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HTML化した人:lain.
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その31
1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/01(月) 10:17:38.60 ID:7AKpV1hso
┏━ ノ ー‐  j  ji       |l|     _,,,,,_    ji     ji     i  i!  ,_,,xz   .|l| |l|   ┃
┃  -イ.ー┬‐ | ーチ‐      ||        |!  ーナ ̄|   ト-、  |  |!    /    ||  ||   ┃
┃.   │ _|   レ _ノ  `"⌒)  o     ,__,,」  ノ´ 、ノ   .|     丿   /^\  .o .o ━┛
                . ̄

――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代……
   幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
   名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である……。


                           ――かもしれない……。

〜前回までのあらすじ〜

世界でも有数の使い手となった召喚士、王の落胤でもあり
心優しき気丈な魔道士。本国最強の槍使いの父を持つ、
抜群なセンスと強さを兼ねた戦士。東方の忍でもあり
寡黙ながら心技体と美貌に優れた盗賊。4人はいよいよ
最終決戦の中で、新たな魔王と対峙する事となるのであった。

◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html

◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
http://vote3.ziyu.net/html/cocka.html

◆専用あぷろだ(支援ありがとうございます!)
http://ux.getuploader.com/cockatrice/

◆前スレ(その30)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308493316/
2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/01(月) 10:18:35.46 ID:7AKpV1hso
◆過去ログ(その1〜29)
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1256864948/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257265640/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257266712/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258207232/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258977379/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259802767/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260686779/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1261734559/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1262770503/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1263825599/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1264909048/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266505073/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269413340/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272349542/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1274882847/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1276786014/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1278595800/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1280599031/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282639369/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1285213402/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1290677469/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1292945466/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294929946/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297002187/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298556181/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300871942/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303216728/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1305623043/
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/01(月) 10:25:34.65 ID:I4Xj50tDO
>>1乙っす
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2011/08/01(月) 10:37:33.07 ID:unw0iUYfo
>>1z
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/01(月) 11:11:43.48 ID:LjHNPQJ0o
おつトリス
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/01(月) 12:15:44.62 ID:n+t4ylXIO
>>1クリ乙
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/08/01(月) 13:56:21.25 ID:v+i/tFrQ0
>>1 おつ
いつもありがとー
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/01(月) 13:59:22.73 ID:Mj14tXcDO
新スレ乙!
新テンプレも乙!
9 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/01(月) 17:41:48.11 ID:7AKpV1hso
シュウウゥゥゥゥ…

アバドン「――――ッ」

ガボンッ!!…ドボドボォ

崩れ落ちるアバドン。そしてもがれた両腕に握られたままの鎌。

それらと同時に青年兵が沼へと落下していく。

青年兵「……」

召喚士「青年兵くんっ! バハムートを建て直して!」

コカトリス「駄目だ、あやつ……気を失っている」

召喚士「……っ!!」

天才「朱雀!! 沼を固めろぉ!!」

召喚士「そ、そうかっ!」

コカトリス「急ぞ!」

召喚士「頼む!」

バシュウウゥゥゥゥ

コカトリス「オオォォォォ!!」
10 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/01(月) 17:42:51.09 ID:7AKpV1hso
ドドオオォォォォン!!…ゴゴオオォォォォ…

コカトリス「……おい、あやつを退かせろ!」

召喚士「戦士!?」

バシャバシャバシャッ…タッタッタ

戦士「間に合うわけねぇだろ!」

大軍師「戦士殿、沼から出なさい! 危険です!」

戦士「じゃあ誰が、落ちてくるアイツを助けるってんだよ!」

沼の中を疾走する戦士の目に、落下する青年兵が飛び込む。

天才「あんの……バカヤロウ!」

盗賊「戦士っ!!」

戦士「う……おおぉぉぉぉ!!」

ガシィ!!…バッシャアアァァ!!

青年兵「…………」

戦士「……生き……てるな。おい、しっかりしろ!」

青年兵「……」
11 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/01(月) 17:45:06.27 ID:7AKpV1hso
ズズッ…ズブブブブッ

戦士「目を覚ませ青年兵! おい!しっかり――」

ズブブッ…ズズズッ

戦士「……な、何だ……っ!?」

大軍師「やはり底なし沼か……っ。早く出るのです!」

戦士「……ちっ……んなろぉ!!」

ガシッ…ググググッ

召喚士「コカトリス! 戦士の周りを石化するんだ!」

コカトリス「土台を作るのだな。よし……!」

ゴゴオオォォォォ

召喚士「戦士! 早く足場に乗るんだ!」

戦士「……動……けねぇ!」

盗賊「……くっ」

ジャララッ…ビュオッ!!

盗賊「掴まれ!!」
12 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/01(月) 17:46:21.53 ID:7AKpV1hso
戦士「……む……ぬぅ……っ」

ズブブブ…ズブゥ

盗賊「……う……くぅ!」

大軍師「駄目だっ、鎖を引きなさい! 貴女まで飲み込まれますよ!?」

盗賊「……い……やだっ!」

大軍師「しかしこれでは――」

スタッ…バシャア

大軍師「……司令……?」

天才「心配すんな! 2人は俺様が必ず連れて帰る!」

魔道士「……っ」

天才「いいかよく聞け! この沼をすぐに石化で蓋をしろぉ!」

召喚士「!?」

天才「あの程度でアバドンがくたばるとは思えねぇ! また復活するはずだ!」

魔道士「で、でも……蓋なんてしてしまったら……」

天才「アバドンを地上へ出さない為だ! 分かってんだろ!」
13 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/01(月) 17:47:55.48 ID:7AKpV1hso
召喚士「……」

天才「だから心配すんなっての。必ず3人で……帰るからよ!」

召喚士「……っ」

ズブブッ…ズズズズ…

天才「頼……むぞ――」

盗賊「く……っ」

大軍師「……朱雀先生」

召喚士「……分かって……います」

コカトリス「良いのだな?」

召喚士「天才さんが言ったんだ。必ず3人で戻るって……」

コカトリス「……」

召喚士「天才さんが言って、駄目だった事なんてない」

コカトリス「分かった。ならば塞ごう、どんなに費やしてもな」

召喚士「……うん」

淀んだ冷たい吐息は、少しずつアバドンと沼を石と化し始めた。
14 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/01(月) 17:48:38.14 ID:7AKpV1hso


ゴボボッ

戦士(……くそっ、何も見えねぇ……っ)

ズズッ…ズブブブブッ

戦士(一体何がどうなってやがんだ……!?)

沼の中でもがき苦しむ戦士は、足元に違和感を覚える。

戦士(何だ……っ!? すっげぇ冷て――」

ズルゥ!!…ズゴゴゴゴッ!!

戦士(吸い込まれ……青年兵っ!!)

脇に抱えた青年兵を必死で抱き締め、戦士は沼の底へと飲み込まれた。

ズルゥ……バシャアアァァ!!

戦士「がはっ! ごほごほ……っ、ごほ……っ!」

ビチャビチャ…ヨロッ

戦士「……地……面? 何が何だか……」

顔にまとわりつく泥を拭い取り、戦士はゆっくりと瞼を開く。
15 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/01(月) 17:51:08.40 ID:7AKpV1hso
オオォォォォ…

戦士「…………」

絶句。声を出さなかったわけではなく、単純に声が出なかった。

バシャッ…ビチャッ…ビチャッ

2、3歩足を進めたところで、戦士は手ぶらな事に気が付く。

戦士「――っ!!」

クルッ…バシャッ!!

戦士「……お、おいっ!」

すぐ背後でうつ伏せに倒れる青年兵。戦士はすぐに駆け寄り、

青年兵を抱きかかえて大声で叫ぶ。

戦士「青年兵っ、起きろぉ!!」

青年兵「…………ぅ」

戦士「!?」

青年兵「……く……うぅ」

戦士「しっかりしろ! 大丈夫か!?」
16 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/01(月) 17:53:46.19 ID:7AKpV1hso
ヨロッ

青年兵「戦士……さん……?」

戦士「……良かった、大丈夫か?」

青年兵「……はっ!」

ガバッ

青年兵「……こ……こは!?」

戦士「分からねぇ。ただ、沼の中に飲み込まれたのは確かだ」

青年兵「……沼」

戦士「あぁ!! 戟が……っ!!」

バシャバシャッ…ズブッ

ゆらゆらとどす黒い液体の上を漂う戟。沼という割には粘度は低く、

泥水のような雰囲気であり、浜辺のように波が寄せては引いている。

戦士「……なん……なんだよ……っ」

戟を拾う戦士の視界に広がっているのは、沼などとはとても言い難い、

言うなれば泥の海のような巨大な水面が広がっていた。
17 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/01(月) 17:55:57.04 ID:7AKpV1hso
バシャ…バシャ…バシャ

青年兵「明らかに……先程とは違う所ですね」

戦士「……あ、あぁ」

青年兵「やたら寒いな……っ。まるで冬のようだ……」

戦士「……」

幻術かとも考えた戦士だが、青年兵と共にいる事や感覚が現実味帯びている事、

それらを踏まえた上で、どこか別の場所へ移動させられた、と判断した。

戦士「ともかく陸地に上がろうぜ」

青年兵「ですね」

バシャバシャバシャ…

戦士「どう見る?」

青年兵「あの沼を介して、別の場所へ来てしまったように思えます」

戦士「……だよな」

針のように刺々しい山から流れ落ちる泥水の滝は、川を為し海を形成している。

空は薄暗く、ありとあらゆる場所に光を感じない、モノトーンのような世界。

異形の光景に2人はただ足を止め、困惑するばかりであった。
18 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/01(月) 17:57:39.18 ID:7AKpV1hso


ゴオオォォォォ…

魔道士「……」

大軍師「心配……ですか? いや、それは勿論の事ですよね」

魔道士「本当に、大丈夫ですよねっ!?」

召喚士「いまのところは大丈夫でしょう」

大軍師「ええ。あれが存在する限りは……心配ないでしょうね」

沼を挟んで佇む巨大な召喚獣バハムート。

巨龍は微動だにせず沼を見つめ、主の帰りを待つかのようである。

召喚士「バハムートが存在する限り、少なくとも青年兵くんは無事のはずだ」

大軍師「司令や戦士殿も一緒です。心配はいりませんよ」

盗賊「……ああ」

大軍師「兎に角、我らの最優先事項は、沼の封鎖、及びアバドンの――」

ミシミシミシッ…メキッ

盗賊「……な、何の音だ……!?」
19 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/01(月) 17:58:38.01 ID:7AKpV1hso
コカトリス「まずいな。中からこじ開けようとしている……」

召喚士「地上に出ている部分だけでも固めるんだ!」

コカトリス「魔力全開でいくぞ!」

召喚士「うん!」

ガゴオオォォォォ!!

魔道士「お、おぉ!? いい感じに押してますよっ!」

召喚士「このまま……何とか……」

大軍師「押し込めそうですね。やれやれ」

ピクッ

盗賊「何か来る……っ! 魔道士、防御壁――」

その刹那、激しい閃光が北よりコカトリスを襲う。

バシュウウゥゥゥゥ!!

召喚士「――っ!?」

大軍師「しまった! 間に……合うかっ!?」

魔道士「やあぁ!!」
20 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/01(月) 18:00:58.68 ID:7AKpV1hso
ドドオオォォォォン!!…ゴアオオォォォォ!!

魔道士と大軍師による風と土の魔法が防御壁を成す。

しかし、威力は凄まじく、閃光は隙間よりコカトリスへと直撃した。

ズッガアアァァァァ!!

召喚士「ぐ……うぅ……っ!!」

コカトリス「押……し……返せ!」

召喚士「うおおぉぉぉぉーっ!!」

コカトリスによる石化の息が軌道を変えると、閃光と激しくぶつかり合い、

2つのパワーが空中で燻るように激しく押し合っている。

召喚士「……く……ぐくぅ!!」

バチバチバチッ…グググッ

コカトリス「いけるぞ! もうひとふん張り……」

スタッ

コート男「残念だったな、若き召喚士よ」

召喚士「――っ!?」
21 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/01(月) 18:20:16.60 ID:7AKpV1hso
召喚士の背後に現れた白いコートの男。

コート男「……ぬん!」

バキャアアァァ!!…ズザザアァ

魔道士「召喚士さんっ!?」

召喚士「……ぐく……っ」

コート男「ほぉ、我が蹴りを素手でいなし、直撃を避けたか……」

ザッザッザ

コート男「だが、集中力を欠き、ダメージを負ったお陰で……切れたな」

魔道士「コ、コカトリスが……っ!!」

シュウウゥゥゥゥ

大軍師「朱雀先生の援護を!」

コート男「甘い!」

バキィ!!

召喚士「ぐう……っ」

コート男「貴様等はそこで傍観していろ。不用意に近づけば……即座に消す」
22 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/01(月) 18:30:06.81 ID:7AKpV1hso
盗賊「く……っ」

大軍師「指示に従いましょう。何か、手はあるはずです」

コート男「フハハハ!」

ザッザッザ

召喚士「……貴……様ぁ」

コート男「全く、アバドンと言うからどれ程の魔物かと思えば……この程度か」

召喚士「……何が……目的なんだっ、お前は!」

コート男「……」

召喚士「こんな事をして、何になる!」

コート男「お前のような奴が知るところではない」

召喚士「……!!」

コート男「大体、知ったところでどうする? 止められるか? あ? 殺せるか?」

召喚士「……っ」

コート男「世界は新しい時代を迎えようとしているのだ。邪魔はさせん」

召喚士「何……っ!?」
23 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/01(月) 18:38:33.97 ID:7AKpV1hso
大軍師「貴方は、魔物を使って何をしようと言うのですか?」

コート男「世界を変える。それだけよ」

大軍師「どういう……意味です?」

コート男「知る必要はない」

召喚士「人を殺してまで、するべき事なのかっ!」

コート男「ならばお前は何故、魔物を殺す?」

召喚士「それは……」

コート男「魔物ならば良くて、人間ならば駄目だとでも言うのか?」

召喚士「違うっ! 魔物にも人間にも……善悪はあるんだ!」

コート男「善悪……ねぇ」

召喚士「……」

コート男「そんな基準は誰が決めるのだ? お前か? お前が独断で決めるのか?」

召喚士「そ……れは……」

コート男「何が善で何が悪なのか、そんなものは個人の観点! 力こそが正義だ!」

召喚士「……っ」
24 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/01(月) 18:42:11.82 ID:7AKpV1hso
大軍師「朱雀先生、問答する必要はありませんよ」

コート男「問答ではない、それが心理だろう?」

大軍師「そうかもしれませんね」

コート男「ほぉ」

大軍師「ならば貴方の正義を、我らが討ちます」

コート男「フハハ! 笑わせる!」

大軍師「貴方の正義で……世界は救われない」

コート男「救いとは何か!!」

大軍師「救いとは、望む者に与える者が居る……平等なる世です!」

コート男「それはお前の観点だろう!」

大軍師「いいえ、私が背負った……世界の希望です!」

コート男「……」

大軍師「貴方は誰の希望を背負っているのです? 孤独な正義ではありませんか」

コート男「だ……まれ、黙れええぇぇ!!」

大軍師「個人の観点を持ち出すは正義に非ず! 語るに落ちたり!」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/01(月) 18:44:38.10 ID:7AKpV1hso
中途半端ですが、これにて失礼致します!
新スレでもご支援感謝!ヨロシクです!

31スレとか…もう長すぎて読む気もしないかもですが、
とりあえず完結までは頑張りますのでご容赦を…!
それでは、失礼致します!ノシ

>>3-8
早速ありがとうありがとーございます!感謝!
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/01(月) 18:52:12.90 ID:zk3akmfq0
1乙!
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/08/01(月) 19:01:22.59 ID:YL5OAyXAO
モツ
軍師流石ー
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/01(月) 19:05:17.12 ID:vjXQGt/AO
>>1

完 全 論 破
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/01(月) 19:06:05.09 ID:8iIlxcNBo
>>1
大軍師論破しちゃったな
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/01(月) 19:44:22.73 ID:S2M0IfyDO
>>1乙!
新スレおめでとうございま−す!

大軍師カッコイイ!
熱い展開にwwktkが止まらんと思いきや更に予想外の展開に!!
マジで毎日読むのが楽しみだぜー
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/01(月) 19:45:01.18 ID:tdLZhSaDO
>>1

大軍師流石としか言いようがないな。
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/01(月) 23:45:57.84 ID:GwXUWlRAO
>>1おつ

いい語りっぶりだ
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/02(火) 03:12:00.94 ID:reMMe+rSO
大軍師△

しかも>>1のパーティー4人の説明文が何かもう頼れ過ぎて抱かれたい
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/02(火) 03:50:59.27 ID:Vz2LCII2o
どうみても童貞な〜ってやつ結構前から変わってるんだよな
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/02(火) 07:29:54.32 ID:25xRvWKIO
31スレとか…もう壮大で胸熱かもですが、
とりあえず完結までは頑張らないと容赦いたしません!
それでは、失礼致します!ノシ
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/02(火) 09:37:03.12 ID:1sJ7DO9DO
携帯から>>1が書き込んだのかと思った
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/02(火) 14:33:03.75 ID:xefqpZIDO
>>1乙!!
そういや前回のあらすじ変わった?今気付いたけど
38 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 17:54:32.84 ID:zih8hcaqo
コート男「ぐ……ぬぅ」

大軍師「貴方の欲望を満たす為に、これ以上の犠牲は出させませんよ」

コート男「小賢しい事をベラベラと……」

大軍師「おや? お怒りという事は……図星ですかな?」

コート男「殺す!」

大軍師「貴方如きに殺されてたまるものですか」

コート男「――っ」

大軍師「朱雀先生、今のうちに早く!」

召喚士「す、すみません……っ」

コート男「ちっ、逃がすかよ」

大軍師「おっと、貴方の相手は私ですよ」

コート男「貴様と口喧嘩している暇はないのだ」

大軍師「おや、自信がないと?」

コート男「その減らず口……いい加減にしろぉ!!」

大軍師「ふっふ」
39 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 17:55:36.11 ID:zih8hcaqo
ザッ

コート男「……なんてな」

大軍師「!?」

コート男は突如、背後を振り返り、伸びる鎖を素手で掴み取る。

ガシィ!!…ジャラッ

盗賊「な……っ!?」

コート男「貴様の詭弁で時間を稼ぎ、奇襲を仕掛ける」

大軍師「……っ」

コート男「なかなか頭の切れる男だが、この程度はお見通しよ」

盗賊「く……そっ」

ガシッ

コート男「逃がしはせんよ、フハハッ!」

大軍師「盗賊殿、早く間合いを――」

コート男「手遅れだ! まとめてベヒーモスの餌食となるが良いっ!」

召喚士「……っ!!」
40 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 17:56:57.16 ID:zih8hcaqo
キュイイィィィィ…

瞬時にベヒーモスを召喚し、攻撃態勢に入ったコート男。

コート男「……」

盗賊、召喚士、大軍師、魔道士と縦に並び、4人がことごとく

ベヒーモスによる閃光の攻撃射程に居並んでいる。

コート男(……おかしい、こんな偶然があってたまるか)

その違和感に気付いた瞬間、右方より巨大な気配を察知した。

コート男「こ……れも、罠かぁ!!」

大軍師「……ふっふ、ご名答」

コート男「くっそおおぉぉぉぉ!!」

ベヒーモスを貫く巨大な閃光が右方より輝き放たれる。

キュイイィィィィ…ドッドオオォォォォン!!

ベヒーモス「オオォォォォーン!!」

大軍師「常に数十手先を臨機応変に読んでこその軍師。なめないで下さいね」

羽扇をひらひらと扇ぎ、大軍師は静かに笑った。
41 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 17:58:19.35 ID:zih8hcaqo


コオオォォォォ…

戦士「……さぶぅ」

青年兵「随分と冷えますね……」

戦士「ああ。北の冬より寒いんじゃねぇか?」

青年兵「一体、何なんだここは……っ」

色も音もない、言うなれば新聞の絵のような世界。

2人は頼るものもなく、ただ闇雲に歩いていた。

戦士「あれから何時間経ったんだ?」

青年兵「分かりません。何十時間のような……それでいて数分のような……」

戦士「気味が悪りぃな……。さっさと出ようぜ」

青年兵「……ええ」

だが、脱出手段は一切不明。わけも分からぬまま2人は足を進める。

戦士「……おっ?」

やがて、戦士と青年兵は奇妙な光景を目にする。
42 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 17:59:44.96 ID:zih8hcaqo
ザッザッザ

戦士「な……んだ、あれ?」

青年兵「人? いや……影が蠢いている!?」

山の上を延々と連なる人型のような影。気配はなく、ただただ真っ直ぐ

行列を成し、山頂目指し動き続けている。

戦士「……行ってみっか?」

青年兵「え、ええ……っ」

ザッザッザッザッザ

戦士「……生きてるのか死んでるのかも分からんな」

青年兵「ええ。気配もないし、攻撃をしてくる様子も一切ありませんね」

戦士「あそこに向かってるのか」

青年兵「山頂……何かあるのかもしれませんね」

戦士「行ってみっか」

青年兵「そうですね、それしか道はなさそうです」

――「待ちな」
43 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 18:01:00.03 ID:zih8hcaqo
戦士「!?」

青年兵「……司令!」

天才「ったく、無茶しやがってよぉ」

戦士「しょーがねぇだろ、あの場面じゃああするしか……」

天才「まーいい。そうだな、ファインプレイだ」

戦士「お、おう……」

青年兵「あの司令、ここは……」

天才「地獄だよ、地獄」

戦士「はぁ!?」

天才「俺らの住む地上とは別の、闇の世界だ」

戦士「な、何だよそりゃあ……」

天才「人間には人間の住む世界がる。召喚獣には召喚獣の住む世界がある」

青年兵「ま、まさか……」

天才「そうだ。ここは魔物の住む世界。俗に言う地獄ってやつだ」

戦士「――っ!!」
44 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 18:02:08.61 ID:zih8hcaqo
青年兵「な、何故そのような所へ……」

天才「……っ」

青年兵「司令……?」

天才「付いて来い。歩きながら話すぞ」

ザッザッザ

戦士「……なんか、いつもの雰囲気じゃねぇな」

青年兵「え、ええ……。あんあ表情の司令は初めて見ます……」

テクテクテク

天才「あのアバドンってヤツは、サタンの代行者として害を与える執行人だ」

戦士「執行人……?」

天才「普段はここ、地獄において鍵を司る番人として待機してる」

青年兵「では、どうして地上へ……?」

天才「おそらくサタンを封印した影響だろうな」

戦士「何も封印していい事ばっかじゃねぇって事か」

天才「いーや、そうでもないぜ」
45 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 18:02:53.25 ID:zih8hcaqo
戦士「あん?」

天才「地獄でアバドンなんぞと遭遇すれば、それだけで死ぬって話だからな」

青年兵「――っ!!」

天才「まぁそんな情報を持ち帰ってこれるところを考えりゃ迷信だろうけどな」

青年兵「しかし、それ程までに力があると言う事ですよね」

天才「まぁ、そうだな」

戦士「んで、結局のとこ地獄からは生還出来んのか?」

天才「……どうかな」

戦士「ど、どうかなって……」

天才「ほれ、山頂に着いたぞ」

ザッザッザッ…ザッ

青年兵「…………っ」

戦士「何だよ……こ、これ……っ」

天才「果てしなく続く闇。この奥こそが……サタンの住む場所だ」

急斜面の奥に潜む闇は火口のように広がり、全てを吸い込む暗き穴であった。
46 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 18:11:51.77 ID:zih8hcaqo


ゴゴオオォォォォ…

コート男「……く……そっ」

大軍師「今ので相当の魔力を削られたはずです。それでもまだ、戦いますか?」

コート男「……っ」

ザッザッザ

魔道士「今の光って……」

盗賊「……ベヒーモス……か?」

ザッザッザ…スタッ

コート男「お……のれぇ……っ!!」

大軍師「ご苦労様です。お待ちしておりましたよ」

白虎長「……っ」

コート男「白虎長……」

白虎長「叔父様……貴方は……」

コート男「フッ……フハッ、フハハハハハハ!!」
47 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 18:13:59.78 ID:zih8hcaqo
大軍師「……」

コート男「何か言いたそうな顔をしているなぁ? フハハッ!」

白虎長「……」

コート男「お前の父である白虎長男の事か? あぁ?」

白虎長「父さんは……」

コート男「兄はとっくに死んださ! とっくの昔になぁ!」

白虎長「貴方が……殺した……」

コート男「そうだっ! 私が殺した! 実の兄である白虎長男をなぁ!」

召喚士「許せない……っ」

コート男「長男だけではないぞぉ? 次男兄さんも我が手で葬ってやったさ!」

白虎長「――っ!?」

大軍師「何と言う事を……っ」

コート男「実力も思想もない分際で正義ヅラしやがって、同じ一族としての恥よ」

白虎長「貴方は……人として恥ずかしくないのっ!? 実の……娘の前で……!」

コート男「――っ!?」
48 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 18:15:49.15 ID:zih8hcaqo
ザッザッザ

白虎嬢「…………」

コート男「白虎……嬢……っ」

白虎嬢「お父様、貴方は間違っている。何もかも……」

コート男「う……ぐぬ……」

白虎嬢「貴方は……貴方は……ぁ」

コート男「う……うぅ……ぐっ」

白虎嬢「貴方は最早、父ではありません!」

コート男「ぐ……ぬぅっ! 小賢しいわぁ!!」

大軍師「退がって下さい!」

白虎長「いいえ、退がらないわ!」

白虎嬢「私は……戦います。私にも責任はあるものっ」

大軍師「……っ」

コート男「おのれおのれおのれおのれええぇぇ!!」

召喚士「くるっ!」
49 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 18:17:55.22 ID:zih8hcaqo
ザッ…シュイイィィィィン

コート男「あの程度で、私のベヒーモスが終わってなるものかああぁぁ!!」

キュイイィィィィ…

白虎長「来るわよっ!」

召喚士「違うっ! フェイクだ!」

魔道士「!?」

タンッ…ズザザッ

コート男「寝ていろ!」

白虎長「!?」

ガシィ!!…バキャアアァァ!!

