VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)<>saga<>2012/05/02(水) 21:27:47.67 ID:dJyzKv4AO<>♭プロローグ

「唯……ぅっ…」

あの律先輩が涙を滲ませながら沈んでいる。

「唯ぃ…唯……あぁぁ…」

澪先輩も今にも倒れてしまいそうだ。

「唯ちゃん……何で……」

紬先輩も顔色が悪く、今この場の祭壇が信じられないかの様に見つめる。
だけど焦点はあっていない。

憂はご両親と一緒にいる。
あの日の憂は目も当てられない姿で、見ていて胸が苦しくなった。
数日前に唯先輩が事故で亡くなり……今日は唯先輩のお葬式だ。

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<>梓「唯先輩が死んだ…」 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/02(水) 21:34:59.20 ID:dJyzKv4AO<> 皆、思い想いの悲しみや、夢や幻であるかの様な現実感の無さ、起こってしまった変えようの無い現実への絶望感。
様々な感情がこの場にあり…それでも皆には共通の感情があった。

唯先輩が亡くなった事への悲しみ。

私も信じられ無い、信じたくない。
だけど、私には皆さんの様な悲しみは…実は全然無かった。

(私が全然悲しく無いなんて言ったら、皆さんどう思うのかな?)

それこそ、強がりからくる虚勢、冷たい後輩etc〜
様々だろうが仕方ない、涙さえ出ないのだから。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/02(水) 21:41:24.91 ID:dJyzKv4AO<> 「梓ちゃん、大丈夫?」

不意に紬先輩が声をかけて来た。
自分は悲しくて、事が信じられなくて…人を気遣う余裕も無いだろうにこの人は…なんだか無性に申し訳なくなった。

「…大丈夫ですよ、紬先輩」

「そう…なら良いんだけど」

そう…大丈夫に決まっている。
私は、部活の先輩が死んだ今も、悲しくも泣ければ絶望もしていない。




…………………
目の前で呑気に浮いているこの能天気な先輩のお陰で!!

『あずにゃ〜ん、私退屈で死にそうだよ〜…外に出てても良い?』

(駄目に決まってるじゃないですか!!それに唯先輩はもう死んでますっ!) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/02(水) 21:46:05.22 ID:dJyzKv4AO<> この人のこんな態度のお陰でお葬式だと言うのに私は全然悲しくありませんともえぇ!
全くこの人は何を考えているのやら!!

『あずにゃんあずにゃ〜ん』

(何ですか、唯先輩…)

『幽霊って凄いよっ!お供えの前に立っただけでフルーツの甘〜い味が口の中にー♪幸せ♪♪』

(じっとしてて下さい!!もう少ししたらお坊さんが来られるんですからね!?)

……こんな妙な事になったのは、そう。
唯先輩が亡くなったあの日からなのだ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/02(水) 21:54:30.34 ID:dJyzKv4AO<> #1ゆうれい!


私には今目の前で起きた事が理解出来ないでいた。
いや、頭が追いついていないのだ。
冷静に今起こった事を思い返してみよう。
部活が終了して、律先輩が戸締まりの確認をした所で皆で帰ろうと部室を後にしようとしたその時、唯先輩が足を滑らせて階段から落ちていった。
唯先輩は痛いとも泣きもしないで、倒れたままだった。

「………」

律先輩が何か言った様な…紬先輩は何処かに電話を、澪先輩は唯先輩の名前を呼び続けて今にも泣きそうな

「梓っ!!」

体だけが先に反応して、私は我に返っていた。

「えっ?律…先輩」

「梓は先生を呼んで来てくれ…頼む」

私はその言葉に数秒遅れで頷き、急いで先生の下へと向かった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/02(水) 22:02:07.61 ID:dJyzKv4AO<> 「あら?梓ちゃんどうかした?」

