VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/06/19(火) 12:41:15.00 ID:3wz/v8hDO<>
男「は?」
変態「いえ、ですから。あなたをヒーローにしてさしあげようと申しています。はい」
男「いやいや、はいじゃなくて――」
変態「ご安心下さい。今回が三度目ですが今までのテスターは全員肉体に損傷はございません。はい」
男「だから、はいじゃなくて――」
変態「どうでしょう、一度ヒーローになってみてはいかがですか? はい」
男「……その前にさ、
服を着ろよ」
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<>変態「あなたをヒーローにしましょう」
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/06/19(火) 12:54:20.87 ID:3wz/v8hDO<>
変態「はて、私は服を着ているはずなんですが……、あぁ確かに着てないですね」
男「おかしいだろ!? なんで着てないのが分かんねぇんだよ!? 基本的裸族かよ!! つか、オッサンの全裸なんて誰が得すんだよ!!!!!」
変態「は?」
男「なんで聞いてなかったみたいな顔、もしくは何言ってんのコイツみたいな顔をしてんだ!? 俺は熱烈に正常な判断で常識的な指摘をしたんだが?!! つか、隠せ!! お前の言動から察するに何らかの接客業をしてんだろ!! 一回服を着て出直せ!!」
変態「はぁ」
男「温度差!! この温度差!! 一人で極端に言葉を並べて激しいツッコミを入れてんのに対し、あたかも突然意見を求められて動揺する傍観者のような立ち位置!! どう考えてもおかしいだろ!? もっと熱くなれよ!!」
変態「ハハハッ、松岡修造www」
男「」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/06/19(火) 16:38:01.80 ID:3wz/v8hDO<>
変態「まぁ、言いたい事は言って貰えたと思いますので――」
男「何話を逸らして、尚且つ自分主軸の話の軌道に戻そうとしてんだよ!! それよりなんだよその格好!? なんでヘルメットだけ被ってんだよ!! だったら下着履けよ!!」
変態「よくぞ気が付いていただけました! このヘルメット、実は特殊な機能がついていまして……」
男「無視か? あくまでも無視をするのか?」
変態「なんと、仮想世界に行けてしまうのです!!」
男「突然話の内容が斜め上を飛び越えたな! 天城越えか!? 天城越えなんか!?」
変態「ハッハッハ、あなたツッコミの才能があるんじゃないですか?」
男「急に馴れ馴れしいな、おい。お前がツッコませてんじゃねえか!?」
変態「……話が進まないので、勝手にツッコんでて下さい。いつまでもこんな夜中に全裸でいたくありませんから」
男「それはお前の責任だろ!! 俺は全く関係がねぇじゃねえか!!」
変態「このヘッドギア型ゲーム機【殺人悪……夢見心地】(ナイトメ・・・デイドリーム)は、なんと人間を強制的に眠らせ、その夢に干渉するなんていう素晴らしい機械なんです!」
男「おいちょっと待て、今なんか不吉な単語(ワード)が聞こえたんだが、気のせいだよな?」
変態「はい、気のせいです。私が全裸なのも気のせいです」
男「それは気のせいじゃないだろ!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/19(火) 21:15:16.38 ID:ChJEpYBSO<> ツッコミナゲェな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/06/20(水) 00:57:24.16 ID:GpoiNfiDO<>
男「でも、本当に出来んのか? 別にアンタを信じている訳じゃないが、なんか色んな意味でなんか怪しい感じがするぞ」
変態「安心してください。仮想世界とはいえ、所詮はゲームの世界。現実で死ぬ事はございません」
男「ほぅ、だがそんな夢の様な機械が安いわけないよな。売ってんだろ? そのヘルメット」
変態「正確には売ってるのではなく、レンタルしているだけです。何分これ一つしか作れなかったんですよ」
