えげつない ◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/13(日) 07:33:17.25 ID:2PMLdAS90<>概要
・オリジナル
・エログロ
・sage進行

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1336861997(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
<>「赤い魔法使いたちの話」 えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/13(日) 07:36:05.17 ID:2PMLdAS90<> この話の中の魔法使いの特徴
・神を信じている者と信じていない者が居る
・信じているものは聖水で染めた青い衣服を着ている
・信じていない者は自分の血で染めた赤い衣服を着ている <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/13(日) 07:41:47.31 ID:2PMLdAS90<> 信じていない方の話を進めて行きます。 <> えげつない ◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/13(日) 07:48:48.10 ID:2PMLdAS90<> 魔法。
ご存知の通り、絵本でしばしば描かれる理不尽な力である。
それは突拍子の無い幸運や不幸を植え付けることで物語を進めて行く。 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/13(日) 07:56:01.24 ID:2PMLdAS90<> 1話 <> えげつない ◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/13(日) 08:09:08.45 ID:2PMLdAS90<> ぐちゃ。ぐちゃ。もちゃ。もちゃ。
ネズミたちが暗がりを増長させる下水道。
流れる轟音。
無視する事が出来ない異臭。
その劣悪な環境の中、獣が屍肉を喰い咀嚼するような音が耳障りに主張していた。

「もうやめときなよ、人に戻れなくなるよ」 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/13(日) 08:18:08.92 ID:2PMLdAS90<> ぐちゃ。
貪る者はその諭す言葉に耳を傾け食事を中断する。
口の中に肉がまだ残っているらしくしばらく口をもごもごと動かす。
喉をならしてそれを飲み込み、諭した者に返答する。
「身を清めないと。清い、綺麗な者を食べないと、穢れて人じゃなくなる」 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/13(日) 08:38:45.65 ID:2PMLdAS90<> 興奮に満ちた声は徐々に大きくなり、狭い下水道に響き渡った。
音に驚いたネズミたちは逃げ出し、闇がすうっと引いた様にも見えた。
捕食者は食べていたモノを虚ろな目でじっと見ている。
青い修道服。
女。
あるはずの左肩が無い。
欲望のまま食いちぎられていた跡。
「あなたと同じくらいの年でしょうね」 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/13(日) 08:57:51.59 ID:2PMLdAS90<> 捕食者はそう言われるとつまらなそうに眼を細め皮肉屋を見る。
「こんなにお胸おおきくないよ私、同い年はないよ」
「栄養不足でしょ」
「ぐぐるぅ」
「人から遠ざかってるよ」 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/13(日) 09:26:35.54 ID:2PMLdAS90<> 水の流れる音が二人の会話を時折遮る。
「――それより、そろそろ鼻がひん曲がってしまいそう」
「もう帰る?まだ食べ終わってな……先に行ってて」
「いつもの悪趣味なのやるの?」
「ぐぐるぅ」
邪魔だからさっさと行けという意味を含ませて唸る。
相方は仕方なく鼻を軽くつまんでワンワンと犬の真似を披露してその場を去った。 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/13(日) 09:43:09.12 ID:2PMLdAS90<> 消えた足音。
無人を確認した捕食者は獲物の口に舌を入れ込む。
相手の動かない舌を嬲るかのように舌を絡める。
唾液。
涎。
被食者の口内はそれで満たされて行く―― <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/13(日) 09:45:55.12 ID:2PMLdAS90<> 今日はここまでです。
ありがとうございました。
週3回を目安に少しずつ書いていこうと思います。
拙い文章ではありますが、見ていただければ嬉しいです。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/13(日) 15:57:03.78 ID:lR0k74uIO<> しえん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2012/05/14(月) 00:46:00.00 ID:ZzJn3PT+0<> ししえん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)<>sage<>2012/05/14(月) 14:59:11.70 ID:LA16YI0AO<> りすかモノかと思って入ったのがこのスレなの

でも面白そうだから期待 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/14(月) 23:35:58.15 ID:5MG+XBm70<> 現代。
「魔法」を扱う者たちの組織は2つに分かれていた。
1つは「聖密院」と呼ばれる教会。
この組織の者が扱う魔法は神の存在を前提としたものである。
彼らの魔導衣は聖水で青く染められている。
もう1つは「赤色同盟」と呼ばれる集団。
彼らの魔導衣は自身の血で赤く染められている。
この組織の者が扱う魔法は神の不在を前提としたものである。