白虎長「う……ぐうぅ!」

白虎嬢「従姉さんっ!? お父様……貴方はっ!」

コート男「ほぉ、実の父に刃を向けるか? あ? 出来るのかお前に!」

白虎嬢「……っ」

コート男「馬鹿が、大人しく南で暮らしておれば良いものを……」
50 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 18:19:10.15 ID:zih8hcaqo
タンッ 

盗賊「止めろっ!!」

召喚士「分かってます!」

コート男「遅いわぁ! フハハ!!」

白虎長を一撃で地面へと撃ちつけ、コート男の拳はなおも止まらない。

実の娘へと差し向けられた右拳は、白虎嬢の喉元を瞬時に一掴みする。

グググッ

白虎嬢「う……あ……ぁ……」

コート男「せめてもの情けだ。実の父の、腕の中で死ぬがいい! フハハハ!」

ザッ

召喚士「やめろおおぉぉ!!」

コート男「素手で勝てると……思っているのかぁ!」

飛び掛かる召喚士はコート男の右腕へと纏わりつき、白虎嬢を締め上げる

その腕をなんとか力任せに振り切った。

ガシィ!!…ブンッ
51 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 18:20:17.64 ID:zih8hcaqo
召喚士「盗賊……さんっ」

盗賊「任せろ!」

ヒュバッ…ガシィ!!

宙へ投げ出された白虎嬢を受け止める盗賊。

コート男「……せっかちな奴だ。お望み通り先に殺してくれよう」

召喚士「ぐ……くっ」

大軍師「魔道士殿」

魔道士「は、はいっ!」

大軍師「狙えますか……?」

スッ

魔道士「で、でも……っ」

大軍師「気を引きます。離れてからで結構です」

魔道士「……っ」

大軍師「アレさえ失えば……こっちのものですから」

魔道士「……やってみます!」
52 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 18:23:45.93 ID:zih8hcaqo
グググッ

召喚士「……う……ぅ」

コート男「ハーッハッハ!! さっきまでの威勢はどうしたぁ? ん?」

召喚士「…………か……は」

コート男「このまま首の骨をへし折ってくれるわ」

その瞬間、召喚士とコート男の間へ影が飛び込む。

フェンリル「グアオオォォォォ!!」

コート男「何っ!?」

白虎長「白虎先生を……ナメないでよね……っ!」

コート男「この程度で……」

グワッ…バキィ!!

召喚士「……っはぁ、はぁ! はぁ!」

コート男「ちっ、振りほどいたか。だが忘れてはいないか? コイツの存在を!」

ベヒーモス「ゴアアァァァァーッ!!」

白虎長「しまっ――」
53 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 18:25:29.60 ID:zih8hcaqo
キュイイィィィィン…ズッドオオォォォォン!!

白虎嬢「……っ」

盗賊「くぅ……っ!」

白虎長「……?」

大軍師「な、何です……? 閃光が……止まって……」

コート男「な……んだこれは……!?」

ズゴゴゴゴゴ…

召喚士「……う……っ」

――「目を覚ませ、召喚士」

召喚士「……?」

――「立ち上がるのだ。お前の力を……皆が待っている」

召喚士「――!?」

コート男「何が起きている? 何故ベヒーモスの攻撃が……ユニコーン如きに!」

ユニコーン「さぁ、立ち上がれ召喚士。お前の力を見せてやれ」

召喚士「ユ、ユニ……コーン!?」
54 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 18:26:42.45 ID:zih8hcaqo


オオォォォォ

戦士「……んで、この穴に飛び込むのか?」

天才「そういう事だ」

青年兵「……」

戦士「と……ところでよっ、あの影みてーのは何なんだ?」

天才「あぁ、あれは生物だった者だ」

青年兵「……?}

天才「なんつーかな、魂っつーか……吸われてるのさ、地獄にな」

戦士「……っ」

天才「輪廻転生、って言葉……知ってっか?」

戦士「……いや」

青年兵「命あるものは死した後、再び命として蘇る……という事ですか?」

天才「まぁそうだ。流石だな」

青年兵「い、いえ……っ」
55 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/02(火) 18:29:05.79 ID:zih8hcaqo
戦士「そんで、その輪廻転生ってのが何だってんだ?」

天才「こうして死んでいった人間も、再び魔物として生まれ変わる」

青年兵「……」

天才「そういう事なのかもしれねーなって話だ」

戦士「……そう……かもな」

青年兵「僕らもかつては、魔物であったのかもしれませんね」

天才「ハーッハッハ! 違いねぇ、そうかもしんねーわな」

戦士「んじゃ、召喚獣もそうなのかもなぁ」

天才「おぉ、そうだな。お前見かけによらず頭いいじゃんか」

戦士「……あのな」

青年兵「人間が生まれ変わって召喚獣に……か」

天才「んじゃ俺様はかつて、バハムートクラスの召喚獣だったに違いねぇ」

戦士「お前はどうみたって魔物だよ」

天才「んだとぉ!」

青年兵「は、はは……っ」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/02(火) 18:31:32.98 ID:zih8hcaqo
本日ここまでにて!多数のご支援ありがとうございます!
それでは失礼致しますよ!ではでは!ノシ

前回のあらすじ気付いて頂きありがとうございます!

>>35-36
あれ!?って感じでビックリしました!
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/02(火) 18:55:52.16 ID:es6h1njAO
>>1

なんてこった!あのイケメンユニコーンさんがまだ生きていやがった!
今日は赤飯だな
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/02(火) 19:51:17.73 ID:1sJ7DO9DO
>>1
まさかのイケメンユニコーンさんに全俺が歓喜
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/02(火) 19:57:10.70 ID:pZX2O/mDO
>>1乙!
うはwwww
イケメンユニコーンさんktkr
うちも今夜は赤飯だ!!!!
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/02(火) 20:00:50.97 ID:GcyM3txIO
ユニコーンもだが大軍師もかっこよかった
いちおつ!
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/02(火) 21:54:06.97 ID:lDfrYTEDO
ユニコーンたんハァハァ
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]:2011/08/02(火) 21:58:57.72 ID:piccOFpJo
イケメンユニコーンさんがイケメンすぎてテンションあがってwwきたwwwwwwwwwwwwwwww
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/02(火) 22:58:55.31 ID:zs9u5hJ0o
イケコーンさんきたあああああああああああああああああ
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)2011/08/02(火) 23:31:56.93 ID:0zC8LIee0
イケコーンさん
あんた、まさか

65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/02(火) 23:54:26.37 ID:DxJavNiIO
そうよ、そのまさかよ!
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/02(火) 23:56:30.43 ID:SxvXfchAO
>>1おつ

67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/03(水) 00:54:50.96 ID:ihuVhmuSO
「イケメン!ユニコーン!!」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/03(水) 02:09:04.42 ID:74OKBrzDO
※ ただし処女厨
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/08/03(水) 03:22:49.08 ID:tYJa0HGAO
>>68
もう一回読んでこい
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/08/03(水) 03:58:07.92 ID:2IhNvy1o0
いちおつ
かつては人間だったものが…
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage]:2011/08/03(水) 07:13:50.95 ID:J98T/sYm0
いちおつ
こりゃ朝から赤飯だぜ
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/03(水) 07:29:44.47 ID:WO4H8FmIO
むwwwwwwねwwwwwwあwwwwwwつwwwwwwすwwwwwwぎwwwwwwww
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/03(水) 08:33:36.90 ID:leSsEXZDO
そういえばイケコーンさん白虎だったな
すげーなー
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/03(水) 11:03:49.42 ID:XJAil86Eo
イケユニさんで鳥肌たったわwwwwwwwwむねあつwwwwwwww
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage]:2011/08/03(水) 11:43:35.80 ID:y/ZxmIWIo
1来てたかと思ったらお前らかwwww
イケメンユニコーンさんマジイケメン
76 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/03(水) 18:04:41.02 ID:gS8jIA5bo


ゴオオォォォォ

ユニコーン「召喚士、どうした!」

召喚士「え、あ……うん……っ!」

コート男「召喚などした素振りはなかったぞ……いや、それよりも……」

ゴゴゴゴゴゴ

コート男「何故……ユニコーン如きが我が一撃を……っ」

ユニコーン「……三男、もうやめろ。貴様の敗北は見えている」

コート男「――!?」

ユニコーン「これまでの悪行を省みながら、無に帰るがいい」

コート男「名前を……何故っ、俺の名前を知っている!?」

ユニコーン「知っているさ。何もかもな」

コート男「何だと……ぉ!?」

ユニコーン「召喚士だけは、この俺が必ず守る! 絶対に死なせはせん!」

召喚士「ユニコーン……っ!」
77 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/03(水) 18:06:44.90 ID:gS8jIA5bo
魔道士「い、一体……何が……」

大軍師「分かりません……っ、しかし優位なのは間違いない」

コート男「何だ何だ何だっ!! 何だと言うのだあぁ!!」

ユニコーン「貴様は恥ずかしくないのか?」

コート男「……っ」

ユニコーン「実の娘の前で、このような恥を晒してどう思うと聞いているのだ」

コート男「ふざけるなっ!! 貴様に何が分かると言うのだ!!」

ユニコーン「……全て、分かっているさ。これまで数々行ってきた悪事を」

コート男「な……にぃ!?」

ユニコーン「実の兄2人に留まらず大召喚士様や……罪なき人々まで」

召喚士「!?」

ユニコーン「全ては貴様の所業であろうが!」

コート男「な、何なのだこれは……うぅ……っ!」

召喚士「……」

コート男「や、やめろ! その目で俺を見るな! やめろお前らぁ!」
78 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/03(水) 18:07:48.24 ID:gS8jIA5bo
ドドオオォォォォン!!

召喚士「ぐぅ……っ!!」

ユニコーン「耐えろ召喚士、お前には俺が……付いている!」

召喚士「ユニコーン……あ、あなたは一体……」

コート男「ああぁぁぁぁ!!」

ズガアアァァァァ!!

白虎長「閃光の連発……っ、なんて魔力なの……!」

大軍師「ここまで力を隠していましたか。いや、溜めていたのか……」

盗賊「……?」

大軍師「召喚術が使えぬ素振りを装い、魔力を温存していたんですよ」

魔道士「そうかっ、ずっと練り続けて……」

大軍師「少し、離れた方が良さそうですね」

盗賊「……ああ」

ドドオオォォォォン!!

召喚士「ぐあぁ!!」
79 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/03(水) 18:09:06.06 ID:gS8jIA5bo
……――

召喚士「…………」

輝く閃光の中、召喚士は一瞬、僅かの間ではあるが意識を失っていた。

召喚士「……う……ぁ」

再び意識を取り戻した時、召喚士の脳裏に自分のものではない

不思議な感覚に戸惑いを見せながら、しかしその暖かさに包み込まれていく。

パアアァァァァ

召喚士「……な……に?」

大召喚士『召喚術の真髄はもっと深いところにあるのだ』

白虎長男『どういう意味でしょうか?』

大召喚士『生きとし生ける者の全てが平等であるという事だ』

白虎次男『……?』

大召喚士『世界は1つではない。天下は1つとは限らぬのだ』

白虎長男『教えて頂けませんか? その真髄を……』

大召喚士『それは教えるものではない。自らが感じ、得るものだ』
80 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/03(水) 18:19:49.50 ID:gS8jIA5bo


白虎長男『大召喚士様が……反乱だと!?』

白虎次男『信じ難いけれど……』

白虎長男『父上や伝説のでっち上げではないのか!?』

白虎次男『思想の違いから対立はしても、互いを陥れる事をするわけないよ』

白虎長男『……だよ、な。分かった、俺が父上達に相談を……』

白虎次男『それは……無理だ』

白虎長男『!?』

白虎次男『僕らにも討伐令が出ている。皆を巻き込む事になるよ』

白虎長男『だからと言って、放ってはおけまい』

白虎次男『……っ』

白虎長男『ひとまず、大召喚士様の所へ行ってくる。なぁに、心配はするな』

白虎次男『し、しかし……』

白虎長男『お前は、ほとぼりが冷めるまで身を隠していろ』

白虎次男『兄さん……っ』
81 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/03(水) 18:20:42.33 ID:gS8jIA5bo


白虎次男『……何を言っているのです父上!!』

白虎先生『お前も北の森で見たのであろう? 大召喚士の遺体を……』

白虎次男『やってない! 兄さんは絶対に!』

白虎先生『ならば誰が手を下したと言うのだ。ベヒーモスの一撃を』

白虎次男『……っ』

白虎先生『知っての通り、一族以外には門外不出……いや、使えぬ代物ぞ!』

白虎次男『兄さんなわけがない。そんなわけないんだ!』

白虎先生『ならばお前がやったと言うか! それとも私か! 三男か!?』

白虎次男『…………』

白虎先生『私とて認めたくはない……。このような現実は……っ!』

白虎三男『……?』

白虎先生『ともかく、我ら一族とてお咎めなしとはいかんだろう。沙汰を待つぞ』

白虎次男『……くそ……っ』

白虎三男『……ふふっ』
82 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/03(水) 18:21:26.83 ID:gS8jIA5bo


白虎先生『次男、お前は最北の村に行ってくれ』

白虎次男『……』

白虎先生『三男と長男の娘……白虎長は私が看る』

白虎次男『避難した皆を……守れと?』

白虎先生『それもあるが……クーデターはまだ終わりではない』

白虎次男『……』

白虎先生『もし1箇所に集い、襲撃されれば……白虎一族は途絶える』

白虎次男『……っ』

白虎先生『お前の存在を、隠しておきたいのだ』

白虎次男『父さん……』

白虎先生『もしだ、もし……長男が犯人ではないとすれば……』

白虎次男『……?』

白虎先生『その時は、躊躇わず討て。いいな?』

白虎次男『…………』
83 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/03(水) 18:30:47.49 ID:gS8jIA5bo


コート『そうかぁ、貴様は玄武の娘かぁ……』

玄武長女『……っ!?』

白虎次男『逃げろ! 玄武長女!』

玄武長女『この子を置いて……逃げられるわけないじゃない!』

白虎次男『くっ』

コート男『フハハッ、観念して……夫婦仲良く死ぬがいいさ!』

ドウッ!!

白虎次男『させん!!』

コート男『フハッ……フハハハハハハ!!』

キュイイィィィィ…ドドオオォォォォン!!

白虎次男『がああぁぁぁぁーっ!!』

玄武長女『あなたああぁぁーっ!!』

コート男『次は……貴様ら母子の番だ』

玄武長女『……っ!』
84 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/03(水) 18:34:35.03 ID:gS8jIA5bo
ガシィ

コート男『……?』

白虎次男『逃……げろ、玄武……長女』

玄武長女『あなた……っ』

コート男『ならば……3人仲良くあの世へ行くがいい!!』

ドドオオォォォォン!!



――『おぎゃあ! おぎゃあぁ……ふんぎゃあぁ!!』

コート男『……親の力というものは、大したものよなぁ』

白虎次男『……ぅ』

コート男『……ちっ、邪魔が入ったか』

玄武長女『…………』

コート男『まぁいい。赤子の1人くらい……フハハッ、感謝するんだな! フハハハハ!』

白虎次男『……喚士……召喚士……っ』

召喚士『おぎゃあぁ! ふっ、ふええぇぇ! おぎゃあ!』
85 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/03(水) 18:42:46.98 ID:gS8jIA5bo
タッタッタッタッタ

マジシャン『!? コ……コイツはひどい……っ』

師匠『誰か!! 生きてるかあぁーっ!!』

白虎次男『私は……お前を……生涯守り抜く……』

召喚士『びえぇっ!! う、うああぁぁん!!』

白虎次男『姿は変われど……お前を……お前……を――』

ズシャッ…シュイイィィィィン

召喚士『ああぁぁぁぁん!! ああぁぁ……あぁ……ぁ』

ドサッ

マジシャン『お、おいっ!! 人が倒れてるぞ!!』

魔剣士『……駄目だ、こっちの女性は死んでる……っ』

プリースト『ちょっと来て!!』

マジシャン『あん!? こ、子供か……』

師匠『……敵がまだいるかもしれん。その子を連れて一旦退がるぞ!』

召喚士『…………』
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/03(水) 18:44:23.37 ID:gS8jIA5bo
赤子と書きましたが2歳児くらいでしたすみません…

それではここまでににて失礼いたします!
多数のご支援ありがとうございました!
ユニコーンの人気にビックリ!それではでは!ノシ
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/03(水) 18:46:13.92 ID:8OzMnXhko
>>1おつん
まさかイケコーンさんは・・・
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/03(水) 18:51:59.71 ID:mxfoUcFDO
>>1おつゆ

イケコーン△
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/03(水) 18:52:30.22 ID:mxfoUcFDO
>>1おつゆ

イケコーン△
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/03(水) 19:16:46.18 ID:TlEc3M4DO
>>1
コート男には苦しみぬいてから死んでほしい
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/03(水) 19:37:11.21 ID:WE7+j//l0
行けっ!コーン!!さんかっけえww
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/03(水) 19:37:38.90 ID:WE7+j//l0
行けっ!コーン!!さんかっけえww
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/03(水) 19:49:37.69 ID:JYiI4Mj/o
話題は戻るが、追悼に古酒『青龍』買ってきた
俺も想いだけでも彼らと呑むお
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/03(水) 20:11:27.70 ID:KDAZhxzAO
ハリポタの守護霊みたいだなユニコーンは。召喚士の待遇も似てる
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/03(水) 20:25:27.25 ID:xV528YMIO
おついち

イケコーン△
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/03(水) 20:26:01.46 ID:GKtRsZ9b0
すげー鳥肌たった!

>>1
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/08/03(水) 20:46:00.71 ID:j1LTTSNno
>>1
イケコーン△
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/08/03(水) 21:10:08.60 ID:J3zMz3nAO
ユニコーンの人気に嫉妬
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/03(水) 22:33:18.80 ID:leSsEXZDO
>>1乙!
五十部の導入部分がばっと思い浮かんだ。
演出が上手いよな……
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/03(水) 23:02:51.88 ID:bxlvCqlDO
ユニ次男ちゃん・・・
101 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/03(水) 23:07:50.39 ID:pUhviegQo


プリースト『やっぱり駄目……生存者は見当たらないわ』

マジシャン『ほんとに火葬しちまっていいんだな』

師匠『放ったらかしにゃ出来んだろ』

魔剣士『それに、北では火葬した方がいいだろう』

マジシャン『だわな。ゾンビになっちまっても夢見が悪いしな』

師匠『目は覚ましたか?』

プリースト『ううん、まだ駄目ね。しばらく目覚めないかも……』

マジシャン『お前がおぶっていってやれよ』

師匠『何で俺なんだよっ!!』

ドクンッ

師匠『……!?』

召喚士『……』

魔剣士『どうした?』

師匠『……いや、何でもねぇ』
102 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/03(水) 23:08:36.70 ID:pUhviegQo


マジシャン『目は覚ましたのか?』

師匠『……いや』

プリースト『生存者はあの子1人……』

マジシャン『とにかくだ、あの子が目を覚ますまで看るしかないな』

魔剣士『その後は孤児院にでも連れてい行こう』

師匠『……だな』

プリースト『それにしても……酷い有り様たったわ……』

魔剣士『国軍に言われたものの……間に合わなかったな……』

マジシャン『アイツらはいつもそうだよ、自分達は動かないくせによ……』

プリースト『仕方ないじゃない?。海峡や関ではもっと多くの魔物が……』

魔剣士『……どうした?』

師匠『様子を見てくる』

マジシャン『……アイツ……子供好きだったか?』

プリースト『さ、さぁ……』
103 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/03(水) 23:09:27.86 ID:pUhviegQo
カチャッ…テクテクテク

師匠『……』

召喚士『……』

師匠『昼間のあの感覚……このガキ一体……』

召喚士『……ぅ……あぁ』

ヒュイイィィィィ

師匠『!?』

召喚士『……あ……ああぁぁ』

師匠『な……んだっ、今の感じは……』

タッタッタ…カチャッ

マジシャン『おーい、どしたぁー?』

師匠『召喚獣……確かにそんな気配だったが……』

マジシャン『情でも宿っちまったかぁ? ハッハ!』

師匠『なんだってんだよ……くそっ』

召喚士『…………』
104 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/03(水) 23:12:31.37 ID:pUhviegQo


マジシャン『はぁ!? 引き取るだぁ!?』

師匠『……悪いかよ』

プリースト『師匠って……本当に子供好きだったんだ……』

師匠『ちげーよ!! ただ……』

魔剣士『……』

師匠『このガキには何かある。何か秘密をがある……そんな気がすんだよ』

プリースト『ふぅん』

マジシャン『んな事言ってもよ、お前1人で育てられんのか?』

プリースト『そうよ、途中で諦めて投げ出さないでしょ〜?』

マジシャン『まさか売ろうってハラじゃねぇよな?』

師匠『フザけた事言ってんじゃねぇぞ!!』

マジシャン『……冗談に決まってんだろ。何怒ってんだよ』

魔剣士『任せてしまって良いのだな……? 師匠』

師匠『……ああ』
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/04(木) 00:34:35.28 ID:b3KvnvlIO
一乙
ようやく召喚士の家系が見えたな。
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/04(木) 01:05:15.40 ID:9FUfK6EDO
これか

740: ◆1otsuV0WFc[sage saga]
2011/07/17(日) 22:19:27.38 ID:VLlRfcR2o
【召喚士】

召喚士への道のりは2つの方法がある。1つは先人による伝授。即ち弟子となる事。

魔法の基礎とも言える五行を会得し、各人の力量に沿った実戦経験を経て、

特定の属性を選定し、その属性の使い手に師事する事で、基本精霊と呼ばれる

召喚獣を得た後に、その属性との契約を交わし、晴れて召喚士となる。

もう1つの方法とは親から子へと継承される方法である。

父や母からその子へ。基本精霊と召喚獣を直に伝授する。

その場合は五行を会得する必要はなく、幼いうちより召喚士のスペシャリストとして

鍛えられるものも少なくないという。また、本国の統計調査によると、

召喚士の25%にあたるものがこのエケースであり、ワーカーが大半を占めるという。

親や師匠は己の属性を伝授するが故に。通常は他属性に移り変わる事はない。

親の属性は子へ。子の属性は孫へと受け継がれていく。

もし父と母が他属性の召喚士であったら? おそらくはどちらかの属性を継ぐだろう。

では両親ではなく違う属性のものが師となり伝授したら? その属性になるだろう。

……では、基本精霊を得る前に、召喚獣を得る事が出来ていれば?
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/04(木) 07:33:21.12 ID:ADtKyASDO
相変わらず燃える
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/04(木) 08:03:42.23 ID:+Dv2uRjAO
>>1

毎日がクライマックスだな

とりあえずコートは左大臣と同じ死に方で情けなく散って欲しい
109 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/04(木) 17:35:48.85 ID:rcB0pgvZo
パアアァァァァン

召喚士(……あ……そうか)

召喚士『うあぁーん! うぁーんっ!!』

召喚士(俺……父さんと母さんがやられて……)

玄武長女『召喚士……あなたは……幸せに生きて……』

召喚士(それで……それで……っ)

白虎次男『俺がお前を守る。何があっても……傍にいてやる』

召喚士(何で忘れてたんだろ……どうしてこんな大切な事……)

師匠『今日からお前は、俺の息子だ』

召喚士(父さん、母さん……師匠)

師匠『だからもう泣くな。お前は立派な召喚士になれ』

召喚士『ひぐっ……ひっくひっく』

師匠『そしていつの日か必ず……自分の手で仇を討ってやれ』

召喚士(……ありがとう師匠。ありがとう……父さん、母さん)

脳裏に流れる断片的な回想。その中で召喚士は幼き日の記憶を取り戻す。
110 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/04(木) 17:37:09.12 ID:rcB0pgvZo


召喚士『あぅー』

白虎次男『こらっ! 本を積み木代わりにするんじゃない!』

玄武長女『あなたが悪いんですよ。ちゃんと閉まって下さい』

召喚士『きゃははっ!』

白虎次男『返しなさい! こらっ、投げるな!』

玄武長女『全く、何やってるのよ……はい。あら、こんな本あったかしら?』

白虎次男『これは大召喚士様から託された……大切な手記さ』

玄武長女『へぇ……』

白虎次男『君は、お義父さんに聞いた事あるかい?』

玄武長女『へっ?』

白虎次男『人間にだって、召喚獣に生まれ変わる事が出来るんだよ?』

玄武長女『へーそうなの』

白虎次男『……リアクション薄いなぁ』

玄武長女『だって私は人間だもの。ずっと人間で居たいわ』
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/04(木) 17:37:09.60 ID:pxGmBq+IO
なんで女記者はコートに殺されたんだっけ
112 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/04(木) 17:38:23.54 ID:rcB0pgvZo


白虎次男『うぅ〜ん』

召喚士『だぁだぁ!』

白虎次男『こらっ、だから遊び道具じゃないんだってば!』

玄武長女『召喚士〜寝るからこっちおいで』

召喚士『にへぇ〜』

玄武長女『あなたも早く寝なさいね』

白虎次男『もうじき解けそうなんだ、この部分だけ……』

玄武長女『この前言ってた話? もうっ、危ない事じゃないでしょうね?』

白虎次男『危なくないよ、むしろこれは人類へ希望を与える研究さ』

玄武長女『ふぅん……』

白虎次男『何事だってそうだよ。要は使い方次第さ』

玄武長女『そうよね……。召喚術だって使い方を誤れば……』

白虎次男『……そうだね』

召喚士『ふぇ?』
113 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/04(木) 17:39:49.20 ID:rcB0pgvZo


白虎次男『ついに……解けた……っ!』

玄武長女『おめでとう! 頑張った甲斐があったわね!』

白虎次男『でもこれえは禁呪。決して他人に知られてはならない』

玄武長女『どういう事……?』

白虎次男『今は存在しない、古の召喚獣も呼び起こせてしまう……』

玄武長女『何か、まずいのそれ?』

白虎次男『文献にある召喚獣は、その力が大きすぎて……術士の命をも奪う』

玄武長女『……!?』

白虎次男『術士の命を引き換えに莫大な魔力を得て、力を持つのさ』

玄武長女『……っ』

白虎次男『人間が召喚獣になるとは、言わばそういう事だったんだ』

玄武長女『何だか怖いわね……』

白虎次男『そしてその代償に、召喚獣は100%の力を得る事が出来るわけだ』

玄武長女『それが……禁呪なのね』
114 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/04(木) 17:40:59.05 ID:rcB0pgvZo


