VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:09:23.92 ID:yVe1S3s60<>DCUのSSです

短いです

本編まひるルートとTYまでの間の時間、平たく言うなら本編まひるルートエンド直後の話となります

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1346076563
<>桜内義之「まひるとの、最後の約束を」 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:11:45.36 ID:yVe1S3s60<> 校内は、卒パ一色に染まっている。
その卒パも、あと少しで閉会式が始まろうと言う時間だ。
そんな中、俺たちは階段の下で話し合っていた。

「準備の方は昨日で完全に終わったんだよな?」

「ああ、そうだ。例の物の搬入も、ついさっき終わったところだぞ」

「楽しみだな、実行時間が!」

渉、杉並の力を借りて、卒パ最後の騒ぎを起こす計画の最終確認をしていた。

「ま、今回は大丈夫だ。前回のような失敗はないだろう」

「実行は、どうするんだ?実際にその場に行かないと、実行できないんだろ?」

最後の、大事なところだ。これだけは確認しておかないと。

「うむ。学校の敷地内のあらゆるところに仕掛けたからな。そこかしこに移動するのは、わが非公式新聞部の抜け道を利用するのが一番早かろう。それに、生徒会を陽動する意味も兼ねられる」

「そっか。それじゃ、問題ないな」

後は、実行時間を待つだけだ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:13:02.79 ID:yVe1S3s60<> 「実行時間はいつなんだよ?俺、まだ聞いてねぇぞ?」

「む、そうだったか?時間は、閉会式の最中に抜け出してやるつもりだ。タイミングとしては、開会の挨拶が始まった後が、一番いいだろうな。
 それなら、俺たちもちゃんと式に参加しているということを印象付けられるからな。」

「おお、そうか。それじゃ、式の最中に抜け出すんだな?」

「そういうことだ。ヘマをするなよ?」

「俺は大丈夫だ。渉、気をつけろよ?」

「なんで俺に言うんだよ!?俺だって大丈夫だ!」

まぁ、抜け道を使えるんなら、さほど心配することもないだろう。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:14:37.71 ID:yVe1S3s60<> 校内放送が流れる。

『間もなく閉会式を行います。生徒は至急、体育館に集合してください』

「いよいよか。なんか興奮してきたぜ……」

「そうだな。今回は本当に楽しみだ」

「それじゃ、無事に抜け出してここに集合だ。いいな?」

「わかった」

杉並、渉と別れて、体育館に向かった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:15:56.09 ID:yVe1S3s60<> 「それではこれより、閉会式を始めます。」

司会がそう告げる。
俺は体育館の出入口に向かい、その近くの先生に「腹が痛いからトイレに行く」と適当な理由をつけて、体育館を抜け出した。
渉はどのように抜け出したのかわからないが、すでにクラスの列の中にはいなかった。
杉並は……元々閉会式には参加していなかったような?

(ま、いいか。もう集合まで3分もないだろうから、急がなきゃな……)

集合場所には、既に渉と杉並が揃って俺のことを待っていた。

「おせぇぞ、義之」

「悪い」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:16:57.71 ID:yVe1S3s60<> 「それじゃ、作戦の実行に移るぞ。これが、敷地内に設置された場所の全てだ。その紙に、それぞれが担当する場所にチェックが入っているだろう?」

「ああ、入っているな」

「スイッチをひとつポン、と押せばその仕掛けは発動する。発動させたら、すぐにその場からは退散し、他の場所に向かうのだ。いいな?」

「了解だ!」

「ああ、わかった」

「よし。では、解散だ。各員、健闘を祈るぞ!」

杉並の一言で、俺たちは別れた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/27(月) 23:17:28.81 ID:/ExrQsoXo<> まひるSSと聞いて <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:18:50.86 ID:yVe1S3s60<> ―――のだったが。

