな。

まどか勢はFateの世界観に合わせてるならこんなものかな?って感じでそこまで違和感ないけど。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2012/09/02(日) 10:55:23.24 ID:yz+Nlwkw0<> >>66
マミさんの扱いが…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 11:44:14.11 ID:oFJ6zEl6o<> 違和感は有るな。てか面白くないな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)<>sage<>2012/09/02(日) 11:50:04.50 ID:ZTrDanR9o<> >>67
マミさんはなぁ…
まぁ>>1はマミさん好きと言ってるし、取りあえずは信じてみるよ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 16:19:53.22 ID:4ETL+rEDO<> とりまzeroがわかるなら作者違う人だがzeroとまどマギのクロス読んでみたら少しはわかるとオモワレ

zeroとまどマギクロスのスレタイ→さやか「セイバーさやかちゃん参上!」切嗣「」 <> 1<>saga<>2012/09/02(日) 17:12:02.61 ID:KSzYPOwb0<> >>63-70
驚いたよ。
まさか君たちの、マミに対する想いがそこまで強かったなんてね。
喜ぶといい。君たちの想いは今、エントロピーを凌駕した!
君たちが生み出すかもしれないソウルジェムの大きさは、僕にも計り知れないよ。
大丈夫、これなら君たちの想いは、間違いなく遂げられる。
でもその想いは君たちにとって、魂を差し出すに足る物なのかい?



……ということで格好いいマミさんも出せるように頑張りますので、過度にならない程度にご期待頂ければ幸いです。
後でまた機会があればかきますが、原初の元ネタはマミさんがセイバー役で
「約束された勝利の銃撃[ティロ・フィナーレ]」をブッ放すところからはじまっているので、
これが終わって余力があれば、もっと役回りを変えた2週目も書いてみたいと思ってます。
今回は初回なので、どうしても地の文が多くて展開が冗長なのは平にご容赦下さい。
あと書き溜め放出しちゃったので今後遅筆なのも許してやってください。

また約1名を除いては気をつけてるつもりですが、あまりにも原作とキャラがかけ離れてて読むに耐えない、
そもそも文章が下手糞で見るに耐えない、という方は、ご無理をせず気分が悪くなる前に止めていただいたほうが
良いかもしれません。
色々至りませんが、今後もどうかひとつ気長によろしくお願いしますm(_ _)m <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 18:29:30.99 ID:FH7OhTNro<> 馴れ合いすんなきめえ
さっさと黙って投下しろ <> 1<>saga<>2012/09/02(日) 21:36:43.95 ID:KSzYPOwb0<> >>72
承知。
じゃ、いくぜ。 <> 1<>saga<>2012/09/02(日) 21:38:47.69 ID:KSzYPOwb0<> 推奨BGM
ttp://www.youtube.com/watch?v=t6Dc_67nRQc


士郎サイド3


――夢を、見ている。
煙の立ち込める荒涼とした大地に、瓦礫の山々。
これは何かの災害の痕跡だろうか。
一つだけ解った事は、これが見慣れたあの赤い地獄ではない、別の何処かだということくらいだ。
だがその惨状は、俺が切嗣[おやじ]に助け出された、10年前のあの光景に、勝るとも劣らない。

その人の気配が微塵も感じられない灰色の地獄に、知り合ったばかりの青い少女と、
俺の見知らぬ黒髪の少女が、呆然と佇んでいる。


さやか「――こういうこと、だったんだね。 アンタが言ってた事って」

?「……そうよ。 だから私は、――が魔法少女になることだけは、阻止し続けていたの」


呆然と並び立つ2人の遥か彼方には何か――あえていうなら、巨大な竜巻とでも言うべきか――未熟な俺でも
ハッキリと解る、膨大な魔力の塊が渦巻いていた。
あれは何か――10ネンマエニミタナニカ――思い出してはイケナイモノを想起させる。

おそらくあれは、人の手ではどうしようもない、災厄の具現だ。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/02(日) 21:40:27.31 ID:tHs+CdUIO<> 推奨(笑) <> 1<>saga<>2012/09/02(日) 21:40:39.18 ID:KSzYPOwb0<>

さやか「ワルプルギスの夜――最強最悪の魔女。 あたし達があれだけ苦戦したあの魔女だって、アレの前じゃ子供騙しじゃない」


?「……そうね。 だからこそアイツは執拗に――に契約を迫っていたのよ」

?「ワルプルギスの夜すらも越える魔力と資質。 アイツらにとっては、絶対に契約し損ねたくない相手だったのよ、あの子は」


膨大な魔力を纏った「何か」は、次第に遠くへと消えてゆく。
その後には等しく、破壊とその痕跡しか残さずに。


さやか「ねぇ、ほむら。 あたし達……あたし達の戦いって、何だったのかなぁ?」


青い少女の頬を、涙が濡らしてゆく。


ほむら「さぁ……今となっては、私にもわからないわ……」


ほむらと呼ばれた、その黒い少女の表情には、諦観の色が浮んでいる。


さやか「あたしの願いは、――の腕は治せても、その心までは救えなかった」

ほむら「そうね」

さやか「そしてその――も、守りたかったあたしの家族も、仁美達も、誰一人守れなかった……ッ!」

ほむら「そうね」

さやか「……全部、何もかも、アイツにすべて壊されてッ!」

ほむら「……そうね」

さやか「……あたし、どうして――もっと早く、あんたの真意に気付けなかったのかな」

ほむら「――それは、あなただけの責任じゃないわ」


気遣いの言葉を投げかけられても、青い少女には届かないのか。



さやか「あたしって、ほんとバカ」



そうして、青い少女は泣き崩れた。
その様子を呆然と眺めていた黒い少女は、暫く経って、独りその場を後にしようとする。

<> 1<>saga<>2012/09/02(日) 21:42:44.37 ID:KSzYPOwb0<>
さやか「……行くの?」

ほむら「えぇ、行くわ」

さやか「あんたは、こんな戦いを、独りでずっと続けてきたの?」

ほむら「えぇ、そうよ」

さやか「あたしには、きっと耐えられない。 どうしてそんな――」

ほむら「それがあの子との約束だからよ」


迷いなく言い切った黒い少女の瞳には、強い決意が浮んでいた。


さやか「あたしバカだからさ。 きっと他の時間軸[せかい]でも、ほむらに迷惑かけてたんだろうね」

ほむら「……否定は、しないわ」

さやか「そこは嘘でもいいから否定して欲しかったなぁ」


涙で濡らした顔のまま、青い少女は力なく笑った。


さやか「あたしはさ、他の時間軸のあたしがどうなろうと、別に恨まないからさ」


だからあんたはその約束を、守ってあげて――。
青い少女の声にならない声に、黒い少女は振り返らずに応える。


ほむら「私も、この時間軸[ここ]で貴女と最後まで一緒に戦えて、嬉しかった」

<> 1<>saga<>2012/09/02(日) 21:44:30.45 ID:KSzYPOwb0<>
――それは、如何なる魔法か。
数瞬の後には、黒い少女の姿は掻き消えていた。
暫くして、呆然と座り込んでいた青い少女も、剣を杖代わりに立ち上がり、また何処かへ消えていった。


その青い背中が、この後どんな人生を歩んだのかは知らない。
でも、俺にはわかる。
力及ばず、守れなかった人々がいて。
そしてそんな悲劇を二度と繰り返さないように、1人でも多くの救われぬ人々を救えるようにと、
より苛烈な戦いに身を投じていった少女。


その在り方はきっと――この身が憧れる『正義の味方』そのものだったのだから。





目が覚めると、時刻は夕方に差し掛かっていた。
……今の夢は、セイバーの過去なのだろうか。
遠坂は、マスターとサーヴァントには霊的な繋がりがあると言っていた。
ならば何かの影響で、サーヴァントの過去を、夢を通して垣間見ることがあるのかもしれない。

セイバーのクラスのサーヴァントとして現れた「さやか」と名乗った少女。
今の夢が本当に彼女の過去ならば、彼女はこの聖杯戦争に勝利したとして、何を願うのだろうか。

俺は他の――遠坂のような良いヤツとは違う、悪い魔術師――そういう連中が非道を行い、人々に仇なすことが許せない。
10年間前の、あの赤い地獄の原因が聖杯戦争だというのならば、あの地獄を生き延びた者として、
人々を脅かす可能性があるという、魔術師同士の争いを見過ごせない。
だからこそ、これから共に戦うことになるあの青い少女の戦いの目的を、確認しておかなければならない。

そんな風に思っていたら、いつからか玄関の呼び鈴が鳴っており、
来訪者の存在を俺に知らせていることに気付いた――。



士郎サイド3 END

<> 1<>saga<>2012/09/02(日) 21:54:23.33 ID:KSzYPOwb0<> 推奨BGM この辺
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凛サイド2


同盟を結ぶことになった以上、戦力は一箇所に集めておいたほうがいい。
桜が通ってることは知ってたけど、衛宮君の家が思いのほか広かったこともあり、
わたしは一時的に拠点を移すことにした。
住み慣れた場所――無論、魔術師の工房としての意味だけど――を離れるのは手痛かったけど、
ここにある備えだけではあのバーサーカーを迎え撃つには心許ない。
その点、衛宮君の家には簡易ながら襲撃者探知の結界も張ってあったし、
わたしのアーチャーの見張りと併せれば、守りに関しては万全だろう。
……それに昨晩の戦闘で、サーヴァント2体がいればあのバーサーカーとも戦いにはなる、ということが判っている。
マスターとしても魔術師としても素人同然の衛宮君はアテにはできないけど、こっちにはいくつか切り札もある。
うまく立ち回れば、バーサーカー……あのアインツベルンを敗退させることもできるかもしれない。
現時点で、他にはランサー以外の勢力は確認できていないが、マスターとしてならば、
一番の障壁はあのイリヤスフィールとみて間違いはないだろう。
<> 1<>saga<>2012/09/02(日) 21:55:14.16 ID:KSzYPOwb0<>
――そうした諸々の準備もあったが、一度家まで帰ってきたのには理由がある。


凛「で、アーチャー。 貴女の聖杯にかける『望み』、そろそろ教えてくれてもいいんじゃない?」

まどか「……」


召喚した時から、終始笑顔ではぐらかされてきた感もあるけど、そろそろハッキリさせておくべきだろう。
一時的に拠点を移す以上、内密な話はどうしてもし難くなるからだ。


まどか「その……ね、うまく説明できるかどうかわからないし、伝えたらその……あなたが一緒に戦ってくれなくなる……かもしれないの」

凛「……」

まどか「でも、この事はちゃんと話しておかなきゃならないことだと思うから、言うね」



まどか「わたしね――神様、なの」



凛「か、神様って……えっ?」

まどか「その、神様っていうのが、本当に正しいのかどうかはわからないけど……なんていうか、概念的っていうのかな? そういう漠然とした存在、というか」

<> 1<>saga<>2012/09/02(日) 21:55:53.53 ID:KSzYPOwb0<>
アーチャーの言には、先程も何度も驚かされたけど、これは極めつけだ。
聖杯戦争が、本来は英霊を呼び寄せて戦わせる儀式であるということは知っている。
その英霊の中には、ある意味「神様紛い」というか、高い神性を持つモノや、
人々の信仰心によって「神の領域」にまで崇められたモノ、
あるいは堕落した「神」そのものが混じる場合があるらしい。
それでも、英霊ですら使役するのには聖杯の助けが要るというのに、
神霊を降ろすというのは、それこそ「魔法」の域だ。


まどか「わたしのよく知ってる人は『円環の理』なんて呼んでたかな」ティヒ

まどか「あっ、でも今のわたしはね、その神様っていうほどの力は無いの」


神を名乗る少女が続ける。


まどか「わたしの本来の役目はね、さやかちゃんや杏子ちゃん――ここではセイバーとランサーだけど――」

まどか「彼女たちをはじめとした『魔法少女』を救うことなの」

まどか「魔法少女には、それぞれその運命を代償に、叶えた願いがあるの」

まどか「わたしの魔法少女としての願いは――『全ての魔法少女を救うこと』」
<> 1<>saga<>2012/09/02(日) 21:56:41.15 ID:KSzYPOwb0<>
そうして彼女の語った話は、俄かには信じ難いことばかりだった。
人類の感情エネルギーに目をつけた高度な文明を持つ地球外生命体が、
宇宙の衰退を防ぐためにそれを回収しに来訪していたということ。
人類の文明の発展の影には彼らと、その彼らと契約した魔法少女たちの存在があったこと。
その多くが、希望に始まり絶望によってその生涯を終えたこと。
そして彼女自身と、彼女を救うために戦い続けたもう1人の少女の話――。