男「手作り!? つーかよく見ると黒いビニールテープで、ぐるぐる巻きになってるじゃねえか!! 作りが安すぎだろ!!」
変態「安くは無いですが……、一応レンタル料金は貴方の言い値で構いませんよ? 勿論タダでも」
男「ますます怪しくなってくな」
変態「私の目的は“このゲームをクリアして貰う”事、一応クリアしていただければ払っていただいた倍額と、百三十八万九千八百十三円を差し上げます」
男「なんでそんなに賞金で細かくなんだよ!? もっときっちりした数字にしろよ!」
変態「ハッハッハ、几帳面」
男「誰でも気になるわ!!!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/06/20(水) 01:10:50.25 ID:GpoiNfiDO<>
変態「どうでしょう、一度試してみてはいかがでしょうか?」
男「……」
変態「今ならきゅうりもありますよ?」バッ
男「てめえ!? なに自然な流れで手品披露してんの!? いらんことするな!」
変態「ハッハッハ」クネクネ
男「キモい踊りをすんじゃねえ!! ……もういい、やるよ。やりゃあいいんだろ、やりゃあ」
変態「おや、三万もよろしいんですか?」
男「今月は結構儲けたからな、勝てもしないギャンブルに注ぎ込むよりよっぽどマシだ」
変態「かしこまりました。ではこちらを」ポイッ
男「ちょ!? 投げんな……て、重ォ!?」ズガッ
変態「それを被ればゲームは開始します。くれぐれも“ゲームの進行を妨げないように”」スウッ
男「おいッ!! ……消えた。狐にでも化かされたのか、俺。いや、それよりも早く試してみるか」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/06/20(水) 01:13:41.98 ID:GpoiNfiDO<>
∞勇者(ヒーロー)∞
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/06/24(日) 02:07:25.48 ID:ROg8GDHDO<>
気付けば俺は森の中で一人、直立。
男「……あれ、確か自分の部屋に居たはずだが、おいまさか……」
男「騙されたのか!? いや、それよりここは何処だ!! まさかあの変なヘルメットに発信機みたいなのが付いてて、何らかの理由で山に捨てられたのか!? うあああああぁああまぁあああああ……………痛、あ?」ゴスッ
あまりの絶望に打ち拉がれ森の中を駈けたが、途中ゴツゴツした何かにぶつかった。
男「Oh……、Dragon……」
ドラ「ガウ」
デカい、特撮に出てくる奴程では無いが五メートルは確実にあると思われる。
溶岩の如く紅い鱗に日光に反射して鋭く光る角、口から覗く凶悪な歯、それと相反した円らな瞳。
向こうが透けて見える程の薄い羽に、ゴツゴツとした岩石の様な肉体、目覚めてそうそうこんな展開は、最早テンプレ通りともいえる。
男「よ、よぉ。ハジメマシテだな。な?」
ドラ「ガウ」
お? なんか今、俺の言葉に反応したのか? したな、絶対したな。
男「へーい!!」ハイタッチ
ドラ「ガウ」パンチ
男「ぐえっ!!」
▼男に800のダメージ、しかし男は食い縛り、体力を1残す。
男「コヒューコヒュー」
なんだあいつ、明らかに殺す気全開じゃん。
つーか何? なんか空中に文字が浮かんでいたぞ。
もしかしてマジでゲームの世界に入れたのか!? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/06/26(火) 09:04:28.50 ID:5J5xyO6DO<>
▼HP:1
MP:0
続いて仰向けに倒れる俺の頭上に黒い文字が浮かんでいる。
あれが俺の体力、数値化された命か。
ドラ「ガウガウ」
ドラゴンは俺を既に餌として認識している様で、ぐったり虫の息レベルに達した俺を、口からバーナーの様にした炎でこんがり焼こうとしている。
ヤバイ、これは死ぬ。
今まさに死を覚悟した瞬間、奇跡とも呼べるタイミングで“彼女”は現れた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/26(木) 11:10:22.63 ID:dfrnP5Dd0<> 続きは? <>