「や〜っぱり行動を起こしたね、杉並!」

階段の上から声が聞こえた。
見上げるとそこには、まゆき先輩を先頭にして、後ろには音姉とムラサキがいた。

「げっ……」

「あんたが今日はやけにおとなしいなと思って徹底マークをしていたのよ……。ふっふっふ、やっぱりこの時間になにかを企んでいたね?」

「弟くん、また何か企んでたのね。お姉ちゃん、悲しいよぉ〜……」

「最低ね、あんたたち」

三人がそれぞれに思っていることを口にしながら、階段を下りてくる。

「逃げるぞ!二人とも、俺に続け!!」

杉並が先導して、廊下を走り始めた。当然、まゆき先輩たちも後に続いてくるわけで。

「こら〜っ!待ちなさい、杉並〜!」

こうして、広い校舎の中、鬼ごっこが始まったのだった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:20:15.01 ID:yVe1S3s60<> *

「桜内、板橋!こうして三人まとめて逃げていたんじゃ、埒が明かん!ここは、三手に分かれてそのまま作戦実行だ!いいな!?」

杉並が走りながら、そんなことを言って来る。

「そ、そうだな。一人に一人ずつマークがつけば、振り切ることも容易になるだろうしな!」

渉も走りながら、その案に乗っていた。

「わかった。それじゃ、健闘を祈る!」

俺のその一言が言い終わるか終わらないかのところで、分かれ道でそれぞれの道に走った。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:21:52.18 ID:yVe1S3s60<> 〜〜〜

走りながら、後ろを確認してみる。

「待ちなさい、桜内!」

俺のマークとしてついてきたのは、ムラサキだった。

(……ということは、杉並にまゆき先輩、渉に音姉だな)
走りながらも、感心してしまった。
恐らくはまゆき先輩の指示なのだろうが、その割り振りは考えられていた。
まゆき先輩は当然のごとく宿敵杉並を追うことを決めたのだろうが、残りの二人のうち、音姉が渉につき、ムラサキが俺につく。
渉にムラサキをぶつけても良かったのだろうが、音姉が俺についたとしたら頼み込んだら見逃してしまうかもしれない。
それに比べムラサキは、俺のことを毛嫌いしているから、俺が何をしようとも見逃すはずがない。

「追いつけるモンなら、追いついてみろってんだ!」

挑発をしてみる。

「っ……!見てなさいよ、桜内!!絶対に捕まえてやるんだから!!」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:23:13.47 ID:yVe1S3s60<> ムラサキは必死に俺を追ってくるが、俺もそこらの下級生の女子に負けるような足ではないと自負している。
その為に、ムラサキが全力疾走でも、俺は少しだけ走りに余裕ができる。
ムラサキがばてて足を止めたときに、とどめとして全力で走れば振り切れるはずだ。
そんなことを考えていると、前方から誰かが走ってくるような足音が聞こえた。

(誰だ?杉並か、渉か?)

「待ちなさーい、板橋くーん!!」

「くぅーっ!負けるな、俺の足!止まろうとするな、俺の足!」

聞こえてきたのは音姉の声と、誘惑に負けんと必死な渉の声。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:24:39.88 ID:yVe1S3s60<> (……そうだ!)

俺は、あるひとつの作戦を立てた。この作戦がうまく行けば、俺も渉もうまくマークを振り切ることができるはずだ。
俺はそのまま走っていき、渉と合流しながら、曲がり角を曲がった。

「よっ、渉!」

「おお、義之か!音姫先輩、結構手ごわいなぁっ!なかなか振り切れねぇぞ!」

「そこで、作戦があるんだが……」

後ろではそろそろ、音姉とムラサキが合流したはずだ。
俺たちの姿を捕捉される前に渉に作戦を話して、実行に移さなければならない。

「おお、いいな、それ!」

「だろ?これなら、お前もわざわざ美少女から逃げなくて済む。どうだ?」

「当然、乗ったぜ!」

「よし。じゃあ、次の分かれ道で隠れるぞ?いいな?」

「おう!」

次の分かれ道で曲がって、その場で二人停止する。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:26:15.77 ID:yVe1S3s60<> (まずは、ムラサキを陥落させる!)