この場では平たく。
両者はとても仲が悪い。 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/15(火) 00:05:56.05 ID:K3J73h7C0<> 「もう終わったの?」
捕食を眺めていた相方は人気の無い道路で待っていた。
女。
赤セーターにジーンズ。
背は高く、黒ぶち眼鏡をかけている。
眠たそうな眼。

「うん、身体が綺麗になった気がする」
『人を食べる』という蛮行。
獣じみた者はそれを済ませてきたようだ。
憂いと喜びの混ざった表情で相方の方にゆらゆらとぼとぼと歩いていく。 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/15(火) 00:27:37.36 ID:K3J73h7C0<> 女。
背は小さい。
華奢な体躯とは不釣り合いな膝をも覆う程の巨大な赤パーカー。
金髪のショートヘア。

「口元。血と涎だらけじゃないのー」
「わぁ、待って待って」
少女は自分のパーカーの袖でごしごしと口元を拭く。
「綺麗になったかな」
「なったけどパーカーが……」
「あぁ、袖舐めとかないと」
「そういうことじゃ……」
「冗談だよ」
少女は楽しそうに笑った。
その笑顔からは先ほどの残酷さを伺い知ることは出来なかった。 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/15(火) 00:45:35.11 ID:K3J73h7C0<> 「一気に欲求が満たせたね」
「性倒錯治したいはずだったのに、悪化してきてる」
「いいんじゃない、楽しいんでしょ?」
「う、ぐぐるぅ」
少女は困惑したような顔を浮かべ唸る。
眼の焦点が合わない。
「ごめんごめん」
セーターの女は少女に軽く抱きつき、落ち着く事を促した。
「ごめん。動揺しちゃって。感覚こじれちゃってるのにメンタルだけ弱くて」
少女はセーターの女をゆっくり離し、パーカーの帽子を深く被り震えた。
<> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/15(火) 00:56:32.96 ID:K3J73h7C0<> 携帯電話の音。
セーターの女はジーパンのポケットから取り出し応答する。
「はいもしもし、御藤です」
「……誰から?」
少女はパーカーの帽子から少し顔を覗かせ尋ねた。
「生科研の人」
セーターの女は小声で答える。 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/15(火) 01:06:30.99 ID:K3J73h7C0<> 「あー、サンプルー。あー。えーっと……全部食べちゃった?」
セーターの女、御藤は電話の途中で少女に小声で尋ねた。
「……うん」
少女はまたパーカーの帽子で顔を隠した。
御藤は苦笑いしながら電話を続けた。
「あの、また全部食べちゃったみたいです、あー。はい、わかりました、失礼しまーす、はい」
御藤は携帯電話を切る。
苦笑いのまま。
「カロリーの取り過ぎにに気をつけてねーだって、はは……せーーっふ!」 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/15(火) 01:16:39.00 ID:K3J73h7C0<> 「……ごめん、ミトー」
「大丈夫、止めなかった私にも責任あるから」
御藤は帽子の上から少女を撫でる。
「もう朝が来るよ。いつもの場所もどろっか、ロロ」
御藤は笑顔で少女に手を差し伸べた。
少女、ロロは帽子を被ったまま申し訳なさそうに御藤と手を繋いだ。 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/15(火) 01:17:17.59 ID:K3J73h7C0<> 今日はここまでです。
ありがとうございました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)<>sage<>2012/05/15(火) 01:35:31.95 ID:RB+3zDE9o<> 乙! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/05/19(土) 14:42:23.54 ID:NbmL5xHx0<> しえん <> えげつない ◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/20(日) 10:58:15.39 ID:VED6Ugt70<> 赤色同盟の魔法は血によって伝えられる――

赤色同盟の魔法使いの血液は絶命時に魔翌力魂として圧縮される。
それは新たな赤色の魔法使いを生み出すための糧となる。
赤色の魔法使いになる者はその魔翌力魂を身体に宿すために、魔翌力魂の大きさに応じて自身の血液を抜く必要がある。
そしてその抜かれた血は自身の衣服を染めるために使われる。
血染めの衣服は「導血衣」と呼ばれ、身にまとうことで魔翌力の意図しない外部発散及び暴走を防ぐ事が可能となる。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/20(日) 11:01:07.79 ID:zfUsf4q4o<> きたのね <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/20(日) 11:18:03.97 ID:VED6Ugt70<> 「ただいまー」
御藤とロロはたくさんの紙袋を手に持ち『いつもの場所』に戻ってきた。