白虎次男『この本棚に閉まっておこう』

玄武長女『金庫じゃなくていいの?』

白虎次男『木を隠すなら森。まさかこんな所にあるとは思わないだろ』

玄武長女『そうかしら……』

白虎次男『お義父さんには知らせておこう』

玄武長女『そうね……。父さんなら何か考えてくれるかも』

白虎次男『うん。平和的な使い方を生み出してくれるはずだ』

玄武長女『……ねぇ、あなただったら……どんな召喚獣になりたいの?』

白虎次男『そうだなぁ……。やっぱり、人を守る召喚獣がいいな』

玄武長女『例えば?』

白虎次男『白虎だからなぁ……やっぱり、ユニコーンとかかな』

玄武長女『ふふっ』

白虎次男『な、何だよ……っ』

玄武長女『あなたらしいな……って思って。ふふふっ』
115 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/04(木) 17:43:21.93 ID:rcB0pgvZo


白虎次男『何が……あったんだ!?』

男『魔物……が……』

玄武長女『あなたっ! あれ……!!』

白虎次男『……っ!!』

コート男『……フハハッ』

ネクロマンサー『こんな辺境の村に……何だと言うのです?』

コート男『大召喚士の手記が隠されているはずだ』

ネクロマンサー『……ほぉ、何ですかそれは?』

コート男『世界を覆す取っておきさ。貴方の望みも適う』

ネクロマンサー『……ククッ、それは楽しみですねぇ』

コート男『俺は手記を探す。貴方は魔物を使い……皆殺しにしろ』

ネクロマンサー『言われなくとも。研究材料を捕獲させて貰いますよ……ククッ』

コート男『あの手記さえ手に入れば……悪魔召喚とて……フハハ!!』

ネクロマンサー『さぁ、ショータイムです……クククッ!』
116 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/04(木) 17:44:28.69 ID:rcB0pgvZo


白虎次男『私は……お前を……生涯守り抜く……』

召喚士『びえぇっ!! う、うああぁぁん!!』

白虎次男『姿は変われど……お前を……お前……を――』

ズシャッ…シュイイィィィィン

召喚士『ああぁぁぁぁん!! ああぁぁ……あぁ……ぁ』

……召喚士、お前がもし、召喚士として道を歩むのならば、

俺はお前の召喚獣として……共に戦う事を誓う。

いつでもお前の傍にいる。きっと、また会える日を願って……。

だから、許してくれ。お前に何もしてやれなかった父を。

そして、母をも失わせてしまった父を……許してくれ。

だが、出来ればお前には……歩ませたくはない。召喚士の道を……。

お前にだけはせめて、一族の鎖から解放された、平穏な人生を歩ませたい。

神よ、居るならば我が願い……かなえたまえ。

願わくばこの子に……召喚士に……幸せな人生を――。
117 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/04(木) 17:45:55.97 ID:rcB0pgvZo
… 

ズゴゴゴゴゴッ

コート男「う……ぐおああぁぁ!!」

ユニコーン「召喚士っ!」

召喚士「う……ああああぁぁぁぁ!!」

断片的な記憶は1つとなりて、召喚士は志半ばに散って行った人々の、

そして、召喚士を愛する人々の想いを一身に受け取った。

召喚士「ああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ビリビリビリッ…ゴゴゴゴゴゴ

コート男「――っ!!」

召喚士「……ありがとう……父さん」

ユニコーン「三男、貴様の唯一と言って良い失敗だ」

コート男「やはりお前……白虎次男……っ!!」

ユニコーン「あの時生かした赤ん坊……召喚士……」

コート男「……フッ、ハハ……ッ! そいう事かよ……っ」
118 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/04(木) 17:47:07.17 ID:rcB0pgvZo
召喚士「ああああぁぁぁーっ!!」

ユニコーン「伝説、再来。そして我らの……」

コート男「……う、おお……おおぉぉぉ!」

ユニコーン「その意思を背負った召喚士の……一撃を喰らうがいい!!」

シュイイィィン

コート「……っ!?」

魔道士「……ノ、ノーム……!?」

召喚士「うああああぁぁぁぁぁぁーっ!!」

ズズッ…ズズズッ…シュイイィィィィン

白虎長「ノームが……姿を変え――」

召喚された白虎の基本精霊、ノーム。その召喚獣は召喚士の開放された

魔力の全てを吸い取るように得て、その姿を大きく変化させる。

――「グ……ゴ……アオオオオォォォォ!!」

盗賊「ベ……ヒーモス……!?」

白虎嬢「いいえ……っ、これは……」
119 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/04(木) 17:48:49.31 ID:rcB0pgvZo
シュウウゥゥゥゥ

コート男「あ……ああ……ぁ……」

白虎長「嘘でしょ……っ、こんな事って……」

ユニコーン「三男、お前には分かるか? この召喚獣が……」

コート男「……ぁ」

ユニコーン「言葉を無くすほど、絶望的であろう?」

大軍師「まさかあの召喚獣は……っ!!」

白虎長「白虎最強の召喚獣……白虎よ……っ」

コート男「バ……カな……バカなっ、バカなバカなバカなあぁ!!」

白虎「グゴオオオオォォォォ!!」

ガオンッ!!

盗賊「――っ!?」

大軍師「い、一撃で……ベヒーモスが……食われた……っ!?」

白虎「グルルウウゥゥゥゥ」

召喚士「はぁ……はぁ、はぁ…………はぁ……っ」
120 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/04(木) 17:50:41.68 ID:rcB0pgvZo
ガクガクガクッ…ドサッ

コート男「あ、在り得ない……こんな事はっ、在り得ない……」

フラフラッ

盗賊「逃がすかっ!」

コート男「在り得ない在り得ない在り得ない! 在り得るかああぁぁ!」

ドサッ…ザッザッザ…

コート男「アバドン! 何をやっておるかぁ! 目を、覚ませぇ!」

白虎長「な、何……っ?」

大軍師「……!? まさか、直接魔力を送り込んで……奴を退けるのです!」

白虎嬢「く……っ」

白虎長「させない……わよぉ!」

ゴゴゴゴゴゴ

コート男「早くしろアバドン! 俺を……俺を守れぇ!」

召喚士「か……はぁ……っ、はぁ……はぁ……」

ユニコーン「召喚士、白虎を解除するんだ。お前の身が持たん」
121 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/04(木) 17:52:11.97 ID:rcB0pgvZo
召喚士「かは……っ、はっ、はっ、はぁ……」

ユニコーン「あの2人の力を借りて、共に倒せ」

召喚士「……は……あぁ……っ」

ユニコーン「一族の呪縛を、一族の力で解き放つのだ」

コート男「お、おぉ……っ!」

ゴゴゴゴゴゴ…ビシビシッ…バキィ!!

魔道士「石化がっ!?」

大軍師「アバドンが蘇りますよ! 迎撃態勢――」

ザッ

大軍師「……?」

白虎長「言ったでしょ、責任は私達にもあるの……っ!」

白虎嬢「お父様……もう、終わりに致しましょう!」

シュイイィィィィン

ベヒーモス「ゴガアアァァァァ!!」

コート男「手負いの身でどうするつもりだ! 2匹と言えどアバドンの前では――」
122 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/04(木) 17:52:57.58 ID:rcB0pgvZo
ヨロ…ヨロ…ザッ

召喚士「はぁ……はぁ……はぁっ」

白虎嬢「召喚士……さん!?」

コート男「ぐく……っ、貴様まだ……」

ユニコーン「出来るはずだ、我が息子ならば……白虎の一族ならば!」

召喚士「……行け」

ユニコーン「見せてみよ! お前の……力を!」

召喚士「行け……っ! ベヒーモス!!」

シュイイィィィィン

コート男「何だとおぉーっ!?」

召喚士「撃ち……ますよ……」

白虎嬢「は、はいっ!」

白虎長「3体いれば……アバドンだってまとめて……」

コート男「ア、アババ……アバドン! 早くしろ! アイツらを――」

アバドン「ヴヴオオオオォォォォ!!」
123 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/04(木) 17:53:59.24 ID:rcB0pgvZo
キュイイィィィィン

コート男「う、嘘だ……嫌だ! そんなの! 嘘だ嘘だ嘘だぁ!!」

大軍師「今です!」

魔道士「はいっ!!」

ドドオオォォォン!!

コート男「!?」

魔道士の放つ風の矢がコート男の首元をかすめる。

コート男「な、何!? 奇襲? ハッ、そんなの今更効くかよ……フハハ……」

アバドン「ヴオオォォォォ!!」

ユニコーン「させんっ!!」

ドッガアアァァ!!…ガシィ!!

大軍師「今ですよっ!!」

白虎長「……撃てぇ!!」

白虎嬢「お父様……ごめんなさい……っ、さよなら……」

召喚士「……うおああぁぁぁぁ!!」
124 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/04(木) 17:54:30.87 ID:rcB0pgvZo
3体のベヒーモスが放つ閃光は、明らかに通常よりも乏しい輝きであった。

しかしそれは、個の強さを遥かに凌駕する、一撃と力を変える。

1本の矢は折れても、3本の矢は集い、そして1つの大きな矢となる。

コート男「お、おお……おああぁぁ……」

人々の想い。怒り、憎しみ、悲しみ……その全てを吸収し、ぶつける。

コート男「アバドンごと……まさか……そ、そんな……」

石化した下半身を穴からもぎ取るように、光はアバドンを包み、

そして更にはコート男ともども空中へと吹き飛ばした。

ズッガアアアアァァァァ!!

盗賊「……いけ!」

大軍師「終わりです……っ!」

魔道士「……っ」

ユニコーン「三男……地獄で詫びろ」

コート男「ち……っくしょおおぉぉぉぉ!!」

ユニコーン「そして次こそは、正しき道へと生まれ変わるがいい」
125 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/04(木) 17:55:45.89 ID:rcB0pgvZo
ドドオオォォォォン!!

白虎長「……はぁ……はぁ、どうよ……っ」

大軍師「……完璧です。対象は森まで吹き飛びました」

白虎嬢「……うっ、うぅ……ひぐっ」

盗賊「……辛いな」

白虎嬢「……大丈夫です……ひぐっ、ありがとう……っ」

魔道士「召喚士さんっ!」

召喚士「……もう、魔力……枯渇です」

フラッ…トスッ

召喚士「……!?」

ユニコーン「……よく……やったな」

召喚士「……うぅ……っ! と……さん! 父さん!」

ユニコーン「召喚士、済まなかったな」

召喚士「父さん……父さああぁぁん!!」

倒れそうになる召喚士を支え、ユニコーンは静かに微笑んだ。
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/04(木) 17:59:46.16 ID:rcB0pgvZo
18時からネットつかえなくなるそうなので、本日ここまでにて!
ご支援ありがとうございました!もうちょっとで終わると思います!

>>93
そんなお酒があるんですか!?凄い!!

沢山レス返したいとこですが時間ががが…ごめんなさい!ノシ
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/04(木) 18:03:09.96 ID:zBz9zw1vo
>>1乙!

変態ユニコーンとかケツアナルココホルとか謎はまだまだのこってるな!
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/04(木) 18:20:34.40 ID:MLrezmcDO
>>1

召喚士が裏切って世界を乗っとるのが楽しみ
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/04(木) 18:20:36.77 ID:xAwf3XFDO
あれ・・・目から塩水が・・・
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/04(木) 18:28:21.16 ID:oecl1HZAO
召喚士脇役なのに目立ってんな
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/08/04(木) 18:37:27.03 ID:pMWdRweAO
熱いのぉ
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/04(木) 18:48:58.39 ID:W2XCe2P+o
白虎ばっか集まったのはそういう訳だったのか
>>1
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県)[sage]:2011/08/04(木) 18:50:28.61 ID:kuYbJRqFo
召喚士・・・カッコイイ
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/04(木) 19:34:44.07 ID:ex7iBzaAO
>>1おつ
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/04(木) 19:35:09.76 ID:+Dv2uRjAO
>>1

白虎の血筋って凄まじいな…
どんだけ優秀な人材を輩出してるんだ
問題があるとするなら変態ユニコーンの存在…
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/04(木) 20:32:27.34 ID:XGrqJcy2o
目から海洋深層水が・・・
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/04(木) 20:39:22.23 ID:isSziAvSO
なにこれ きたこれ >>1おつ!

138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/04(木) 21:10:31.33 ID:2IuMtLJJo
変態ユニコーンを見て
ユニコーンになりたいという父親...
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/04(木) 21:28:11.86 ID:bbIngxdAO
>>1
そろそろ変な奴が沸いてくる時期に入るけど頑張って下さい



>>112コート男「あばば」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/04(木) 21:28:58.53 ID:bbIngxdAO
>>122だった。スマン
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/04(木) 22:26:07.77 ID:AJJnbfc8o
青龍が使える理由はまだかいな…
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]:2011/08/04(木) 22:26:29.14 ID:XmJZQGj3o
禁術として自らが究極の召喚獣になるって、FFXのシンを思い出すなぁ。しかも死んだはずの父親だし。
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/04(木) 22:32:21.01 ID:szWWzfhDO
召喚師と白虎嬢ちゃんは、いとこだったのか……


うらやましいぜ…
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/04(木) 23:06:31.48 ID:zZeus9X3o
クジャタも白虎兄弟の兄が変身したのかね
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/08/04(木) 23:10:58.66 ID:Sbi/DKR2o
>>1
久々に震える展開だった
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/08/04(木) 23:11:24.77 ID:Sbi/DKR2o
>>1
久々に震える展開だった
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/08/04(木) 23:40:06.04 ID:Sbi/DKR2o
>>1
久々に震える展開だった
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/08/04(木) 23:41:10.52 ID:Sbi/DKR2o
失敗したと思ったら出来てたのか、失礼しました(汗
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/08/05(金) 04:58:35.53 ID:fZbaq3BR0
いちおつ
玄武娘とも いとこになるのか
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/08/05(金) 05:10:51.71 ID:bL0ijNVAO
Air思い出すな
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/05(金) 05:48:20.86 ID:2nNbO/RSO
>>1
ありがとう
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2011/08/05(金) 09:36:37.36 ID:KISNMgqq0
召喚獣集めのとき、白虎長がベヒーモスは渡せない、でも私と結婚すれば(略
的なこと言ってたの思い出すと感慨深いな

白虎嬢、玄武娘の召喚士への反応と呼称の変化も気になるぜ
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/05(金) 14:48:20.24 ID:0lyLccLeo
白虎嬢「お兄さん♪」
玄武娘「お兄ちゃん♪」
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/08/05(金) 17:42:03.10 ID:SMwhQEiAO
>>153
白虎嬢カワイイ(ハァハァ
チュッチュしたい…チュッチュしたいよぉ…
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/05(金) 18:05:57.11 ID:Ypka5J5DO
熱いすぎて泣いた
156 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/05(金) 18:16:33.01 ID:xErNxTvko
コオオォォォォ

天才「……いいか?」

青年兵「……はい」

戦士「……っ」

ザッザッザ

先の見えぬ暗い穴。3人はその淵に立ちしばしその闇を覗きこむ。

天才「感じるか? サタンの吐息を」

青年兵「う……ぁ……」

戦士「おえ……っ! う……っぐ」

天才「上等だ。そんだけ実感してりゃ無茶も出来んだろ」

言いようもない恐怖。それは力を付けたからこそ感じ取れるものであり、

天才はそれについて咎めはしない。もしろ安堵した。だからこそ出た言葉だった。

戦士「姿形も見えねぇのに……この……威圧」

天才「しかも魔王サタン様は封印されてんだぜ? 笑えてくるよなぁ」

青年兵「……っ」
157 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/05(金) 18:17:55.55 ID:xErNxTvko
ザッ

天才「んじゃ行くぞ、しっかり……付いて来いよぉ!」

バッ…タンッ!!

青年兵「続きましょう、戦士さんっ!」

戦士「お、おう!」

ババッ!!

戦士「く……おぉ……!」

青年兵(凄……い! 身体が引き裂かれるような感覚だ……っ)

天才「いいか、身体の力を抜け! 意識を保つ事に集中しろぉ!」

戦士「今更……っ、言うなっつうのおおぉぉ!!」

青年兵「…………っ」

オオオオォォォォ…

戦士(なんつぅ重圧だよくそ……っ!!)

青年兵「こ……れが……地獄……っ!!」

3人の身体は深い闇の穴へと消えて行った。
158 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/05(金) 18:19:00.56 ID:xErNxTvko
〜北方、北の森西部〜

盗賊「……これで、よし」

白虎嬢「ありがとうございます」

盗賊「……大丈夫か?」

白虎嬢「ええ、ただの打撲ですから」

盗賊「あ、いや……っ、そうじゃなくってその……」

白虎嬢「……あぁ、大丈夫ですよ。少し、覚悟はしていましたから」

盗賊「……」

白虎嬢「父は普段から私やお母様に、大変厳しい人でした」

盗賊「……」

白虎嬢「でもそれとは別に、時折見せる顔が……怖かった」

盗賊「……そうか」


白虎嬢「人前では決して見せない……裏の顔が……」

盗賊「……もう大丈夫だ。これからはもう……大丈夫だから」
白虎嬢「……ありがとう、盗賊さん」
159 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/05(金) 18:19:38.44 ID:xErNxTvko
テクテクテク

白虎長「傷は大丈夫?」

白虎嬢「従姉さん……。私は平気、従姉さんこそ大丈夫?」

白虎長「ええ、個の程度でクヨクヨしていられないわよ」

大軍師「閃光弾で知らせましたので、衛生兵もいずれ到着するでしょう」

魔道士「良かったぁ……」

大軍師「本来でしたら司令が居れば、回復も問題はなかったんですがね」

魔道士「あっ! そうですよ! 3人とも大丈夫かなぁ……」

白虎長「司令が付いていれば問題はないと思うけれどね」

大軍師「とにかく、無事の帰還を祈るしか出来ませんね……」

盗賊「……召喚士は?」

魔道士「召喚士さんなら……」

盗賊「……?」

大軍師「ユニコーンと2人で、お話へ行きましたよ」

盗賊「……あ……そうか」
160 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/05(金) 18:20:35.41 ID:xErNxTvko
テクテクテク

召喚士「……」

ユニコーン「この辺りで良かろう」

召喚士「……あ、あのっ!」

ユニコーン「済まなかった。まずはその言葉しか……言えぬ」

その一言だけで、召喚士の目からは大粒の涙が溢れ出していた。

ユニコーン「分かっていると思うが、私はお前の……父だ」

召喚士「父……さん……っ」

ユニコーン「かつて人間であった時の名は白虎次男。白虎先生の息子だ」

召喚士「うん……うん……っ!」

ユニコーン「詳しい話は語らずとも、もう理解はしているな?」

召喚士「……多少は」

ユニコーン「俺は今から25年前、白虎長男を装った白虎三男に殺された」

召喚士「……」

ユニコーン「お前の母、玄武長女を守る事も出来なかった……」
161 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/05(金) 18:21:23.54 ID:xErNxTvko
召喚士「……母さん……っ」

ユニコーン「兄は生前、大召喚士様が反乱など起こすはずがないと言っていた」

召喚士「う、うん……。俺の記憶にも流れ込んできたよ」

ユニコーン「俺もそう信じていた。しかし、結果は違っていた」

召喚士「……」

ユニコーン「だから俺も兄も、真犯人がいるのではないかと睨んでいた」

召喚士「……うん」

ユニコーン「そして兄は大召喚士様の元へ行き、帰らぬ人となった……」

召喚士「殺され……たんだね」

ユニコーン「ああ。だがそれは兄が大召喚士を殺した事にすり替えられてしまった」

召喚士「それが……」

ユニコーン「三男の証言だ。奴は現場にいた」

召喚士「つまり、白虎大三男が大召喚士を……そして……」

ユニコーン「……白虎長男を殺した」

召喚士「……っ」
162 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/05(金) 18:22:21.39 ID:xErNxTvko
ユニコーン「俺と父は三男の証言を信じるしかなかった」

召喚士「ベヒーモス……だよね?」

ユニコーン「ああ。一族以外には伝わる事のない召喚獣だからな」

召喚士「……うん」

ユニコーン「もし白虎長男が犯人でないとすれば、真犯人は俺か……」

召喚士「白虎先生か……そして、白虎三男だけ」

ユニコーン「……正直なところ、俺も父も三男を疑ってなかったと言えば嘘になる」

召喚士「……っ」

ユニコーン「だが信じたくはなかった。弟が実の兄を殺すなど……っ」

召喚士「父さん……っ」

ユニコーン「ましてや年端もいかぬ子供がそんな事を……」

召喚士「……でも……違った」

ユニコーン「己は歩行不能と見せ、1人2役まで演じるとはな」

召喚士「なぜそんな事が……っ」

ユニコーン「文字通り、奴は悪魔に魅入られたのさ」
163 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/05(金) 18:23:15.17 ID:xErNxTvko
召喚士「!?」

ユニコーン「大召喚士様は、ある研究を行っていた」

召喚士「研究……?」

ユニコーン「魔族、召喚獣、動物、植物、そして人間」

召喚士「……」

ユニコーン「全ての生物は等しく、繋がりのあるものだと言っていた」


召喚士「……っ!!」

ユニコーン「人間は召喚獣にもなり、召喚獣は魔族にもなり得るという事だ」

召喚士「……」

ユニコーンの話を聞きながら、召喚士はある事を思い浮かべていた。

召喚士(そういえばマーマンさんはあの時……マーメイドさんの……)

ユニコーン「結論から言えば、その研究は成功した」

召喚士「!?」

ユニコーン「お前の目の前に、その証拠が居るではないか」
召喚士「あ……っ」
164 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/05(金) 18:23:55.13 ID:xErNxTvko
ユニコーン「俺は大召喚士様の意思を継ぎ、研究を続けていた」

召喚士「そして……完成したんだね」

ユニコーン「ああ、完成した。それがこの姿さ」

召喚士「……どうして、ユニコーンに?」

ユニコーン「……お前を守る為さ」

召喚士「!?」

ユニコーン「白虎では唯一の回復可能な召喚獣だからな」

召喚士「でも……っ」

ユニコーン「元来、ユニコーンは女性の回復しか出来ない」

召喚士「うん……」

ユニコーン「しかしそれは、人間界での話だ」

召喚士「え……っ?」

ユニコーン「最大限の力が出せる召喚界では、決してそんな事はない」

召喚士「でも、どうして……」

ユニコーン「分からぬ。だが召喚獣はそれもそうだ。人間界では力が制限される」
165 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/05(金) 18:24:55.85 ID:xErNxTvko
召喚士「そう……なんだ」

ユニコーン「だから禁呪を使った俺は、お前の回復とてこなせたわけだ」

召喚士「……そうだったんだね。あっ、でも……!」

ユニコーン「……」

召喚士「どうして、ある時を境に入れ替わって……」

ユニコーン「……ああ。あれは俺が罪を犯したからさ」

召喚士「罪……?」

ユニコーン「召喚士は普通、術士の召喚なしでは人間界へは辿り着けぬ」

召喚士「あ……っ!!」

ユニコーン「しかしあの時、俺は……お前の召喚なしで現れてしまった」

召喚士「……っ」

ユニコーン「お前の、仲間を救いたいという気持ちに呼応してしまった」

召喚士「だから……あの時……」

ユニコーン「因果を乱せば法則も乱れる。お陰で他者と入れ替わったわけさ」

召喚士「じ、じゃあ……今回も……」
166 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/05(金) 18:26:53.28 ID:xErNxTvko
ユニコーン「これで3度目。もう次はないだろうな」

召喚士「……っ」

ユニコーン「仏の顔も三度までというやつだ。俺はこれで仏の元へ……」

召喚士「そんな……っ、そんなのって……!!」

ユニコーン「おいおい、俺は元より死んだ身なのだ。今が異常なのだよ」

召喚士「でも……父さんは……!!」

ユニコーン「恐らくは、こういう宿命だったのだろうな」

召喚士「……っ」

ユニコーン「息子であるお前と、討つ事が出来た……」

召喚士「父……さん……っ」

ユニコーン「白虎一族の責を果たす事が出来たのだ」

召喚士「父さん……俺は……っ!」

ユニコーン「俺はその為に、ユニコーンとして存在したのだろうな」

召喚士「嫌だっ!!」

ユニコーン「……召喚士」
167 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/05(金) 18:28:15.96 ID:xErNxTvko
召喚士「そんなの嫌だよっ、父さん!」

ユニコーン「なぁ、召喚士」

召喚士「……」

ユニコーン「俺はお前を守る為に生まれてきたんだ」

召喚士「……っ」

ユニコーン「少しは役に立てただろうか?」

召喚士「少しなんてものじゃないよ! 父さんには……ずっと……」

ユニコーン「だがな、子はいつか……親の元から離れていくものだ」

召喚士「っ!!」

ユニコーン「お前は十分すぎる程、強くなった」

召喚士「なってないよ!!」

ユニコーン「もう1人の力でも、やっていけるはずだ」

召喚士「――っ」

ユニコーン「そしてお前には、素晴らしい仲間がいる」

召喚士「う……うぅ……ぐぅ」
168 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/05(金) 18:29:26.28 ID:xErNxTvko
ユニコーン「なぁ召喚士、俺が思うに平和な世界というのは……」

召喚士「うぐ……っ、う……うぅ」

ユニコーン「生きる者全てが1つの世界で、平和に暮らす事なんじゃないかな」

召喚士「……父さぁ……ん」

ユニコーン「1つの種族が他者を追いやるのでは駄目だと思うのだ」

召喚士「うんっ、うん……!」

ユニコーン「他者と手を取り合い、共存する事こそ本当の平和ではないだろうか」

召喚士「そうだよっ、父さん……! だから一緒に……」

ユニコーン「だからこそ魔王は、魔以外の全てを滅ぼそうとする魔王は……」

召喚士「父……さん?」

ユニコーン「召喚士……お前には辛い宿命を背負わせてしまった……」

召喚士「父さんっ!? 身体が透けて……父さぁん!!」

ユニコーン「全属性召喚の……だがそれも宿命なのかもしれないな」

召喚士「……父さん!? 何を言って……父さん!!」

ユニコーン「どうやら……これまでのようだな」
169 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/05(金) 18:30:23.25 ID:xErNxTvko
召喚士「――っ!?」

ユニコーン「お前の蓄積魔力も……いよいよ限界のようだ……」

シュウウゥゥゥゥ

召喚士「父さん!! 嫌だっ、そんなの嫌だぁ!!」

ユニコーン「済まない……本当に……」

召喚士「父さぁん!! 頼むよっ、傍に……傍にいてよおぉ!!」

ユニコーン「最後に……お前に背負わせてしまった宿命を……」

召喚士「くそおおぉぉ!! 頼むよ!! 俺の魔力っ、もっと魔力を!!」

ユニコーン「我が記憶……受け取ってくれ……」

パアアァァァァ

召喚士「!?」

ユニコーン「召喚士、俺はお前を誇りに思うぞ」

召喚士「父さん……俺……」

ユニコーン「お前の血は……宿命なのだろうな」

召喚士「……俺の……血」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/05(金) 18:32:47.97 ID:xErNxTvko
ひとまずここまでにて!ご支援多謝!
週末なのでまた後で投下できるかもです!