「どこに行ったのかしら、あの二人はっ?」

ハァハァと息を切らせながら、近くで立ち止まる音姉とムラサキ。その視界にわざと入るように、俺は走り出した。

「俺はここだぞ、ムラサキ!」

「あっ、待ちなさい、桜内!」

当然、俺のマークとして追ってきていたムラサキが走ってくる。

(しかし、そこはトラップだ!)

「まぁ待てよ、ムラサキ。ここから先は、俺が相手だぜ?」

ムラサキの後ろを、今度は渉が追いかける。
そして、更にその後ろには音姉も続いていた。

「板橋!?」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:27:58.80 ID:yVe1S3s60<> (よしっ!)

俺は、そこで走るのをやめた。
ムラサキが好機とばかりに俺を捕まえようとする。
が、後ろから追ってきていた渉に気を取られたのか、俺の腕を取りそこなった。
そのまま渉から逃げるような形で、走っていった。

「ちょっと、なんで私が追いかけられる側になってるのよ〜!?」

「待て〜、ムラサキ〜!」

追われる立場から追う立場に変わったのがうれしいのか、渉は生き生きとした感じでそのまま走り去った。
そして、俺の前には、音姉がいた。ここが、作戦のキモだ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:29:09.09 ID:yVe1S3s60<> 「弟くん、おとなしく私に捕まりなさい」

「ごめん、音姉!今日で最後だからさ、見逃してくれ、頼むっ!」

説教モードに入った音姉に、頭を下げる。

「弟くん……?」

「今日の騒ぎはさ、ちょっと、ある人との約束なんだ。空の、さらにその上にまで、生徒の楽しそうな笑い声が届くくらい、盛り上げてくれってさ……」

それが、まひるとの別れのときに約束したことだった。

「だから、頼む、音姉!見逃してくれ!」

「……はぁ」

音姉は、ため息をひとつついていた。

「そのある人っていうのは、弟くんがしばらく元気がなかった時と、関係のある人?」

「う、うん。まぁ……」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:30:09.78 ID:yVe1S3s60<> 「……もう、しょうがないなぁ…。まゆき、ごめんね。やっぱりわたし、弟くんの頼みは断れないや……」

「それじゃあ、音姉?」

「うん、いいよ。見逃してあげる。その代わり、今日の夕飯は弟くんのフルコースだからね?」

ビシッと人差し指を立てて、そんなことを言う音姉。

「ありがとう、音姉!絶対においしい晩御飯作るよ!」

「はいはい。いってらっしゃい。あんまり危険なことはするんじゃないよ?」

「わかってるって!」

音姉に礼を言って、自分の担当箇所に向かった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:31:37.56 ID:yVe1S3s60<> *
その後の作戦としては、渉がムラサキを追いかける途中でわき道に逸れて振り切っていれば、この作戦は大成功だ。
まぁ、確認を取る方法はないから、俺は俺のやるべきことをやるだけだ。

「最初のポイントはここだな」

ポイントに到着する。
そこには、昨日までに俺たちが用意した花火の打ち上げ台が布を被った状態で置いてあった。
その布を取り外す。
その打ち上げ台からコードが延びていて、スイッチがある。

「これを押せばいいんだな」

杉並に言われたとおり、スイッチを押す。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:33:02.50 ID:yVe1S3s60<> すると、何かが上空に向けて放たれたかと思うと、大空で破裂して、大きな花を咲かせていた。

「おーーっ!やっぱり綺麗だなーー!」

杉並からある程度の話は聞いていたのだが、やっぱりこれだけの大きさの尺玉は派手だなぁ……。
そう思いながら見ていると、他の二箇所でも同じように花火が打ち上げられた。
渉と杉並も、無事に振り切ったんだろう。

「よし、俺も他のポイントに向かうか。」

そこから一番近い抜け道の入り口に入り込み、すぐに扉を閉める。

「くそっ、ここにも誰もいないっ!」

「すぐに逃げたんですわ、まゆき先輩!」

まゆき先輩と、ムラサキの声が壁越しに聞こえてきた。

(どうやら今回も、杉並の勝ちっぽいな、これは) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:34:41.01 ID:yVe1S3s60<> *