――あまりの壮大さに、理解が追いつかない。
でも、それならば説明がつく。
父さんの言葉や……あるいは父さんが遺した魔術書の片隅に存在する、
現代文明でも、その対極に位置する魔術の深奥をもってしても解明できないという謎の事象の数々。
それらの原因が、全て魔法少女の『願い』に起因することなら、納得が出来る。
何しろ『魔法』なのだから――そこに至らない『魔術』では理解が及ばなくても、仕方が無い。


凛「もし貴女の話が本当なら、『魔術』や『英霊』の存在や発生にも――」

まどか「そう、何らかのカタチで魔法少女が関わっている、ってことになるのかな」


例えば、フランス救国の英雄・オルレアンの聖処女と呼ばれるジャンヌ・ダルク。
あるいは、この国で言えば巴御前。
また女性ばかりではない。
他にも有名無名を問わず、多くの超人的な力や伝説を持った者達。
その全てでは無いにしろ、かなりの人物が「魔法少女」の奇跡に関わっているのだとしたら。
奇跡を願った少女達の望みで、超人的な力を得た者や、
常軌を逸したマジックアイテム――宝具が生まれたのだとすれば。
人にして人にあらざるマレビト――英雄の存在にも、説明がつく。
<> 1<>saga<>2012/09/02(日) 21:57:47.86 ID:KSzYPOwb0<>
凛「貴女自身の目的はわかったわ。 でもひとつ、わからないことがあるわ」

まどか「わたしが、この聖杯戦争に参加している理由、でしょ?」

凛「えぇ。 もし貴女の話が本当なら、貴女の願いが叶えられた事で、全ての魔法少女が救われているはずよ」


それも平行世界も含めた、全ての過去・現在・未来で……だ。


まどか「そのはずだったんだけどね。 ひとつだけ、わたしにはどうしようもない『綻び』があったの」

凛「綻び……」

まどか「そう、『盲点』というか、『抜け穴』っていうか……」

まどか「奇跡を叶える万能の儀式は、何もキュゥべえ――インキュベーター達との契約だけじゃなかった」

凛「その1つが――聖杯戦争」

まどか「そう。 それに魔法のランプのお話とか……常識では叶えることができない願いを叶えてしまう奇跡が、この世界にはいくつか存在するの」

まどか「そういう意味では、あなたたちの……人間の文明は、ある意味で彼らのそれに近付きつつあるといえるの」


――そしてそれはおそらく、魔術師[わたしたち]のよく知る「魔法」や「根源」の存在に関わることでもある。
<> 1<>saga<>2012/09/02(日) 21:59:15.39 ID:KSzYPOwb0<>
まどか「彼らはそこに目をつけたんだと思う」

凛「彼らって……そのキュウなんとかいう宇宙人が?」

まどか「そう。 わたしの願いが世界を改変する瞬間の狭間を狙って、彼らはそうした人間の手による『奇跡』――聖杯戦争に干渉した」

まどか「実際に彼らの立場で考えると、彼らの考案したエネルギー回収システムとでもいうのかな?」

まどか「魔法少女のシステムは、よくできていたから」

まどか「わたしの願いによって改変された後も、彼らは人類に干渉していたようだけど、回収効率で言えば改変前より随分劣っていたみたいだから」

まどか「わたしの願いを知り、それを叶えるまでの僅かなタイムラグで、彼らはそのことに気付いてしまった」

まどか「そして何とか改変前のシステムを維持するためにとった手段が、この聖杯戦争に干渉することだったの」

凛「なるほどね。 条理を覆す『奇跡』をさらに覆すには、条理を覆す別の『奇跡』に頼ればいい……その宇宙人も考えたものね」

まどか「この聖杯戦争も、魔法や英霊、そして数多くの力ある魔術師[あなたたち]という存在が関わる儀式」

まどか「その因果は、概念にまでなってしまったわたしの因果とも変わらないほど大きいの」

まどか「だから彼らはこの儀式の一端を改変し、本来『英霊』が呼ばれるところに『魔法少女』が呼ばれてしまった」

まどか「そして同等の因果しか持たなかったわたしでは直接干渉ができなかったの」

まどか「だからわたしも、『魔法少女』として、一サーヴァントとして参加――干渉することしかできなかった」


ここまで聞けば、彼女の目的も想像がつく。


凛「つまり貴女は、この聖杯戦争を利用している、その宇宙人のよからぬ企みを阻止すること」

まどか「そう。 そしてもうひとつ」

まどか「わたし以外のサーヴァント……さやかちゃん達は、本来わたしが『導く』はずだった存在なの」

凛「それが、本来ありえない干渉でこの儀式に喚び出されてしまった」

まどか「その彼女達を救う――『導く』には、私自身もこの聖杯戦争のルールに従うしかない」


<> 1<>saga<>2012/09/02(日) 22:00:42.28 ID:KSzYPOwb0<>
要は簡単だ。
全てのサーヴァントを倒し、そのマスターを退ける。
聖杯戦争の最後の1組になるまで戦い、万能の釜を守る。
キュゥべえだかキュゥ造だか何だか知らないけど、その宇宙人の余計な横槍をそこで防ぐ。


凛「なら、何も変わらないじゃない」

まどか「えっ?」

凛「わたしは聖杯戦争に勝つ。 そして貴女は全てのサーヴァントを倒し、その魂を『導く』」

凛「どんな干渉があろうと、やること自体は何も変わらないわ」

まどか「あなたは、それでいいの? わたしたちの勝手な都合で、この儀式が改変されているのに」

凛「えぇ。 貴女にも大切な人との『約束』があったように、わたしにも譲れないものがあるのよ」


――凛、いずれ聖杯は現れる。
アレを手に入れるのは遠坂の義務であり――避けては通れない道だ。


凛「大切な人の遺した、わたしの往く道」


そしてもう1つ。
我ながら打算的かとも思うが、わたしの家――遠坂家には、大師父の残した宿題がある。

――第二魔法。

わたし1人では至れるかわからない究極の目標だけど、この戦いを共に戦うパートナーが、
その「魔法」に深く関わる存在ならば。
遠坂のもうひとつの宿願でもある、この第二魔法に至るヒントくらいは、得ることができるかもしれない。



凛「そういえば、まだちゃんと名乗ってなかったわね」

凛「わたしは凛。 遠坂凛。 この戦い――勝つわよ、アーチャー」


呆然とわたしを見つめるピンクのサーヴァントに右手を差し出す。


まどか「……うん! わたしまどか! よろしくね、凛ちゃん!」


その手を、小さな神様の手が握り返す。
こうしてわたし達は、召喚からしばらくの時を経て、本当のパートナーになったのだった。


凛サイド2 END


<> 1<>saga<>2012/09/02(日) 22:06:58.33 ID:KSzYPOwb0<> >>1です。
さぁ、どうよ!?
ぶっっちゃけ書いてて頭がこんがらがりそうになりましたが、説明臭いパートはこれで一度区切り、のはずです。
あとはサクサクとバトルパートに進みたいものです。

既に書き始めたことを後悔し始めてるんですが、話の展開や設定には正直自分でも自信ないので、
異論反論感想などや、ここはこうしたほうがいい、
みたいな意見もあればジャンジャンいただければ幸いです。
単につまらん氏ねクズみたいな感想も、正直心が凹みますが、次回の反省として受け止めます。
あとどれくらい反映できるかはわかりませんが、こうなったらいいなーとか
こういう場面みたいなーという意見もあれば。
今回活かせるかどうかはわかりませんが、次回につなげたいので。

とりあえずきょうはこんなもんで。
眼精疲労で酷い頭痛がおきてて、目を休めるために眼帯しながらキーボード撃ってるので
誤字脱字あればすいません。では。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<><>2012/09/03(月) 00:53:09.96 ID:yUwrHQbf0<> とりあえず乙
まだ始まったばかりだし雑談とかはもうちょい減らした方がいいぞ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/03(月) 02:34:13.31 ID:gbc+0vmDO<> つかそれ以前にまどかやさやかがおかしいだろ
いくら概念になってたとしても本質は変わらない
士郎や凛達は高校生で年上なのにまどかもさやかもタメ口でどうなのよ
年上なんだから敬語だろ普通 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/09/03(月) 02:36:32.21 ID:5iMJawKao<> 概念だったらそれこそ何億何兆年生きてるのかわからんのだぜ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2012/09/03(月) 03:05:44.03 ID:gbPGvxbMo<> サーヴァントは全盛期の姿で呼ばれるんじゃなかったっけ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)<><>2012/09/03(月) 03:19:15.65 ID:QAcUU21l0<> >>88
お前そんな細かい事気にしてよく生きてられんな
あと読解力なさすぎ
まど神様はともかく、さやカスは弓男みたいな扱いだろ
何でもいいから難癖つけるのが生き甲斐なのかね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2012/09/03(月) 07:08:13.13 ID:8ugLdm8Po<> バカに絡まれてんな乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/03(月) 07:21:28.07 ID:YH4/AQqIO<> 基本口調が誰これ状態 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)<>sage<>2012/09/03(月) 10:08:28.02 ID:AiFMZO7l0<> そんな違和感あるか?
あと>>1が無理して読まなくても云々いってるのに
わざわざおもんねー云々かいてるのはドヒマな荒らしだろ
普通に読んでる人間もいるから気にせず続きを書け太郎 <> 1<>saga<>2012/09/03(月) 23:29:44.22 ID:Ra6GtVzS0<> 他の板も見てきたところ、S速VIPはどうやら雑談や馴れ合いは氏ねという
風潮が基本のようなので、疑問点の回答だけ。

・まどさやをはじめキャラの口調とか
基本的には原作本編や漫画版などで確認・復習しながら描いてるのですが、
どうしても違和感があればすいません。
マスターにタメ口きいてる理由は>>89氏や>>91氏の解釈でおおむね合ってます。
……あと付け加えると、キャラを判り易くするため、という書き手の都合もあります。
二次創作SSだけではなくライトノベルなどの、いわゆる「キャラありき」の小説や文章における
弊害なのですが、「ですます」調のキャラが多いと、読み辛くなるということがあります。

・鯖は全盛期の姿で呼ばれる?
>>90氏の疑問ですが、本編や外伝のZERO、設定資料やWikiなどにもあるとおり、
その通りで間違いないようです。
ただ能力や容姿に関しては全盛期のものですが、記憶に関しては生涯を通じて得たもの、
また英霊の「座」で得た知識などは、全て持って現れるようです。
ZEROランサーが、彼の時代からは遥か後代の英雄のはずの騎士王を知っていたのもそのためですね。

そして魔法少女については、これはかなり独自解釈がはいっているのですが、
成長はしても衰えない(老化しない)存在なのではないかと考えています。
成長をしているという証拠は、マミさんの存在です。
マミさんは幼い頃にQBと契約していますが、彼女自身の身体(特に一部)は成長をしている描写があります。
これは各所で考察などがあるので、そちらを参照して下さい。
また老化しない証拠は、公式ではそれらしい描写が無かっただけなので証拠としては弱いのですが、
年齢をとった魔法少女の存在が出てこなかったからです。
おそらく彼女達は、「少女として」成長しきったところ(すなわち肉体的な全盛期の姿)の状態で
それ以降の変化が無くなるのではないでしょうか。
もちろんこれは勝手な仮説にすぎないのと、彼女達の肉体は所詮魔力で生成されたものなので、
得意不得意の差はあっても、如何様にも変化させられる可能性はあります。
また肉体とは別に精神的な劣化、すなわちソウルジェムの濁る速度の変化などはあると思いますが、
これも本編の描写だけでは結論を出すには証拠が足りません。

とまぁかなり独自設定はいってますが、そういう解釈に基づいて書いてる部分があるので、
ここに出てくるまどさやに関しては、原作本編よりは若干成長した姿ということになります。
(本編ではまど神様も、少女時代より成長した等身で描かれてますよね?)