それでは失礼致します!離脱っ!ノシ
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/05(金) 18:34:16.64 ID:VpYo1VySO
>>1乙!
ユニコーン…
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/05(金) 18:50:05.75 ID:bnjXhliDO
乙アナルコアトル
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/05(金) 18:52:04.34 ID:pYrIdy5S0
泣いた

1乙
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/05(金) 19:11:43.01 ID:A1AxkbmIO
パパコーン(´;ω;`)ブワッ
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/05(金) 19:36:48.60 ID:zjjWtx6AO
でも正直言って年齢設定ミスってるよね
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/05(金) 20:20:17.33 ID:TDem8zaDO
>>1乙!
まだ戦士達の危機が去ってないけれどとりあえずは一段落だな。
召喚士って今26(童貞)くらいじゃなかったっけ?
25年前に大召喚士殺害事件があってその後北の村へ避難したんだから
大召喚士が死んでから北の村襲撃までどのくらい期間があったかわからないけれど、ちょうど合うくらいじゃないのかな?

そういえば物語開始時は魔道士未成年だったんだよなー
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/05(金) 21:37:35.80 ID:kX1iIhPQo
はやくしないと主人公ご一行が三十路になり子供の物語が始まってしまう!
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/06(土) 01:28:37.72 ID:2TTXAfMDO
え!?
召喚士から数えて親子三代の物語だろ?

なんつて
>>1
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/06(土) 01:52:53.65 ID:BdabzT+AO
>>1おつ
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/06(土) 03:25:10.72 ID:CHudQF0AO
戦士と盗賊に子供出来たら戦士父も御屋形さまもジジ馬鹿になりそう
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/06(土) 05:08:19.15 ID:aP3NTJ6SO
>>1
召喚士がクリト(ryって言った時パパコーンはどんな気持ちだったんだろうか

大三男で笑ってしもたwwww
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2011/08/06(土) 06:23:36.69 ID:vcNngtXSo
>>177
第二章か・・・胸が熱くなるな・・・
183 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/06(土) 23:37:46.06 ID:CPg5p0nxo
……――

白虎先生『……ですから!』

白虎兄『年齢など無関係。己より強者に師事するは必須です』

白虎先生『強者って……。あなた方こそ名高き白虎兄弟ではないですか!』

白虎弟『何を言われる。伝説の白虎先生に比べたら私達など……』

白虎兄『その通りです。どうか我々を弟子にお加え頂きたいのです』

白虎先生『弟子……って』

白虎兄『弟子にしてくれるまで、この場より動きませんよ』

白虎弟『同じく』

白虎先生『……っ』

白虎兄『……』

白虎弟『…………』

白虎先生『……はぁ、仕方ない。でも私は弟子とは思いませんよ! 同士です!』

白虎兄『勿論構いません。』

白虎弟『我らは白虎先生を師と仰がせて頂きますよ』
184 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/06(土) 23:38:51.04 ID:CPg5p0nxo


白虎先生『お2人の研究……ですか!?』

白虎兄『はい。是非、ご意見をお聞かせ頂けませんか?』

白虎先生『そうですね……』

白虎弟『…………』

白虎先生『面白いとは思いますよ』

白虎兄『おぉっ!』

白虎先生『でも、好きじゃありませんね』

白虎弟『!?』

白虎先生『これは、見方を変えれば人体実験にも等しい』

白虎兄『そのようなつもりは……』

白虎先生『勿論分かっていますよ! でもそう捉えられても仕方ない!』

白虎弟『確かに……そうかもしれません。しかし召喚術にはまだ秘めた……』

白虎先生『大召喚士様は何と……?』

白虎兄『……いえ、まだ何も』
185 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/06(土) 23:39:35.66 ID:CPg5p0nxo


大召喚士『馬鹿げているな。出来る事ならとっくに事例があるはずだ』

白虎兄『しかし実現不可とは思えません』

大召喚士『好きにするがいいさ。しかし行き着く先に未来はあるか?』

白虎弟『お言葉ですが、どういう意味でしょうか?』

大召喚士『……例えば、1人の人間が複数の属性を持って、何になる?』

白虎先生『……』

大召喚士『召喚術の研究としては無意味なものに過ぎん』

白虎兄『そう……でしょうか?』

大召喚士『お前らもそれなりの召喚士なら、もっと役立つ研究をする事だな』

白虎弟『……』

大召喚士『出来ぬなら手伝わせてやろうか? 私の研究を』

白虎兄『いえ、結構です。……戻りましょう』

白虎弟『兄さん……っ』

大召喚士『ふんっ』
186 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/06(土) 23:40:35.56 ID:CPg5p0nxo


朱雀先生『……バカげてるな。大召喚士の言う事も分からんでもないぜ』

玄武先生『朱雀が大召喚士の肩を持つとは珍しいね』

朱雀先生『アホか! どっちの研究もクソクラエだって言ってんだよっ!』

青龍先生『1人の術士による……全属性の召喚……』

玄武先生『面白いと思いますよ。出来るかどうかは別ですけど……』

白虎先生『だがなぁ、どうも人体実験のようで……気が引けるというか……』

青龍先生『だな。俺もそれは感じる。だから協力や同調は軽々しく出来んな』

玄武先生『でも、大召喚士殿の言う未知なる召喚よりは全然良いと思うよ』

朱雀先生『だーから、何度も言うが俺に言わせりゃどっちもねぇよ』

青龍先生『まぁな……。出来ていればとうに魔王など倒せているわい』

朱雀先生『そういうわけだ。どいつもこいつも勝手にやってりゃいいのさ』

玄武先生『私は……間接的にであれば手を貸しますよ』

青龍先生『ふぅむ……。そういう白虎はどうなのだ? 手を貸すのか?』

白虎先生『……』
187 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/06(土) 23:42:00.09 ID:CPg5p0nxo


白虎弟『どうか……頼みます』

白虎先生『いきなりそのような事を言われても困る!』

白虎弟『私とてこんな真似は決してしたくありません……』

白虎先生『……っ』

白虎弟『しかし、兄1人に全て押し付けるような事は出来ないのです』

白虎先生『だったら2人で! 別の道もあろうぞ!』

白虎弟『もう決めた事なのです』

白虎先生『……っ』

白虎弟『こうでもせねば、皆は我らをしんじてはくれませぬ!』

白虎先生『白虎弟……っ、君達は……』

白虎弟『どうか我が息子達を……この2人を頼みます……っ!』

白虎長男『お……父さん?』

白虎次男『……』

白虎先生『……くっ!』
188 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/06(土) 23:47:48.99 ID:CPg5p0nxo


玄武先生『それで、幼子2人託し、白虎兄弟は北へ……?』

白虎先生『……』

青龍先生『大召喚士さ。あ奴、白虎兄弟を疎ましく思い始めたのだ』

朱雀先生『どういう意味だよ』

青龍先生『奴自身が言う召喚界の融合、それは人間界においての事だ』

玄武先生『ああ、そうだね。でも白虎兄弟の複数属性の召喚というのは……』

白虎先生『言ってみれば、召喚界を1つのものにするという発想』

朱雀先生『考え方としては相容れるモンじゃねぇわな。んで、結局何なんだよ」

青龍先生『大召喚士の考え方は、場合によっては召喚士の存在を否定する』

朱雀先生『あ?』

玄武先生『人間界と召喚界を1つとしてしまっては召喚士の存在は不要だからね』

白虎先生『だからこそ召喚士連中は消極的だったのだ!』

青龍先生『それに焦った大召喚士は、ライバル潰しに動いた』

白虎先生『国軍の強権だよ! あの2人はまんまと出し抜かれたのさ!』
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/07(日) 01:02:51.90 ID:ydFMnFkV0
召喚関連の話は面白くて好きだ

1乙
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/07(日) 01:15:37.64 ID:bnUEz9+AO
>>1おつ

クジャタについてもなにかありそうだな
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/07(日) 22:45:40.61 ID:mnnKmkPSO
行けコカのゲームをRPGツクールVXでシコシコ作ってみようとしたら丸二日かけても遺跡までしかできなかったでござるの巻
初めてツクール使うのにこの超大作を選んだのは失敗だったかも
192 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/07(日) 23:12:28.94 ID:HyIELpuSo
朱雀先生『勝手にやってろって話だ』

青龍先生『朱雀、お前なぁ……』

朱雀先生『そうだろうが。かたや禁呪の研究』

玄武先生『……』

朱雀先生『かたや、人工的に複数属性を持たせた人間の生成』

白虎先生『良し悪しの話ではない! その手口がだな……』

朱雀先生『だから知るかよ! 勝手にやってろって』

玄武先生『朱雀……言い過ぎだよ』

朱雀先生『大体だからって、魔王倒しにってのは奴らの勝手だろうが』

白虎先生『ああそうだ! だが信頼を取り戻すには力を示すしかないのだ!』

青龍先生『白虎、お主は白虎弟の子供らを引き取るつもりか……?』

白虎先生『……ああ。2人が無事に帰るまで……親代わりとなるつもりだ!』

朱雀先生『帰らなかったらどうするんだよ』

白虎先生『その時は……我が子として共に生きていくさ!』

玄武先生『……白虎』
193 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/07(日) 23:13:42.03 ID:HyIELpuSo


青龍先生『まだ……連絡はないのか?』

白虎先生『……ああ』

玄武先生『白虎……あのさ……』

白虎先生『……』

玄武先生『母方の引き取り手がいないかと……調べてみたんだけど……』

白虎先生『……』

玄武先生『白虎弟さんの奥様、国軍の方だったんですね』

青龍先生『そうなのか!?』

玄武先生『もう離婚されてるそうですけど……』

白虎先生『……らしいね』

玄武先生『しかも奥様、召喚士だそうではないですか』

青龍先生『何ぃ!?』

玄武先生『それも……青龍召喚士だそうで』

白虎先生『……』
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/07(日) 23:14:17.18 ID:lmkmRbMDO
ほほう・・・
195 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/07(日) 23:14:20.01 ID:HyIELpuSo
ザッザッザ

朱雀先生『がははっ! アイツら……とっくに研究始めてたわけだ!』

青龍先生『朱雀……』

朱雀先生『しかも、自分の子供を使って……笑わせんぜ!』

白虎先生『もうやめろ』

青龍先生『つまり父が白虎で母が青龍となるわけか……』

玄武先生『彼ら兄弟の言う複数属性には不可欠な、血脈だね』

朱雀先生『その折角の研究も、帰ってこなきゃ意味はねぇわな』

白虎先生『朱雀! 貴様……っ!』

朱雀先生『事実だろうが。ふん、相手してられっかバーカ』

白虎先生『何だとぉ!?』

玄武先生『あんな言い方してるけど、朱雀だって心配なんだよ』

白虎先生『……』

青龍先生『とにかくだ、今は無事の帰還を待つしかあるまい』

白虎先生『……ああ』
196 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/07(日) 23:15:38.76 ID:HyIELpuSo


玄武先生『……彼らが北へ旅立って、早5年近くになるか』

白虎先生『……』

玄武先生『しかも全くの音信普通だもんね……』

白虎先生『彼らはきっと生きている! あの2人が死んだりするものか!』

玄武先生『……うん。そう……だよね』

朱雀先生『いい加減認めろよ。お前だって諦めてんだろ?』

白虎先生『――っ!!』

青龍先生『もうこれだけ経っている。流石にもう……』

白虎先生『だからと言って――』

朱雀先生『お前だけの問題じゃねぇんだよ!』

白虎先生『……』

朱雀先生『あの子らの為にも……てめぇが覚悟決めろよ』

青龍先生『養子として……お主が父となってやるんだ』

白虎先生『…………っ』
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]:2011/08/08(月) 00:12:29.26 ID:lcvHVOz+o
>>1
下のシーンが実は祖父と孫の感動の再会シーンだってわかると泣けてくる。
1の伏線回収能力に脱帽

878 名前: ◆1otsuV0WFc [sage saga] 投稿日:2011/02/03(木) 18:41:39.26 ID:+txmVDANo
召喚されたユニコーンが颯爽と姿を現し、それを見た老人はただ唖然とする。

召喚士「俺、実は全ての属性を召喚出来るんです」

老人「…………っ」

ザシャッ

老人「そうか……。とうとう…そうかぁ…っ」

召喚士「……?」

老人「…なるほど、よく分かった。これならば白虎界へ行けるであろう」

召喚士「本当ですか!?」
198 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/08(月) 00:21:56.75 ID:sUYlpv6Zo
――……

召喚士「…………」

ユニコーン「俺の本当の父は、白虎弟と言う男だ」

召喚士「…………」

ユニコーン「そして、母は青龍召喚士……」

召喚士「……」

ユニコーン「つまりお前は、白虎の祖父と青龍の祖母」

召喚士「……」

ユニコーン「そして白虎の父に玄武娘の母を。更には師に朱雀嬢を」

召喚士「白虎弟……って、俺……俺……っ」

ユニコーン「召喚士、これだけは信じて欲しい。俺は、お前を研究として扱ったわけではないんだ」

召喚士「……おじいさんが……まさか……」

ユニコーン「……召喚士?」

召喚士「だって、おじいさんは! 俺が……俺があの時……」

ユニコーン「……そうか。祖父である白虎弟と既に……会っていたか」
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/08(月) 00:28:01.29 ID:sUYlpv6Zo
>>189-190
あざっす!召喚関連は自分でもややこしくてあれなんですが、
そう言って貰えるとありがたい限りです!

>>191
本当ですか!?うぉーありがとうございます!
これは期待してしまってもいい感じですか!?

>>197
終盤なので色々と伏線回収めじろ押しです!
取りこぼさないように頑張ります…

それではおやすみなさい。また後ほど!ノシ
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/08(月) 00:29:01.81 ID:D5U6JC66o
おいおいまだ序盤だろ・・・?
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]:2011/08/08(月) 00:53:42.47 ID:lcvHVOz+o
うぎゃー。まだ投下終わってないのに書き込んでネタバレじみたことしちまった。死にてぇ。本当に申し訳ないです
一章完結までROMります。
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/08(月) 01:00:39.83 ID:SMOMTNjAO
>>1おつ
白虎一族出過ぎで頭が痛くなってきた
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2011/08/08(月) 03:11:25.77 ID:9CKJFffdo
何時も通りだけど

>ユニコーン「そして白虎の父に玄武娘の母を。更には師に朱雀嬢を」

師匠死んだと思ったら朱雀嬢だったのかwwwwww
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/08(月) 04:04:43.87 ID:4RC8wt6DO
>>1
朱雀の血は入ってないんだな
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/08(月) 04:10:29.04 ID:W//xWCGt0
1乙

206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/08/08(月) 05:05:43.87 ID:njUADLLd0
1乙
終盤とか言われると寂しくなってくる

207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/08/08(月) 05:08:04.28 ID:H5JkK0qao
まどか「・・・でも、その・・ほむらちゃんのファーストキスの相手は・・杏子ちゃんなんだよねっ・・。」

まどか「・・へへっ・・ほむらちゃんの初めて・・・・私が欲しかったんだけどなっ」

ほむら「〜〜ーーっ!!!」ドキッ

まどか「なーんて・・んむっ」

ほむら「んっ・・はぁ・・ちゅっ・・んむっ・・くちゅっ・・」

まどか「っ!!・・んぐっ・・んむ・・・はぁ・・ちゅ・・・んぅ・・〜〜ぷはぁ!」

まどか「はぁはぁ・・は、激しいよほむらちゃん・・・」

ほむら「大丈夫・・私の初めてはあなたよ・・」

まどか「・・?だって・・ほむらちゃんは・・

ほむら「杏子なんかとするまえに私はあなたとしてるわ・・何回も・・」

まどか「え?それってどうゆうこと?」
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/08/08(月) 05:13:31.69 ID:+b/5E1tAO
ほむほむ
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/08(月) 05:31:10.45 ID:nWw2Pgzfo
何処の誤爆やおしえなさい
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/08(月) 05:44:13.25 ID:wSp/ZGuIO
ほむら「借り暮らしのホムエッティ」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1312725217/
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/08(月) 08:17:00.88 ID:l230AOlAO
>>1

大召還士が良いヤツなのか悪いヤツなのか未だにわからん…
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/08(月) 09:26:18.72 ID:JT+c6Ov1o
プロローグも終盤か
胸熱
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]:2011/08/08(月) 17:12:03.93 ID:ObY9vam7o
ついに本編に入るのか
期待
214 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:01:51.19 ID:4VHLzy+jo
召喚士(あの時、俺が……)

ユニコーン『そう。お前が救ったのだ』

召喚士(違う! 俺が……俺が殺してしまったんだ!)

ユニコーン『……』

召喚士(俺がもっとうまくやっていればおじいさんは……)

ユニコーン『甘ったれるな!』

召喚士(!?)

ユニコーン『白虎弟は……父は既に死ぬ宿命だったのだ』

召喚士(……)

ユニコーン『だが召喚士、お前がその魂を開放してやったのだ』

召喚士(…………っ)

ユニコーン『最後に世界を、光を与えたのだ』

召喚士(そんなの……)

ユニコーン『お前1人の力で人が救えるか? それは否。自惚れだ』

召喚士(父さん……っ)
215 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:02:37.94 ID:4VHLzy+jo
ユニコーン『なぜ父は俺達兄弟を白虎先生に預けた?』

召喚士(それは……)

ユニコーン『それは父があの時既に、召喚士を覚悟していたからだ』

召喚士(……っ)

ユニコーン『それでも行かねばならぬ時がある。だから彼は行った』

召喚士(……そうかも……しれないけど)

ユニコーン『それは正しい事か? 間違った事か?』

召喚士(……)

ユニコーン『決めるのはお前ではない。彼自身だ』

召喚士(でも、死んじゃったら……何もないんだよ)

ユニコーン『そうさ。彼らには仲間が居なかった。だから死んだ』

召喚士(……)

ユニコーン『でも、お前には沢山の仲間がいる。支えあえる人達がいる』

召喚士(父さん……俺は……)

ユニコーン『1人で全て背負う必要はない。皆で担えば軽くなる』
216 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:03:04.35 ID:4VHLzy+jo
召喚士(……ありがとう、父さん)

ユニコーン『そして物事には因果がある』

召喚士(父……さん?)

ユニコーン『白虎と玄武娘の血を引き継ぎ、離れて青龍の血も持っている』

召喚士(父さんっ!? か……身体が……っ!!)

ユニコーン『離れていたからこそ、青龍を会得するには苦戦したようだな』

召喚士(……父さん!)

ユニコーン『そして朱雀の師を持ち、基本精霊に朱雀を得た事で全てを手にした』

召喚士(……)

ユニコーン『奇しくもお前の祖父である、白虎弟達の研究を成功させた』

召喚士(うん……うんっ!)

ユニコーン『そしてそれは因果により、大召喚士や三男の望んだ力にもなり得る』

召喚士(え……っ?)

ユニコーン『それが因果。力を正しく使うかどうかで正義にも悪にもなる』

召喚士(……そうだね)
217 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:04:05.85 ID:4VHLzy+jo
シュウウゥゥゥゥ

ユニコーン『……さて、いよいよお別れだな……召喚士』

召喚士(その姿が……それが父さんなんだね、父さんの顔なんだね)

白虎次男『人の姿に戻れた。人として命を終えられる』

召喚士(……っ)

白虎次男『泣くな召喚士、これでいいんだ』

召喚士(父さぁん……っ)

白虎次男『俺はお前に……俺が受け継いだものをお前に託すために待っていたの


かもしれないな』

召喚士(父さん……父さん……!!)

白虎次男『また……会えるさ。きっとまた……会える』

召喚士(ひ……ぐぅ……うっ)

白虎次男『願わくば生まれ変わっても……またお前の父でありたい』

召喚士(父さんっ!? 父さああぁぁん!!)

白虎次男『そしてその時は……父子で幸せに……ただ静かに――――』
218 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:04:56.31 ID:4VHLzy+jo
ユニコーンから人の姿へと代わった白虎次男は、ゆっくりと歩いて行った。

光の中へ、ただゆっくりと旅立つように歩いて逝った。

父の背中を見つめながら号泣する召喚士へ、ふと顔だけ振り返り、微笑んだ。

その優しい目は、かつて窮地を何度も救ってきたユニコーンと全く同じものだった。

光は扉が閉まるように、静かに輝きを失っていくと、父もまたいずこかに消えた。

召喚士は声を押し殺し、涙を地面へ零しながらもゆっくりと起き上がる。

託された父の、そして祖父の想いを受け取って、再び起き上がった。

もっと聞きたい事、話したい事も沢山あった。でも適わなかった。

分からない事、知りたい事も沢山あった。母の事だって聞きたかった。

それでも召喚士は、父と話せて本当に良かったと、心から思った。

父と子は、その言葉を決して口にはしなかった。互いがそれを望んだから。

その思いを自分に、そして父に言い聞かせるために、召喚士は最後に一言呟いた。

輝く時間を分け合った、この刻を胸に生きてゆく為に。呟いた。

召喚士「さよならなんか言わないよ父さん。また必ず……会えるから」

涙を拭って召喚士は1人、仲間の元へと戻って行った。
219 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:05:26.77 ID:4VHLzy+jo


テクテクテク

魔道士「……召喚士さん……っ」

召喚士「……ただいま」

魔道士「おかえりなさい」

盗賊「……終ったか?」

召喚士「ええ、終りました」

大軍師「何だか、色々と背負ってしまったようですね」

召喚士「え……っ?」

大軍師「あ、いえ。顔付きが少し変わったと言うか、覚悟を持たれたような気がして」

召喚士「……そうですね。重たいものを背負ってしまいましたよ」

大軍師「そう……ですか」

召喚士「……あっ、それより敵は? 動きはありましたか?」

白虎嬢「いえ、特に」

白虎長「森からは出られないでしょうね……きっと」
220 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:06:18.68 ID:4VHLzy+jo


コート男「……こひゅー……ひゅー」

モゾッ

コート男「……ひっ、いぃ……ぐっ」

カサッ…ノソッ…ノソッ

コート男「……ふ……ふふ……っ、は……っ」

ノソッ…ノソッ

コート男「この俺が……血を這いつくばり……命からがらとは……ねぇ」

ノソッ…ヨロヨロッ

コート男「情けない……実に情けない。しかし、生きている……」

ォォォォ…

コート男「生きてさえいれば……何とでもなる……ごふっ」

ォォォォオオオオ…

コート男「生きて……生きて……」

ズッドオオォォォォン!!
221 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:07:07.22 ID:4VHLzy+jo
コート男「…………」

バフォメット「……ファファファ」

コート男「……バフォメットか」

バフォメット「……」

スラッ…ジャキンッ!!

コート男「ふ……くくっ、残念ながらこのタリスマンがあれば――」

スカッ

コート男「タリスマンがあれば……タリス……」

バフォメット「……ファファファファ!」

コート男「ないっ、ないないないない! タリス――ない! ない!!」

ガバッ…ザザザザッ

コート男「何でない!? いやだっ、ひぃーっ!!」

ザザザッ…タッタッタッタッタ

コート男「早く森から出ないと死んじゃう! いやだいやだ! 死にたくないいぃぃ!」

バフォメット「ファファファファ!!」
222 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:09:15.25 ID:4VHLzy+jo


召喚士「それは……」

白虎嬢「父のペンダントです。もう壊れてしまってますけど」

大軍師「通称タリスマン。魔力を強制的に0とする魔石です」

召喚士「でもこれ……東方副司令が……」

大軍師「ええ。一瞬の隙を突いて、何とか破壊出来ました。魔道士さんのお陰です」

魔道士「そ、そんな事は……っ。私はただ、魔法を撃っただけで……」

大軍師「いやいや、寸分違わず威力も距離も完璧でした。流石です」

魔道士「……っ」

大軍師「ともかく、タリスマン無き今、彼の死は明白です」

白虎嬢「……」

大軍師「どうか、お許し下さい。捕らえても死刑は免れません。それに……」

白虎嬢「一刻も早く止めるべきでしたものね。心得ています」

大軍師「……どうかそのペンダントは、形見としてお母様へ……」

白虎嬢「はい。父は戦死したと……伝えたいと思います……っ」
223 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:10:33.60 ID:4VHLzy+jo


ズザザザザッ

コート男「ひやあぁーっ! 来たーっ! 来た来た! やだ! くるなぁ!」

アバドン「……ヴヴウウゥゥゥゥ」

コート男「アバドン!? しめたっ! ほれっ、コイツからやれ!」

バフォメット「……」

アバドン「ヴウウゥゥゥゥ」

バフォメット「……ファファファ!」

ズバシュッ!!…ザクッ!!…ザシュウウゥゥゥゥ!!

コート男「――っ!! い……一撃……一撃でぇ!?」

アバドン「……ヴ……ヴウゥ……ッ」

バフォメット「ファファファ!」

コート男「ああああぁぁぁぁ駄目! 死んじゃう! やめてっ、許して!」

ザクゥッ!!…ブシャアアァァァァ

コート男「あがああぁぁぁぁ!! あ、足が……足がああぁぁ! 痛てぇー!!」
224 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:12:04.57 ID:4VHLzy+jo
バフォメット「……ファファファ!」

コート男「足が千切れたあぁ! し、しかも……両足だぞっ! あがああぁぁ!」

ズンッ!!