何を呑気に!と思ったが仕方ない、先生はまだ唯先輩が階段から落ちたなんて知らないのだ。
私も酷く混乱してるな。

「先生…唯先輩が…唯先輩が……階段から落ちて…」

「えっ!?ゆ、唯ちゃんが?」

「頭から落ちたみたいで……動かなくって……」

気づかない内に私の声は涙声で震えていた。
自分で説明しながら、今になって一気に恐怖が襲ってきた。

「わ、分かったわ!保健の先生に連絡と……唯ちゃんは何処の階段から落ちたの?」

「部室の…出て直ぐの……」

「分かったわ、他の先生方にも連絡してくるから梓ちゃんは唯ちゃんの下に戻っていて」

「…!はいっ」

それだけ言い終わると、私は唯先輩の下へ向かった。
戻ってみれば何喰わぬ顔で起き上がった唯先輩を想像しながら。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/02(水) 22:12:54.52 ID:dJyzKv4AO<> それから他の先生方やも来てくれたのに唯先輩は一向に目を覚まさず…紬先輩の呼んでくれた救急隊に連れられ大きな病院へ搬送されて行きました。

さわ子先生に連れられて私達も病院へ。
唯先輩が病院に搬送された直ぐに、律先輩が憂に連絡したみたいなので憂も来てくれるはずです。

唯先輩……絶対、絶対に目を覚まして下さい…
このまま唯先輩が…私の先輩がいなくなるなんて絶対嫌ですからね。
唯先輩がいなくなったら…私、私…
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/02(水) 22:16:50.52 ID:dJyzKv4AO<>

『へ〜、あずにゃんこんな風に思ってくれてたのか〜デヘッ』

「唯先輩、人の回想を勝手に覗かないで下さい!」

『え〜、だって仕方ないよー…ほら私…ね?』

「全く……結局、搬送先の病院で唯先輩は…でもまさかこんな事になろうなんて、本当に不思議です」

『本当だね〜、でもこれじゃ私困っちゃうよ…』

「唯先輩…やっと事の重大さを理解してくれたんですね!いや、重大さから言ったら困っちゃうで済むレベルじゃないんですが…」

『だってさ、これじゃムギちゃんのお菓子は食べれないし憂のご飯も食べられないよ〜…オヨヨ…』

「………い、」

『?』

「いい加減にして下さーーいっ!!」 <>
◆MMK87RLv1GqO<><>2012/05/02(水) 22:21:49.42 ID:OQicazlDO<> 出来れば……台本形式の方が読みやすいかも……。

なんか唯の存在方法はあの花のめんま的な感じを想像してるんだけど、宙に浮いてるとなるとちがうよね?どんな感じ?



取り敢えず、期待!
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/02(水) 22:24:10.84 ID:dJyzKv4AO<> 私達は唯先輩の手術が終わるのをひたすら待った。

「私…唯が大変な事になったって言うのに何も出来なかった…」

澪先輩が青白い顔でそんな事を呟いた。

「そんな事無いです!澪ちゃん、あんなに必死に唯ちゃんに呼びかけてたじゃない」

紬先輩が澪先輩を励ましてる。
欝すらと涙が浮かんでいたが…皆その事には触れない。
触れてしまえば、その場で決壊した様に涙が出てしまいそうで…

「あたしらだって似た様なもんさ。澪だけじゃないよ」

「律…」

そんな話をしていると、憂が走りながらやってきた。

「お姉ちゃんは…お姉ちゃんは!」

「憂、今唯先輩は手術中で…」

「梓ちゃん…お姉ちゃんが…お姉ちゃんが…!」

憂は泣き顔を見せない様に私の胸に顔を埋めた。
私も本当は泣きたかったが、私まで泣き出す訳にはいかない。
憂の様子を見ているとそんな気がして… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/02(水) 22:28:31.78 ID:dJyzKv4AO<> 時間が立つのも忘れて、私達は唯先輩の手術が終わるのを待った。
唯先輩の無事を祈りながら。