木造の小屋。
家具は向かい合うソファーとその間のテーブルのみ。
小屋の至る所に紙が積み上げられていた。
「はい、おかえり」
帰宅の挨拶に返される言葉。
声の主はソファーに寝そべり厚い本を眺めていた。 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/20(日) 11:42:41.52 ID:VED6Ugt70<> 「あ、任務失敗組だ。ぷぷぷ」
留守番係は本を読むのは止め、帰ってきた二人を見てへらへらと意地悪な笑みを浮かべた。
「口悪い人はご飯なしね」
御藤は意地悪な口調でそう言いながら、紙袋をテーブルに置いた。
「勘弁してくださいあの本当に」
留守番係は慌てふためく。

女。
赤コート。
黒髪のショートボブ。

「はい、恩切の分」
留守番係、恩切の前に包装されたハンバーガーが置かれた。
<> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/20(日) 11:58:45.58 ID:VED6Ugt70<> 帰ってきた二人は恩切の座っている向かい側のソファーに座った。
「他のみんなはー?」
御藤はテーブルの紙袋を漁りつつ、恩切に問いかけた。
「でっかい人は生科研で定期検診、ギザ歯ちゃんはネトゲのイベントでズル休み、他は聖密の勧誘員潰しに行ってる」
「はあくー」
紙袋から自分のハンバーガーを取り出しながら、ロロに食べる?とアイコンタクトと送る。
ロロは首を横に振った。 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/20(日) 12:18:05.87 ID:VED6Ugt70<> 「赤ずきんちゃん、出来の悪いパートナーと組んで大変ねー」
「出来が悪くてわるうございましたね」
御藤はハンバーガーを食べながら恩切を軽く睨む。
「違うのオンキリ、いつもわたしが悪いの」
ロロはフードで顔を覆いながら訂正する。
「かわいーなー!この子と組みたいなー!」
恩切は元気よくロロの隣に座り、そのまま抱きついた。
「ぐぐぅ、オンキリくすぐったい」
「飼いたいなー!」 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/20(日) 12:34:06.26 ID:VED6Ugt70<> 「ロロ、身内と居る時は『眼』隠さなくても良いんだよ」
御藤はハンバーガーを食べ終え、遅れてロロに抱きつく。
「ミトーまで、ぐぅ……」
「これが『慈愛の魔眼』に強要された愛だとしても幸せだから構わないよ」
「私たちには人を愛する機会が余りにも少なすぎるからね」 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/20(日) 12:45:38.29 ID:VED6Ugt70<> 慈愛の魔眼。
男女問わず所有者に対して愛情を向けさせる眼である。
敵であろうと戦意を大幅に削ぎ、下級の魔法使いであれば眼を合わせるだけで
生きる目的を喪失させてしまう程の力がある。 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/20(日) 12:55:48.23 ID:VED6Ugt70<> 「み、みんな帰ってきちゃうよ、はーなーれーてっ!」
ロロは二人を離す。
「最速で帰ってくるでっかい人の帰還は明日の正午です、コート脱いでくる」
「私はこのままでいいや」
御藤は再度ロロに抱きつく。
「ぐぐるぅ……」

「丸一日よろしくね」
眼に魅入られた二人は声を揃えて言った。 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/20(日) 12:56:19.01 ID:VED6Ugt70<> 今日はここまでです。
これで1話終わりです。
ありがとうございました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<><>2012/05/20(日) 17:09:42.85 ID:ouh4WcW60<> おつおつ <> えげつない ◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/05/23(水) 18:35:37.70 ID:D18HmELs0<> 次の投下6月になりそうです。
申し訳ないです。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/23(水) 19:31:17.57 ID:OgN8XPUTo<> 把握 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/06/02(土) 20:55:02.77 ID:JzJx8OjP0<> 2話 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)<>sage<>2012/06/02(土) 21:10:14.30 ID:sQ/jBHIAO<> 待ってました! <> えげつない ◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/06/02(土) 21:11:18.92 ID:JzJx8OjP0<> 赤色同盟の魔法使いは異性と目交うことを禁忌としている。
魔法使い同士の子は後に妖魔と呼ばれる強大な力を持った化物となるからである。
妖魔はあらゆる分野の者たちから討伐対象として追われることになる。
妖魔に成り果てる前にその者の血を他人の血で薄めることが出来れば一般の魔法使いとして生きることが可能となる。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/06/02(土) 21:13:36.16 ID:JJOloRse0<> うおおお!きてた!支援支援 <> えげつない ◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/06/02(土) 21:21:47.63 ID:JzJx8OjP0<> 他人の血というのは魔翌力を持たない者の血を指す。
しかし、赤色同盟の魔法使いは一般人を犠牲にすることを忌み嫌う。 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/06/02(土) 21:26:15.11 ID:JzJx8OjP0<> そこで彼らが目をつけたのは「人工血」の開発に成功した生命科学研究所と呼ばれる研究機関であった。 <> えげつない ◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/06/02(土) 21:42:57.83 ID:JzJx8OjP0<> 正午。
小屋のドアを叩く音。
「あ、ちょっと。待って。待って」
ロロは叩く音に返事をする。
返事を聞く間もなくドアは開く。
開けたのは白髪の男であった。