コート男「ぐはぁ!! 刺さないで……もう痛いのはいやだあぁ!!」

ザシュッ!!

コート男「血が血が血が止まらないぃ!! う、腕が……右腕があぁ!!」

サクッ!!…ブシュウウゥゥゥゥ

コート男「……あがぁ……こひゅっ、ひゅー……」

チャキッ…

バフォメット「……ファファファ」

ズンッ……ズバシュッ!!

コート男「――――っ」

ビチャビチャッ…ポタッ

バフォメット「……ファファ」

フオンッ…オオォォォォ…
225 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:12:57.85 ID:4VHLzy+jo


盗賊「!?」

魔道士「……どうしました?」

盗賊「……いや、魔物の気配が消えた……?」

大軍師「バフォメットが、葬ってくれたのかもしれませんね」

白虎長「ちょっとあれ見てっ!!」

召喚士「っ!?」

ピチョン…ズズッ…ズズズズッ

白虎嬢「沼が……消えていく……!?」

召喚士「大軍師さんっ!」

大軍師「……きっと大丈夫です。出入り口は1つではありませんから」

召喚士「天才さん……青年兵くん、戦士……」

大軍師「……さて、救援も来るでしょうし、見晴らしの良い所へ移動致しましょう」

魔道士「きっと大丈夫ですよっ! だから信じて待ちましょ! 召喚士さん」

召喚士「……ええ、そうですよね」
226 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:13:53.46 ID:4VHLzy+jo


ピチョーン…ピチョーン

戦士「……うっ」

青年兵「……」

戦士「……?」

ムクッ

コォーン……コォーン

戦士「なんだ……ここ……」

青年兵「……ん」

戦士「青年兵か!?」

青年兵「……戦士さん……こ……こは?」

戦士「多分穴の中……サタンの棲み処ってわけだ」

青年兵「石が……浮いて……っ。何なんでしょうか?」

戦士「分からん……。だが、不気味なくらいに静かで……冷たいな」

青年兵「……っ」
227 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:14:51.60 ID:4VHLzy+jo
カツカツカツ…カツ

戦士と青年兵は薄暗い宮殿のような一室に立っていた。

周囲を取り囲むような高くそびえる柱は、時折上空へ浮遊する石とぶつかり、

金属のような小高い音を響かせている。その他に音はない。

静寂の中、2人の歩く靴音が響き渡る中、やがてその音も止まる。

青年兵「……っ!!」

戦士「な、なんだ……これ!?」

部屋の中央に浮かぶ巨大な紫水晶のようなモノ。

そしてそこには禍々しい剣が突き刺さっている。

青年兵「……っ」

戦士「宝石と……剣? 一体こりゃあ……」

ザッ

天才「触るなぁ!!」

戦士「!?」

青年兵「……し、司令……!?」
228 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:24:18.35 ID:4VHLzy+jo
カツカツカツ

天才「ソイツに触るな。すぐに離れろ!!」

戦士「お、おい……っ、これは一体……」

天才「いいから離れろぉ!!」

戦士「……っ」

普段以上の怒号も然る事ながら、天才のその険しい表情から、

この存在がどういったものなのか、2人には把握する事が出来た。

天才「その剣は魔剣だ。触れればお前らも呪われる」

青年兵「呪い……!?」

戦士「それってどういう……」

天才「お前ら、俺様の姿を見ておかしいとは思わないか?」

青年兵「……」

戦士「まぁ……歳の割に外見が若いっつーか……」

天才「それが魔剣の呪いだ。触れた者に及ぼされる悪魔のな」

青年兵「……っ!!」
229 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:25:32.81 ID:4VHLzy+jo
ザッ

天才「数十年前、ある戦いで俺様はその魔剣に触れた」

戦士「……」

天才「触れざるを得なかった。そしてそこから時は止まった」

戦士「それってまさか……っ!?」

天才「まぁ外見だけの話だがな。言わば不老ってやつか」

青年兵「不老……」

天才「羨ましいとか思うなよ? こんなナリ……ただのバケモンだよ」

戦士「何でそんな事が……」

天才「知るかよ。だがそうなるんだよ、触れた者全てがな」

青年兵「それはつまり、他にも触れた者が……?」

天才「もうこの世にはいないけどな。俺様の師と……その剣の持ち主もそうだった」

戦士「何!?」

天才「今は亡き大元帥と、ナイトっつー伝説のワーカーだ」

青年兵「――っ!?」
230 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:26:55.43 ID:4VHLzy+jo
天才「ひでぇ話だろ? 周りは歳を重ねてくっつーのに俺様だけは何1つ変わらねぇ」

戦士「……」

天才「だが中身だけは日に日に老いていく。最早、人間じゃねぇよ」

青年兵「司令……だからこそ、普段は仮面を身に付けて……」

天才「……まぁな。こっちの姿と区別するって意味合いもあっけどな」

青年兵「なるほど……」

天才「自分だけじゃねぇ。仲間や肉親までバケモノ扱いされちまう……」

戦士「……っ」

天才「クソみてぇな人間共が不老だ不死だ望みやがるが、ただの阿呆だ」

青年兵「……確かに……そうかもしれませんね」

天才「……ま、そーいうわけで触るな。バケモンになりたくなけりゃあな」

戦士「それよりも、何でそんなもんがここにあるんだ!?」

天才「……ああ、封印したからだよ。魔王を」

青年兵「と、いう事は……これはやはり……」
231 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:28:20.46 ID:4VHLzy+jo
天才「……魔王、サタン様さ」

戦士「魔王……サタン……!!」

天才「この魔剣を抜けば、魔王の力は解放される」

青年兵「――っ!?」

天才「いずれは抜かなきゃならねぇ。だが、今はその刻じゃあない」

戦士「抜く……のか?」

天才「パズズん時と違ってな。サタンは直で叩く必要がある」

青年兵「サタン……だからですか?」

天才「そうだ。サタンだからだ。封印のまま消滅させても効果はねぇ」

戦士「絶対に……か?」

天才「絶対にだ。かつてどれ程の勇者が挑んだか分からねぇ」

青年兵「……」

天才「魔王サタンは唯一無二の存在。サタンを倒さにゃ魔物は存在し続ける」

戦士「じゃあ……サタンを倒しちまったら……」

天才「……新たに生まれる事はないだろうな」

戦士「今、いる奴らはどうなるんだ!?」
232 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:28:58.78 ID:4VHLzy+jo
天才「……さぁな」

戦士「さぁな、っておい!!」

天才「魔物でなくなれば、存在するさ」

戦士「……あ?」

天才「魔王を討てば魔王の瘴気は消える。竜脈も途絶える」

青年兵「……」

天才「そこから先はお前らの仕事だ。箱は用意した。お前らが鍵を見つけろ」

戦士「何言って……」

天才「戦いってのはな、何も世の乱れを正す事だけじゃねぇんだ」

戦士「……っ」

天才「平和な世が訪れてからの戦いだってある」

青年兵「……」

天才「その方が辛い場合もあるんだぜ……?」

戦士「……厄介なモンを……背負わせてくれるよ全く」

天才「ハーッハッハ! 違げぇねーわな!」
233 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:29:33.20 ID:4VHLzy+jo
カツカツカツ

天才「さてさて、そんなわけで今日はここに用はねぇ」

戦士「どうやって帰るんだ?」

天才「この真っ暗な地獄に、光明を得るのさ」

戦士「は?」

天才「いいから聞け。お前、その戟上空にブン投げろ」

戦士「はぁーっ!?」

天才「聞けって言ってんだろ!!」

戦士「……っ」

天才「ブン投げたら目を瞑って、とにかく精神を研ぎ済ませろ」

青年兵「……は、はい」

天才「なんつーか、まぁ地上に戻るみてーなイメージを描いてりゃいい」

戦士「何だそれ……」

天才「そしたら合図と同時に跳べ。以上!」

戦士「だから……」
234 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:30:47.05 ID:4VHLzy+jo
天才「おっしゃ! んじゃ……ブン投げろおぉ!!」

戦士「何なんだよおおぉぉ!!」

ギュオッ!!……バシュウウゥゥゥゥ

天才「おっほぉ、いい飛距離だ。悪くねぇ」

戦士「精神集中だったな!? 信じるぞ!!」

天才「……おー。信じてくれや」

青年兵「……」

天才「……ふーっ」

チャキッ

天才「うおりゃああぁぁぁぁ!!」

戦士の投げた戟の後を追うように、天才が力いっぱい投げ飛ばした

ツヴァイハンダーが宙を切り裂き、空高々と舞い上がる。

バシュウウゥゥゥゥ

天才「描け……十字架!!」

戟と大剣、2つの武器が上空で重なり合い、クロスした。
235 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:31:14.03 ID:4VHLzy+jo
ピキイイィィィィ!!

青年兵「――っ!?」

戦士「……っ」

共鳴音とかすかな光。その現象は目を瞑っていても2人には十分に伝わった。

天才「はああぁぁぁぁ……」

ゴゴゴゴゴゴ

戦士(な……なんつぅ威圧だ……っ!)

青年兵「……っ!」

天才「五行……聖!!」

キュイイィィィィ…バシュウウゥゥゥゥ!!

十字を描く戟とツヴァイハンダーに、天才の放つ五行の光が付加をする。

ガカアアァァァァ!!

戦士「眩し……」

青年兵(司令……っ)

天才「今だ!! 目を開けろぉ!! 跳べええぇぇ!!」
236 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:31:48.33 ID:4VHLzy+jo
青年兵「……はあぁ!!」

戦士「ん……にゃろおおぉぉ!!」

カッ!!…ババッ!!

戦士「……?」

青年兵「光が……広がって……包まれていく……!?」

先程までの闇をかき消すかのような膨大な光量が、辺り一面を包み込む。

フワッ

天才「見えるか!? 自分の先に見える光の糸が!!」

3人それぞれの前へ伸びる細い糸。それはか細い光で出来た、

それはとても糸と呼べるのかも分からぬようなものであった。

戦士「く……ぬぅ!!」

3人はその糸を必死で手繰り寄せ、掴むような、絡みつくような、

とにかく必死でその糸の元を離れぬように、無我夢中で光の先を追った。

天才「いいかぁ! 絶対に後ろを振り返るなよ! ただひたすらに進めぇ!!」

天才がかつて読んだ黙示録にはこう記されている。雲の糸……と。
237 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:32:22.78 ID:4VHLzy+jo
ブワァ…ボフウウゥゥゥゥ!!

命綱とも呼べぬような細い糸を必死で追い求めながら、

光る雲を突き抜ける3人の目にはやがて、青い景色が飛び込んできた。

戦士「うわああぁぁぁぁ!!」

青年兵「sどらそ、空っ!?」

天才「おらっ、お前の出番だろうが!!」

青年兵「そ、そうかっ! 出でよ……ワイバーン! リンドヴルム! ワーム!」

シュイイィィィン…ゴウッ!!

召喚獣の背に着地した3人は、一先ずの無事にまず安堵の表情を浮かべた。

背「あっぶな……」

青年兵「青空……ここはっ、戻ってきたのか!?」

天才「ほれ、上から降ってくんぞ」

戦士「えっ? あ、あぁ……」

パシッ

落下する戟を右手掴むと、戦士はリンドヴルムの背に座り込んだ。
238 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:33:35.36 ID:4VHLzy+jo
バシュウウゥゥゥゥ

戦士「つーか、ここはどこだよ!?」

天才「このまま着地すんぞ」

青年兵「はいっ!」

バシュウウゥゥゥゥ…スタッ

戦士「……?」

召喚獣から飛び降りた戦士は、目の前の教会に首を傾げる。

青年兵「あの、ここは……北ではない……ですよね?」

天才「ここはサタン封印の地。地上で言うと大陸の大きな街辺りだな」

戦士「何ぃ!?」

青年兵「僕ら……北の森に居たのに……」

天才「地獄に落とされたかんな。まぁ無事帰ってこれて何よりだ」

戦士「さっきの蜘蛛の糸って……あれが……」

天才「蜘蛛じゃねぇ! 雲の糸だ! 雲から伸びる光明だよ!」

戦士「……どっちでもいいよそんなん」
239 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:34:02.87 ID:4VHLzy+jo
青年兵「とにかく、あの糸が地上と地獄を繋いでくれたんですね……?」

天才「半ば無理矢理にだけどな」

戦士「つーかここ、気味悪いな……っ」

天才「……見えるか?」

青年兵「――っ!?」

戦士「なんだあの柱……っ!!」

天才「柱……つーか結界石だな。あれで四方を固めてる」

戦士「……っ」

天才「この教会の遥か下に、さっきの場所があるのさ」

青年兵「そうだったのか……」

天才「地獄旅行はまた今度。さーて、帰るとしようぜ」

戦士「アイツら……大丈夫かな?」

青年兵「心配ですね……」

天才「大丈夫だろ。地獄じゃアバドンの気配もなかったし。ほれ行くぞ」

地獄より生還した3人は、森を抜けひとまず北方司令部を目指した。
240 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:34:34.16 ID:4VHLzy+jo
〜海峡〜

ドドッドドッドドッ

衛生兵「怪我人がいる! すぐに手当ての準備を!」

白虎嬢「そんな大袈裟ですよ〜」

白虎長「何を言ってるの。嫁入りまえの娘なんだから!」

白虎嬢「そんな事言ったら従姉さんだって〜」

白虎長「……何? 馬鹿にしてる!? ねぇ!!」

タッタッタッタ

玄武娘「白虎嬢ちゃああぁぁん〜!」

朱雀嬢「怪我したって聞いて……大丈夫!?」

白虎嬢「大丈夫よ〜。ほらほらっ、ねっ?」

ズキッ

白虎嬢「〜っ!」

白虎長「ほらほらっ、無理しないの。早く手当てして貰いなさいな」

白虎嬢「はいぃ〜」
241 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/08(月) 18:36:08.01 ID:4VHLzy+jo
テクテクテクテク

召喚士「……」

魔道士「お疲れ様でした、召喚士さん」

召喚士「魔道士さんも……お疲れ様です」

魔道士「あっ、お水いります!? 今すぐに……」

召喚士「……」

ギュッ

魔道士「へぁっ!?」

召喚士「……ごめんなさい」

魔道士「あ、あの……えっと……」

召喚士「……う……うぅ……っ」

魔道士「召喚士さん……っ」

召喚士「う……ああぁぁ……ひぐっ……」

魔道士「……よしよし」

魔道士の胸に抱かれ、召喚士は涙を流し続けた。
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/08(月) 18:37:44.78 ID:4VHLzy+jo
終らなかった…明日こそ!
ひとまずここまでにて失礼致します!
ご支援ありがとうございます!それでは!ノシ
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/08(月) 18:38:32.59 ID:1BRQNR+uo
おつ
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/08(月) 19:07:28.79 ID:Pwhr2kIDO
早くプロローグを終わらして本編にはいりたいと?

そうかそうか 乙
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/08(月) 19:18:11.17 ID:D5U6JC66o
魔道士からあふるる母性
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)2011/08/08(月) 20:53:15.51 ID:iLAMqS2AO
※胸以外
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/08(月) 21:27:41.89 ID:SMOMTNjAO
>>1おつ
俺もよしよしされてえ!
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/08/08(月) 22:02:35.22 ID:+b/5E1tAO
(´・ω・`)つ
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/08(月) 22:06:22.44 ID:kM1LT9jDO
>>1乙っす
今日もいい感じの誤字と>>245-246にワロタ
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/08(月) 22:18:13.25 ID:gPfmBVVHo
おつ
教会は最初のころ盗賊と召喚士が2人で行ったところだっけ
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/08/08(月) 23:57:23.48 ID:zx6EOvGAO
やっぱ再来は凄かったんだな
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/08(月) 23:58:43.84 ID:GBEBAcGs0
1乙

パパコーン良いトーチャンだな
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/09(火) 00:02:20.96 ID:TuVQReWAO
>>1おつ

蜘蛛の糸を出すとはにくい演出をしよる
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]:2011/08/09(火) 02:53:56.31 ID:C6dV4h7Po
>>1
パパコーン・・
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県)[sage]:2011/08/09(火) 07:15:37.49 ID:DWu6N4WY0
パケコーンマジイパメン
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/09(火) 07:26:26.38 ID:l8Ef4xaIO
ノームググったらちっさいおっさんがいっぱいでてきた。
ちっさいおっさんが白虎になるのかと思うと
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/09(火) 09:49:10.40 ID:2VC2T/NIO
>>256
ちっちゃいモスラかとオモタ
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/09(火) 09:50:37.04 ID:2VC2T/NIO
>>256
ちっちゃいモスラかとオモタ
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]:2011/08/09(火) 14:11:08.77 ID:syvAUy/5o
TOPのノームを想像してるがおっさんの方なのかね……
あのにょろにょろから白虎も想像出来ねぇな
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/09(火) 16:21:20.64 ID:d1D+165DO
召喚士の出生の秘密がもっと絶望的な何かだと思ってただけに残念
261 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/09(火) 18:14:06.62 ID:3ETE7ccmo
メラメラメラッ…パチッ

召喚士「……さっきはすみませんでした」

魔道士「いえいえ、お力になれて良かったです。えへへっ」

召喚士「お陰ですっきりしました。もう大丈夫」

魔道士「……あの、召喚士さん」

召喚士「はい?」

魔道士「やっぱりその……知りたくなかった……ですか?」

召喚士「両親の事とかですか?」

魔道士「ええ……」

召喚士「そうですね。心のどこかでは知りたくない……って思ってました」

魔道士「……」

召喚士「でも今は……知って良かったなって思ってます」

魔道士「……」

召喚士「どんな形であれ自分の親の事ですから」

魔道士「ええ、そうですよね」
262 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/09(火) 18:14:35.34 ID:3ETE7ccmo
召喚士「今ここに自分が居る。それって両親のお陰なんですよね」

魔道士「……ええ」

召喚士「物心つく前に死別しましたからね。特別、感情もなかったんですけど……」

魔道士「そうですかぁ……」

召喚士「やっぱり、何だかんだ言っても俺の父は……師匠ですから」

魔道士「召喚士さん……」

召喚士「でも、ユニコーンが父さんで、ずっと見守っててくれて……」

魔道士「……」

召喚士「父さんや母さんや、そして……おじいさんの思いを聞いて……」

魔道士「ええ……」

召喚士「だから、良かったと本当に思ってます」

魔道士「はいっ、良かったです……!」

召喚士「えっと、それで……魔道士さんは?」

魔道士「へっ?」

召喚士「いや、何か話があったのかなって思いまして……」
263 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/09(火) 18:15:43.54 ID:3ETE7ccmo
魔道士「あ、うぅん……えっとですね……」

召喚士「はい」

魔道士「私も、ちょっとだけ似たような感じでしたから。あ、ちょっとですよ!」

召喚士「あ、あぁ……そういえばそうですね」

魔道士「だから、ほんの少しだけ気持ちも分かります」

召喚士「しかも魔道士さんの場合、親が親ですからね……」

魔道士「そうですよっ、実の親が国王とか未だに信じられませんもん……」

召喚士「は、はは……っ」(言われて見ればそうだった……っ)

魔道士「どんな事情があったとしても、親は親ですもんね」

召喚士「ええ。そうですよね」

魔道士「だからお父様の事、信じてあげて下さいねっ」

召喚士「もちろんです。もうスッキリしましたから……あっ」

魔道士「……?」

召喚士「あ、あの……泣いた事は、みんなには内緒に……」

魔道士「分かってますっ! 2人だけの秘密ですね……えへへっ!」
264 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/09(火) 18:16:41.87 ID:3ETE7ccmo
〜海峡、病室〜

カチャッ

朱雀嬢「……大丈夫?」

白虎嬢「朱雀嬢ちゃん、玄武娘ちゃん……」

玄武娘「あっ、無理して起きちゃ駄目ですの!」

白虎嬢「ううん、もう平気よ。気にしないで〜」

玄武娘「……っ」

白虎嬢「それよりも……あの……」

朱雀嬢「……」

白虎嬢「ごめんなさい。本当に何とお詫びして良いか……」

朱雀嬢「どうして貴女が謝るのかしら?」

白虎嬢「……私の父である白虎三男が……その」

朱雀嬢「貴女のせいではないですわ。貴女が謝る必要はないの」

白虎情「でもっ、父のせいで朱雀本家は……」

玄武娘「白虎嬢ちゃん……っ」
265 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/09(火) 18:17:46.95 ID:3ETE7ccmo
朱雀嬢「確かに、貴女のお父上のせいで私の祖父は死んだ」

白虎嬢「……っ」

朱雀嬢「そして私の父も反乱に加担した責を問われ、長らく投獄された」

玄武娘「……朱雀嬢ちゃん」

朱雀嬢「そして朱雀本家は没落した……。今では見る影もありませんわ」

白虎嬢「その全ては、私の父が企てた――」

朱雀嬢「でも」

白虎嬢「……!?」

朱雀嬢「それで辛いだなんて思った事は、私はありませんわ」

白虎情「……っ」

朱雀嬢「生まれた時からそうですもの。今更気にする事はありませんわ」

白虎嬢「ごめんな……さい……っ」

朱雀嬢「……」

テクテクテク…スッ

朱雀嬢「起きて白虎嬢。貴女も……辛かったわよね……」
266 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/09(火) 18:33:46.93 ID:3ETE7ccmo
白虎嬢「朱雀嬢ちゃあぁん!! う……ああぁぁ!!」

玄武娘「ふええぇぇ!! ひぐっ……ひぐぅ!!」

朱雀嬢「な、何で貴女まで泣いてるのよもうっ! ぐす……っ」

玄武娘「だってだってぇ……!!」

朱雀嬢「もう……っ、だから泣かないでよ!」

白虎嬢「ありがとう朱雀嬢ちゃん……私、幸せ者だ」

朱雀嬢「私こそ……。貴女にはいっつも元気を貰ってますもの」

白虎嬢「ひっ、ひぐ……ぅ」

朱雀嬢「もちろん……貴女にもね」

玄武娘「びええぇぇぇぇーっ!!」

朱雀嬢「暗い過去は私達の代で終わりにしましょ」

白虎嬢「……ええっ、必ず……きっと」

玄武娘「はいですのっ!」

朱雀嬢「私達みたいな境遇を作らないように、頑張りますわ!」

3人は顔を見合わせると、涙を拭い笑顔で手を取り合った。
267 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/09(火) 18:34:16.97 ID:3ETE7ccmo


白虎長「……」

コンコン…カチャッ

白虎長「……具合はどう?」

白虎嬢「大丈夫。従姉さんは?」

白虎長「うん。大丈夫よ」

白虎嬢「ちょっと……いいかな?」

白虎長「ええ、座って。何か飲む?」

白虎嬢「ううん、平気」

白虎長「……やっと、終わったね」

白虎嬢「ええ。それであのね……」

白虎長「謝らないでよ? あなたが悪いわけじゃ……」

白虎嬢「ふふっ、分かってる。もう散々言われてきたから」

白虎長「……そう。いい仲間を持ったわね」

白虎嬢「……うん」
268 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/09(火) 18:35:05.67 ID:3ETE7ccmo
白虎長「それで、何か用があるんだよね?」

白虎嬢「……私ね、やっぱり責任があると思うの」

白虎長「あのさぁ、たった今言ったばかり……」

白虎嬢「あ、うん。だからその……謝るとかそういう事じゃなくて」

白虎長「……?」

白虎嬢「私……従姉さんと一緒に戦うわ」

白虎長「!? そ、それって……」

白虎嬢「駄目……かな?」

白虎長「私は構わないけれど、叔母様にも聞かなければならないし……」

白虎嬢「お母様は私から話すわ。父の事もあるし……」

白虎長「……そう」

白虎嬢「だから、お願い! 一緒に……戦わせて欲しいの!」

白虎長「……」

白虎嬢「それが私の出来る……償い……だから」

白虎長「……ちょっと待ってて」
269 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/09(火) 18:35:42.64 ID:3ETE7ccmo
テクテクテク…ゴソゴソ

白虎嬢「……?」

白虎長「はい、これ着て」

白虎嬢「これ……って」

白虎長「私の軍服。予備だからあげるわ」

白虎嬢「じ……じゃあ……」

白虎長「私の権限で入隊を許可します。みんなには私から伝えておくから」

白虎嬢「従姉さん……っ」

白虎長「どう? ちょっと着てみて」

白虎嬢「うんっ」

シュルッ…パサ…ゴソゴソ

白虎長「サイズ的には問題ないはずだけど……」

白虎嬢「……うん、全然平気よ。ちょっと……胸の部分が大きいけど」

白虎長「ちゃんとしたの出来るまではパットでも詰めておけば大丈夫よ」

白虎嬢「ふふっ、そうね……ふふふっ!」
270 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/09(火) 18:36:24.33 ID:3ETE7ccmo


月明かりに照らされた海峡にかかる大橋。きらきらと結界石が反射し、

空に浮かぶ朧月と相まって、幻想的な風景をかもし出している。

召喚士「……」

海峡へ来る度に通例となった墓参り。小さな墓標の下に花を添える。

そしてその場にしゃがみ込むと、目を瞑り、召喚士は祈る。

召喚士「…………」

ザッザッザ

盗賊「……」

大軍師「……」

召喚士のすぐ脇にしゃがみ込み、盗賊と大軍師も同様に黙祷する。

大軍師「……もう一息です」

召喚士「はい。その時は短髪さん達もきっと笑顔で……」

盗賊「……ああ」

それ以上の言葉は語らず、3人は海峡へと戻る。。
271 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/09(火) 18:38:47.71 ID:3ETE7ccmo


ギュルルルルッ…パシッ

森の中に伸びる触手が、四肢をもがれた死体を拾う。

ズルッ…ズルッ…ズルッ

ネクロマンサー「あーあ、これまた派手にやられましたねぇ……ククッ」

ポイッ…パシッ

魔剣士「……」

ネクロマンサー「ま、こんなナリでも多少は使い道もあるでしょう」

死体を受け取った魔剣士に、ネクロマンサーは振り向きながら笑う。

ネクロマンサー「さーて……次はどっちでしょうかねぇ」

魔剣士「……」

ネクロマンサー「東か、はたまた南か」

フワッ

ネクロマンサー「せいぜい今のうちに、驕っているがいいさ。ククッ……クククッ!」

不気味に笑うネクロマンサーの声は、闇の中へと消えていった。
272 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/09(火) 18:43:48.68 ID:3ETE7ccmo
ザッザッザ

召喚士「……」

ふと立ち止まり、召喚士は空に浮かぶ月を見上げる。

召喚士「……父さん」

月は雲に隠れ、空をぼんやりと照らし出している。

召喚士「俺……頑張るから」

スッ

召喚士「朱雀先生とか関係なく、白虎だって何だって……頑張るから」

テクテクテク

召喚士「……だからまた、会えるよね」



召喚士「ありがとう。父さん」





〜第五十部、完〜
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/09(火) 18:50:45.49 ID:3ETE7ccmo
五十部終わりました!なんかグダグダですみません…
次回こそはビシっと…頑張ります!