何時間立っただろうか、不意に手術ランプが切れ、中から執刀医らしき先生が出てきた。

「先生!お姉ちゃんは…………」

険しい先生の顔に、私達は皆嫌な予感が過ぎった。
出来ればその予感が思い過ごしであって欲しい。
そんな想いを

「…我々も手を尽くしたのですが…残念ながら…」

その言葉が、私達を奈落の底へと突き落とした。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/02(水) 22:35:21.67 ID:dJyzKv4AO<> それから家に帰りつくまでの事はよく覚えていない。
気がつけば、私は机の上に俯せに寝ていた。
もしかしたら今までの事は…夢?
そんな現実逃避に教われたが、あれが夢であるはずかない。夢であってくれたならどんなによかったか…

「あれは…夢じゃない…唯先輩は……唯先輩は本当に……もういないんだ……」

「う…あぁ……あ…ああぁあぁあああっ!!」

私はその日、まるで小さな子が泣く様に声を張り上げながら泣いた。
そのうち自分の水分を全てだしつくすんじゃないかと言うぐらいに。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/02(水) 22:42:27.31 ID:dJyzKv4AO<> 翌日になって、まだ日が昇り始めたと言う早い時間から、私の足は学校へと向かっていた。
こんな時なのに…こんな時だからこそ、なのか…
部室に行けば…けいおん部に唯先輩がいる様な気がして…
そんなはず無いのに……
あるわけ無いのに……

学校の校門は開いていた、朝練のある部活の為だろう。
しかし、けいおん部室の鍵は開いてはいなかった。
鍵を職員室まで取りに行くか……そう思っていた瞬間



カチッ



「え?」

「鍵……中から開いた?」

私は恐る恐るドアノブを回してみる。
もしかしたら本当に、本当に唯先輩が…! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/02(水) 22:51:41.21 ID:dJyzKv4AO<> ………………


結果、そんな事ありはしなかった。
部室にはいつもの机にいつもの椅子、ソファー、餌待ちをしながら泳いでいるトンちゃん、そんなトンちゃんをヘラヘラ見ながら悦ってる唯先輩……

………ん?
「ゆ、唯先…輩…?」

『あ、あずにゃ〜ん!今日は早いんだねー』

唯先輩…これは夢?現実?
嘘じゃ…嘘じゃ無いよね!?
唯先輩…唯先輩、唯先輩唯先輩唯先輩!

「唯先輩ー!!」

私は唯先輩の下へ走っていき、唯先輩を抱きしめ……すり抜けた。

……へ?

『ありゃ、やっぱりあずにゃんにも触れないね』

え?え?え?

『困ったよ〜、これじゃあずにゃん分補給が出来ないかも…』

「え?唯先輩?へ?」

『あずにゃんー、やっぱり私…死んじゃったみたい』テヘヘ

だったら目の前にいる唯先輩は …よく見れば床と足が離れて…

「い、嫌ぁあぁあああああああああああーっっっ!!!!」

恐怖が私の声から自然に絶叫を…唯先輩、まさか…今の唯先輩は、ゆうれいですか?

『ゆうれいですフンスッ』

「威張らないで下さい!」

#1ゆうれい! end <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/02(水) 23:01:53.14 ID:dJyzKv4AO<> とりあえず一話目を終わります。
要望が一件あったのですが皆さんにも聞いて見ます。
二話目からは台本形式が良いですか?
単純に前台本形式だったので小説形式にしただけでこだわり無いんで要望あれば言って下さい。


因みにゆうれい唯のスペックを一応書いておきます。

ゆうれい唯(故17)
・基本的に制服
・一応飛べます、際限は設けていない
・基本的に物体に干渉不可
・例外あり、念じてドアをあけたり等の軽い事のみ
・自分へのお供え物のみ、念じて味わったりお腹を満たしたりが可能
・つまり腹をすかせる、幽霊の癖に
・あずにゃんにしか見えない声も聞こえない