ではまた何かあれば。 <> 1<>saga<>2012/09/03(月) 23:32:35.10 ID:Ra6GtVzS0<>

ほむらサイド2


召喚されて間もない頃、ランサーのサーヴァント――杏子と交戦した。
驚いたことに、この杏子は私の事をよく知っていた。
――彼女が、一体どの時間軸[せかい]の杏子なのかまでは、わからなかったけど。

でもお互い顔見知りであっても、旧交を温める、というわけにはいかなかった。
当然だろう。
魔法少女である以前に、今のこの身はサーヴァント。
彼女がどんな望みを抱いて、この戦いに身を投じているのかは想像がつかないこともないが、
だからといって私も、おいそれと勝ちを譲るつもりは無かった。

――とはいえ、そもそも「時間停止」以外は特出した能力もない……それどころか、
並みの魔法少女と比較しても低い能力しか持たなかった私では、
優れた戦いの才能を持つ杏子には対抗し切れなかっただろう。
加えて、いつものループでは私の低い能力を補うためにストックしていた兵器の類も、
このイレギュラーな戦いに呼び出された時点で、その全てを失っていた。
杏子と戦って命拾いしたのは、ひとえに彼女が本気でなかった為だ。
敵の戦力を分析するために敵情偵察を行っていたのか、その動きは彼女本来のものではなった。
<> 1<>saga<>2012/09/03(月) 23:34:50.90 ID:Ra6GtVzS0<>

桜「……それでライダー。 本格的に戦う前にお願いがあるって、それはどういう……」


全てのサーヴァントが出揃う前に、杏子――ランサーと交戦できたことは、幸いだった。
やはり時間停止という特殊な能力を除いたら、たとえサーヴァントと化した身であっても、私は弱い。
そのことが再確認できたからだ。
……無論悪いことばかりが判ったわけではない。
例えばその「時間停止」にしても、通常――いつもの世界[ループ]であれば、
限られた一定の時間しか使うことができなかった。

それゆえに、常にその配分に気を使わなければならなかったが、今回はどうやらそうではないらしい。
サーヴァントとなった今の私は、マスターである桜からの魔力供給が続く限り、この能力を使い続けることができる。
当然、常に使い続けることができるほど燃費の良い能力では無いため、
使いどころを選ぶ必要がある、というのは変わらないけれど。


ほむら「えぇ。 私のマスターである桜。 その協力者である貴方には、これを用意して欲しいの」


そうして、間桐家の薄暗いリビングの机の上に、紙に記した「リスト」を叩きつけた。


臓硯「ホウ……これは、また……」


間桐の支配者。
只者ならざる老人も、その内容には僅かながらも驚きの念を隠さない。


臓硯「大小数多の銃器に爆薬……無反動砲に迫撃砲……あげくの果てには戦闘機、とはのう」

臓硯「ライダー……お主、戦争でも始める気か?」


老人はジロリ、と睨[ね]め付けるような視線を向けるが、
その口元が僅かに歪んでいるのを、私は見逃さなかった。
<> 1<>saga<>2012/09/03(月) 23:37:04.16 ID:Ra6GtVzS0<>
ほむら「始める気も何も、これは聖杯を奪い合う、文字通りの『戦争』なのでしょう?」

ほむら「ならばこれは最低限必要な装備。 それに私は、この手の兵器で戦ってきた身」

ほむら「冬木の土地の実力者である間桐の家。 そして臓硯、貴方の保有する資産ならば、この程度の物はわけなく準備できるはずよ」


桜に聞いた話によれば、元々この間桐家は遠坂家と並ぶ、冬木の魔術師の名家であったらしい。
今でこそ衰えたとはいえ、この聖杯戦争の根幹に関わった「始まりの御三家」と呼ばれる名門。
そして詳しくは聞けなかったが、この老人――間桐臓硯こそ、この聖杯戦争に長く関わり続けてきた人物である、と――。


臓硯「成る程のう。 そういえば前回のマスターの中にも、世俗の兵器を好んで使う輩がいたものじゃ」

臓硯「ここに記されているものならば、確かに手配することは可能であろう」

臓硯「魔導に関わる身としては如何なものかとも思うが……何、儂は聖杯戦争に勝ち抜くためであれば、どのような手段を使おうが気にはせん」


それがたとえ非道な手段であってものう、と老人は嗤う。
<> 1<>saga<>2012/09/03(月) 23:39:59.97 ID:Ra6GtVzS0<>
臓硯「じゃがライダーよ。 そもそもサーヴァントとは霊体。 この手の兵器、そもそも通じぬのではないか?」

ほむら「その心配は無用よ。 仮にこの戦いの相手が、本来のサーヴァントである英霊ならば通じないけれど――」


このイレギュラーな戦いの相手は、魔法少女だ。
それに私は、通常兵器に魔力を上乗せすることができる。
そして魔力を帯びた銃撃ならば、たとえ霊体が相手であっても問題なく通じる。


臓硯「話は解った。 しかし全てを手配するには、些か時間が必要じゃ」

ほむら「かまわないわ。 ただ、ひとつだけ早急に欲しいのは『足』よ」


ライダーのクラスを与えられながら、皮肉にも私は天馬や空飛ぶ戦車のような、幻想に名を連ねる乗り物など持っていない。
私が『ライダー』として召喚されたのは、ひとえに時間操作――この『時を駆ける』能力に由来してのことだろう。

――しかしながら、そえぞれのクラスに与えられる『補正能力』は、捨てたものでもないらしい。
いつもの戦いでも、魔力を操作してタンクローリーに乗ったりした経験もあるが、今はその比ではない。
たとえ車であれ飛行機であれ、それが『乗り物』であればどんなものであろうと、乗りこなす自信がある。
これがライダーのサーヴァントに与えられるスキル……『騎乗』の能力なのだろう。
桜という供給源[マスター]がいるにせよ、有事に備えて極力魔力を温存したほうが良いのは確実だろう。
ゆえに移動手段として、ひとまず車なりバイクなりを確保しておくのは、悪いことではないはずだ。


臓硯「足か。 この家にあるものならば、好きに使うが良い」


早速じゃが、儂も準備に取り掛かるとしよう――そう言って怪異な老人は姿を消した。
後には、私と桜が残される。
<> 1<>saga<>2012/09/03(月) 23:43:49.09 ID:Ra6GtVzS0<>

桜「ライダー。 本当に、先輩を傷つけることだけはしないって、約束してくれる――?」


心配そうな瞳を向けてくる私のマスターとは、既に基本戦略について話し合い済みだ。
極力、他のマスターは傷つけない。
それが不可能でも……最悪、命は奪わない。
――こと、「衛宮士郎」と「遠坂凛」という、このマスターと浅からぬ縁を持つ2人については、特に。
私は他のサーヴァントとの戦いにのみ注力し、これを撃破する。
これが基本的な戦略……というか、彼女の提示した聖杯戦争を戦う上での「条件」だった。
しかし、それは――。


ほむら「前に話したわよね。 私の戦いと、今に至るまでの、その軌跡を」

桜「……」

ほむら「誰も傷つけない。 誰も悲しませない。 そんなものは、理想論に過ぎないわ」

ほむら「ただ1人を守る。 たったそんな願いすらも叶えたことの無い私には、そんな理想を守りきることを約束することはできないわ」

桜「……わかってる、けど――」

ほむら「貴女の意思を尊重はする。けれど戦いという極限状態においては、そうも言っていられない」

ほむら「もしもの時には桜、貴女のその令呪を、使わざるを得ないことになるわね」

桜「……」


優しい子だ、と思う。
そして優しすぎるがゆえに、彼女がこれまでどのような目に遭ってきたのか。
彼女の口から多くは語られなかったけれど、マスターとサーヴァントの繋がりを通じて、私は垣間見てしまった。


聖杯で叶えるべき彼女の望み。
それはまだわからない。
それも当然。
彼女自身が、それを明確に理解していないのだから。
でも、いつまでも待ち続けていても、変革は訪れない。
私の望みを叶えるという目的に加え、そうしてこの戦いに身を投じた彼女の勇気にも、
サーヴァントとして報いなければならない。

幸薄そうな彼女の横顔に、いつしか私は過去の弱かった自分を、重ね視ていることに気付いた――。



ほむらサイド2 END

<> 1<>saga<>2012/09/03(月) 23:45:49.16 ID:Ra6GtVzS0<>
今日はここまで。
サクサクとバトルパートに行くなどとフかしこいてすいあせn
もう暫く冗長な部分が続きそうです……。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/09/03(月) 23:54:13.54 ID:uHmwEzJY0<> 乙
番外キャラがでないからキャスターとアサシンが誰かわからん。
まさか別次元の魔法少女ひ・・・・ネタ潰しになるからやめとく・・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)<>sage<>2012/09/04(火) 00:21:04.13 ID:C7oJVzLQ0<> >>1乙
話が進んできたら段々面白くなってきたな

>>102
愉悦神父が本来7人なのに5人とか言ってるし
柳洞寺組は出てこないんじゃない? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<><>2012/09/04(火) 00:23:37.11 ID:rtCH+msR0<> 乙
キャラごとにストーリー進めるとやっぱり面白味が出るな
でもマミさんはどうなるんだ…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/04(火) 02:04:39.03 ID:mm0gNsUDO<> >彼女自身の身体(特に一部)は成長をしている描写があります。

マミさんのおっぱいのことかー! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/09/04(火) 02:19:48.45 ID:QJ3sZlQ80<> 第四次はzero通りのようだし英雄王いるんだろうけどまどマギキャラじゃ勝てる気しないな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/04(火) 10:49:58.53 ID:Oc11kUYIO<> いつもの如く慢心してるならなんとか勝ち目はあるんじゃね?
アルトリアが来てないからやる気も落ちてそうだし。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/04(火) 10:51:54.27 ID:x9Wlqom1o<> 時間止めたらいけるんじゃない? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/09/04(火) 19:20:31.39 ID:JM8bvBWQo<> 単独行動付いてたら時間停止&マスター狙いで余裕だが盛り上がらないだろうな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/04(火) 19:28:38.54 ID:JM8bvBWQo<> ってギルガメッシュはマスター関係ないな
アルティメットまどアローくらいしか思いつかないや <> 1<>saga<>2012/09/04(火) 23:42:38.82 ID:PsYzqEG70<> 感想などありがとうございます。
やはり面白い、と言って読んでくれる読者がいるというのは、心が救われます。

>>102-103
・柳洞寺組について
ここにきて、つくづくさやかをバーサーカーにしておけばよかったかな、と後悔しています。
というのも、そうすればアサシンも出そうと思えば出せたからです。
ただ原作でもFateルートでは柳洞寺組はそこまで重要ではないので、ただでなくても冗長化してる今回は出番を削ってます。

>>105
・魔法少女の成長描写
本編考察になりますが、そういえばホムホムも時系列では一番最初にあたる10話冒頭のシーンと、
一番後の時系列にあたる1話の登場時を比較すると、すこし身体が痩せて背が伸びてたという説がありますね。

>>106-110
・慢心王
出そうとは思ってますが、どこで出てくるのかは、書いてる自分でもまだわかりません。
というか黒幕を誰にするか決まってません。
神父・慢心王・蟲爺は3強なので、誰かしらだとは思いますが……。
黒幕には例の白饅頭がどこかで必ず絡んでくるハズなので、もしかしたら黒桜かもしれませんが……。


というわけで今日もいきます。
はやく展開進めたいから、いけたら2パート行くかも? <> 1<>saga<>2012/09/04(火) 23:45:28.12 ID:PsYzqEG70<>

さやかサイド


意識を取り戻したあたしのマスターこと士郎の家に、まどか――アーチャーのマスターである
遠坂凛が再び訪れたのは夕方頃だった。
同盟を組む以上、戦力を集中させるためは一緒の拠点にいたほうが良い、ということだったけど、
それには賛成だった。
マスター同士、色々と積もる話――というより、素人同然のマスターである士郎には教えておくべきことが
山ほどあるのか、2人で話している間、手持ち無沙汰になったあたしの足は、なんとなく道場に向かっていた。
見れば、広さ自体はさほどでもないが、中々良い道場である。