それからは、生徒会に追われるようなことはなかった。
それと言うのも、非公式新聞部の抜け道のおかげで、花火を打ち上げてすぐに中に忍び込んでしまえば、後は壁越しに悔しそうな声がするだけ。
作戦は順調だった。

やがて、俺が三つ目の花火を打ち上げたとき。

「はっはっはー!高坂まゆきよ!放送室は今、秘密結社・ノエルの悪夢が占拠させてもらった!来るなら今のうちだぞー!」

杉並の、愉快げな校内放送が響いた。それと同時に、

「言われなくても行ってやるわよ、杉並ー!」

遠くで、まゆき先輩の声が聞こえた。

「杉並のやつ、わざわざまゆき先輩を挑発するようなことしなくてもいいのに・・・。」

でも、これはこれで盛り上がりそうだ。
これは作戦には入っていなかったが、恐らく杉並は非公式新聞部での活動も同時に行っているのだろう。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:36:16.76 ID:yVe1S3s60<> 「一枚噛ませてもらえばよかったかもな」

校内を走りながら、そんなことを考える。
ああ、でもこの流れはあれだ。きっと、また放送室の前には机とイスのバリケードが張られてるんだろうな。
クリパの時にちらっとみた光景が頭をよぎる。今回もあのバリケード、まゆき先輩が突破するのかな?

「それでは、前回に引き続き、DJ杉並がお送りする別れの季節にふさわしき曲、ザ、クリスマスソングメドレー!!」

「今回はクリスマスソングか……」

季節を見事に外してくる杉並のセンスはさすがだな。

「というか、前回は秘密組織だったのに今回は秘密結社にレベルアップしてやがる……」

きっと、この放送はまた録音なんだろうな。

「ふふっ……」

自然と、口の端から笑いがこぼれた。そう、これだ。この感覚だ。
これならきっと、まひるも満足してくれているだろう。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:37:43.27 ID:yVe1S3s60<> *

俺の担当の箇所の花火を全て打ち上げ終わり、最後の仕上げに屋上に向かう。
そこで渉、杉並と合流する予定だった。

階段を上る途中、渉、杉並と合流した。

「おう、同志よ。全て終わったようだな」

「俺も終わったところだぜ!後は屋上の特大尺玉を打ち上げるだけだよな?」

「それがな、少々困ったことが起きたのだ」

「困ったことって?」

「後ろを見ればわかる」

杉並に言われるまま、杉並の後ろへ視線を移した。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:39:18.54 ID:yVe1S3s60<> 「待て〜、杉並〜!」

「うわっ、まゆき先輩!?」

まだ杉並のことを追っていたのか!?
杉並は抜け道を使ってるはずだから、途中途中で休憩できていると思うが、まゆき先輩はきっとずっと走りっぱなしだろ!?
それでまだ走る元気があるのか!?

「ふぅむ、高坂まゆきの執念には脱帽するな。今回はいつになくしつこく追ってくる」

走りながら、敵のことを評価する杉並。

「おい、杉並!感心してる場合じゃねぇだろ!?このまま屋上に行ったら、袋のねずみじゃねぇか!」

「致し方ない。同志よ。ここは俺と板橋で高坂まゆきをひきつけるから、その隙に屋上の最後の花火を高々と打ち上げてくれ」

「ちょっと待て、俺もかよ!?俺だって結構前にムラサキを振り切ったんだぜ!?」

「この作戦の発案者は桜内だ。即ち、この作戦に終止符を打つのはやはりその桜内でなくてはいかんだろう。板橋よ、わかってくれるな?」

「あ〜もうっ!わかったよ、お前に付き合ってやるよ!おい、義之!最後の特大花火、ド派手に打ち上げてやれ!」

「……ああ、わかった!」

最初はちょっと躊躇ったが、ここは二人の厚意に甘えるとしよう。
それに、屋上で他にやることもあるし。

「それでは、ここで分かれるぞ。行け、桜内!」

「すまん、後は任せた!」

杉並と渉にまゆき先輩の相手を任せて、俺は屋上への階段を一気に駆け上がった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:40:50.23 ID:yVe1S3s60<> *

「屋上に設置された花火は確か、この上だったな」

屋上の入り口の屋根の上に登る。
そこに、他の場所に設置された発射台より一回り大きいものがやはり布を被って置いてあった。

「これだな」

ボタンを躊躇わずに押す。

ひゅ〜〜〜んっ!ぱぁぁぁぁぁぁん!!

