VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>saga<>2012/06/28(木) 00:50:55.91 ID:t5WirtjW0<>咲を見ていたら無性にバンブ―ブレードが書きたくなったので。

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<>コジロー「五年ぶりだな、この学校も」 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<>saga<>2012/06/28(木) 00:52:00.47 ID:t5WirtjW0<>  朝の5時。
 投稿する性などおらず、この場にいるのは俺一人しかいない。
 あの日から五年。
 あたりまえだが、あの日の剣道部員はいないし、教え子なんていやしない。
 だけど……

 コジロー「まぁやっぱ、俺はここで教師したいんだよな……」

 俺の今立っている場所は、校門の前。
 目の前に立っているのは、五年前に俺が教師をしていた場所、室江高校だ。
 先輩との寿司……いや、タマとの出会いから始まった、ある意味俺が一番成長したであろう学校。
 本当に……懐かしい。
 
 「くぅ〜〜。なんか帰ってきた気がするな!!」
 
 校舎を前に伸びを一つ。
 ずっと懐かしんでる場合でもない。
 なにせ今日から教師であり、剣道部の……そうまた剣道部の顧問になれるんだ。
 前任の教師が腰を痛めたらしく、代わりの人を探しているところに、五年前と変わりない校長が俺に任せてくれた。
 …………いや、どっちかというと半強制だったな。 
 なんて、コジローは少々あきれ顔で思い出して――――

 「まぁいっか! とりあえず、道場掃除と他の教師の人にあいさつ回りだ!」

 どうでもよくなった。
 むしろこれからの食費の方が大事だった。
 そしてそれ以上に食い物を分けてもらえる生徒がいるのかどうか、それが大事だった。
 そう、相変わらず金はないのである。

 「―――ふふ、相変わらずの元気ですね、石田先生」

 ふと、後ろから声がかかった。
 それに振り返ると。

 「へ? って吉河先生! なんか変わってないっすね!! てか早いっすね」

 「ふふ、ありがとうございます。そういう石田先生も、熱血そうなところ、変わっていませんね。それと、早いのはなんだか目が覚めちゃったからです」

 相変わらずだな……。
 吉河先生。
 五年前に同僚だった女の先生だ。
 変わりがない……と言うよりかは、少々色っぽくなったように見える。
 当時もそうだったのだが、なんというか、昔以上にスーツ姿がちょっと艶っぽい。
 率直に言うと―――――エロい。
 そんな内心を押し隠し、コジローはちょっと鼻を伸ばしてから、キリッと顔を整え。

 「はい。この学校に戻ってこられましたからね」
 
 そうして、校舎を見る。
 
 「この学校には、色々と――――」
 
 校舎を見て思い出すのは、未成熟だったころの自分と、教え子たちの成長に学ばされるダメな大人の図。
 そして、剣道場を見て思い出すのは、馬鹿みたいに騒いで、ろくすっぽ指導せず、教え子に指導を任せていた大人の図だ。
 でもそれが輝かしいほどの思い出で

 「――――ほんと、楽しくて、色々と教えてもらったんだよなぁ」
 
 思い出して泣きそうになるのは、自分が歳をとったのか、それとも色々と成長したおかげか。
 でも、たぶんそういうことが子供とは違う、大人になるってことなんだろうと思う。
 だから、あの頃の自分は、まだまだ心がガキのままだったのだと気づかされる。
 大人の責任。教師の責任。そして、未熟だからこそ、碌に指導もできない自分。
 今の自分も、昔以上に成長できたとは思うが、それでも、不安はある。
 しかし、昔の思い出が、あいつらとの思い出が背中を押してくれている。
 なら、それで十分じゃないか。
 と、ハッと気づく

   <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<>saga<>2012/06/28(木) 00:52:36.41 ID:t5WirtjW0<>  「あははすいません。ちょっと懐かしくて感慨にふけってました」

 そういうと、吉河先生は、五年前と変わらない、人を元気にするような笑顔で言う。

 「……いえ、石田先生は、本当にこの学校が好きなんですね」

 そう言われて、顔が自然と笑ってしまった。
 口から出る言葉も、ごく当然に―――

 「はい。俺は、この学校の教師でいたいですからね」

 そんな言葉が口から出た。
 吉河先生はそんな俺に、少しだけクスクスと笑う。
 
 「……う、確かに臭いこと言ったと思いますけど笑うことないじゃないっすかー」

 「あぁ! いえいえ、そうじゃなくてですね?」

 と、吉河先生は両手を振り、違う違うと否定のアピールをする。
 それに、少しだけふてくされた俺は、ぶすっとした面もちで、じーと見る。
 その顔に、吉河先生はまたクスクスと笑い。

 「ふふ、石田先生は、そういうところ本当に変わってませんね。あぁ、悪い意味ではなくていい意味でですよ? それに、なんだか成長しましたね」

 「そうですか? ……そうなら、いいんですけどね」

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(大阪府)<>saga<>2012/06/28(木) 00:55:43.29 ID:t5WirtjW0<>  成長するために、一度教師を辞めたのだから、だから、そう言ってもらえるのは本当に嬉しい。
 なにより、昔の同僚。同じ場所にいた教師に、そして知り合いにそう言ってもらえるのは、それだけで嬉しいものだったのだと気づく。
 とと、そう言えば道場で掃除するんだったな。