――思えば、生前のあたしは剣を使いながら、終ぞ誰かに教えを受けたことは無かった。
師匠と呼べる人はいたけど、それも近くでその人の戦いを見る機会が数度あったという程度で、
直接教えを受けたわけじゃない。
そしてただ1人「戦友」と呼ぶことができたあいつも、戦い方を手取り足取り一から教えてくれたわけじゃない。
あれは並みの魔女との戦闘のほうがまだマシ、と思えるほどのスパルタ……実戦稽古だった。
そういえば彼女も、彼女の師匠にはそうして鍛えられたのだと言っていた気がする。
その後は言うに及ばず、魔女……あるいは時として、魔女とは関係のないただの悪人との
戦いに次ぐ戦いを通して――いつしかあたしの剣は、途方も無い高みにまで鍛え上げられていた。

もしあたしが真っ当な剣士であれば、そのことで満足することができたのかもしれない。
しかし残念ながら、どれだけ剣や魔術の腕が上がろうと、所詮あたしは魔法少女でしかなかった。
正義の味方、魔法少女――そんなものは、幻想だった。

この世の悪が、すべて魔女だけの所為ならば、まだ良かったと思う。
誰かを救うために誰かを殺して。
その救ったはずの誰かが、別の誰かに仇成すと判ればそれも殺して。
正義の味方を名乗って、救われぬはずの人々をいくらか救いはして。
――それと同じくらいの人々を、あたしはこの手にかけてきたのだ。
結局のところ、「正義の味方」なんていうものは、体の良い掃除屋――殺し屋に過ぎなかったのだ。

それが解った時に、魔法少女・美樹さやかは死んだのだと思う。
希望を失った魔法少女は、どれだけ魂[ソウルジェム]の穢れを取り除こうと、緩やかに絶望するしかない。
そうしてあたしがあたしで無くなるその瞬間まで人々を救い続け、世界に絶望を撒き散らす前にその魂を砕いた。
――それが正義の味方を気取った掃除屋の、最期の時だったのだ。
<> 1<>saga<>2012/09/04(火) 23:47:14.53 ID:PsYzqEG70<>
そんなあたしにとって、剣とは所詮、敵を倒す「道具」に過ぎなかった。
そして今、聖杯戦争という争いに剣[サーヴァント]として喚ばれたあたしも、道具に過ぎない。
叶えたい「望み」もあるにはあるが、さてマスターには何て言うべきか――そんな風に考えていたら、
道場には新たな「客」が現れていた。


まどか「さやかちゃん……その、会ってからちゃんと、話せてなかったから……」

さやか「……まどか」


気まずそうな表情を浮かべるこの少女――かつてまだ、美樹さやかが「人間」だった頃に
「親友」と呼ぶことができた、ただ1人の人間――は、当時と変わりない、澄んだ瞳をしていた。


さやか「あたしには話なんて無いよ。 それに同盟を組んだとはいえ、サーヴァント同士が馴れ合うってのは、どうかと思うけど」

まどか「うぅっ、それはその……そうかもしれないけど」


理屈の上では解っている。
きっとこの「まどか」は、あたしの知ってる「まどか」じゃない。
生前あいつの話を聞かなかったら、こうして一度は死んだはずの今でも、とてもそうは思えなかっただろうけど。
それでもあたしにとってまどかは――かけがえのない「親友」であったのと同時に、
あたしの大切なものを全て奪い去っていった、許し難い「仇」でもあるのだ。
こうしてサーヴァントとして甦った今でも……否、サーヴァントとして生前の「殻」を与えられた身であるからこそ、
どうしてもこの少女に対してだけは、冷静になって向き合えないあたしがいる。


まどか「さやかちゃんは、その……この聖杯戦争について、どう思ってるのかなって」

さやか「どう思うも何も、奪い合いでしょ? 願いを叶える『聖杯』を巡って、あたし達が殺し合う」

さやか「あんたのマスターの話じゃ、どうやら随分と事情が変わってるみたいだけど」

まどか「……それじゃあ、さやかちゃんには――『叶えたい願い』があるんだね?」

さやか「……」


無いといえば、それは嘘になる。
だがそもそも、『願い』があるからこそ、サーヴァントは召喚に応じるのではないか。
まどかの言うことは、いまひとつ要領を得ないが――。
<> 1<>saga<>2012/09/04(火) 23:49:03.56 ID:PsYzqEG70<>
まどか「――私はね、『願い』を叶えている途中なの」

さやか「聖杯にかける『願い』――ってわけじゃないんだ?」

まどか「そう。 魔法少女としての『願い』――この意味、わかるかな」

さやか「……そっか。 それがあんたの、戦う『理由』なんだね」


まどかは頷きだけでそれを肯定する。


さやか「なら本当に、これ以上話すことはないよ」

さやか「あんたは、あんたの『願い』を叶えるために戦う」

さやか「あたしには、あたしの戦う『理由』がある」

さやか「なら――その先は言葉じゃなくて、『これ』で語り合うべきなんじゃない?」


手の内に握られた「剣」を掲げる。


まどか「さやかちゃんは、それでいいんだね? わたしきっと、『また』さやかちゃんに、辛い思いをさせると思う」


強い眼差し。
この子の、こんな表情を見たのは、初めてかもしれない。
――いや、そんなことはない。
誰よりも優しかったこの少女は、その実、誰よりも強い意志を持った少女だったのだ。


さやか「あたしだって、負けるつもりはない。もしあんたと戦うことになれば――個人的な恨みで悪いけど、八つ当たりさせてもらうから」


もう話すことは無い、とばかりに背を向ける。
一度決めたら曲げられない、という美樹さやかの性質が、死んでも変わっていないことにうんざりする。
でも、消えゆくまどかの気配を感じながら、あたしは予感していた。

――このまどかとは、いずれ戦うことになる。
膨大な魔力と巨大な因果を背負った『彼女』に、生前のあたしは戦うことすら出来ずに終わった。
今度は、違う。
この戦いが『望みを叶えるため』の戦いなのだとしたら。
まどかと戦って自分の過去を清算することも、きっとあたしの『望み』なのだろう――。



さやかサイド END
<> 1<>saga<>2012/09/05(水) 01:19:57.64 ID:br4JcGIq0<>

士郎サイド4


今後の方針やら夕食の当番やら、主に遠坂と話したことは山ほどあったが、とにかく慌しい1日が終わった。
セイバーから戦う理由を聞き出そうと思っていたが、夕方に見たあの「夢」のせいか、
彼女にそのことで話しかけるのは、何となく躊躇われた。

そうして翌日、遠坂と桜が鉢合わせて軽く修羅場があったり、
藤ねえと遠坂のバトルが勃発したりと、昨日と同様慌しい1日を予感させる朝をやり過ごした。
昼は昼で、学校ではどこか違和感を感じ、夕方は夕方で2人のサーヴァントを食卓に同席させて
遠坂からは白い眼を、桜からはどこか驚いたような、それでいて困ったような視線を向けられ、
藤ねえに関してはトラ・大・暴・走という三者三様のリアクションを受けて参ってしまったが、
結局2人は切嗣[おやじ]の知り合いとその友人、ということで落ち着いた。
遠坂には心の贅肉がどうとか言われたが、その遠坂には付くべき所に幾分贅肉が足りてないんじゃないか、
などと余計な事を、言わぬが仏であったことは言うまでもない。

そしてその夜。
魔術の鍛錬をサボるわけにはいかない、ということで、例によって土蔵へ向かっていた矢先――


?「驚いた。 私のマスターが随分と入れ込んでいるから、どの程度の人物なのかと思ったけど――案外隙だらけなのね」


――いつの間に屋敷に侵入していたのか、見知らぬ誰かに背後を取られていた。


<> 1<>saga<>2012/09/05(水) 01:21:15.27 ID:br4JcGIq0<>
士郎「っ、誰だッ!」


何度も殺されかけた経験のおかげか、咄嗟に振り返りながら下がると、
そこには闇に溶け込む黒い影のような少女がいた。


士郎「――お前、サーヴァントか」

?「ご名答。 そして貴方は、セイバーのマスターで間違いないわね」

士郎「どうして……屋敷の、結界は――」


そう、この屋敷には切嗣が張った侵入者探知の結界がある。
それを潜り抜けて現れたコイツは、まさか暗殺者[アサシン]の――


?「それは外れ、ね。 それに、そんなに警戒されても、私にそのつもりはないわ」


確かに、徒手空拳の黒い少女には殺気らしい殺気を感じない。
殺気や敵意を持たないのなら、結界が作動しなかったのは合点がゆく。
――だが、よく言うものだ。
この少女の瞳には……どこか今までのサーヴァントのそれとは、違うものを感じた。
例えばあの赤い槍の少女――ランサーのサーヴァントは、その槍のように研ぎ澄まされた殺気を放っていた。
しかしこの少女は違う。
槍や刀とは異なる……もっと無機質で、それでいて金属的な、殺気のない殺気とでも言うべきか。
あえて言えば、引き金を引けば何の躊躇いも感情もなく人を殺す『銃器』のような――そんなものを感じる。
この瞳には見覚えがある……こいつはつい昨日夢で見た、セイバーの過去に出てきた黒い少女だ。
<> 1<>saga<>2012/09/05(水) 01:22:38.39 ID:br4JcGIq0<>
士郎「俺を殺しにきたわけじゃないのか」

ほむら「えぇ、言ったでしょう。 今はそのつもりは無い、って」

ほむら「あまり事を荒立てられると、貴方のサーヴァントに見つかって面倒なことになるわ」

士郎「アーチャーはどうした。 たしか屋敷の周辺は監視されてるはずだぞ」

ほむら「あの子――アーチャーなら、さっき本来の拠点に戻ったわ。 マスターにおつかいでも頼まれたんじゃないかしら」


もっとも、そうでなければ私がここに入れなかったけど、と黒い少女は続ける。


士郎「なら、一体俺に何の用があるっていうんだ」

ほむら「別に。 単にあまりにも隙だらけだったものだから、からかいにきただけよ」

士郎「……つまりおまえ、俺に喧嘩売ってるのか」

ほむら「――それも間違いね。 貴方は他人と争う性質ではないようだし」

士郎「むっ――なんで初めて会ったばかりのお前に、そんなことが判るんだよ」

ほむら「さぁ。 でも貴方、判りやすそうな顔をしているもの」
<> 1<>saga<>2012/09/05(水) 01:24:08.67 ID:br4JcGIq0<>
だからなんで初めて会ったばかりの、それも正体不明のサーヴァントにそんなこと言われなくちゃいけないんだ。
そんな風に思っていたのが通じたのか、どこか弛緩していた少女の雰囲気が変わったことに気付く。


ほむら「冗談よ。 本当は訊きたいことがあったの」

ほむら「この家には貴方や、ま……アーチャーのマスターのほかに、一般人も出入りしているようね」

士郎「桜や藤ねえのことか――それがどうした」

ほむら「今後この戦いが激化して……それでも貴方は、彼女達のことを守りきれるのかしら?」

士郎「――守る。 そもそも俺は、自分から他のマスターを倒すつもりはない」

士郎「けど降りかかってくる火の粉を払うことには抵抗もない」

士郎「もし桜や藤ねえに危害を加えようとするヤツがいるっていうんなら――俺はそいつを倒すだけだ」

ほむら「そう……あとひとつ。 もし、貴方が守るといったその彼女達が敵であったら、貴方はどうするのかしら?」

士郎「な、に――?」


まさか、あの2人が――あるいはそのうちのどちらかが、マスターだとでもいうのか。
黒い少女の瞳は何も語らない。
ただ、もしそうなのだとしたら、俺は――。
<> 1<>saga<>2012/09/05(水) 01:27:48.64 ID:br4JcGIq0<>
士郎「わからない。 けど、もし桜や藤ねえがマスターだったとしても、敵になることはない」