「ぷはぁ……」
「あ」
「待ってって言ったのに」

「失敬」 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/06/02(土) 21:50:23.85 ID:JzJx8OjP0<> 入り乱れる赤。
「ほどほどにな、ごゆっくり」
平静を装って咳払いをした。
が、男の顔は燃えるように赤かった。
ぎこちない歩みで男は外に出た。 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/06/02(土) 22:06:03.45 ID:JzJx8OjP0<> 男。
ぼさぼさした白髪。
長身。
スーツに赤黒いマントと手袋。

男は自分の髪を乱暴に掻き溜め息をついてドアの前にしゃがみ込んだ。
「まずいことをしたな」
冷や汗。
男は頭を抱える。
「我が悪いのかな、やはり」
<> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/06/02(土) 22:28:08.12 ID:JzJx8OjP0<> 小屋の中からのノック音。
「フレア、入っても大丈夫だよ」
ロロの声。
白髪の男、フレアはおそるおそる部屋に入った。
快楽に興じていた3人は導血衣に着替えてソファーに座っていた。
「まぁ、座りなよ」
赤コート、恩切の声。
気を感じない呼びかけ。
ロロを除く2人は余韻が抜け切っていないような恍惚の顔を浮かべていた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海・関東)<>sage<>2012/06/02(土) 22:29:49.75 ID:sQ/jBHIAO<> …ふう <> えげつない ◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/06/02(土) 22:50:17.29 ID:JzJx8OjP0<> 「フレア、定期検診どうだった?」
ロロは尋ねる。
「あ、あぁ。血の調子か。全く異常無しだった」
どこを見ているかが分からない2人の様子を伺いながらフレアは質問に答えた。
ロロはよかったねと言い、その後表情を曇らせた。
「ごめんね、二人が遊ぼうって言ってきたから……」
「時期に元に戻るだろう。気にするな」 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/06/02(土) 22:51:17.69 ID:JzJx8OjP0<> 今日はここまでです。
ありがとうございました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海・関東)<>sage<>2012/06/02(土) 22:53:03.65 ID:sQ/jBHIAO<> 乙っ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/02(土) 22:53:23.40 ID:/O78+Ijdo<> 乙乙 <> えげつない ◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/07/02(月) 22:57:53.09 ID:1BOp/LCM0<> もう数日経ちましたら投下致します
私事がバタバタしており時間が取れずすみません <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/02(月) 23:01:26.56 ID:hmGDYrP/o<> はあく <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海・関東)<>sage<>2012/07/02(月) 23:12:10.01 ID:ivYwZlLAO<> wktk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/08/01(水) 00:06:14.39 ID:q9pSsiv/o<> しえん <> えげつない ◆Pa6bj1r2jY<><>2012/08/07(火) 14:44:13.85 ID:beckHqf60<> 現代。
あなたたちが辿ってきた「現代」と違う点は2つ。
ひとつは国同士の干渉が断絶された世界であること。
これは国家間戦争を防ぐために打ち出された策の末路である。
一般国民の移動、貿易は原則禁止となり、国際会議も行われることはなくなった。
この策により発展していく国もあれば、衰退し消滅する国もあった。
その結果、独自の世界観を持つ惑星のような概念を国々は持った。

そしてもうひとつは、前述した魔法使いが存在する世界であること。
青色、赤色の魔法使いは惑星化した世界にそれぞれ存在する。
青色の魔法使いは「集会があるため」、赤色の魔法使いは「寄り合いがあるため」という理由で
他国間の移動を例外として認められている。
実際の所は異教徒あるいは一般国民に危害を加える同胞の殲滅のためである。