それではこれにて失礼致します!では!ノシ

〜オマケ〜

白虎嬢「従姉さん……」

白虎長「何?」

白虎嬢「従姉さんの胸だと……これぐらいパット入れないといけないんだけれど……」

白虎長「いいんじゃない? 巨乳が嫌いな男なんていないでしょ。私もこれでもう少し若――」

テクテクテク

海峡兵「んおおぉぉぉぉ!?」

門兵「何だあの巨乳で美人で若い娘は!? あんな娘居たかぁ!?」

白虎長「……巨乳で美人で……若い?」

門兵「パーフェクトスタイル! パーフェクトボディ!」

海峡兵「若いのに巨乳だなって最高じゃないか!!」

白虎長「……白虎嬢、やっぱりパット外しなさい!!」

白虎嬢「へあっ!? は、はいっ!!」
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/09(火) 18:55:25.44 ID:B4nAtEEDO
>>1乙っす
しかし五十章も続くとかすごいなあ
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/09(火) 19:05:07.09 ID:Plst0F2IO
乙!
残りの950章も頑張れよ…
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]:2011/08/09(火) 19:06:53.25 ID:LUvfHnqL0
何文字とか集計してるならぜひ教えてもらいたいな、最長記録?
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/09(火) 19:07:08.25 ID:4WlQVpp8o
>>1
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/09(火) 19:11:25.40 ID:JlIXyvCDO
じいちゃんの墓って海峡になかったっけ?
北方司令部だっけ?
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/09(火) 19:11:40.15 ID:ra5EW5lS0
1乙
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/09(火) 19:39:33.37 ID:TuVQReWAO
>>1おつ
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]:2011/08/09(火) 19:50:14.20 ID:Sjr92S48o
>>1乙!

ネクロマンサーはバフォメット大丈夫なのか...
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)[sage]:2011/08/09(火) 20:01:19.91 ID:78m1fufZo
大丈夫じゃないから、触手だけを挿入したんじゃない?
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)[sage]:2011/08/09(火) 20:41:25.34 ID:05SiO9mPo
sneg
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/09(火) 21:05:53.88 ID:fhMjXPYTo
>>282
なるほど触手だけ伸ばして
自身は森のなかに入ってないのか
トンクス
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/09(火) 21:32:25.74 ID:yoXybcAyo
もしくは魔剣士に拾いに行かせたとか?
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/10(水) 01:30:05.23 ID:h5DIEs0Z0
残りの呪われた人が魔剣士だとすると東方司令はただのロリババアだったのか…
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/08/10(水) 05:04:15.55 ID:2fEm3Hwl0
いちおつ
東方副司令のアンデッド
人形になると召喚出来なくなるんだっけ?
288 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/10(水) 17:38:14.31 ID:owrYFU1io
〜数日後、北方司令部〜

召喚士「……」

司令部の2階部分、風通しの良い北側に面した一画。

かつての英雄が眠る墓地の片隅に、その真新しい墓はあった。

召喚士「……」

この地で息を引き取り、その最後を看取った召喚士は、

あの時とはまた違う感情を抱きつつ、墓の前に手を合わせる。

ザッザッザ

戦士「……」

騎士長「……」

召喚士「戦士、騎士長さん……」

騎士長「約束どおり建てたぞ。まさか、お前の祖父だったとはなぁ」

戦士「俺にも手を合わさせてくれ」

召喚士「……ありがとう」

名も無き墓標はこの日から、白虎弟と刻まれる事となった。
289 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/10(水) 17:39:20.73 ID:owrYFU1io
チラッ

天才「……」

左翼長「行きゃいいじゃないですか」

天才「……勘違いすんな。声がしたから覗いてただけだっつーの」

左翼長「ほぉ、そんじゃその花はなんなんですか?」

天才「……師匠より先に逝きやがった不肖の弟子へだよ」

左翼長「あ、あぁ……それは失礼しました」

クルッ…スタスタスタ

左翼長「いいんすか?」

天才「別にあとでもいつでもいいさ」

左翼長「……司令」

天才「あーん?」

左翼長「司令も最後は、この地に眠りますか?」

天才「俺様の墓標に名はいらん。生きてこその誉れだ」

左翼長「……」
290 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/10(水) 17:40:34.54 ID:owrYFU1io
〜北方司令部、大会議室〜

ゾロゾロゾロ

大軍師「それでは各自、ご着席下さい」

天才「……おっ?」

白虎嬢「あ、あの……っ」

白虎長「本日より私の補佐として働いてもらいたいと考えております」

天才「……おーう、頑張れよ」

白虎嬢「よ、宜しくお願い致しますっ!」

白虎長「そういうわけだから。宜しくね青龍先生」

青龍士官「……ど、どうも」

左翼長「そんじゃ始めるぞ。起立! 敬礼! 着席!」

ガタガタッ…ザッ

大軍師「此度の内通者討伐、本当にご苦労様でした」

朱雀嬢「……」

大軍師「ではまず、作戦結果と報告を行いたいと思います」
291 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/10(水) 17:41:38.70 ID:owrYFU1io


大軍師「以上のように、内通者……東方副司令の討伐は完了致しました」

騎士長「確実に倒したのか?」

大軍師「100%……とは言い切れません」

参謀「……」

大軍師「しかし、北の森に入ったところを考えますと99%死亡したと言えるでしょう」

青年兵「タリスマンの破壊にも成功したのですよね?」

大軍師「はい。まぁ本来は無傷のまま入手出来れば御の字でしたが……」

天才「まぁいい。バフォメット攻略の糸口は既に見えている」

召喚士「アバドンの気配がなくなった事も、証明になると思います」

大軍師「ええ。アバドンのみ葬られ内通者が生き延びる道理はありません」

盗賊「……確かにな」

大軍師「以上の結論より、討伐は終えたものと考えて良いでしょう」

天才「んで、思わぬ収穫の詳細をお聞かせ願おうかねぇ」

玄武娘「ほえ?」
292 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/10(水) 17:42:24.34 ID:owrYFU1io
天才「おめーの話だよ」

召喚士「!? あ……はいっ」

大軍師「宜しいですか?」

召喚士「ええ、全然構いませんよ」

数日前とは打って変わり、召喚士の口調は明るく軽いものだった。

吹っ切れた、といえば語弊があるかもしれない。受け入れたのだ。

自らの為すべき宿命。そして自らが生まれたきた宿命。

その全ては当然分かる由もないが、それでも召喚士は自分なりの覚悟を決めた。

召喚士「……と、言うわけです」

青年兵「…………」

青龍士官「……っ」

参謀「……」

初めて聞く者。改めて聞く者。その場に居合わせた者。様々ではあるが、

一同は揃って耳を傾け、ただただ無言で召喚士の話に聞き入った。

その妙な緊張は、話し終えた召喚士に質問する天才の声でようやく解けた。
293 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/10(水) 17:43:30.43 ID:owrYFU1io
天才「ちょっといいか?」

召喚士「はい」

天才「まずお前の両親は白虎と玄武なんだよな?」

召喚士「ええ、そういう事になりますね」

天才「父親は玄武3兄弟の次男。んで、母親は玄武先生の長女」

騎士長「て事は、白虎長や白虎嬢は従姉妹にあたるわけか」

戦士「こいつもだろ」

玄武娘「そうですの!」

召喚士「玄武娘さんの母親が、母の妹にあたるわけですね」

大軍師「そういえば玄武先生から直に継承した方はいらっしゃいませんでしたね」

戦士「確か、本当は最後の弟子であるサモナーさんが継ぐはずだったんだっけか?




玄武娘「……そうですの」

天才「長女は結婚して出てっちまったし、次女は一般人と結婚したからな」

魔道士「……そうだったんだ」
294 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/10(水) 17:44:28.36 ID:owrYFU1io
天才「それに玄武のジジイは実力主義だからな。資質がないと継がせる気なかったんだろ」

大軍師「そして、白虎次男殿は父が白虎兄弟の白虎弟殿」

左翼長「んでその母親は青龍召喚士……か」

戦士「なんかややこしくワケが分からんぜ……」

盗賊「……ああ」

天才「ここで3属性の血を、お前は受け継いでるわけだよな?」

召喚士「そう……ですね」

天才「その上で、朱雀先生の弟子となって……朱雀召喚士になった」

大軍師「但し、これだけでは全属性の召喚には繋がらないと思いますが」

天才「そこでユニコーンの存在だろ」

青龍士官「どういう……事でしょうか?」

大軍師「成程……っ、予め仕込まれたユニコーンがいる上で朱雀召喚獣を……」

天才「ここで通常では起こりえない矛盾が生じる」

左翼長「白虎を既に得ているにも関わらず、朱雀を得た」

大軍師「これにより朱雀先生はシルフ、コカトリス、そしてユニコーンの召喚を……」

天才「普通だったら話題になってもおかしくないんだがなぁ」
295 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/10(水) 17:45:44.52 ID:owrYFU1io
召喚士「あの頃は自分でも分かってなかったですし、何より……」

天才「話題にも上らねーような、雑魚だったもんな」

召喚士「……はい」

盗賊「……だからか」

魔道士「へっ?」

盗賊「あいつ、青龍の会得には凄い苦戦してた……」

戦士「ああ、そういやサラマンダーで躍起になってたなぁ」

盗賊「……でも、玄武はアッサリと……会得してた」

青年兵「血が関係していたのかもしれませんね」

白虎長「そうでしょうね、近しい玄武は早かったけど、1つ離れた青龍は遅かった」

召喚士「あ、あの……そろそろ俺の話は……」

大軍師「そうですね。これは失礼。では次の話ですが――」

ダダダッ…バンッ!!

参謀「……どうした!? 会議中だぞ」

伝令「はぁーっ、はぁ……はぁ……はぁ……っ」
296 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/10(水) 17:47:06.80 ID:owrYFU1io
参謀「……失礼致しました。どうぞ、続けて下さい」

スクッ…カツカツカツ」

伝令「南方より緊急伝令ですっ!!」

参謀「会議中だと申したであろう。静かに――」

大軍師「構いませんよ。それで、南に何かありましたか?」

伝令「……南より魔王軍が侵攻中!!」

左翼長「何ぃ!?」

青年兵「南……っ、魔王ラーヴァナですか!?」

伝令「……はぁ…・・・ はぁっ、はぁっ」

白虎長「交戦中なの?」

伝令「いえっ! 南方軍は赤壁にて迎撃態勢を整えております!」

天才「……んで、。敵の数は?」

伝令「…………っ」

天才「敵の数は?」

伝令「……そ、その数……100万との事です……っ!!」
297 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/10(水) 17:49:40.16 ID:owrYFU1io


召喚士「行けっ!コカトリス!!」

    〜第五十部〜
298 :間違えた…最悪だ… ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/10(水) 17:50:58.49 ID:owrYFU1io
召喚士「行けっ!コカトリス!!」

    〜第五十一部〜
299 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/10(水) 17:54:36.82 ID:owrYFU1io
〜赤壁〜

南方参謀「100万ですってえぇ〜!?」

西方司令「ひいいぃぃ!! もう終わりだ死ぬううぅぅぅぅ!!」

西方参謀「んな居るわけねーだろうがよ……ヒック」

南方副司令「しかし先日深手を負った偵察隊はそう言っているぞ」

南方弓長「帰還した先遣隊の証言も100万だって……」

西方参謀「だーから、誇張されてんだよ。戦役の常套手段じゃねぇか」

南方参謀「言われてみれば……そ、そうよねっ」

南方魔道長「……参謀役がうろたえてどうすんだよ。しっかりしろ」

南方副司令「それで、実際の数はどう見る?」

南方司令「ざっと40万といったところだろうな」

南方副司令「それでも十分な数だよ……」

西方参謀「対して、南方軍の出せる兵力は?」

南方参謀「……総動員しても……4万がいいところね」

西方参謀「10倍か……なかなか絶望的な数字だな。ヒック」
300 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/10(水) 18:12:59.64 ID:owrYFU1io
〜北方司令部〜

大軍師「すぐに発ちますよ! 馬車と荷物の手配を!」

天才「100万ねぇ……。こいつはとんでもない大戦だわな。ハーッハッハ!」

騎士長「何を悠長な……」

天才「おう、ちょっくら竜騎士隊借りるぜ」

左翼長「……お好きに」

天才「青龍士官、ひとっ飛びいけるか?」

青龍士官「無論です。赤壁までですね?」

天才「ああ。小休止を挟みながらでいい。明朝までには赤壁に到着してくれ」

青龍士官「今晩中には」

天才「ハーッハッハ! はりきり過ぎて倒れんなよ?」

青龍士官「それでは早速。竜騎士隊……出るぞ!」

タッタッタッタッタ

青年兵「司令、私も彼らと共に……」

天才「駄目だ、立場をわきまえろ。お前の居場所は別にあるはずだ」
301 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/10(水) 18:16:10.93 ID:owrYFU1io
青年兵「……はい」

天才「残る連中はすぐに馬車へ乗り込め! 整い次第まずは本国へ向かう」

白虎長「はっ。行くわよ白虎嬢」

白虎嬢「はい」

青年兵「朱雀嬢さん、玄武娘さんは私と共に」

朱雀嬢「……分かりましたわ」

玄武娘「それでは、また後でですの!」

魔道士「うん、気を付けて!」

タッタッタッタッタ

戦士「さて、俺らも行くっきゃねーわな」

盗賊「……ああ」

天才「おい朱雀」

召喚士「はい……?」

天才「お前、魔力残ってんのか?」

召喚士「……」
302 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/10(水) 18:27:45.37 ID:owrYFU1io
天才「残ってねーよな? 派手にブチかました後だもんなぁ」

召喚士「……すみません」

天才「1日だけくれてやる。お前ら4人は本国で休め」

召喚士「でも……っ」

天才「1日だけだ。いいな?」

召喚士「……分かりました」

天才「おし。……おい左翼長」

左翼長「はい」

天才「森付近の調査してる特遊が戻ってきたらここで待機させとけ」

左翼長「了解です。抜けた竜騎士隊の分、借りますよ」

天才「それでいい。北も気を抜くなよ、同時に来ないとは限らねぇからな」

騎士長「そこまで衰えちゃいませんよ」

天才「……ハーッハッハッハ! んじゃ、こちいも行くぞ!」

大軍師「馬車の手配は出来ております。すぐに向かいましょう」

召喚士「はいっ!」
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/10(水) 18:29:08.87 ID:owrYFU1io
今日はひとまずここまでにて!
多数のご支援ありがとうございますー!それではっ!ノシ

一番大事なところでやらかした…くっ!
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)[sage]:2011/08/10(水) 18:36:56.63 ID:A6Gf/JTx0
一乙!
赤壁の戦いとか胸熱
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/10(水) 18:42:02.81 ID:jmnIXFFK0
1乙
何を言ってるんだか、捜す楽しみが無くなるじゃないかw
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)[sage]:2011/08/10(水) 18:54:05.09 ID:A6Gf/JTx0
>>305
空気を読めず申し訳ない事をした
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2011/08/10(水) 19:00:38.95 ID:SGHQ4Bkto
父親の属性もかわってるな
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/10(水) 19:02:29.67 ID:QHrMvkleo
誰か相関図
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/10(水) 19:08:51.10 ID:75mMQiqDO
白虎―青龍

白虎―玄武

召喚士(朱雀)
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/10(水) 19:20:37.31 ID:XmiyctSDO
>>1
>>298カワイイ
>>青龍士官爆発!
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]:2011/08/10(水) 20:04:28.46 ID:/1J51x/+o
>>1
俺は第五十一章のテロップ自体忘れてるのを期待してた
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/10(水) 23:00:20.50 ID:Ps+fsb440
召喚関連の後に大規模戦闘とか1は俺のハート鷲掴みすぐるwwwwwwww

1乙
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/10(水) 23:29:40.94 ID:uPnpLwbAO
>>1おつ

前の南方での大規模戦闘では召喚士が知的な戦闘繰り広げてたな
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/10(水) 23:31:03.10 ID:OPK6BUU0o
白虎長「おっはよ〜召喚士ちゃん」

召喚士「……は?」

白虎長「一人で起きれる? お姉ちゃんが手伝おうか?」

召喚士「え? え? どどどどうしたんですか白虎長さん?」

白虎長「そんな他人行儀いやだな、お姉ちゃんって呼んで」

白虎嬢「御免なさい召喚士さん、弟が欲しかったらしくて昨日から従姉さんテンションがおかしくなってて」


的な日常展開は?
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/10(水) 23:39:22.68 ID:vn+ctfQDO
>>1

>>314
きたと思ったwktkを返せ
あっちで自分で書くといいよ
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/11(木) 06:03:20.68 ID:ZfJGaxESO
まだこれ続いてたのかwwwwwwwwwwwwwwwwww

20ちょいの部(その時は最新)まで読んで更新待ってていつの間にか忘れてたな…読み返すか

>>1
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/11(木) 08:29:15.96 ID:K9ahfpHAO
>>1

実際どのくらい敵勢はいるんだろうな
実は100万こそ凄そうに見えるが、100万から1が消えて0になったのが一番強い的な
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/08/11(木) 12:43:15.25 ID:VnqNGsyAO
>>1

>>300
青年兵「今日のお前が言うなスレはここですか?」
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/11(木) 13:06:58.83 ID:kuDc7NN8o
>>317
一番強いはずなのに特に見せ場もなく負けた[ピザ]は許してやれよ
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage aga]:2011/08/11(木) 14:59:10.94 ID:jvqOaMUs0
       白虎弟=青龍系召喚士   玄武先生
            |     ____⊥_____
            ↓    ↓         ↓     
    師匠  白虎次男=玄武長女←━━━━━→玄武次女=一般人  
     ‖         ↓               ↓          
     =======⇒召喚士             玄武娘


>>308 一応作ってみた分かりづらいかも…
321 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/11(木) 18:40:34.07 ID:TRt9dX6Wo


パッカパッカパッカ

召喚士「……」

天才「何を落ち込んでんだオメーはよ」

召喚士「いや、別に落ち込んでは……いないですけど」

天才「じゃあ何だよ」

召喚士「……毎度毎度不甲斐ないなぁと思って……」

天才「分かってんじゃねーか。ハーッハッハ!」

召喚士「……」

天才「でもそれでいいんだよ」

召喚士「……」

天才「人間、役割ってモンがある。自分の出来る範疇でやりゃいいんだよ」

召喚士「……そうですけど、せめて魔道士さんくらい魔力があれば」

天才「分相応以上の事は臨むモンじゃねぇよ。そうやって焦る奴が死ぬモンだ」

召喚士「……」
322 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/11(木) 18:41:49.36 ID:TRt9dX6Wo
天才「それに、コイツのはまた別格だからなぁ」

魔道士「へっ?」

天才「王家の魔力。それは気合いや努力で身に付くモンじゃねぇ」

召喚士「王家の……」

天才「それは天性の才能だ。王家の血筋を引いた者にのみ与えられる、な」

戦士「どういう事だ?」

天才「他にはない特別な力があるって事だよ」

盗賊「特別な力……」

天才「後継者問題で左翼が躍起になってたろ? 何でだと思う?」

召喚士「何か特別な力があるんですか?」

天才「そーだ。同じパーティのお前らにゃ当たり前かもしらねーが、よく考えてみろ」

戦士「……?」

天才「コイツが魔法付加や支援でしくじった事があっか?」

召喚士「……言われてみれば、1度もないですね……っ」

天才「普通、物理攻撃への魔力付加なんて相当に難しいモンだぞ?」
323 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/11(木) 18:42:58.48 ID:TRt9dX6Wo
魔道士「そうなんですか……?」

天才「それをまぁ大した修行もなしに、いとも容易くこなしやがる」

盗賊「……言われてみればそうだな」

天才「魔道学校じゃ落ちこぼれと言われてたらしいコイツがだぞ?」

魔道士「……うぅ」

天才「国軍の魔道兵とて相当の鍛錬をこなしてようやくだ」

戦士「しかも、相手の力量も見極めないといけないもんな」

天才「ああ。強すぎれば自分に跳ね返り、弱すぎれば効果は発揮しない」

召喚士「確かに……それは天性の才能かもしれませんね」

天才「だからこそ左翼の連中は魔法の使えるお前を重要視してた」

召喚士「左翼は魔道兵が大半ですもんね……」

天才「勿論その裏には自分らが政権を得る目算もしたたけどな」

戦士「でもよ、それだけで王家の血筋を得たいと思うか?」

天才「そこには他にも、王家ならではの力があるからだよ」

魔道士「えっ!?」
324 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/11(木) 18:43:57.05 ID:TRt9dX6Wo
天才「例えば……もし自分の魔力を相手に与える事が出来るとすれば……?」

召喚士「そんな事が可能なんですか!?」

天才「……可能だ。結論から言えばな」

戦士「じゃあ、魔道士の魔力を枯渇した召喚士にも……」

天才「出来る。だがお前らには……出来るかなぁ」

魔道士「どういう事です?」

天才「魔力を送るには条件がある」

魔道士「な、何ですか!?」

天才「何だと思う?」

魔道士「……分かりません」

天才「眠れる王子には姫様の……アレだよ」

召喚士「えっ!?」

天才「ハーッハッハッハ! まぁあとはお前らの気持ち次第じゃないの? ププッ」

魔道士「そ、それって……」

盗賊「……///」
325 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/11(木) 18:46:33.03 ID:TRt9dX6Wo
パッカパッカパッカ…ドドォ

召喚士「……あれ? 止まった?」

天才「ちょいと寄り道すんぞ。お前らもついて来い」

戦士「こ、ここって……」

魔道士「バーテンさんのお店!?」

カチャッ…テクテクテク

召喚士「バーテンさんに会うんですか?」

天才「まさか。別の奴だよ」

テクテクテク

伝令「ご苦労様ですっ!」

天才「おーう。伝えてくれたか?」

伝令「え、ええ……それがですね……」

天才「あん?」

カチャッ…チリチリン

占い師「……待ってたわよ」
326 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/11(木) 18:48:36.17 ID:TRt9dX6Wo


バーテン「コーヒーでいいか?」

戦士「うっす」

天才「早かったなってか……スタンバってたのか?」

占い師「予言であなたが訪ねてくるの、見えたから」

天才「流石だねー。使える部下持つとホント楽でいいわー」

テクテクテク

マジシャン「おっ、来てたのか!」

召喚士「マジシャンさん!」

マジシャン「この前は黙って帰っちまって悪かったな」

魔道士「本当ですよ……もうっ!」

マジシャン「ハッハ! 悪い悪い!」

バーテン「それで今日は何だってんだ?」

天才「こっちにゃまだ情報入ってねーのか。……これから一大決戦だよ」

マジシャン「!?」
327 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/11(木) 18:49:47.22 ID:TRt9dX6Wo
〜最南端〜

コオオォォォォ

ラクシャーサ「第3軍、出陣出来ます!」

遥か最南端に浮かぶ孤島の中央。巨大な宮殿のその奥にいる。

ゴゴゴゴゴゴ…

1匹のラクシャーサは下を向いたまま膝をつき、目の前に座る

己の遥か数十倍はあろうかという影に言葉を続けた。

ラクシャーサ「第3軍は予定通り、北東へ進みます!」

――「……おーう」

重たく冷たい声が相槌を打つ。そして圧倒的な力強さで言い放つ。

――「進軍は優雅に、そして華麗に、存分に恐怖を見せ付けてやれ」

ラクシャーサ「はっ!!」

――「ひとたび動けば、全てを蹂躙し、一切の生を奪い取る。それが……」

ゴゴゴゴゴゴ…

ラーヴァナ「我ら、ラーヴァナの軍勢よ。心してかかれい」
328 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/11(木) 18:51:11.48 ID:TRt9dX6Wo
ラクシャーサ「は……ははぁ!!」

ザザッ…タッタッタッタッタ

ラーヴァナ「ふぅむ。連中を鼓舞するのも手間なものよ。なぁ?」

スゥ

サルワ「お、。お気付きでしたか……ラーヴァナ様」

ラーヴァナ「貴様の暴力的な気配は数十里先に居ても気付くわ」

サルワ「あ、有難きお言葉……っ!」

ラーヴァナ「さて、兵を進めた今、貴様にも力となって貰うぞ?」

サルワ「無論の事! 主亡き私に力をお与え下さったラーヴァナ様の為にも!」

ラーヴァナ「ならば、貴様は今より我が部下、シヴァと名乗るが良い」

シヴァ「シヴァ……私の新たなる名前……ッ」

ラーヴァナ「往けい破壊を司りしシヴァよ! 我らの力、人間に見せてやれい!」

シヴァ「ははぁ! 必ずや人間を根絶やしに!」

ザザッ!!……スウゥ

ラーヴァナ「……」
329 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/11(木) 18:52:32.56 ID:TRt9dX6Wo
フッ

――「シヴァ……ですか」

ラーヴァナ「おぉ、盟友……ヴァーリンではないか」

ヴァーリン「役に立ちますかね?」

ラーヴァナ「あれでもアンラ・マンユの残りカスだぞ? 盾にくらいなるだろうよ」

ヴァーリン「……」

ラーヴァナ「それにアジ・ダハーカもおる。最悪、捨て駒か囮には使えるだろう」

ヴァーリン「怖いお人だ」

ラーヴァナ「……フフッ」

ヴァーリン「しかし此度は何故、進軍を開始したので?」

ラーヴァナ「気まぐれ」

ヴァーリン「……は?」

ラーヴァナ「冗談だよ。数日前にどうにも不審な動きがあってなぁ」

ヴァーリン「ほぉ」

ラーヴァナ「サタンの元に人間が潜り込んだようでなぁ」
330 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/11(木) 18:53:22.67 ID:TRt9dX6Wo
ヴァーリン「何と……っ」