ただ、ネタバレになる特殊?なスペックは省いています。
それについてはまた後ほど。
では。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/03(木) 00:37:26.94 ID:yhoNkY4co<> また唯死んでるよ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/03(木) 00:40:44.76 ID:+xuvGvOdP<> 唯も憂もよく死ぬけど、幽霊になるのはちと珍しいかも <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/03(木) 02:40:58.62 ID:kq3P4aKeo<> けいおんSSでの平沢姉妹の死亡率は異常 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/03(木) 09:38:11.22 ID:QIsUoSFzo<> 特に要望は無い、>>1の思う様に書いて欲しい、その方が面白いに決まってる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)<>sage<>2012/05/03(木) 13:02:13.57 ID:i394MPPqo<> このままの形式でいいんじゃないかな?
読みやすいよ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/03(木) 20:21:19.87 ID:u6+hBrqDO<> これは良いSSの予感

書き方は>>1の好きなようにすればいいよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2012/05/03(木) 20:32:08.67 ID:/Sj+etDto<> 個人的にはこのままの形式の方が読み易いよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/05(土) 11:04:50.73 ID:U+Hl6ut/o<> 完結するなら期待。完結するならね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)<>saga<>2012/05/05(土) 17:09:04.61 ID:ZIMMsOKAO<>

ジリリリリリリリリリリリリリ、リ…
小煩い目覚ましのベルを止め、私は寝ぼけ眼でしばらくボーっとなる。
あれ?昨日部室に行って……それから、えっと…
まぁ、良いや。
そろそろ着替えて朝ご飯食べに下りよう。
まだ覚醒して間もない頭で次の行動を整理しながら私は着替えをすませていく。

「おぉ〜、あずにゃんの生着替え♪あずにゃん分あずにゃん分!」

「もう〜、唯先輩…着替えの時は出てて下さい!」

「ちぇ〜、あずにゃんのケチ」

「ケチとかじゃありません!」

私が唯先輩に一喝すると唯先輩はすっと壁を抜けて部屋から出て行った。
全くあの人は……
………………………………………………あははははは、そうでした。
本当は、はっきり覚えていますともえぇ!
何故か唯先輩は死んでて何故か部室にいて…今はゆうれいになって私の家に暮らしてます。
これって…とり憑かれた?
はぁ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<><>2012/05/05(土) 17:19:02.04 ID:ZIMMsOKAO<> #2きょうどう!



私は着替えてダイニングに向かった。
既に朝食は準備されており、キッチンにはお母さんが立っている。

「お母さん、おはよー」

「あら、梓…おはよう、今日は大丈夫?」

お母さんが私を心配してくれている。
お母さんには申し訳無い事をした。
昨日、唯先輩のゆうれいと出会ってから私の頭はあまりの事態についていけず、結局その日学校をサボってしまった。
学校から家に連絡がいったものの、私が咎められる事は無かった。
親しい先輩を亡くした私を気遣ってくれたのだろう。
ただ……

「おー、あずにゃんのお母さんの手料理も美味しそ〜…うーん、憂の手料理が恋しいよ〜」

普通、そういう台詞はもっと哀愁漂わせながら言うものじゃないですか?
貴女の状況からは…
そんないかにものほほんとした見ているこっちの力が抜ける様な表情で。
本当、この先輩の為に心配かけてしまってる事が心苦しいです! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/05(土) 17:26:29.96 ID:ZIMMsOKAO<> 「うん、もう大丈夫だよ。ごめんなさい…心配かけて」

私はそう謝って席についた。
何故か唯先輩も反対側に向かい合わせにすわる。
って!ちょっと!!

「あら?…梓の向かいの椅子…勝手に動かなかった?」

「う、ううん!?気のせいじゃない?」

……唯先輩ぃい!何人の家で軽く心霊現象起こしてくれてるんですかっ!
…そう怒鳴ってやりたい、でもそれは後だ。
そんな事をすれば私が変に見られるのは明白。

「…いただきます」

私はさっさとご飯を食べて家を出る事にした。
この、のんきなゆうれい先輩と一緒に。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/05(土) 17:37:36.37 ID:ZIMMsOKAO<>

「行ってきま〜す」

私は唯先輩を連れて学校へ向かう。
それにしても、これからどうしようか。
幽霊になった唯先輩。
これは唯先輩と一緒に居れなくなった私が淋しさから生み出した幻覚…
の線は真っ先に消えた。
先の通りこの唯先輩は、モノに触れる事はできないけど簡単なモノの干渉は念じる事でやってのける。
物を動かしたりドアを開けたり。
あまりに非現実的な事はできないけど。
そのお陰でこれは私の妄想ではないって確信出来たのだけど。