士郎「ありえない話だけど――万に一つ、もし彼女達が非道を行うというのなら、俺が止めなきゃならない」

ほむら「許しはしない。 けど倒しもしない……そう言うのね、貴方は」

士郎「そうだ。 それに藤ねえは俺にとって姉貴みたいな存在だし、桜は――妹のような存在なんだ」

士郎「2人だけじゃない。 セイバーや……心配ないだろうけど遠坂だって、いざって時は守らなきゃいけない」

ほむら「……そう。 そこにはきっと、『貴方自身』という考えは、含まれていないのでしょうね」

士郎「――え?」


ため息をつき、あからさまに肩をすくめて、そいつは言いやがった。


ほむら「誰かを救っても、貴方は貴方自身を救わない――そんなものは、偽者の理想に過ぎないわ」

士郎「なん、だと――?」

ほむら「人助けの果てには何も残らない――結局それじゃ、他人も自分も救えない」

士郎「じゃあ、そういうお前は何の為に戦ってるんだ……!」


ほむら「知れたことよ。サーヴァント……魔法少女は、誰のためでもない、自分自身の祈りの為に戦うもの」

ほむら「もし、借り物の意志で戦う者がいるとすれば――そいつは理想を抱いて、溺死することになるわ」

ほむら「何かを守りたい、救いたいというのが貴方達の願いなら……『何を救いたい』のか、今一度よく考えておくことね」


言いたいことを言ったのか、正体不明のサーヴァントは、気がつくと忽然と姿を消していた。
――否定しなければいけなかったはずなのに、声が出なかった。
そして最後の言葉は、誰に向けられたものだったのか。
気付けば俺の背後には、セイバーが佇んでいた。


士郎「セイバー! いつから、いたんだ――?」

さやか「……」


黒い少女の言葉は、俺と同様に青い少女にも堪える『何か』があったのか。
暫く俯いたまま沈黙していたセイバーは、漸くその口を開いた。


さやか「……士郎。 あたしが戦う理由、それは――」



士郎サイド4 END

<> 1<>saga<>2012/09/05(水) 01:36:45.88 ID:br4JcGIq0<>
――理想を抱いて溺死しろ。

ということで今日はここまでです。
いよいよ役者もほぼ出揃い、この後はいよいよあのデ……マミさんとのバトル、のはず。
Fate本編をやりこんだ方はお気づきかもしれませんが、都合上かなりのパートを凝縮してます。
本編なら数日間の出来事が、2日ほどに詰め込まれてる慌しい聖杯戦争ですね。
あとどうしても冗長になってしまうのと、原作をなぞる必要がでてきてしまうパートでしたが、
正義の味方の話と理想を抱いてどうたらの話だけは外せませんでした。
ほむほむはライダーやったりアーチャーやったりと忙しいですが、
彼女が言ってること自体は、まどマギ本編ともそう変わりないはずです。

ということでまた今度。 <> sage<><>2012/09/05(水) 07:43:22.34 ID:sub371rE0<> 乙! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)<>sage<>2012/09/05(水) 11:21:13.79 ID:lAvU/A5H0<> 乙
外伝の作者とまどマギの脚本が
同一人物だからっていうのもあるんだろうど
第5次でもうまく設定が噛み合ってるな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2012/09/05(水) 16:11:20.36 ID:SdiP/nPr0<> 乙
>>理想を抱いて溺死しろ
居たね〜そんなやつ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 19:32:07.99 ID:0ppXjaQDO<> なんだろなぁ、無理やり原作に押し当ててる感じ?
セリフも無理やり喋らせてるから違和感ハンパないし
クロスの持ち味がまったくないような
あと、士郎はキリツグをおやじって呼んでたんだっけ?

まぁ、まだつまらないけどこれから?
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 19:47:17.94 ID:ClaFumZ7o<> コレジャナイ感は確かに凄い
これからだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<>sage<>2012/09/05(水) 20:49:10.77 ID:geW5AStPo<> 気持ちはすげーわかるけど黙ってろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)<>sage<>2012/09/05(水) 20:52:37.97 ID:MmNTBcOK0<> >>キリツグ
たしかよんでたよ
本人をよぶときには爺さんといってたけど
<> 1<>saga<>2012/09/05(水) 21:37:27.64 ID:br4JcGIq0<> ――体は硝子で出来ている。
血潮は硝子で 心も硝子。
幾たびの書込をして不評。
ただの一度も満足はなく。
ただの一度も満足されない。
彼の者は常に独り 画面の前で敗北感に酔う。
故に、その書込に意味はなく。
そのSSは きっと惰性で出来ていた――。


ということで、相当不評のようですので、
140までに多いほうで結末[ケリ]をつけます。
すいませんが硝子の心の持ち主の俺には、最初から無理があったったのかもしれません。

1.なんとか書けるところまでは書く。
2.どうにかバーサーカー戦まで書いて打ち切りEND <> 1<>saga<>2012/09/05(水) 21:38:45.89 ID:br4JcGIq0<> ごめんミス。遠すぎワロタwwwワロタ……。
>>135まででお願いします。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/09/05(水) 21:48:30.79 ID:efHVsStn0<> スレ立てたなら最後までやれよ
1 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)<>sage<>2012/09/05(水) 21:50:14.33 ID:lAvU/A5H0<> おい>>1ふざけんな氏ねっていうか[ピーーー]
自分じゃ書けもしないのにこれじゃないとか抜かす
阿呆の書き込みを真に受けてる暇があるなら
とっとと続きを書け太郎

ということで2 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 21:50:52.89 ID:jC6OWZpDO<> つまらないから2で良いんじゃね?
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2012/09/05(水) 21:54:59.57 ID:SdiP/nPr0<> 1
とりあえず書けよ
俺みたいに待ってるやつもいるし
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2012/09/05(水) 21:55:19.00 ID:SdiP/nPr0<> 1
とりあえず書けよ
俺みたいに待ってるやつもいるし
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 21:58:06.56 ID:U6uXiUGWo<> 一応1にしておくが、
違いが分からんと言うか
下手すると1の方が速く終わるんじゃね? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)<>sage<>2012/09/05(水) 22:02:34.74 ID:MmNTBcOK0<> 2 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/05(水) 22:05:20.27 ID:7WD7ZXHqo<> さっさと書け太郎 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)<>sage<>2012/09/05(水) 22:14:51.21 ID:sub371rE0<> 1 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 22:29:50.53 ID:hn6nosPIO<> 3.最後まで書く <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/05(水) 22:38:31.56 ID:CFyldbCl0<> 1やっぱり書いてほしいですね
ついでに叩くくらいなら読まなければいい
>>1と読みたいと思う人に失礼 <> 1<>saga<>2012/09/05(水) 22:50:40.73 ID:br4JcGIq0<> >>130-140
すいません、ありがとうございます。
指定安価までは半々くらいですが、読んでくださる方もいるので、
なんとか書けるところまでは書こうと思います。
それがどう頑張ってもマミさん編までだったら、申し訳ありませんがすいません。

あとせめてもの侘び代わりではありませんが、応援してださる読者の方の多くは
マミさん推しの方が多いようなので、
マミさんが主役級の活躍をする(予定の)ほうのスレもおいておきます。
余計な設定(という名の地の文)が少ない分、進度はあっちのほうが速いと思います。

つ【Fate/SN×まどマギ】士郎「まどマギキャラと、安価で聖杯戦争?」【安価】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346820409/


こっちの狂戦士と化したマミさんも、なんとか格好いい活躍ができるよう細々と頑張りますので、
これからもよろしくお願いします。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<><>2012/09/05(水) 23:17:32.62 ID:wyQZMHgo0<> この程度の叩きでへこたれてたらSS書きなんてやってけないぜ?
批判から学ぶことも多いし、ネタになる部分も多い
でも、気にしない事も大事
反省なら全部書ききってからにしろ
執筆中は退かぬ!媚びぬ!省みぬ!の精神で <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)<>sage<>2012/09/05(水) 23:18:41.99 ID:ysR9PDSL0<> SS初めて書いてるんなら、まあこんなもんじゃろ
書けるところまで書いてみるがよい
というかマミさんのほうのスレは良い感じだな
これだよこれ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 23:37:31.78 ID:R1RoXpsIO<> この残念なスレはもうやめよう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)<>sage<>2012/09/05(水) 23:41:43.87 ID:tTO8KVlR0<> >>144
お前が人間をやめればいいんじゃね? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/05(水) 23:45:58.17 ID:R1RoXpsIO<> 石仮面をください <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)<>sage<>2012/09/06(木) 00:38:25.10 ID:Pfrzzj6Yo<> 見たくなかったらそっと閉じて、見たかったら続きを待っとく <> 1<>saga<>2012/09/06(木) 23:10:51.82 ID:eVPU+cE70<> 俺のアルミ缶ハートは修復不能なのか、一気に書けなくなっちまった。
しかし一度書いたのを全部破棄して、もう一度どうにか形だけ取り繕った。

最初に言っておくけど、正直ここからの展開はDB好きな人は読まないほうがいいです。
一度消して、その後どう考えても、これしか展開が思い付かなかった。
まぁそもそも二次創作、それもクロスオーバーの時点で他人の褌2枚使って相撲取ってるようなもんだし、
もう1枚増えたところでどうでもいいか。
ということでヤケっぱちな展開でよければ、続きをどうぞ。 <> 1<>saga<>2012/09/06(木) 23:11:28.80 ID:eVPU+cE70<>

士郎サイド5


その後、俺は遠坂と作戦会議と称して、お互いに知り得た情報を話し合った。
俺のほうは学校で感じた違和感と、先ほど会った謎のサーヴァントのことを話した。

……意外だったが、遠坂は学校の件については全く気付いていなかったらしい。
卓越した魔術師である遠坂が気付かなかった以上、あれは俺の思い過ごしだったのかもしれない。
――だが一方で、あの妙な視線のような感覚は思い過ごしではないと、俺の中の何かが告げていた。

そして先ほどの黒いサーヴァントについては遠坂曰く、断定こそ出来ないがライダーではないかということだった。
信用は出来ないが、本人がアサシンのサーヴァントであることを否定していたこと、
またキャスターであれば白兵戦に優れたセイバーの本拠地に乗り込むような
愚を犯すような真似はまずしないから、ということだ。
となれば消去法で、残るのはライダーだ。
機動力に優れるというライダーのサーヴァントならば、大胆に敵陣に乗り込んでも
即座に離脱する術を持っているだろうし、説としては筋が通っている。
――それよりも、そんな正体不明のサーヴァントと差し向かう状況になった無用心さを、
遠坂に呆れられたというのは、言うまでもない。
<> 1<>saga<>2012/09/06(木) 23:12:18.32 ID:eVPU+cE70<>
一方で遠坂からは、今回の聖杯戦争の異常に関する報告があった。
魔法少女の真実と、歴史の裏で暗躍してきたという契約者[インキュベーター]の陰謀。
そして遠坂のサーヴァント――アーチャーの戦う、その理由。
お互い複雑な事情があるのか、アーチャーからは口止めをされたが、
その話には席を外していたセイバーの知らない事情も、多くあるということだった。

またもう一つの収穫は、俺達以外の勢力が判明したことだ。
これは遠坂が、俺を教会へ連れて行った事への見返りで、あの言峰という神父から聞き出したらしい。
それによると本来は7人いるはずが、今回サーヴァントは5人で既に出揃った状況なのだという。
ということは、あの黒いサーヴァントのほかはランサーとバーサーカーのみ。
謎のサーヴァントとランサーに関しては不明だが、バーサーカーについては、マスターも判明している。


――そうして話は決まった。
敵の勢力が判明した以上、座して待ち続ける必要も無い。
俺と遠坂は、翌日にもバーサーカーのマスター・イリヤが文字通り根城にしているという
アインツベルンの別荘とやらに向かうことにした……。


そして翌日――。


士郎「じゃあそういうことだから、今日は学校には行かないけど……悪いな、桜」

桜「いえ、それはいいんですけど――先輩、どこかに行っちゃうんですか?」

士郎「あぁ。 今日はちょっと、どうしても外せない用事があるんだ」

桜「そう、ですか……」


誤魔化す様な形になってしまったが、一般人である桜は巻き込めない。
桜が登校してから暫くして、俺は一度家に帰った遠坂と合流し、
一路アインツベルンの居城があるという森に向かうこととなった――。
<> 1<>saga<>2012/09/06(木) 23:13:16.12 ID:eVPU+cE70<>
――その森は、どこか鬱蒼としていた。
加えて、来訪者を拒むかのような雰囲気を森全体から感じる。