ラーヴァナ「ただでさえサタンは封印されている身。大事があっては困るからなぁ」

ヴァーリン「ごもっとも」

ラーヴァナ「別にサタンを巣くうとか、敬う、というわけではない」

ヴァーリン「……」

ラーヴァナ「かといってアンラ・マンユのように、台頭しようなどという気もない」

ヴァーリン「存在そのものが大切、というわけですね」

ラーヴァナ「その通り。サタンという存在が、魔族には大切なものなのだ」

ヴァーリン「成程、それでの進軍ですか」

ラーヴァナ「ご理解頂けたかな? 盟友」

ヴァーリン「ええ。ならば私も出陣するしかなさそうですな」

ラーヴァナ「貴様の第2軍、頼りにしておるぞぉ」

ヴァーリン「ついでに、裏切り者の首も手土産に持ち帰りますよ」

ラーヴァナ「……楽しみにしておるぞ」

ヴァーリン「……では」
331 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/11(木) 18:54:48.43 ID:TRt9dX6Wo
フッ

ラーヴァナ「……手土産、か」

スッ

――「使えますかね、シヴァもヴァーリンも」

ラーヴァナ「……アスラか」

アスラ「私にはどうにも、お戯れにしか……」

ラーヴァナ「良いではないか。進軍とはさも華麗に行わなければならぬものよ」

アスラ「……」

ラーヴァナ「想像してみよ、数十万の我が軍勢が火の海を闊歩する姿」

アスラ「……」

ラーヴァナ「身も魂も打ち震えるほど興奮する風景ではないか」

アスラ「しかしヴァーリン、奴は盟友を笠に着るその所業は……」

ラーヴァナ「放っておけ。打倒スグリーヴァなどに囚われた哀れな者だ」

アスラ「……」

ラーヴァナ「あれでスグリーヴァの牽制になるのだ。容易い話よ。フフッ」
332 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/11(木) 18:56:00.06 ID:TRt9dX6Wo
アスラ「それも、そうですね」

ラーヴァナ「アスラ、お前もたまには軍を率いてみるか?」

アスラ「……ご希望とあらば」

ラーヴァナ「フハハッ! 言いよるわ。ならば、第4軍を率いて北上せよ」

アスラ「御意に」

ラーヴァナ「……そして俺が直々に、第1軍を率いて後に続こうぞ」

アスラ「お言葉ですが、それはお控え願いたい」

ラーヴァナ「何?」

アスラ「ラーヴァナ様が直々に出るまでもない、という事です」

ラーヴァナ「……ふむ、貴様は分かっておらぬなぁ」

アスラ「……と、申されますと?」

ラーヴァナ「俺が出陣せねば、優雅か? 悠然か? 華麗か?」

アスラ「お察しします。ですが、万が一の事もあります」

ラーヴァナ「まさかこの俺が、人間如きに討たれるとでも言うのかな?」

アスラ「物事の道理に、100%は存在しない、という事です」
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/11(木) 18:56:58.06 ID:TRt9dX6Wo
今日はちょっと忙しくて投下少ないです。本当にすみません…
それではこれにて失礼致します!ご支援ありがとうございました!ノシ
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/11(木) 18:57:21.37 ID:wVWBGnCDO
いよいよマーマンさんの正体が明らかになるのか

胸熱
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/11(木) 19:09:29.08 ID:EsNmbAkIO
いつも最高だ
つおつお
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)[sage]:2011/08/11(木) 19:26:18.42 ID:IlAGk2Omo
  伝説白虎┬青龍女
  ┌───┴──────┬────────────────────┐
  ↓               │                             .↓
白虎長男┬?女.        │                            白虎三男┬?女
      │           │           伝説玄武                 │
      │           │       ┌───┴───┐              .│
      │           ↓       ↓          .↓              .│
      │        白虎次男┬玄武長女      玄武次女┬?男         │
      │              │                  │            │
      ↓              │    再来朱雀.        │            │
     白虎長            │      ┃.          │            │
                    召喚士←━━┛          .↓            ↓
                                       玄武娘        白虎嬢



補完よろ
そして>>1
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/11(木) 20:04:12.09 ID:OmTbG/9DO
伝説白虎の時点でえってなった
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage aga]:2011/08/11(木) 22:40:26.79 ID:jvqOaMUs0
   白虎弟┬青龍女
  ┌───┴──────┬────────────────────┐
  ↓           │                    .↓
白虎長男┬?女.      │                   白虎三男┬?女
    │        │       伝説玄武       (コート男)│
    │        │    ┌───┴───┐     (内通者).│
    │        ↓    .↓       ↓ .│
    │       白虎次男┬玄武長女    玄武次女┬?男     │
    │     (ユニコーン)│            │       │
    ↓         │   再来朱雀.(師匠) │       │
   白虎長        │    ┃.       │       │
             召喚士←━━┛       .↓       ↓
                         玄武娘     白虎嬢


ちゃんとなればいいけど・・・
ならなかったらスイマセン!
>>1乙!
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/11(木) 23:08:30.74 ID:YiNT/FlAO
剣士━━弓使い━━俺
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]:2011/08/11(木) 23:34:40.14 ID:oLbcOsM3o
>>339
剣士┳俺
 弓使い
に見えた
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/11(木) 23:46:58.32 ID:nppp4V+10
>>339━━オレ
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/11(木) 23:51:31.38 ID:xSx96Xxzo
>>341━━おれさま
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/12(金) 00:52:41.38 ID:rQErFZhAO
  俺
  ┃
>>339-342
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/12(金) 07:40:11.58 ID:tMFiIsuAO
>>1


>>343が全ての祖だったのか
345 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/12(金) 17:47:25.28 ID:6P1/MC0Xo
ラーヴァナ「良い良い、分かった。貴様にも立場というものがあるだろうからな」

アスラ「貴方様をお守りする事こそが私の宿命なのです」

ラーヴァナ「貴様の顔を潰すわけにもいくまい」

アスラ「恐悦至極」

ラーヴァナ「しかし完全に顔を見せぬわけにもいかぬ。我が軍の士気にも関わる」

アスラ「……」

ラーヴァナ「進軍には深入りせず、途中で引き返すとしよう」

アスラ「私の第4軍を中央から進ませます。ラーヴァナ様はその後ろに」

ラーヴァナ「ああ。第1軍を率いて続こうぞ」

アスラ「第2軍おヴァーリンはこのまま東……スグリーヴァの城へ向かわせます」

ラーヴァナ「うむ」

アスラ「第3軍にはシヴァを付け、進路を西へ向かわせましょう」

ラーヴァナ「実に見ごたえがある。素晴らしい、盛大、優雅、尊大よ」

アスラ「それと、念の為ですが、ジャガーノートはここに待機させます」

ラーヴァナ「好きにするが良い。どうせここまでは辿りつけぬよ……フフフッ」
346 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/12(金) 17:48:22.61 ID:6P1/MC0Xo
〜バーテンの店〜

マジシャン「100万の軍勢……ねぇ」

バーテン「本当にいるのか? 到底、信じられんがなぁ」

天才「まぁブラフだろうな。そんなにいんならとっくに動いてんだろ」

魔道士「でも、偵察隊の方々が魔物から聞いたんじゃないんですか?」

バーテン「例えば魔道士ちゃんが魔物に襲われたとする」

魔道士「へっ?」

バーテン「普通なら殺されてもおかしくない場面で見逃してもらった」

天才「しかも偵察やら先遣隊だ。見逃す道理は全くもってねぇ」

召喚士「そうか! 魔王軍は手傷を負わせた上で、わざと吹聴し……」

バーテン「それをこっちに持ち込ませる。こちらの混乱が狙いだろうな」

カチャッ…チリチリン

大軍師「疑心暗鬼の計、と言ったところでしょうか」

天才「ここぞとばかり出てきやがって……。何の用だ?」

大軍師「……ああ、どうぞ。お入り下さい」
347 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/12(金) 17:49:56.08 ID:6P1/MC0Xo
テクテクテク

天才「……!?」

博士「ナイスタイミングなのら。ちょうど電話の設置が完了したのら」

天才「どこまでだ?」

博士「ここと本国、それから三日月島に赤壁に鉱山の町から北の港までなのら」

大軍師「今後は早急に、北方司令部及び、北関まで伸ばすとの事です」

博士「海峡側への開通も数日内に終わるのら。そこからは北関まで伸ばすのら」

天才「よーし、早速電話を持って来いわ」

バーテン「おいっ! なんで俺の店に――」

大軍師「民間施設の電話第一号。これは注目を高めるかもしれませんね」

バーテン「……」

大軍師「しかも本国へ直通可能。仕入れなども楽に済みそうですねぇ…ふふっ」

バーテン「……仕方ねぇな、有事だし昔のよしみだ、協力してやるか」

魔道士「バーテンさん……」

盗賊「……貪欲だな」
348 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/12(金) 17:50:44.30 ID:6P1/MC0Xo
ジジーッ……カチャッ

通信兵『こちら赤壁です!』

大軍師「どうも、大軍師です。どなたか士官に繋いで頂けますか?」

通信兵『はっ! 少々お待ち下さいませ!』

ゴソゴソッ…ツーッ

天才「どした? 何か動きでもあったのか?」

大軍師「……切れてますね」

天才「あぁ!? 誰がだよ?」

大軍師「あ、いえいえ……電話が切れています。もう1度かけましょう」

ジリリッ…ジリリッ

大軍師「はいはい」

南方副司令『すまん、うちのバカが使い方把握してなくてな……』

大軍師「あ、あぁ……そうでしたか」

南方副司令『それで、ラーヴァナの件かな?』

大軍師「はい。今、司令に代わります」
349 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/12(金) 17:51:26.36 ID:6P1/MC0Xo
パシッ

天才「おーう。首尾はどうだ?」

南方副司令『特に動きはありません』

天才「敵は?」

南方副司令『進軍はしておるようですが、主力に動きは見られません』

天才「……南東国とスグリーヴァには?」

南方副司令『既に救援依頼をかけております』

天才「竜騎士隊を既に向かわせた。うまく使ってくれ」

南方副司令『了解です。司令は……』

天才「本国からの増援を率いて、明日には赤壁に入る」

南方副司令『了解です。それまでに下準備は済ませておきます』

天才「頼むぜ。頼りにしてるぞ」

ガチャッ

天才「おーし、そんじゃお次は本国だ」

大軍師「はい」
350 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/12(金) 17:53:15.97 ID:6P1/MC0Xo
〜本国、王宮〜

ジリリッ…ジリリッ…ジリリッ

エリート「……はい」

天才『おーエリ−ト……じゃなかった、右大臣殿』

エリート「構いませんよ。それで、どうなさいました?」

天才『南からの連絡は入ってるか?』

エリート「無論です。既に出陣の準備は整っております」

天才『さっすがだねぇ。すぐに戻る、スタンバっておいてくれ』

エリート「了解です」

カチャン

皇太子「……動くのか?」

エリート「今夜中には動くでしょうね。何度も言いますが陛下は……」

皇太子「分かっている。本国で待機している」

エリート「はい。それでは国軍本部へ行って参ります」

皇太子「うむ、頼んだぞ」
351 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/12(金) 17:53:58.93 ID:6P1/MC0Xo
〜バーテンの店〜

天才「さーて、そろそろ本題に入ろうかね」

占い師「予言……ですか?」

天才「でなきゃ、お前を呼んだりしねーよ」

占い師「ですよね」

スクッ

天才「いいぞ」

占い師「……」

立ち上がり目を瞑る天才へ、占い師は手袋を外した右手を伸ばす。

ピキイイィィィィ…

占い師「…………」

天才「…………」

マジシャン「さーて、吉と出るか凶と出るか」

天才「……オッケー。いいぞ」

占い師「ふーっ」
352 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/12(金) 17:55:48.77 ID:6P1/MC0Xo
召喚士「ど、どう……でした?」

天才「まさかあっちから仕掛けてくるとは思わなかったからなぁ」

戦士「何で急に攻めてきたんだ?」

天才「俺様達が地獄へ足を踏み入れたからだろうな」

魔道士「!?」

天才「そのお陰で、ラーヴァナが過敏に反応しやがったんだ」

大軍師「機会を狙っていたのは確かでしょうしね」

天才「まーな」

盗賊「……それで、どうなのだ?」

天才「結論から言えば問題ない。このままいける」

召喚士「良かった……」

天才「……だが、今回はちと厳しい戦いになりそうだわな」

魔道士「え……っ!?」

天才「展開によっては誰が死んでもおかしくねぇ」

占い師「そうね……。特に……彼らは……」
353 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/12(金) 17:57:12.37 ID:6P1/MC0Xo
〜南東国、東の城〜

弟者「ぶえ〜っくしゅ!!」

錦将軍「こんな時期に風邪か?」

弟者「ぶははっ! 俺が風邪なんぞ引くかよ」

錦将軍「そうだよな、馬鹿だもんな」

弟者「何だとぉ〜!?」

ザッザッザ

兄者「白馬が呼んでいる、宮殿へ行くぞ」

弟者「兄者っ! 了解だ!」

錦将軍「おーいジーサン! 宮殿へ来いってよ〜」

弓将軍「ほっほっほ、今行くわい!」

錦将軍「毎日毎日弓ばっかり……よくも飽きねーもんだわな」

兄者「彼の弓は天下無双。だからこそ鍛錬を怠らぬのだ」

錦将軍「感心しちゃうよ全く」

兄者「ほれ、さっさと行くぞ」
354 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/12(金) 17:58:03.28 ID:6P1/MC0Xo
〜宮殿〜

ザッザッザ

兄者「五虎将軍、揃いました」

三男「ご苦労。では白馬、話を」

白馬騎士「はっ。皆も知っての通り、本国より救援依頼があった」

側近「何でも南より、魔王ラーヴァナが進軍しているとか……」

老文官「大丈夫なんじゃろうな……?」

白馬騎士「私の見解では、華国に火の手はかからないでしょう」

弟者「言い切れんのか?」

白馬騎士「先の戦いで魔王軍は拠点となる火焔山を失っている」

兄者「ここまでの行軍は難しいという事か」

白馬騎士「はい。だからこそ我らは打って出る必要があります」

若文官「しかし、増えたといえど寡兵では流石に……」

白馬騎士「それは承知の上。ですので主数精鋭で向かいます」

錦将軍「ほーう、ま……それがいいかもしれねーな」
355 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/12(金) 17:59:11.63 ID:6P1/MC0Xo
白馬騎士「我ら五虎将と精鋭は赤壁へ進みます」

兄者「うむ。そして残った兵を分かれ道まで進軍させようぞ」

白馬騎士「賛成です。さすれば魔王軍もこちらへは狙いを定めないでしょう」

老将軍「言い方は悪いが、奴らの狙いは本国よ……ほっほ」

弟者「んじゃ手っ取り早く大暴れするには、本国の連中と絡んだ方がいいわけだな!」

兄者「弟者、お前はなぁ……」

錦将軍「いいじゃねーか。そんくらいの気力がねーと……もたんだろ」

弓将軍「そうじゃそうじゃ。なんせ相手は魔王。簡単には済まんじゃろうよ」

兄者「それも……そうだが」

白馬騎士「この戦いはおそらく、我らはおろか本国にとっても厳しい戦いとなるでしょう」

三男「皆の者、くれぐれも命を軽々しく扱うでないぞ?」

弟者「もっちろんであります!! 死ぬ気は更々ありませんよ!!」

錦将軍「ここで大活躍して、女何人もはべらせにゃならんからなぁ……うははっ!」

白馬騎士「それでは各々方、準備に取り掛かって下さい」

一同「おうっ!!」
356 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/12(金) 17:59:59.38 ID:6P1/MC0Xo
ザッザッザッザ

弟者「さーて、新調した甲冑でも身に付けていくかぁ〜!!」

老将軍「久々に……暴れ甲斐があるわい!」

ザッザッザ…

兄者「……白馬」

白馬騎士「はい?」

兄者「今回の戦い、お主はどう見ている?」

白馬騎士「……そうですね、正直なところを言えば……」

兄者「……」

白馬騎士「我らが率先して出張る必要はないと思います」

兄者「……ふむ」

白馬騎士「しかし、だからと言って消極的では意味がありません」

兄者「それは、同盟国へと義理か?」

白馬騎士「……いえ、それは我々人間にとって……未来の為です」

兄者「未来……」
357 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/12(金) 18:10:25.69 ID:6P1/MC0Xo
白馬騎士「数少ない戦力で力になれるのかは分かりません」

兄者「……」

白馬騎士「しかし、一丸となって行動を起こせば、何か出来る筈です」

兄者「……そうだな」

白馬騎士「魔物を10匹葬るだけでもいい。未来に繋がると信じています」

兄者「お主の言う通りよ。ならば見せてやろうではないか、華国の底力を」

白馬騎士「はい。五虎将の実力、今こそ見せてやりましょう」

兄者「はっはっは! 魔物なぞ1万は殲滅したやろうぞ!」

白馬騎士「1……そうですね、やってやりましょう!」

兄者「うむ! よぅし、某も身支度を整えてこようか」

白馬騎士「あの、兄者殿」

兄者「ん?」

白馬騎士「……決して、死んだりなさらぬように」

兄者「……分かっておる。お主もな、丞相殿」

白馬騎士「……」
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/12(金) 18:13:20.17 ID:6P1/MC0Xo
ひとまずここまでにて!今日もご支援ありがとうでした!
そして>>320>>336>>338様方!ありがとうございます!
分かりやすく細かな相関図、大変助かりますです!

本日より夏休みの為、頻度少し落ちます…申し訳ない…
それでは失礼致します!ではでは!ノシ
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/12(金) 18:42:17.01 ID:aVbB90DKo
乙しっかり休んでくれ
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県)[sage]:2011/08/12(金) 19:22:11.22 ID:VP5kSY540
明日から盆の地域なのか
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/12(金) 19:46:40.95 ID:g5P5sfTd0
1乙

夏休み楽しんでな〜
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/13(土) 01:25:06.93 ID:oyX4lZXAO
>>1おつ

>>1は九州あたりか?東北は夏休み短いし
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/13(土) 04:32:25.62 ID:wODdLQSDO
>>1

>>1がどこかは地震の時に既出
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/08/13(土) 04:42:57.99 ID:3CeF3gUF0
いちおつ
夏休みあけ楽しみにしてる
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/13(土) 04:48:51.54 ID:GXLGr13DO
>>362
社会人は君達と違って今日からお盆休みなのが一般的なんだよ。
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/13(土) 10:15:16.03 ID:I7SJWHcDO
>>1乙!相変わらずのクオリティ


>>365
何に怒ってるか分からないが、むやみに喧嘩の火種を作るべきではないよ
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/13(土) 10:41:26.87 ID:mo3yw9Bao
はいはい毎日がエブリデイね
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/13(土) 11:54:09.91 ID:8CEjWv0AO
お、おう
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/13(土) 17:18:35.99 ID:zCV+A6+DO
そ、そだね
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2011/08/13(土) 17:39:52.47 ID:cU5zwOOy0
二年位前に読んで、引っ越し何だかんだで途中から読めなかったけど、まだ続いてたんだね。
最後まで>>1頑張れ
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/14(日) 00:01:47.85 ID:oti8VATDO
剣士ファミリー出陣か?
期待しているんだけど
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/14(日) 14:39:06.66 ID:L7PMVHpDO
剣士達には平穏に暮らしてほしいな
お父がいる限りそうも行かないんだろうが
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)2011/08/15(月) 06:42:40.10 ID:bSte6/2q0
兄弟対決…
今までの因縁の精算期待してます。
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/08/16(火) 16:09:15.21 ID:RdgHO/Lg0
久しぶりに1から読み直すと新鮮だな
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/08/16(火) 17:59:36.03 ID:uiFV+JbW0
>>373-374
お前ら頼むからsageてくれ
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/16(火) 19:35:36.97 ID:nvvZSOgAO
ニコ厨だから仕方ない
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/16(火) 19:38:21.47 ID:TDXgmf2oo
あっちのほうで何を根拠にニコ厨って判断したのか教えてもらいたいものですな
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/16(火) 20:06:26.99 ID:S5+RrT1/o
もちつけ
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/16(火) 21:26:29.64 ID:6ggtvaiLo
頼むから勝手な自治や根拠の無いレッテル貼りで荒れる原因を作るのはやめてくれ
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2011/08/16(火) 21:46:54.28 ID:J5eqHCvw0
召喚士も魔翌力枯渇時に寿命使ってでも魔翌力生成できるようになると良いな。
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/16(火) 22:00:36.58 ID:TuKZnswDO
パパコーンがそれを許さないと俺は信じてる
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/16(火) 23:31:41.27 ID:YN6IySEIO
魔導士ちゃんのチッスで魔翌力回復すれば問題ない
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/16(火) 23:32:19.71 ID:YN6IySEIO
魔導士ちゃんのチッスで魔翌力回復すれば問題ない
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/17(水) 00:41:08.83 ID:GWL33FMAO
キスするたび召喚士は若さを維持できて魔道士は順調に老けていくという
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/17(水) 08:21:30.46 ID:N+sCWqRAO
>>1

盆も終わり、再び苦痛の日々が始まるけど、これを読んで毎日頑張るよ!
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/17(水) 11:28:22.26 ID:nHfrTn64o
>>384
おい、魔導士ちゃん(72)が現実になるからやめろ
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/17(水) 19:04:56.66 ID:N+sCWqRAO
魔導師ちゃん(68)懐かしいな…彼はまだ生きているのだろうか
388 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/17(水) 20:01:10.04 ID:PmQwxf4vo
〜バーテンの店〜

魔道士「……そんな」

戦士「何とか……ならねーのかよ」

天才「さっきも言ったろうが。展開によってのケースバイケースだ」

盗賊「……つまり、趨勢次第では……助かる道も」

天才「まぁ、そうかもな」

召喚士「……?」

天才「さぁ、本国で右大臣様が準備してくれてる。そろそろ行くぞ」

戦士「おっしゃ!」

魔道士「あの……マジシャンさんは……?」

マジシャン「……」

天才「もちろん……行くよな?」

マジシャン「……役には立たねーぞ?」

天才「戦力だなんぞ思ってねぇよ。リハビリ代わりだ」

マジシャン「言ってくれるねぇ……ハッハ!」
389 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/17(水) 20:01:40.04 ID:PmQwxf4vo


大軍師「それでは、このまま本国へと向かいます」

大軍師「マジシャン殿、占い師殿はこちらの馬車へ」

マジシャン「おう」

テクテクテク

占い師「……ねぇ」

天才「あん?」

占い師「……いいの?」

天才「ん、ああ。……お前に頼みがあるんだが」

バーテン「……俺、か?」

天才「ああ。今回の戦いでお前の力を借りたい」

バーテン「……あ? 俺の?」

天才「いくら、とうの昔に退役したっつっても、テメーの腕前……ありゃ才能だ」

バーテン「買いかぶりすぎだっつーの」

天才「左翼長のタコが射れない今、オメーしかいねーんだよ」
390 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/17(水) 20:02:12.09 ID:PmQwxf4vo
バーテン「……あ? 優秀な射手ならそこらじゅうに……」

天才「数の問題だよ。でなきゃ頭下げてねぇ」

バーテン「……」

天才「とにかくだ、3日以内に南へ来い。徴兵かけてでも来て貰うからな」

バーテン「……何が見えたんだよ」

天才「来れば分かる。来なけりゃ世界は滅亡して終わりだ」

ザッザッザ

バーテン「頭下げてねーじゃねぇか……」

去りゆく天才を見つめ、バーテンはポケットからタバコを取り出し、煙をくゆらせた。

占い師「ちゃんと言わなくて良かったの?」

天才「アイツだって元は軍人だ、そんぐらい分かってんだろ」

占い師「……」

天才「それに、時として全て語る必要がない場合だってある」

占い師「そうね……」

天才「ほれ行くぞ、戦いはもう始まってるんだ」
391 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/17(水) 20:02:52.94 ID:PmQwxf4vo
〜赤壁〜

南方副司令「敵の動きは!? 数もだ!!」

南方兵「南東国からの増援はどうだぁ!?」

西方兵「まだだ! 伝令、三日月島への救援要請を頼む!」

南方魔道長「……慌しくなってきたな」

南方参謀「情報が乏しいからねぇ……。ま、仕方ないわよ」

南方魔道長「前回の魔王討伐で、かなりの魔道兵を失った……」

南方参謀「……」

南方魔道長「今回はどうするつもりだ?」

南方参謀「さぁね。それを決めるのは司令や大軍師の仕事でしょ」

南方魔道長「……」

南方参謀「私達は私達のやり方で、南方を守ればいいのよ」

南方魔道長「……ま、そうだな」

南方兵「何ぃーっ!? ま、魔物なのか!?」

南方参謀「どうしたのっ!?」
392 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/17(水) 20:03:34.43 ID:PmQwxf4vo


タッタッタッタッタ…バッ!!