「唯先輩!人前で軽々しく物を動かしたりしたらダメですよ。唯先輩は私以外に見えないんですから、軽くホラーです」

「…あずにゃん、私今幽霊なんだから、そんな事言われても困っちゃうよ」

…そうでした。今や存在そのものがホラーでしたね。
でも、こればっかりは注意して貰わないと。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/05(土) 17:45:08.77 ID:ZIMMsOKAO<> 「そういえば、皆どうしてるかな」

ピタッ、と私は足を止めた。
そうだ、私はともかくとして他の皆さんは…
特に憂なんかはどうしてるだろうか。
学校は…流石に来て無いよね。
他の先輩方はどうだろう。
昨日休んでしまったせいで何もわからない。
そういえば携帯には何の連絡も無かったけど皆さんも休んでいたんだろうか?
それとも気を遣われたのかな?

「まぁ、会って見ればわかるよね!それに、もしかしたらあずにゃん以外も私の姿を見れるかも知れないし。」

そんな風に唯先輩が言ったので、私は気持ちを切り替える。
そうだ、何事も会ってみてだよね。
この唯先輩の幽霊は私の心を驚く程ポジティブにしてくれてる。
死んじゃった事には変わり無いのに。

「そういえば」

「?」

「あずにゃんだけ幽霊を見れるって事になればもしかしてあずにゃんには霊能力が…そこから幽霊バスターあずにゃんになって私とコンビの」

…この能天気さのせいで悲しみなんかどっかに行ったのかも。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/05(土) 17:55:17.00 ID:ZIMMsOKAO<> 私はまず自分のクラスへ向かった。
私が入るとクラスにいた同級生が話をピタリと止めたがまた談話を始める。

「梓〜」

純が駆け寄ってくる。
純にも話が伝わってるはずだよね?

「梓、あんた大丈夫なの!?昨日は結局来なかったから心配だったし、下手に連絡しても梓を追い詰めるかもとか色々考えちゃって!もー、この手のかかる娘めー!!」

純はそういうなり私に抱き着いてきた。
若干涙声になっていたのは黙っておこう。

『あー!純ちゃんずるいよ!!私もあずにゃん抱きたいよ〜…』

(もぅ〜…唯先輩は黙ってて下さいよ…って言いたいけど今言うと純に心配されるし)

『分かったよー、ちぇっ』

(……ん?)

今、私何も言って無いよね?
それなのに唯先輩が返事した様な…

「憂も学校休んじゃってたし…あたしだって心細かったんだからね?」

「あ…やっぱ憂は休んでたんだね」

「まぁ…お姉ちゃん大好きだったもんね、ショック大きいだろうし…憂、ちゃんと立ち直れるかな?」

私はすぐに返事が出来無かった。
そんな話を聞いていた唯先輩も流石に表情が曇る。
…憂にも唯先輩の姿が見れたら。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/05(土) 18:06:26.57 ID:ZIMMsOKAO<> 昼休みに入り、私は先輩達のクラスへと向かった。
先輩達のクラスは…ここだ。
……中の空気は、予想はしてたと言おうか。
かなり沈んでいた。
私のクラスとは違い、ここは唯先輩当人のクラスなのだ。
澪先輩達程では無いだろうに、唯先輩と仲の良かった人達はいる。
でも、この様子だとクラスの皆が唯先輩の死に悲しんでるんだろう。
…―!