凛「そんなの当然じゃない。 魔術師の根城なんですもの。 おそらく、私たちが来ていることもとっくにお見通しのはずよ」

言われてみれば当然だ。
俺の家にも、侵入者を探知する結界が張ってある。
あれは敵意ある侵入者に対してみ発動するものだが、この森のそれは招かれざる客全てに対して有効な結界なのだろう。


凛「さて。 そろそろこの辺だと思うけど――」


そう言って何かを探すような素振りを見せていた遠坂の動きが、固まった。
――その眼前には、いつの間に現れたのか、あの白い少女・イリヤとそのサーヴァント――バーサーカーが
待ち受けていたからだ。


士郎「な――いつの間に――!」

イリヤ「こんにちはお兄ちゃん――また会ったね」

そう言って微笑む少女は、無邪気そのものだった。
だが――。


イリヤ「言ったわよね、リン。 次に会ったら容赦しない、って――」


その殺意が、桁外れの魔力と共に膨れ上がる。


凛「っ、アーチャー!」

対する遠坂も、一瞬で落ち着きを取り戻しアーチャーを実体化させていた。
気付けば俺の傍らにも、セイバーが油断無く構えている。


バーサーカー「ヴォオオオオオオッ!!!」


その咆哮が合図になったのか。
サーヴァント3体による想像も付かないような激闘が、幕を開けた――。


士郎サイド5 END

<> 1<>saga<>2012/09/06(木) 23:14:09.42 ID:eVPU+cE70<>

イリヤサイド


大地を揺らすバーサーカーに対し、セイバーは剣で打ち合い、
アーチャーは後方から弓で援護射撃をしている。
それは、あの夜の戦いの再現だった。


イリヤ(――それにしても)


ふとサーヴァントの戦いを傍らで見守るお兄ちゃん――士郎を見る。
わたしのバーサーカーの一撃を受けた士郎は、少なくとも相当の重傷だったはずだ。
何しろ、身体がほぼ上下に千切れかけていたのだから。
卓越した魔術師であっても、治癒に特化した術者で無い限り1日や2日で完全回復させるのは不可能のはず。
わたしのようなホムンクルスであるならまだしも、凛と手を組んでいるとはいえ、
素人同然の士郎があそこまで回復しているのはおかしいんだけど――。


まどか「ッ、さやかちゃん離れてっ!」

さやか「――まどかっ!」


バーサーカーと打ち合っていたセイバーが離れて、アーチャーの『矢』が炸裂する。
それは確かに、大した魔力だった。
しかも一撃でも大威力を誇るそれが、数にして20を超える釣る瓶撃ち。
あれならば確かに、並みのサーヴァントを数度殺してお釣りがくる。
けど――。


バーサーカー「――ォォォオオオオオオォォッ!!!」

まどか「そんなっ……効いてない、なんて……」


それも当然。
何しろ最強であるアインツベルンのサーヴァントなんだから。
あれくらいの芸当は見せてもらわないと困る。


士郎「遠坂っ――何か、手はないのかよ――ッ!」

凛「……」


見れば、てっきり飛び道具で援護に回るものかと思っていた凛は、じっとその戦いを見つめている。
――何か、策でもあるのだろうか。
<> 1<>saga<>2012/09/06(木) 23:14:48.30 ID:eVPU+cE70<>
まどか「……きゃあっ!!!」

撃ち終わりの一瞬の隙をついて、アーチャーにバーサーカーが肉薄する。
そしてその勢いを殺さず、アーチャーの弓ごと、手にした銃底を叩きつけ吹き飛ばす。


さやか「――これでも、喰らえぇぇッ!」

逆にその打ち終わりの隙をついたセイバーが無数の剣を投擲して、バーサーカーの動きを止める。
その全てが肉体に弾かれたかと思いきや――上体に投げたものはフェイクだったのか、
バーサーカーの両足が剣で地面に縫い付けられている。


さやか「まどかッ!」

その、バーサーカーが留まった僅かな瞬間にアーチャーに駆け寄ったセイバーが、
傷を負ったアーチャーに触れると、一瞬でその傷が消えていた。


イリヤ(――ふぅん、なるほどね……そういうことだったの……)

それは、あのセイバーのサーヴァントの魔術特性なのか。
卓越した魔術師でも治すのに数秒はかかる大きな傷を、一瞬で完治させる治癒魔術。
あれならば確かに、士郎の負った傷が消えたのも納得だ。


まどか「あ、ありがとう、さやかちゃん……助けてくれて……」

さやか「勘違いしないでよ、まどか――あんたを倒すのは、このあたしなんだから」

バーサーカーが両足を縫いつけた剣を砕く僅かな隙に体制を立て直した2体のサーヴァントが、再び飛び掛る。
……あの程度の力量ならば、このままでも全員を粉々にするのも簡単だろう。
でも凛と士郎には――殺す前に、死よりも恐ろしいモノを見せ付けてあげないと。



イリヤ「――遊びは終わりよ。 狂いなさい、巴マミ」



歌うように、高らかに宣言する。
それに呼応し、バーサーカー……私の、最強のサーヴァントは閃光に包まれ――その真の姿を顕にした――。



イリヤサイド END

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/09/06(木) 23:22:50.75 ID:A5zp5/X8o<> デミと出るかマブと出るか…… <> 1<>saga<>2012/09/06(木) 23:25:26.73 ID:eVPU+cE70<>

士郎サイド6


一体、何が起こったのか。
巨大な暴力の塊であるバーサーカーに、一歩も退かずに応戦していたセイバーとアーチャー。
何か『策』でもあるのか、その戦いを――どこかタイミングを伺うかのように眺めていた遠坂。
そして、そんな俺達の様子を余裕の表情で眺めていたはずのイリヤが――変わった。


士郎「な、あれは――!」

白い少女の身体には、その膨大な魔力が見て取れる巨大な令呪が浮かび上がっていた。
遠坂が言っていた、マスターとして桁違いの存在であるというのは、このことだったのか。
強力な魔力の奔流がバーサーカーに流れ込み、その岩のような身体を閃光が包み込んだ――!


――やがて、その爆発のような魔力の奔流が収まり、立ち込める煙の向こうから姿を現したのは、
金髪の少女だった。


凛「あ……あれが、バーサーカーの正体……なの?」


巨大な岩石の塊のようだった身体は、セイバーたちともそう変わらない少女の姿に変わっていた。
<> 1<>saga<>2012/09/06(木) 23:25:56.04 ID:eVPU+cE70<>

士郎「ず、随分小さく……迫力も……」


これならば、いける――愚かにもそう感じた直後、俺はとんでもない悪寒を感じていた。


凛「ば、バカ士郎ッ! あれは、外見だけで実力を判断しちゃダメっていういい見本よ……!」


遠坂の言うとおり、「ソレ」はとてつもなく巨大な魔力を放っていた――!


凛「元より、狂化したモノを喚びだしていた――それを狂化させたことで真の姿になった、っていうの――?」

まどか「――マミ、さん……?」

さやか「……」

魔法少女たちも何を感じたのか、驚愕の表情を浮かべている。
やがて現れた少女は、静かにその口を開いた。



マミ「お久しぶりね。 鹿目さん、美樹さん……でも、その前に」



――いつの間に構えていたのか。
あの、化け物のような姿だった時には力任せに振るっていた長銃が、気が付くと火を吹いていた。

<> 1<>saga<>2012/09/06(木) 23:26:40.50 ID:eVPU+cE70<>

さやか「――!!!」


なにも、見えなかった。
ただ……何かが光っただけ、としか――!


イリヤ「……これでもう、復活はできないでしょう?」

それは俺も遠坂も、サーヴァントであるアーチャーですらも、反応できない一撃だった。
――否、一撃ではない。
セイバーを貫いた閃光は4発。
1挺だけと思われたマスケット銃は、いつの間にか4本がバーサーカーの足元に転がっていた。
いつか、テレビで見たことがある。
原理こそ異なるが、何丁もの拳銃を一瞬で撃つ技術――クイック・ドロウというやつか。


士郎「――せ、セイバーッ!」

駆け寄って、その傷を見る。
……貫かれたのは、両の手足。
そのどれもが、つながっているのが不思議なほどの重傷だった。


さやか「あ、あたしはいいから、はや――!」

早くどけ、と言いかけたのか。
振り返るとあの金髪の少女の手には再び銃が握られており、
その銃口が煌いたのが視えた――。
<> 1<>saga<>2012/09/06(木) 23:27:20.60 ID:eVPU+cE70<>

凛「――避けなさい、士郎ッ!」


――気が付くと俺は、横合いから飛び出した遠坂に蹴り飛ばされ、無様に頭から地面に突っ込んでいた。

士郎「ぐあ――ッ!」

セイバーを貫いたあの光を、すんでのところで避けることができたのだと気付いたのは、その直後だ。


まどか「り、凛ちゃんには、見えているの……? なんで……?」

イリヤ「――ふぅん、それが貴女のとっておきってわけ、リン?」


アーチャーの疑問に応えるかのように、イリヤが呟く。
見れば、遠坂の手には煌々と輝く宝石が握られている。


イリヤ「――瞬間的な、強化の魔術。 その宝石に溜め込んだ魔力を、上乗せしたのね」


凛「ご名答――えぇそうよ、アンタにいいものをみせてあげようと思って、ね――!」


士郎「と、遠坂お前……まさかあんな怪物に、勝つ自信があるっていうのか――!?」

俺の問いに答える間もなく、遠坂は駈け出していた。



凛「"Stil, schieβt Erscheβung[全財投入、敵影、一片、塵も残さず]――!"」

凛「わたしが物心ついた時から貯めに貯めた貯金なんだから――これでも喰らって、おとなしく消えときなさい――ッ」


<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2012/09/06(木) 23:28:47.69 ID:A5zp5/X8o<> エネルギーは連打はフラグ <> 1<>saga<>2012/09/06(木) 23:29:04.27 ID:eVPU+cE70<>

イリヤ「――だめ、避けなさいバーサーカー!」

白い少女が、初めて悲壮な声をあげる。
だが、それも遅い。
遠坂の手から放たれた途方も無い光弾――俺が生涯目にした中で、間違いなく
一番巨大な魔力の塊だろう――それがバーサーカーを飲み込もうとしている――!



士郎「ば、バカッ、この森ごと消す気か、遠坂――ッ!!!」



その場にいた誰もが、バーサーカーの消滅を確信していた。

――だがそれは、なんという悪夢か。
いつの間に肩に銃を担いでいたのか――金髪の少女は、逆手に持った長銃で、
遠坂の必殺の一撃を、その銃底で、文字通り打ち返していた。

……今のは、間違いなく遠坂の――フルパワーの一撃だった、ハズだ。


まどか「さ、下がって――ッ!」


呆然と立ち尽くす遠坂を庇って、アーチャーが飛び出す。
その次の瞬間には、バーサーカーの銃底がアーチャーの下顎を捉えていた。
上空に吹き飛ぶアーチャー。
だが既に先回りしていたのか、今度は空中から地面に向かって蹴り飛ばすバーサーカー。
地面に叩きつけられ身動きが取れないアーチャーの首を、
バーサーカーが取り出した――リボンのようなものが締め上げ、その身体を持ち上げる。


マミ「――手助けをしたければ、いつでもどうぞ?」


そうして、無防備なアーチャーの身体を、無慈悲な打撃が打ちのめしてゆく。


凛「あ――ア――」

まるで次元違いのバーサーカーに、俺も、遠坂も、まるで金縛りにあったかのように
身動きが取れなくなっていた。
見れば、傷の回復に専念していたハズのセイバーですら、固まっている。

打ちのめされ続けるアーチャーが息絶えた瞬間――それこそがまさしく、
俺達の命運が尽きる時なのだと――俺達3人がそう感じ、
もはや特攻をかけるしかないと思ったその時――




――そいつは、現れた。




ほむら「――それには及ばないわ」




士郎サイド6 END

<> 1<>saga<>2012/09/06(木) 23:31:48.69 ID:eVPU+cE70<> ――ということで、今日はここまで。


Fate / まどか☆マギカ GT(ごめんなさい、鳥○先生)