最後の特大花火が、打ちあがった。

「………」

屋上から、下を見てみる。この騒ぎで、体育館から外に出てきていた生徒たちが視界に入った。
みんながみんな、楽しげな笑い声を上げている。
その声は屋上にいる俺の耳にも届くくらいの大きさだから、きっと空高くにも届いているだろう。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:41:39.69 ID:yVe1S3s60<> 「まひる〜〜〜〜〜っ!」

大空を仰ぎながら、かつての少女の名を呼んだ。

「聞こえてるか〜〜!お前との最後の約束、確かに果たしたぞ〜〜〜!!」

目頭が熱くなるのを感じた。
もう立ち直ったつもりだったのだが、こうして改めて思い出すと、また涙が出そうになる。

「……っ」

それを堪えて、空を仰ぎ続ける。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:42:37.11 ID:yVe1S3s60<> ひゅ〜んひゅ〜んひゅ〜んひゅ〜ん。

「へっ?」

空に向けて、続けて何発か尺玉が打ち上げられた。

ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!

完全に不意打ちだった。
杉並は、これ程の大きさの尺玉をあろうことか五つも用意していたのか。

他の場所がひとつだけだったから、油断していた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:43:22.73 ID:yVe1S3s60<> と。

ひゅ〜んひゅ〜んひゅ〜んひゅ〜ん。

「へっ?」

空に向けて、続けて何発か尺玉が打ち上げられた。

ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!

完全に不意打ちだった。
杉並は、これ程の大きさの尺玉をあろうことか五つも用意していたのか。

他の場所がひとつだけだったから、油断していた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:45:24.55 ID:yVe1S3s60<> しかし、それでも俺の考えは甘かったようだ。

ひゅ〜ひゅ〜ひゅ〜ひゅ〜……。

遠くで、花火の打ち上げられる音がいくつも聞こえてくる。
それは、校舎を包むように四方八方から。

「……やられた。杉並の奴め……」

ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!

いくつもの花火が、絶え間なく打ち上げられる。
他の打ち上げ台には、時間差で何発か打ち上げられるようなセッティングがされていたんだろう。

(杉並の奴、粋な計らいをしてくれるな)

お陰で、涙はすっかり出てこなかった。
その場にドサリと倒れこむ。

「ははは……ははははははははははははははははは!!」

腹の底から、笑いがこみ上げてきた。それを堪えることなく、口から吐き出していく。

「満足か、まひる!これが、俺がお前にしてやれる最後のことだからな!!」

仰向けで倒れたまま、空に向けてそう告げる。
きっと、この騒がしい声も届いているだろう。

そう、信じた。

END <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/27(月) 23:47:57.67 ID:yVe1S3s60<> 投下してみるとホントに短かった…

まひるルートをプレイして、エンディングでの三人のやりとりを想像しながら書いた物です。

フォルダ整理していると出て来たので、そのまま腐らせるのももったいないなぁと思い投下させていただきました。

書いたのはずいぶんと前なので、色々と見苦しい所もあるかもしれないですね。

それでも楽しんでいただけたのなら嬉しいです。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/08/28(火) 01:50:42.31 ID:DhuqgaUT0<>  
乙です。
メインヒロインが出ないSSも珍しいね。
杉並は書いてて面白そうだ。
俺もまひるんルート書いてみようかなぁ。
 
しかし、DCのSSは全然見ないけど、昔は立ってたのかね?
もう、懐かしいレベルだから仕方ないんだろうけど。
 
では、乙でした。
 
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage <>2012/08/28(火) 05:15:56.13 ID:zyvNb0cEo<> まひる可愛いよまひる <>