『皆に、悪い事しちゃたね』

唯先輩はバツが悪そうにそう言い頭をかいていた。
…やめて下さいよ。
今までふざけた態度でこっちの悲しい気持ち吹き飛ばしてくれてた癖に。
そんな顔されちゃうと…また悲しく…

『わっ、わ、あずにゃん!ど、どうしたの!?』

「あれ?あなた確か唯の後輩の…」

後ろからそんな声をかけられた。
えっと…確かこの人、唯先輩の隣の席の…

「もしかしてけいおん部の先輩に用?」

私は涙を手で拭い、頷く

「あ、はい…澪先輩達は…」

「教室にはいないみたいだけど…多分…部室じゃないかな?」

そっか、考えてみれば…
私はその先輩にお辞儀をして、唯先輩と共にけいおん部室に向かった。

『バイバーイ、姫子ちゃん』

聞こえないであろう唯先輩の声が少し切なかった… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/05(土) 18:18:08.60 ID:ZIMMsOKAO<>
「失礼しま〜す」

…いた。
澪先輩に律先輩に紬先輩。
それに、さわ子先生も。

「梓!!お前今日は来てたのか?来てたなら連絡してくれよ〜…」

私の姿を見た律先輩が勢いよく立ち上がったかと思えば、言う事を言って力が抜けた様に座る。

『あ、皆やっほーい』

…………………………
皆唯先輩に反応しない。
先輩達でも見えないのか。

『ありゃ…あずにゃーん、皆私の姿が見えないみたい…』

残念ながら…
でもそれなら何で私だけ?
…まぁ今はそんな事考えてても仕方ないか。

「梓ちゃん、今紅茶いれるから…席に座って待ってて」

紬先輩が優しく微笑みかけてくれた。
…だけど、その顔はどこか疲れている。
よく見れば目元も赤く腫れぼっていた。
それは皆一緒みたいだったが。

「梓、もう大丈夫なのか?」

「はい、多分…いや大丈夫です。ご心配おかけしてすみません」

紬先輩が紅茶を入れて戻ってきた。
だけど、その紅茶を飲む気にはなれなかった。
皆さん、一口も紅茶に手をつけてなかったから。

『………あずにゃん』

唯先輩…唯先輩も心配ですよね?皆さん…

『私の紅茶が無いよぅ〜』

「違うでしょ!皆さんが心配じゃないんですか!?」

本当にこの先輩は、もう!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>saga<>2012/05/05(土) 18:23:40.94 ID:ZIMMsOKAO<> ………あ

「あ、梓?」

「あ…ずさ、ちゃん?」

「ど、どうしたんだ?いきなり」

し、しまった………
ぇっと、どう言い訳しよう…

「あの、えっと…いえ、何でも無いんです…」

(もう!唯先輩のせいですからね!?その内私の頭がおかしくなったとか思われたら恨みますから!)

『ごめんね〜、あずにゃん…』

…ん?
やっぱり唯先輩、私の考えに反応してないか?

キーンコーン

「あ、昼休み…」

「終わっちゃったね」

結局お昼ご飯も紅茶も手をつけないで、昼休みは終わってしまった。

「じゃあ、授業の準備もあるだろうし教室に戻りましょう、また放課後に」

「そう、ですね」

さわ子先生の号令で解散し、私達はそれぞれの教室に向かった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)<>sage<>2012/05/05(土) 18:24:11.58 ID:ZIMMsOKAO<> 一旦止め。
続きはまた後で。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/05(土) 18:44:29.63 ID:WNKePHPKo<> 馬鹿は死んでも治らないか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<>sage<>2012/05/05(土) 18:46:08.62 ID:7rl9kXCio<> 唯なりに気を使ってるのかもな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/09(水) 02:10:38.40 ID:QEPJUef7o<> まだかな
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<>sage<>2012/05/13(日) 01:25:22.45 ID:uyP4uyPAo<> まだかな〜? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県)<><>2012/05/29(火) 10:05:03.06 ID:5liXa3QS0<> はよはよ <> 唯<><>2012/05/31(木) 22:24:16.40 ID:rPy1eo3h0<> 消してほしくないスレッド
速く速く! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/05/31(木) 22:55:58.55 ID:bSz21KgSO<> 二ヶ月は落ちないから心配するな


二ヶ月過ぎたら知らんけど <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/02(月) 23:01:55.38 ID:Y8eyKWjSO<> やはり立て逃げの常連の山陽au <>