 「ああ、すいません。これから道場の方に掃除に向かうんでした。吉河先生はこのまま職員室へ?」

 「あ、はい。とは言ってもこれから朝ごはんを食べるのでお弁当タイムなんですけどね」

 「まぁこんだけ朝が早いとそうなりますよね」

 「ふふ、私もちょっと早く来すぎたかな、思いましたけど。石田先生に一番早く会えたので早起きしてみるものですね」

  
 そう言って、吉河先生は「それではまた」と言葉を交わして、その場で一旦別れた。
 


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(大阪府)<>saga<>2012/06/28(木) 00:56:57.75 ID:t5WirtjW0<>




 道場の方は、昔と変わらないように見える。
 ……というより、昔より綺麗になってないか?
 外装は変わらないんだけど、なんというか、内装が凄まじく掃除されているような……。

 「まぁ綺麗に越したことはないからいっか。でも、やることなくなっちまったな」

 と、ふと道場の壁に目が行った。
 
 「……おぉ。中々やってんじゃん」

 そこには、表彰など数々が多数飾ってあった。
 とは言っても、

 「まぁ大体地区どまりだな……くく」

 そこまで強くはないようだ。
 大体が地区での優勝とか入賞、個人では……

 「て全国で優勝!? ……ってこれタマのか。あの試合はテレビでもやってたからな。興奮したよなあ〜」

 あの試合は、もちろん録画の上に俺は生で見に行った。
 なにせ教え子の試合だから見に行かんわけにもいかん。
 あれは榊との手に汗握る戦い。
 両方が有効打を取り合い、最後にタマが一本を取り優勝。
 俺も観客席から狂ってんじゃないかってほど先輩と号泣しましたからね。
 あれ確実に周りの人にひかれてた上にタマにもタマとかキリノ達にも居場所ばれちまったてたからな。 

 「あの後優勝祝いだって俺と先輩散々奢らされ……いや俺も奢ってもらってたな」

 あの後先輩は違う意味で泣いてたっけ。 
 
 「まぁそんなのは置いといて。 ……ここも、部員増えてるみたいだし、やりがいがあるってもんだな」

 無性に笑顔になる。
 なにせこれからこの思い出が詰まった学校で教師になるのだ。
 こんどは、本当の意味での教師に。
 
 「さて、俺も職員室に向かうかな」

 とりあえずは、吉河先生の弁当がまだ残っているのを願い、おすそ分けを狙いにいこう。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<>saga<>2012/06/28(木) 00:58:33.55 ID:t5WirtjW0<> と言うわけで一応ここまで。
恋愛ものの予定ですが。
タマ、キリノ、サヤ、吉河先生、サトリと全ルート考えているのですが。
タマで行きます。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)<>sage<>2012/06/28(木) 07:31:53.93 ID:85ccj0qe0<> バンブーじゃないだろうと思ったらバンブーだった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)<>sage<>2012/06/29(金) 23:25:12.52 ID:0xOtftvAO<> バンブレ面白かったな… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>saga <>2012/06/30(土) 21:53:20.70 ID:63TDr+jl0<>  放課後になった。
 何事もなく、仕事を終わらせ、道場に向かう。
 別に今日は入学式なので部活は無いんだけどまぁ、なんだ。

 「なんか自然に足が運んじまうな……」

 見る者は昔は変わっていないってのに、こうして足を運ぶのはやっぱまだ懐かしいととかそんな思いがあるんだろうな。

 「――――て、ん? 今日は部活ねーのに誰かいんな」

 道場の前に、髪が腰まで長い、少し小柄な女性が、道場をボーと眺めていた。
 ―――なんだ?
 入部希望にしたって早いし、胴着の色が白だ。学生の着るような胴着じゃない。
 外からコーチに来た部外者か? いや、流石に今日が入学式でそんなことはないと分かっていると思うけど。
 勘違いして来たのか? 
 ……しかし……どっかで見たことあるような……ちょっと長い髪の毛が邪魔で顔が見えないのがアレだが。
 ――――と、部外者だったらあれだし一応声かけとくか。
 
 「あっ、すいません。今日はどんな御用でしょうか?」

 そう声をかけると、女性はビクン! と、焦ったような感じで跳ね、あわててこちらに振り返った。
 ……実は不審者とかか?
 なんて思っていると、女性は一つ頭を下げ、こちらに向き直る。

 「――――あ! すいません。今日部活動ないみたいで、間違えて来てしまいまし……………え?」

 そう言って、女性は固まった。
 顔は、なんで? と言ったような感じで固まり、こちらを呆然と見詰めてくる。
 ……なんだ? なんか俺についてるか?

 「あの……」

 なにか? と言おうとした瞬間、俺は目の前の女性の違和感、いや、少女の違和感にやっと気づき。
 しかしそれと同時に目の前の少女はこちらに驚いたような声で言う。

 「コ、コジロー先生……?」

 「タマか!?」

 俺たちの声は、偶然にも重なりあった。  
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/01(日) 16:06:17.96 ID:HldpxVEIO<> タマとコジローのカップリングって想像薄いよなぁ
原作でのペアでの教師、生徒や顧問、部活生でのデコボコ関係は楽しかったけど
まぁそれもこれもキリノが一強過ぎたのがw
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(チベット自治区)<>sage<>2012/08/05(日) 14:23:12.21 ID:WA5aQNPdo<> まだかな <>