国家間戦争に終止符は打たれたが宗教戦争は途絶えていなかった。 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/08/07(火) 14:47:12.08 ID:beckHqf60<> 中々投下出来なくて本当にすみません!
今週末には次の話を投下できると思いますので
もうしばらくお待ちください。
長々になって本当にご迷惑おかけします。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/07(火) 16:55:26.21 ID:/r77gbCKo<>
背骨引っこ抜いてエクスカリーバーを思い出した <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/08/13(月) 01:05:47.51 ID:s6qgvfl20<> 本日の21時に投下させていただきます。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/13(月) 01:38:30.13 ID:YUnAbG5/o<> はあく <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)<><>2012/08/13(月) 14:57:52.61 ID:bAeSvVkx0<> わーう <> えげつない ◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/08/13(月) 21:08:06.78 ID:s6qgvfl20<> 寂れたコーヒーショップ。
赤パーカーの少女ロロと黒マントの男フレアはそこで人を待っていた。
出口から一番遠い4人掛け席が待ち合わせの場所だった。
二人は手前側に座りコーヒーを飲みながら呼び出しの手紙に目を通していた。
「マシュマロ浮いてるココアがよかったなー」
「昨日聖密の魔法使いを食ったのだろう?生科研のドクターからカロリー管理を頼まれてるんだ。仕方ない」
「ぐぐるぅ、ずず」
不服そうな顔でロロはコーヒーをすする。

<> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/08/13(月) 21:37:33.23 ID:s6qgvfl20<> 「約束の時間は午後2時、ずいぶん待たせてくれる」
テーブルに置かれた時計は3時を指そうとしていた。
「来た事ないお店を待ち合わせ場所に選んじゃって迷ってるパターンかなー」
「あるいは我々を滅ぼすための魔法をどこかで唱えているか」
フレアは冗談めいた笑いをこぼす。

カランコロン。
ふと出入り口の鐘が鳴る。
「……先に来られている二人組の席は――」
訪れた客と店員の会話。
「ロロ、目隠しをつけていろ」
「?」
「話し合いにその眼は必要ない」
「……わかった」
ロロはパーカーのポケットに入っている目隠しを装着した。
速いテンポの足音が彼らの席に近づいてくる。
「遅くなりました、申し訳ありません」
女の声。
「トーキョーの国に来るのは初めてでして……」
現れたのは青いフード、ローブを身にまとった女性。

彼らを手紙で呼び出した主は敵対している聖密院の魔法使いであった。 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/08/13(月) 22:00:02.79 ID:s6qgvfl20<> 「これはこれは初めまして、道中大変だったでしょう」
フレアは柔らかい物言いでやって来た青い魔法使いに挨拶し
向かいの席に座るように促した。
青い魔法使いは申し訳なさそうにちょこんと席についた。
店員はすぐに注文を尋ねに来たが彼女は後で頼むという旨を伝えた。
「敵である我々に持ちかける御用とは如何なものですかな?」
店員が去ったすぐにフレアは問いかける。
「自己紹介とかはないんですね……」
青い魔法使いは下を向き少し手遊びをする。
「あぁ、不都合があれば省いてもらっても結構です……ごめんなさい」 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/08/13(月) 22:23:23.31 ID:s6qgvfl20<> 「これは失礼した。我の名はフレア、隣に居る小さいのはロロといいます」
「小さくないー」
「!」
青い魔法使いは名を聞き肩をビクっとさせる。
「聞くんじゃなかったかも……でも話し合いを互いのことを知らずに
進めるのはよくないですよね。私は偶像位のメイアと申します……」
「アイドルクラスか……」
フレアは言葉を詰まらせる。
「偶像位って何ー?」
ロロは尋ねる。
「聖密院教徒の信仰を助けるための生きた崇拝対象だ。
目的分野ごとに1人ずつ置かれていて全員で7名存在すると聞いたが……この人はその内の一人だろう」
「お詳しい、如何にもです……」
彼女はまた手遊びを始める。 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/08/13(月) 22:47:13.58 ID:s6qgvfl20<> 「聖密の神は『一目』『二舌』『三首』『四足』『五口』『六腕』『七翼』という7つの姿を持っています。
姿により司っている教え、魔法の分野が違い、偶像位はそれぞれの分野の習得を助けるためのものとして設けられています。」
メイアは少し顔を上げて話した。
「なるほど、ところであなたはどの分野を――」
フレアは尋ねた。
「私は――」
メイアは軽く立ち上がり青いフードを少し上げ、フレアに顔を見せた。
フレアはそれを見て言葉を失った。
「眼が……」
「私は『一目』を司っています」

彼女の眼はただ一つしかなく、顔の中央でガラス玉のように光っていた。 <> えげつない
◆Pa6bj1r2jY<>sage<>2012/08/13(月) 22:49:14.94 ID:s6qgvfl20<> 今日はここまでになります。
また近い内に投下させていただきます。
ありがとうございました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/14(火) 03:10:05.22 ID:x2pfd4J4o<> 乙乙
単眼とはニッチなところを <>