END <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)<>sage<>2012/09/06(木) 23:44:37.34 ID:7B5zlbd60<> 面白いか面白くないかでいえば、思った以上に面白かった件wwwwww
ホムホムがまさかの悟空かよww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/09/06(木) 23:49:01.89 ID:XLJ4WN/IO<> お前にしては良くやった! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)<>sage<>2012/09/06(木) 23:53:07.42 ID:ImIuHXgn0<> まぁた上から目線のもしもし荒らしが湧いてんな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/09/06(木) 23:55:06.66 ID:XLJ4WN/IO<> やだ…私粘着されてる!? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 00:07:04.82 ID:me4EgP750<> 乙!
しかしマミさんは想像するとなかなかシュールだなw <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/09/07(金) 13:31:03.93 ID:cfg/YxEEo<> はよ <> 1<>saga<>2012/09/07(金) 15:17:23.79 ID:VRennISZ0<>
凛サイド3


絶望に支配されたわたし達の前に現れたのは、昨日士郎が会ったという謎の少女
――おそらくは、ライダーのサーヴァント――だった。


士郎「な――お前、どうして――」

士郎の呟きに視線だけを向けた黒い少女は、その後なぜか、
バーサーカーに打ちのめされて身動きが取れない私のアーチャーの元へ歩み寄った。


まどか「……ほ、ほむら……ちゃ、ん……」

ほむら「――まどか」


――そうか。
アーチャーの語っていた、絶望の運命にたった独りで最後まで戦い続けた少女。
それが、きっとあの黒い少女なのだ――。


まどか「お……お願い……ま、マミさん……マミさんを倒して、あげて……」

まどか「……同じ……ま、魔法、少女の……手、で……」

ほむら「――」



気付くと、その鋼の塊のような冷徹な殺気は、バーサーカーに向けられていた。



ほむら「"固有時制御・2倍速[クロックアップ・ダブルアクセル]――!"」


<> 1<>saga<>2012/09/07(金) 15:18:28.97 ID:VRennISZ0<>
――それがこのサーヴァントの『宝具』なのか。
先程までのセイバーやアーチャー、そして一時的とはいえ宝石に溜め込んだ魔力で『強化』した
私の動きをも遥かに凌駕する凄絶なスピードで、黒い少女はバーサーカーに肉薄していた。
金髪の少女が銃口を向けるよりも速く、その手に握られた凶器――ゴルフクラブが唸りを上げる。
銃撃は間に合わないと見たのか、銃身そのもので衝撃[それ]を受けるバーサーカー。
そこから先は、私の眼でも追いきれなかった。


さやか「ま、まどか……今の、うちに……」

いつの間に近づいていたのか、傷を治していたはずのセイバーがアーチャーの傍に身を寄せていた。
その手足は治りかけているとはいえ、まだ傷は塞がっていない。


まどか「さやか、ちゃん……どうし、て……」

さやか「……あたしの魔術は、自分を治すより他人を治すほうが、早いからね……今のうちに、立て直さないと」

そう言って、アーチャーの傷を瞬時に治すセイバー。
――そういえばアーチャーの話によれば、このセイバーのサーヴァント――さやかは、
生前は他人の傷を癒すための祈りで、魔法少女になったと言っていた。
おそらくそれが、彼女の魔術特性にも大きく影響しているのだろう。


マミ「へぇ。 やるじゃない、暁美さん?」

ほむら「――!」

――それは、神話の再現だった。
目にも止まらない動きで迫るライダーを、あのバーサーカーは悉く弾き返していた。
手にした銃身だけではない。
どこからか伸ばしたリボンすらもが、まるで削岩機の刃のように旋回している。
四方八方に回転する刃は、近づくもの全てを粉砕する。
それをあのライダーは、一撃も喰らうことなく逆に打ち返している。


まどか「み、見えないっ! こっ、この『神』の目にもッ!!!」

体力を回復させたのか。
起き上がってその戦いを見つめるアーチャーも、驚愕に目を見開いていた。
……もし現れたサーヴァントが、本来の『英霊』であったとしても、
果たしてあれほどの戦いを、演じることができただろうか。


――だが、目に見えぬはずのその戦いの最中。
あの金髪の狂戦士の口元が、不自然に歪んでいるのを、私は見た――。



凛サイド3 END

<> 1<>saga<>2012/09/07(金) 15:54:29.92 ID:VRennISZ0<>
桜サイド


桜「――お願いライダー。 先輩を、守ってあげて――」


それが、私が初めて使った令呪の制約だった。
そのバックアップを受けたライダーの戦いは、予想していたレベルを遥かに超えている。


臓硯「カカ、まさかこれほどの能力[チカラ]を持っていたとは、のう――!」

私は今、お爺様と一緒にその『戦い』を見守っている。
これはお爺様の得意な『蟲』の使い魔を使役した遠見の術。
先輩には魔術師[マスター]であることを隠している以上、表立って先輩に協力することはできない。

それでも先輩や姉さん――遠坂先輩が、死地に赴いていることは判っていた。
――私には、何でもないような顔をして、戦いに向かった先輩。
放っておくことは、私にはできなかった――。


ほむら『――!』

一際高い衝撃音を散らして、2体のサーヴァントは離れた。
金髪の子――バーサーカーのサーヴァントには、まだ余裕の表情が浮んでいる。


マミ『たいした自信ね――でも私は気付いてるわよ? あなたはまだ、本気を出していないって』

ほむら『――さすがに、バレているようね』

マミ『それを計算に入れても――およそ半分の力も出せば、あなたを塵にすることができるわ』

ほむら『……それは少し、大袈裟すぎるわね。 ハッタリをかませ過ぎよ……』


桜「そ、そんな――!」

――信じられない。
あれほどの戦いですら、まだ2人にとっては本気ですらなかったというの――?

やがて、暫くタイミングを探り合っていた両者は、どちらからともなく再び激突を始めた。
その様子は、一見すれば先程までの戦いと変わりないようにも見える。
でも――


ほむら『――クッ!』

ついに被弾し、押され始めるライダー。
息が切れ始め、身体中に生々しい傷が次々と生まれるそのライダーとは対照的に、
バーサーカーの余裕の表情は変わらない。


臓硯「これはまずいのう……隠しておいた実力に、差がありすぎるようじゃな……」

桜「――大丈夫……固有時制御は、3倍くらいまでなら、なんとか――!」

そうだ。
今のライダーは2倍で戦っているけど、3倍までならどうにか、
身体も、私から供給している魔力量にも、問題は無いはず――。



――その希望を、お爺様の言葉が砕いた。



臓硯「残念じゃったのう……いま使っておるのが、その3倍速なのじゃ……」



桜サイド END

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)<><>2012/09/07(金) 17:42:20.48 ID:4aAigRDN0<> おっつ乙
デミさんがまさかここまでフリーザ様役ハマるとはな
でも元気玉も超化もできるキャラがいないのにどうやって倒すんだろう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 17:53:31.75 ID:PGZCS+sDO<> ほむら…いつから切嗣になったwwww
マミさんがかっこよすぎて惚れ直した <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 18:35:58.70 ID:fCg2o9JIO<> 笑えない。迷走しすぎだろ

安価スレ頑張った方がいいよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage <>2012/09/07(金) 20:29:45.71 ID:uOX7tNqk0<> いや、十分楽しいよ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)<>sage<>2012/09/07(金) 20:31:01.77 ID:me4EgP750<> なんかだんだんギャグっぽくなってきたぞww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 21:41:12.70 ID:+jdcDSAFo<> 魔法手に入れた中坊がDBごっこしていると思えばあら不思議。たちまちほのぼの空間に <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 21:43:44.23 ID:3KcFl6zzo<> 安易なパロディの何が面白いのか

ぶっちゃけ冷めた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)<>sage<>2012/09/07(金) 22:27:18.23 ID:A5IqBTM00<> 冷めただの笑えないだの連呼する奴は黙って閉じればいいだけじゃね?
そも、1が言うように二次創作自体パロディなんだし
設定とかもおかしくはないし、逆に話としては面白いと思うぞ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/07(金) 22:31:34.50 ID:3KcFl6zzo<> 安定の(空) <> 1<>saga<>2012/09/09(日) 00:00:21.40 ID:Dvoaw/sQ0<>

ほむらサイド3


――誤算、だった。
まどかとさやか、そしてそのマスターたちが戦っている様子から見て、
あのマミの強さは、固有時制御を3倍速まで引き上げれば、どうにかなるものだと確信していた。

それが、この様だ。
『狂化』の属性を付与されたサーヴァント。
そしてその『狂化』したサーヴァントの能力を限界以上に引き出す、アインツベルンのマスター。
……そのどちらも、私や桜が想像していたものより遥かに上をゆく、正真の化け物だったのだ。


ほむら(……こ、固有時制御を、4倍までなんとか引き上げるしかない……)

ほむら(か……身体が保たないかもしれないけど……)

ほむら(でも、マミが言うように今のあいつの力が本当に半分のものだったら、完全にもうどうしようもない……)

ほむら(賭けるしかない……! お願い、今度こそハッタリであって……!)



ほむら「"固有時制御・4倍速[クロックアップ・スクウェアアクセル]――!!!"」



足の筋肉が断裂する。
踏み込んだ衝撃が内蔵にまで響く。
けれど、それくらいは安い代償だ。
……バーサーカーとなったマミには、近代兵器の類は通用しない。
ならば勝機は、この痛みすらも攻撃力に転換した、必殺の一撃を食らわせるしか、ない――!


ほむら「――ぅ、あアアアアアアァァッ!!!」

マミ「――!」

鈍器を振り下ろす。当たる。
逆に振り上げる。当たる。
振り上げた勢いを殺さず、月面宙返り蹴り。当たる。
着地から反転して、真横への振り打ち。これも当たる。
くの字に曲がった胴体めがけて、同じ軌道をなぞるような後ろ回し蹴り。吹っ飛ぶ。

一撃どころでは済まさない。会心の五連撃。
時間にして、1秒にも満たない刹那のまとめ打ち。
そして最後の一撃で吹き飛んだマミめがけて、ダメ押しのRPGを撃ち込む!
これで駄目なら、もうどうしようも、ない――!


<> 1<>saga<>2012/09/09(日) 00:00:56.75 ID:Dvoaw/sQ0<>


――煙が晴れ、現れたその姿を見て、私は絶望した。



マミ「――今のは、結構痛かったわよ――暁美さん?」


回避は、間に合わなかった。
――否。
通常の速さでその動作を行う力すら、私には残っていなかった。



まどか「ほ、ほむらちゃん――!!!」



自分が、今どんな攻撃を喰らっているのかすらも解らない。
顔面に、鳩尾に、こめかみに、左脇腹、股間、右肩、左脚太腿、その他諸々――貫くような痛みだけが、
攻撃を受けた箇所を信号として伝えてくる。

――やがてそれも飽きたのか。
身動ぎ一つ取れなくなった私の首を、マミの左腕が持ち上げていた。
その右手には、握られたマスケット銃の銃口が鈍く光っている。



マミ「――消えなさい」


<> 1<>saga<>2012/09/09(日) 00:01:43.54 ID:Dvoaw/sQ0<>

己の『消滅』を覚悟した、その刹那――



さやか「――だぁああああアアアアァァ――ッ!!!」



――美樹さやかの渾身の飛び蹴りが、マミの後頭部を捉えていた。
吹き飛ぶ巴マミ。
見れば、そのさやかの手足の傷もまだ治りきってはいない。


さやか「さっさと起きる! あたしの『力』じゃ、今の不意打ちで精一杯なんだから!」

そう言いながら、私の傷を癒すさやか。


さやか「はやくしてよ、ほむら! ――あんたならまだ何か、とっておきの『策』でもあるんでしょ!?」

焦ったように何かを促すさやか。
だが――。


ほむら「な――何言ってるのよ! 私にも、もうどうこうできる手段なんて残って無いわよ!」

さやか「――へ?」



そう言って、どこか間抜けな声を漏らしたさやかの身体に――



――悪夢のような、マミのリボンが巻きついていた。



さやか「う、うグゥッ!!!」

マミ「――背後からの不意打ちなんて。 あんまり感心した話じゃないわね、美樹さん?」


悪寒が、身体を突き抜ける。
さやかの身体に巻きついたリボンは、まるでミイラのようにその本数を増やし、
さやかの身体を締め上げながら浮かび上がらせてゆく。




――マミが何を考えるのか解った時、私達は叫んでいた。


ほむら「やめ――!」

士郎「やめろ、バーサーカー!!!」




――グシャリ、と。


浮かび上がったリボンの塊から聞こえたのは。


まるで巨漢のプロレスラーが、リンゴを握りつぶした時のような。
まるで布袋に詰めた、新鮮な豆腐から豆乳を搾り出す時のような――



――なにか絶望的な、音だった。



ほむらサイド3 END

<> 1<>saga<>2012/09/09(日) 00:02:50.93 ID:Dvoaw/sQ0<>

士郎サイド7


――信じられなかった。
並みのサーヴァントや、秘蔵の宝石で『強化』した遠坂の動きすらも、
遥かに凌駕したスピードであのバーサーカーと接戦を演じていたライダー。
そのライダーすらも上回る動きを見せたバーサーカー。
そして一か八かだったのだろう――凄まじい魔力で限界を超えたような連撃を加えたライダー。
『それ』を受けてすら、大したダメージを負わずにいたバーサーカーを吹っ飛ばしたセイバー。

――追い詰められているのは、目に見えていた。
冷静で、どこか皮肉げだったライダーがセイバーと口論し、目に見えて取り乱してた。
その僅かな隙を衝いたバーサーカーが、一瞬でセイバーをリボンで締め上げ――



ほむら「やめ――!」

士郎「やめろ、バーサーカー!!!」



――セイバーは、圧縮[つぶ]されていた。



士郎「な――」

その光景が、信じられなかった。
中空に持ち上げられたセイバーだった何か(?)からは、何か直視してはいけない色をした
液体やら固形物やらが、ボタボタと滴り落ちていた。

その光景を見て、固まっていたのは俺だけじゃない。
遠坂も、アーチャーも、そしてあのライダーすらもが、身動き一つ取れなくなっていた。


イリヤ「あは、アハハハハ! そうよバーサーカー、こいつらなんて、まとめて潰しちゃえばいいんだから――!」


そんな中で、あの白い少女だけが、その赤い目を狂喜に輝かせていた。
――その言葉に反応したのか。
呆然としていたライダーの傍まで一瞬で間合いを詰めたバーサーカーは、
先程の焼き直しのようにライダーの首を掴んで持ち上げていた。
<> 1<>saga<>2012/09/09(日) 00:03:20.31 ID:Dvoaw/sQ0<>

ほむら「ゥ、うグ――ッ!」


イリヤ「さぁ、バーサーカー! 次はそいつを潰してあげなさい――!」


白い少女が歌うように命じ、金髪の少女の目が細まる。
どうにか逃れようと、必死にもがく黒髪の少女。
何かその光景は、ひどくユックリと視えた――。



ほむら『何かを守りたい、救いたいというのが貴方達の願いなら……『何を救いたい』のか、今一度よく考えておくことね』


――初めて会った夜。
そう俺に言い捨てやがったあの少女が、次の瞬間には呆気なく赤い肉塊に変わる瞬間が視える。


何が、守る――だ。


今の俺は、誰一人守れていないじゃないか。
俺が守ると言い、そして共に戦うと誓った青髪の少女は、とっくに血と肉を撒き散らすだけの塊にされちまった。


――守れなかった。
あの赤い地獄を生き延びて、そしてその為だけに費やしてきた魔術の鍛錬の日々。
正義の味方に憧れた切嗣と、その夢を叶えると誓った幼い自分。
そして夢に見た、正義の味方を貫き通した、青い少女――。


――俺は、守れなかった。
それが堪らなく頭にきて――あと1秒後には同じ光景が繰り返されると理解できて
――俺の神経[かいろ]は、とっくに白熱して焼ききれていた。
<> 1<>saga<>2012/09/09(日) 00:04:13.96 ID:Dvoaw/sQ0<>


士郎「や、めろ――テメェええええエエエェ――ッ!!!」



気付けば、駆け出していた。
一瞬で『強化』した木刀を投げつけ、それをいともたやすく打ち払った
バーサーカーの射殺すような視線すら気にせず、駆け抜ける。
得物なんて無い。
あの化け物を叩き斬[どうにかす]る得物なんて持ち合わせていない。
無ければ、どうする。
――創ればいい。
白熱した頭脳[アタマ]で、極限まで焼き切れそうな魔術回路[しんけい]に魔力を通す。
一から魔術回路を作っていた衛宮士郎には、有り得ないハズの魔術行使。
身体が軋む。脳髄が沸騰する。
それがどうした。
あの薄ら笑いを浮かべたフザケた野郎を斬り伏せるための『武器』を用意しなければ。
考える。
考える。
考えて、埋没する。
自己の内の、さらにその極限。


士郎「投影、開始――!」


全ての工程を一瞬で飛ばし、幻想を結び剣と成す――!


<> 1<>saga<>2012/09/09(日) 00:04:45.72 ID:Dvoaw/sQ0<>

士郎「ォオオオアアアアアァ――ッ!!!」

手にした剣は、あの青い少女の剣。
どこまでも真っ直ぐで、それでいて澄み切った刀身を持つ、正義の味方の剣。

無我夢中で振り切った一撃は、金髪の少女の腕を容易く両断していた。
転げ落ちる黒髪の少女。

マミ「――クッ!」

残った片腕が、亜音速で銃身を振り抜く。

士郎「グ、あッ――!」

『剣』を創っただけでは足りないのか。
受けた衝撃を殺しきれず、俺の身体は元いた場所まで弾き飛ばされていた。



イリヤ「――もういいわ、バーサーカー。 手加減抜きで、こいつらをまとめて吹き飛ばしてやりなさい!」



令呪を発動させたのか。
強力な魔力の奔流が、目の前の金髪の少女に流れ込んでいるのが理解できる。


士郎「とお、さか――」

そんな様子を呆然と見つめている遠坂に、声をかける。


凛「な、何よ――それに士郎、その魔術――」

士郎「それは後だ――頼む、アイツの一撃を、どうにか食い止めてくれ!」

凛「そ、そんなの、どうやって――」


一瞬迷っていた遠坂がハッとした表情になり、アーチャーに振り返る。
<> 1<>saga<>2012/09/09(日) 00:05:28.98 ID:Dvoaw/sQ0<>

まどか「――できるよ、わたしがやる――これはわたしにしか、できないから――!」

既に用意していたのか。
アーチャーは魔力を溜め込んだ『弓』を引き絞っていた。



イリヤ「さぁ、見せてあげなさいバーサーカー! 貴女の、最強の一撃を――!」

凛「――令呪をもって命ずる――! 食い止めて、アーチャー!!!」


極限まで引き込まれた弓に、さらに令呪の魔力が上乗せされる。

金色の輝きが、現れた砲身の奥から顕れる。




まどか「"終末を齎す者の矢[フィニトラ・フレティア]――!"」


マミ「"約束された勝利の砲撃[ティロ・フィナーレ]――!"」




――そうして、光が弾けた。




金色の極光と、桃色の閃光。
周囲の木々が根元から折れんばかりの衝撃が、森全体に突き抜ける。
膨大な魔力のぶつかり合いが、地響きとなって余波を生み出す。


まどか「――う、うぐぐググッ!!!」


それでもあの狂戦士の魔力が上回るのか。
互角と思われた撃ち合いは、次第に金色の光に押し込まれている。


イリヤ「あはははは、さぁ終わりよ! 終わりにしてあげるわ!」


その狂戦士のマスターが狂喜に叫ぶ。
だが俺達は、これだけで終わるつもりは、ない――!
<> 1<>saga<>2012/09/09(日) 00:06:42.53 ID:Dvoaw/sQ0<>

マミ「――なっ!」


勝利を確信していたバーサーカーの側頭部を、一撃が襲った。
見れば、あの黒い少女――ライダーが横合いから無反動砲を撃ち込んでいた。



凛「今よ――!!!」


まどか「うあ――――ッ!!!」



一際明るい光が炸裂し、周囲に魔力の奔流が衝撃となって吹き抜けた。
狂戦士の勝利に終わると思われた撃ち合いが相打ちに変わった――その瞬間。



士郎「――ォオオオオオオオオォォッ!!!!」



大技を撃ち終わって硬直しているバーサーカーの懐に、踏み込んだ。
咄嗟に長銃を構えようとするが、それも遅い。
撃ち合いの最中にすら、数度回路が焼き切れるほどに夢想した、最強の斬撃。


士郎「投影、装填――」


魔術回路に、全魔力を流し込む。
狙い定めた八点に、斬撃を固定する。
最強を超えた最強。
あの青い少女が、生涯を通じて会得した究極の一撃。
――それだけでは足りない。
足りないものは、他所から補う。
ここにはいないはずの――否、本来ここにいるべきはずの巨人を、大英霊足らしめた必殺。
想念を読み取り、使い手の技量すらもこの腕に叩き込み――




「全工程投影完了――是、射殺す百頭・斬撃魔人[ナインライブズ・スクワルタトーレ]――!!!」




一撃で八つの斬撃を、同時に解き放つ――!!!!!




士郎サイド7 END

<> 1<>saga<>2012/09/09(日) 00:09:40.78 ID:Dvoaw/sQ0<> とりあえず今回はここまで。
そういえばこの士郎君は、凛の魔術講義も受けていなければ、
セイバーとの戦闘訓練もやっておらず、アーチャーの助言も受けていないという
序盤から何ら変わってない素人魔術師のままなんですよね。

ネタ元のDBもビックリな、戦闘力のハイパーインフレ。 <> 1<>saga<>2012/09/09(日) 00:12:47.50 ID:Dvoaw/sQ0<> あと追記ですが、固有時制御はゼロの切嗣さんの専売特許かと思われてますが、
まどポのほむほむの必殺技に「クロックアップ」という同系統の技があるんですよ。
表記上「固有時制御」と振りましたが、ネタ自体は公式であるということで、それだけ追記しておきます。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 00:13:12.51 ID:Co94ZTX4o<> めちゃくちゃだな
早いとこ着地点見つけて終らせときな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 00:14:35.78 ID:KdOzu9f20<> 乙! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)<><>2012/09/09(日) 00:21:13.42 ID:W4pRQzoU0<> 乙!
なんだかんだでこういう熱い展開は嫌いじゃないぜww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/13(木) 20:37:32.26 ID:zTVLoxDX0<> めちゃくちゃだろうがなんだろうが勢いってのが必要なんだよww

御大層なこと言う>>191はさぞ面白いSSを書いてるんだろうな? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)<>sage<>2012/09/14(金) 20:14:19.59 ID:qKHoOX6z0<> >>194
かけるわけないじゃんww
この手の発言する雑魚ほど自分じゃ何もできない無能なんだからよ

1復帰はよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/15(土) 05:42:57.27 ID:rqoh3PX9o<> やはり安定の(空) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)<>sage<>2012/09/15(土) 13:23:51.13 ID:on9ha/YA0<> オッ、まーたクソ雑魚がからんできやがったww
他人の板荒らすことしか能がない無能クンは氏ねばいいんじゃね? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/09/15(土) 19:27:33.92 ID:W8Pqp6fDO<> そう言えば、ここの>>1もさ、スレのことを板って表記するよな
他板とか、珍しい言い方だなと思ってたんだけど、上の人も同じ言い方なんだね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)<><>2012/09/15(土) 23:00:30.19 ID:Dm5JDoR40<> 板…?スレだよね…珍しい間違いだなあ…。


(空)
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)<>sage<>2012/09/16(日) 11:29:38.55 ID:YN4luZjQ0<> 「上の人も同じ言い方なんだよね」ドヤァ

板とか言ってただけでいつの間にか作者認定されてた件ww
いやはや光栄のキワミですなぁww
間違いとか抜かして無能クンも便乗しちゃってるし
ひとを自演認定すんのは勝手やが、俺にゃ1みてーな文章かけんからww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/16(日) 23:21:23.56 ID:8bDIDNBKo<> >>200
お前は悪くないよ、よく頑張ったね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/09/18(火) 04:23:53.98 ID:LfoEhU6IO<> (空)がこのスレを終わらせたな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)<>sage<>2012/10/03(水) 02:39:23.48 ID:5+6FFQtAO<> 言うほど悪くないと思うんだけど
結構面白いよ <>