南方兵「あそこです!! 北の空……っ!!」

南方魔道長「何だぁ!? いや待てよ……あれは……」

南方参謀「召喚獣!? 青龍召喚隊じゃない……?」

ガチャッ…ザッ

南方司令「何事か?」

南方参謀「北からの竜騎士隊が到着したみたいよ」

南方副司令「何!? もう着いたのか! 早い!」

南方魔道長「これで……勝てりゃいいけどな」

バシュウウゥゥゥゥ…スタッ

南方参謀「ご苦労様。早かったわね」

青龍士官「大事ですからね。それに、我ら竜騎士隊にとっては造作もない事です」

南方副司令「頼もしい限りだ。それじゃ早速、司令室へ行こうか」

青龍士官「はい」
393 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/17(水) 20:04:05.42 ID:PmQwxf4vo
〜司令室〜

コンコン…カチャッ

南方参謀「司令、竜騎士隊が到着したわよ」

南方司令「おぉ、早かったな!」

西方参謀「連絡受けてから半日も経ってねぇぞ? ヒック」

青龍士官「それで、戦況は?」

南方弓長「動きはないわ。相手はゆっくりと進軍しているみたい」

西方参謀「丁度いい。作戦の大まかな流れを決めたかったとこだ……ヒック」

南方参謀「どうするの?」

南方弓長「私達の結論としては、赤壁で迎え撃つには危険じゃないかって……」

南方司令「篭城するには数が多すぎる挙句、ここからの退路がない」

南方副司令「同感だな。だがしかし、どうするというのだ?」

西方参謀「前線を押し上げるっきゃねぇわな」

南方魔道長「……つまり?」

南方司令「……南の町を使う」
394 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/17(水) 20:05:46.58 ID:PmQwxf4vo
〜南の町〜

ヒュウウゥゥゥゥ…

ボス「……」

ザッザッザッザ

チンピラ「な、なぁ……そろそろ赤壁に戻らないか?」

ゴロツキ「あぁ。町人はもう全員避難しただろうし……」

チンピラ「なぁボス、このままじゃ俺達……魔物と遭遇しちまう……」

ボス「俺らはよぉ、物心ついた頃から親の顔も知らねぇ悪ガキでよ……」

ゴロツキ「!?」

ボス「戦災孤児だか捨てられたか……んな事ぁどうでもいい。だけどよ……」

チンピラ「……ボ、ボス」

ボス「そんな拠り所を持たねぇ俺達を育ててくれたのが……この町じゃねぇのか?」

ザッ

ボス「そんなこの町を俺はよぉ、見捨てるなんて事ぁ……出来ねぇんだよ!」
395 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/17(水) 20:06:38.42 ID:PmQwxf4vo
〜赤壁〜

南方魔道長「つまり、南の町で迎撃し、魔王軍の戦力を削ぐって事か?」

西方参謀「ちょいと地図を見てくれ。奴らは遥か南からこっちへ向かってる」

南方弓長「そこで最初にぶつかるのはここ、南の町」

トントン

南方司令「ここで敵を迎え撃てば、奴らの進軍を東西に分断出来る」

西方参謀「そうすりゃ、東側は南東国の援軍、西側は南方司令部の増援」

南方参謀「その2つで当たる事が出来る……か」

南方副司令「だけどな、そんなもの……死にに行くも同然だぞ?」

西方参謀「だろうなぁ。分断ならいざ知らず、包囲されたら打つ手なしだ」

南方魔道長「自ずから死地に足を運ぶなんざ、誰も行かんだろ」

南方司令「居るではないか、ここに」

南方魔道長「……あ?」

南方司令「これは無謀ではない、勇敢なる戦いだ。我ら正義の南方戦隊のな!」

南方副司令「戦隊かどうかは置いといて、やっぱ俺らが行くしかないか」
396 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/17(水) 20:07:32.20 ID:PmQwxf4vo


南方参謀「さーて、それじゃまずは敵戦力の把握ね」

南方弓長「どうやって?」

西方参謀「その為のコイツら何じゃないのかい? うぃ……ヒック」

南方司令「頼まれてくれるか?」

青龍士官「無論です。竜騎士隊、早速出るぞ!」

青龍兵「各員っ! 出撃翌用意!!」

南方参謀「いい? 交戦は絶対に控えてよ……?」

青龍士官「分かっております。そんな度胸はもうありませんよ」

南方副司令「それじゃ任せたぞ。同時に俺らも南の町で待つとしようか」

南方魔道長「出撃するぞ。偵察隊と先に出しておけ」

南方弓長「衛生兵と伝令も準備して。それから輸送隊もね」

西方参謀「兵はどの程度連れてくんだ?」

南方参謀「有志……かしらね」

西方参謀「がはははっ! 有志かよ、そりゃあいい!」
397 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/17(水) 20:08:04.70 ID:PmQwxf4vo


西方参謀「……」

偵察隊「それでは先行して出発致します」

南方弓長「くれぐれも気を付けてね。私達も続きましょ」

南方司令「それでは、赤壁の指揮は任せたぞ」

西方参謀「い、いや……任せたって言われてもだな」

南方魔道長「西方司令もいるし大丈夫だろ。役立つか知らねーが」

南方副司令「そうそう。それに司令らも向かっているだろうしな」

西方参謀「俺が言いたいのはそっちの話だよ!」

南方司令「ん?」

西方参謀「有志って……50人もいねーじゃんかよ!」

南方司令「あぁ、それなら安心しろ。本当の力が出せる」

西方参謀「……は?」

南方司令「大きな悪へ立ち向かう時こそ、正義の南方戦隊は本領発揮を――」

西方参謀「……アホだ」
398 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/17(水) 20:08:45.29 ID:PmQwxf4vo
南の町を更に南下した先、人間が立ち入る事など皆無であるこの地。

その上空を、真一文字で青龍召喚獣が隊列を連ねている。

バシュウウゥゥゥゥ

青龍士官(……もう間もなく、魔王軍の領土に差し掛かるか)

まず最初に気が付いたのは、先頭を疾走している1人の青龍兵であった。

青龍兵「……っ!?」

青龍士官「なんだこの音は? 地響き……?」

薄暗くなる夜の闇の奥。遠めには地面が波打つように蠢いている。

青龍士官「な……なんだ!?」

ゴゴゴゴゴゴ

青龍兵「――っ!!」

竜騎士兵「ま……まさかっ! まさかこんな……っ!!」

耳では伝わっていても、その光景を目の当たりにした彼らは驚愕と共に、

改めて魔王軍、さおして魔王の恐ろしさを痛感し、絶望を覚えた。

闇夜に光る数十万の瞳が光る大群は、整然と、そして悠々と北上を続ける。
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/17(水) 21:01:19.06 ID:zR6FrovDO
1乙!
復活したマジシャンがどう活躍するのか楽しみだ
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/17(水) 22:10:33.12 ID:wRiy0f+DO
>>1お盆明け乙
バーテン……
そして青龍士官の見た光景…絶望感満載だな……
南方戦隊マジ頑張れ!!
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/17(水) 22:51:50.45 ID:mQ0hY7pOo
>>1
もう更新きたのか!はやい!
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/17(水) 23:02:44.50 ID:mwNTAnuDO
>>1乙っす
今回は被害が大きくなりそうだな
403 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/17(水) 23:43:36.86 ID:PmQwxf4vo


ザッザッザッザッザ

アスラ「……ん、あれは召喚獣か?」

ラクシャーサ「すっ、すぐに始末致します!」

ラーヴァナ「構わんよ」

ラクシャーサ「は……っ?」

ラーヴァナ「どうせ偵察だろう。放っておいて構わん、と申したのだ」

ラクシャーサ「し……しかし……っ」

アスラ「死にたいか?」

ラクシャーサ「……ッ!?」

アスラ「ラーヴァナ様が良い、と申しているのだ。貴様は逆らうのかな?」

ラクシャーサ「しっ、失礼致しましたぁ!!」

ラーヴァナ「まぁそうカリカリするな。折角の行軍が台無しになるではないか」

アスラ「各自、隊列は崩すなよ。小物など相手にする必要はない」

ラーヴァナ「そうだ。あくまで優雅に堂々と、だ」
404 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/17(水) 23:44:06.36 ID:PmQwxf4vo


バシュウウゥゥゥゥ

青龍士官「……っ」

青龍兵「ひ、ひとまず南の町へ向かいましょう。先陣もいずれ到着するでしょうし」

青龍士官「だな。無人のうちに地形の把握と使えそうな物を選定しておこう」

ゴウッ…ドシュウウゥゥゥゥ

青龍兵「間もなく南の町……んっ!?」

竜騎士兵「今……何かいなかったか?」

青龍士官「降りるぞ。召喚は解除するなよ。敵に備えておけ」

オオォォォォ…スタッ

青龍兵「……人間?」

ボス「……?」

青龍士官「貴様等、ここで何をしている」

チンピラ「な、何って……魔王軍を待ち受けて……」

青龍士官「今すぐ退避しろ。邪魔だ」
405 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/17(水) 23:45:09.32 ID:PmQwxf4vo
ボス「……あ?」

青龍士官「これから南の町は戦場と化す。ここに居ては危険だと言ったのだ」

ボス「じゃあ丁度いい。そのつもりでここにいるんだからな」

青龍士官「お前ら、国軍の者か?」

ボス「……だったら何だよ」

ザッザッザ…ガシィ!!

青龍士官「今がどんな時だか分かっているのか!」

ボス「……離せ」

青龍士官「何?」

ボス「俺はこの町で生まれ育った。そして国軍に入って南方を守り続けてきた」

グイッ

ボス「だからここにいんだろうが! 俺がこの町守らねぇで誰がやるんだよ! あぁ!?」

竜騎士隊「おい、この方が青龍先生だと知っての事か? 今すぐその手を……」

青龍士官「……構わん。分かった、ならば付いて来い。手を貸して貰おうか」

ボス「……」
406 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/17(水) 23:45:43.36 ID:PmQwxf4vo


青龍士官「俺達はたった今、魔王軍の様子を見てきたところだ」

ボス「……」

ゴロツキ「やっぱり……大軍なのか?」

青龍兵「ハッキリ言う。敵の数は数十万は間違いない」

チンピラ「――っ!!」

青龍士官「正直言うが、綿密な作戦なくして勝利はまず不可能に近い」

ボス「……」

青龍士官「間もなく南方軍が合流する。地の利はアンタらが分かってるはずだ」

ボス「当たり前だ」

青龍士官「俺達、竜騎士隊は上空より出来る限りの援護をする」

ボス「んで、俺らが地上で敵を分断すりゃあいいんだろ?」

青龍士官「……そういう事だ」

ボス「……見せてやろうじゃねぇか。チンケな人間の意地ってモンをよぉ」

青龍士官「ああ。見せてやろう、召喚士の……国軍の、そして人間の力を」
407 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/17(水) 23:46:22.99 ID:PmQwxf4vo
〜本国〜

召喚士「それでは、お気を付けて」

魔道士「私達も明日にはすぐに行きますから!」

大軍師「ええ、お待ちしていますよ」

天才「……お、来やがったな」

パッカパッカパッカパッカ

エリート「……ご苦労。いつでも出陣可能だぞ」

天才「おーう。今すぐ行くぞー」

エリート「もう……か?」

天才「いつでも行けるっつったろーがよ」

エリート「んむ、まぁ……な。おい、全軍出陣準備だ」

本国兵「ははっ! 各員、出陣するぞ! 目標は南方……赤壁!」

テクテクテクテク

占い師「お待たせ〜。さぁ、行きましょうか」

マジシャン「それじゃあ死地へ向かうとしようかねぇ……ハッハ!」
408 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/17(水) 23:47:33.91 ID:PmQwxf4vo
戦士「アンタらも先に行くのか?」

マジシャン「残ってても特にやる事ねーしな。お前らはゆっくりしとけよ」

盗賊「……」

大軍師「本部と本国の兵でどの程度です?」

青年兵「先発隊がおよそ1万。総動員でも2万といったところです」

天才「分かっちゃいるが……明らかに劣勢だわな」

戦士「それを覆すのがアンタらの仕事じゃねーのかよ」

天才「ハーッハッハッハ! そりゃそうだわな!」

大軍師「本国での情報はどうなっていますか?」

エリート「余計な混乱を招かぬよう、報道規制は敷いていないが露出は控えている」

大軍師「成程、それが宜しいでしょうね」

天才「おっしゃ、それじゃあ出発すんぞ!」

エリート「全軍、出陣!」

マジシャン「そんじゃ、先に行って待ってるぜ」

召喚士「はい。また……明日!」
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/17(水) 23:49:49.48 ID:PmQwxf4vo
お盆期間中は随分とさぼってしまいました…ごめんなさい!
明日からまた頑張りますので、ご支援宜しくお願い致します!

暑い日々が続きますが御身体など壊さぬようお気を付けて!
それでは失礼致します!おやすみなさい!ノシ
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/17(水) 23:58:36.62 ID:KU4UVzEDO
1乙だよー
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/18(木) 00:21:38.36 ID:1zQMjMoAO
盗賊ちゃんと魔導士ちゃんはもういらない
ボクは南方参謀ちゃん!
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/08/18(木) 02:19:15.23 ID:6/4P2N1AO
>>1
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/08/18(木) 05:40:50.40 ID:JbT4keRq0
いちおつ
待ってたよ、更新あり!
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/18(木) 06:51:16.69 ID:3tB+rgh00
1乙
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/18(木) 08:20:42.03 ID:PAJP/XGAO
>>1

最近の主人公は天才だな
カマセ臭を醸してた頃が懐かしい
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県)[sage]:2011/08/18(木) 10:19:24.43 ID:tg6Pqa370
そういえばスレタイのキャラはどこで出てくるんだろうな
主人公は戦士や天才がやってるし
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/18(木) 12:25:58.57 ID:CxKQPkHIO
一乙!
まってました。


ボスの恋が実りますように
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/08/18(木) 12:59:35.13 ID:92VS9IOlo
1から追いついた
だいぶ伏線回収したな
かなり急ぎで読んだがまだ魔道士と天才の関係って出てないっけ
天才の妹が魔道士の本当の母親とか見た気もするが
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/18(木) 17:50:31.97 ID:Wg3XJmNDO
>>1
待ってたぜ

>>418
もう一回読んでこい
420 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 17:54:42.30 ID:oWvJAaLEo
ドドドドオオォォォォ…

戦士「よし、俺らも明日に備えてホテルに戻るか」

召喚士「そうだね」

盗賊「……ん? あれは……っ」

テクテクテク

サモナー「やぁ、やっぱり召喚士君達だったか」

魔道士「サモナーさん!」

召喚士「西に戻ったんじゃなかったんですね」

サモナー「大きな戦いが始まってる。やると決めた以上、もう戻るつもりはないよ」

召喚士「……なるほど」

サモナー「それより召喚士君、何か……あったかい?」

召喚士「えっ!?」

サモナー「いや、以前より少し……晴れた顔をしているから」

召喚士「……ええ、まぁ」

サモナー「もしかして召喚術の事かな?」
421 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 17:55:31.24 ID:oWvJAaLEo


サモナー「済まないね。立ち話のような形になってしまって」

召喚士「いえいえ。流石に街中へマーメイドさんは連れて行けませんよ」

マーメイド「私の事なら気にしなくていいのに……」

召喚士「……いや、流石にその……何でもないです」

サモナー「それで、詳しく聞いてしまっても大丈夫かな?」

召喚士「あ、ええ……」

街外れにある池のほとりに腰掛け、召喚士は話を始める。

内容は勿論の事、先日起きた出来事の一部始終である。

召喚士「……と、言うわけなんです」

サモナー「…………」

魔道士「私も……ビックリしました」

サモナー「だろうね。にわかにはとても信じ難い話だね」

召喚士「ええ……」

サモナー「でもまぁ、今なら信じるしかないよね」
422 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 17:56:17.11 ID:oWvJAaLEo


サモナー「つまり召喚士君には、予め複数の属性による血を持っていたわけだ」

召喚士「ええ、そういう事のようです」

サモナー「おそらくその発想は古よりあったはずだよね」

召喚士「ですね。でなくば父達も研究にはこぎ付かなかったはずです」

サモナー「うん、そうだね。しかし先人らは到達出来なかった」

召喚士「はい。やはり普通は有り得ない事なんです」

サモナー「それを召喚士君は、奇跡的に為し得たわけだ」

召喚士「ええ。予め白虎召喚獣を所有しながら、別の精霊召喚獣を得たんです」

サモナー「そこで不自然が生じたわけだ。結果、それによって道は拓けた」

召喚士「はい。1つの属性のみではなく、全ての道が拓けたんです」

サモナー「そしてそれは君の父である白虎次男さんが成し遂げた……」

召喚士「人間が召喚獣になる……という事です」

サモナー「やはり間違っていなかった。人も召喚獣も……命は繋がっているんだ」

召喚士「……はい。サモナーさんの言う通りでした」
423 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 17:57:14.09 ID:oWvJAaLEo
テクテクテクテク

戦士「飲み物持って来たぞー」

盗賊「……ついでに夜食も。もぐもぐ」

魔道士「ありがとうございますっ、えへへ!」

召喚士「サモナーさんもどうぞ」

サモナー「あ、うん。ありがとう」

戦士「そんで、話はまとまったのか?」

サモナー「うん。やっぱり研究は間違いではなかったんだ」

召喚士「ただ、それはあくまでも禁呪です」

サモナー「……確かに、そうだね」

召喚士「父は死の寸前、止む無く召喚獣となりました」

盗賊「……」

召喚士「それも良いとは思いませんが……」

サモナー「普通の人間が召喚獣になるなんて、それは人の業……かな?」

召喚士「だから俺は、止めなくちゃいけないんです」
424 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:00:17.73 ID:oWvJAaLEo
サモナー「止める?」

召喚士「父の残した資料を、手にした人間がいます」

サモナー「それってまさか……」

魔道士「……神官さんっ!?」

召喚士「ええ。神官さんはそれを元に何かしようとしています」

盗賊「……確か彼は……召喚獣の研究を」

召喚士「……はい。古の召喚獣……アヌビスの研究です」

戦士「おいおい……っ、まさかアヌビスの研究にそれが……」

サモナー「そうか……っ! そういう事だったのか……!」

魔道士「……?」

サモナー「アヌビス。それは、己の命を犠牲にして召喚獣となる事……だね?」

召喚士「俺も全く同じ予想です。神官さんは研究の末、それを突き止めた」

戦士「それで女侍達に依頼をして、その資料を探させたのか!」

魔道士「それってまずいじゃないですか!」

召喚士「……神官さんは自分の命を犠牲にするつもりです。絶対に止めなくては」
425 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:01:21.59 ID:oWvJAaLEo
盗賊「……何て事を……っ」

サモナー「……分かった。その役目、僕が引き受けよう」

召喚士「……」

サモナー「彼は今、何処に? 西国かな?」

召喚士「神官さんは三日月島にいます」

サモナー「三日月島……か。よし、明日にでも訪ねてみよう」

召喚士「いいんですか?」

サモナー「うん。こういった事でした力になれないからね」

召喚士「……じゃあ、お願いしてもいいですか?」

サモナー「任せてくれ。何かあったらワークショップ経由で連絡するよ」

召喚士「ありがとうございます。それじゃ、お願いしますね」

サモナー「ああ。おっと、時間を取らせてしまったね。そろそろ……」

魔道士「あっ、そうですね。私達も戻りましょうか」

召喚士「……ええ」

サモナー「それじゃ、みんなも頑張って……いや、生きてまた会おう」
426 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:02:18.52 ID:oWvJAaLEo


サモナー「……」

マーメイド「次は、三日月島って所へ行くの?」

サモナー「あ、うん。本国からはそう遠くないはずだよ」

マーメイド「……」

サモナー「な、何?」

マーメイド「サモナー。貴方……何か考え事してない?」

サモナー「うーん。まぁ何ていうか……召喚術の研究も色々と――」

マーメイド「嘘」

サモナー「……」

マーメイド「……絶対に、勝手な真似はしないでね」

サモナー「マーメイド……」

マーメイド「貴方には貴方の、ちゃんとして人生があるんだから」

サモナー「……ああ、分かっているよ。マーメイド」

マーメイド「……」
427 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:03:21.34 ID:oWvJAaLEo


ザッザッザ

戦士「大丈夫かね、サモナーさん」

魔道士「何がですか?」

戦士「いや……なんか企んでるんじゃねーかと思ってよ」

召喚士「……」

盗賊「……あ奴には生き甲斐がある。下手な真似はせんだろうさ」

召喚士「……」

戦士「余計な心配だわな。それよりも俺らは俺らの心配をせんとな」

魔道士「召喚士さん、魔力はどうですか?」

召喚士「えっ、ああ……微々たるものですけど、少しずつ戻ってますよ」

魔道士「良かったぁ……っ!」

戦士「そんじゃ今日はゆっくり寝て、朝一で南方へ向かうぞー!」

魔道士「おーっ!」

盗賊「おー」
428 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:05:03.27 ID:oWvJAaLEo
〜ホテルの部屋〜

召喚士「……ふーっ。サッパリした。戦士〜」

戦士「ぐごーっ」

召喚士「もう寝てる……。珍しいなぁ」

テクテクテク

召喚士「ふー」

召喚士はベッドへ腰を落とし、窓から夜空を眺め、物思いに耽る。

本当に三日月島へ、サモナーを行かせて良かったのかどうか。

おそらくサモナーは白虎次男の残した研究資料を欲している。

確信はないが、召喚士はそう思えて仕方がなかった。

それは何故か。答えは至極簡単。召喚獣になる事が出来るからだ。

サモナーが召喚獣になる事を望んでいるか否か。明白であった。

全てはマーメイドの為。人間として残り僅かとなった命を天秤にかければ、

その選択肢は選択するにも及ばないのかもしれない。しかし止める権利はない。

召喚士はサモナー自身の意思にそれを委ねた。彼が自身で答えを出す為に。
429 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:06:06.95 ID:oWvJAaLEo
〜東の町〜

青龍兵「……来ませんね」

青龍士官「敵だとすら認識していないのだろう。魔王様はな」

チンピラ「ボ、ボス……本当に大丈夫なのかよぉ!?」

ボス「どこにいたって死ぬ時は死ぬんだ。ゴチャゴチャぬかしてんじゃねぇ」

竜騎士隊「お、おい……あれは!?」

ゴロツキ「ひ、ひいぃ! 敵襲……!?」

ボス「いや……あれは……」

ドドッドドッドドッドドッ

南方参謀「ふははははっ! この世に悪が栄える限りぃ! 我ら南方――」

南方副司令「首尾はどうだぁ!?」

チンピラ「おぉ!! え、援軍だぁ!!」

ゴロツキ「……にしちゃあ、数が少なすぎやしないか……?」

青龍士官「ご苦労様です」

南方司令「うむ。敵の動きはどうだった?」
430 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:06:45.09 ID:oWvJAaLEo
青龍士官「軍事演習のように、乱れもなく行軍していますよ」

青龍兵「とんでもない数です。まるで地面が押し寄せてくるかのような……」

南方魔道長「……やれやれ」

南方参謀「住人は残ってない? 大丈夫!?」


ボス「ああ、それは何度も確認した。俺ら以外にゃ鼠の1匹もいやしねぇ」

南方弓長「全く……アンタらは勝手に……」


ボス「姉御……すまねぇ。だがよ、ここは俺の故郷なんだ」

南方弓長「分かってるわよ。魔物の1匹も立ち入らせないわよっ」

ボス「お、おぅ」

南方司令「もうしばらくすれば、司令らが赤壁へ入るはずだ」

南方参謀「それまでにまずは敵の戦力を分散する事! いいわね!」

南方副司令「総当りすれば推し負ける事は必死だ。何としても分断するぞ!」

チンピラ「お、おうっ!」
南方参謀「偵察隊と竜騎士隊は出て頂戴! 逐一魔王軍の動きを知らせて!」
青龍兵「了解!」
431 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:08:34.01 ID:oWvJAaLEo
青龍士官「軍事演習のように、乱れもなく行軍していますよ」

青龍兵「とんでもない数です。まるで地面が押し寄せてくるかのような……」

南方魔道長「……やれやれ」

南方参謀「住人は残ってない? 大丈夫!?」

ボス「ああ、それは何度も確認した。俺ら以外にゃ鼠の1匹もいやしねぇ」

南方弓長「全く……アンタらは勝手に……」

ボス「姉御……すまねぇ。だがよ、ここは俺の故郷なんだ」

南方弓長「分かってるわよ。魔物の1匹も立ち入らせないわよっ」

ボス「お、おぅ」

南方司令「もうしばらくすれば、司令らが赤壁へ入るはずだ」

南方参謀「それまでにまずは敵の戦力を分散する事! いいわね!」

南方副司令「総当りすれば推し負ける事は必死だ。何としても分断するぞ!」

チンピラ「お、おうっ!」

南方参謀「偵察隊と竜騎士隊は出て頂戴! 逐一魔王軍の動きを知らせて!」

青龍兵「了解!」
432 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:09:41.47 ID:oWvJAaLEo
南方参謀「青龍士官……あ、いや青龍先生!」

青龍士官「構いませんよ、何です?」

南方参謀「竜騎士隊の1人を赤壁に送って頂戴」

青龍士官「伝令ですね。既に出しています」

南方参謀「出来る男は好きよん♪」

青龍士官「……遠慮しておきます」

南方参謀「それともう1人を……東へ飛ばして頂戴っ」

青龍士官「東……ですか?」

南方参謀「そろそろ南東国からの援軍が来ているはずよ。ここへ向かわせて!」

青龍士官「成程、了解です。おい誰か、伝令の役目を買って出てくれ」

竜騎士兵「了解であります! ワイバーン、出るぞ!」

バシュウウゥゥゥゥ!!

南方魔道長「さぁ、残った面子は地獄のショータイムだ」

南方副司令「1人目標は何匹だ? 100匹か? 1000匹か?」

南方司令「敵が100万なら……ざっと1万匹だな。さぁやろうじゃないか!」
433 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:10:52.27 ID:oWvJAaLEo
〜赤壁〜

ドドッドドッドドッ

赤壁兵「本国からの援軍が到着ーっ!!」

西方司令「ひええぇぇ! もうダメだあぁーっ!」

西方参謀「何がだよっ! おら、門を開けろ! 開門開門!」

ギギイイィィィィ…ゴウウゥゥン

西方参謀「ご苦労さんですわ……ヒック」

天才「……あん? お前らだけか?」

西方参謀「こっちの台詞ですわ。援軍にゃ1万は居るって聞いたが……」

天才「本隊は南方司令部経由だよ。んで、状況は?」

西方参謀「絶望的っすわ。おーい、偵察の結果を」

タッタッタ

青龍兵「先程遥か南まで偵察に出ました」

大軍師「どうです?」

青龍兵「魔王軍は隊列を整え、大群で押し寄せております!」
434 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:11:47.36 ID:oWvJAaLEo
青年兵「……数は?」]

青龍兵「わ、分かりません。おそらく30万……いや、50万かも……」

西方参謀「まぁそんなわけですわ。そんでどうします……ヒック」

大軍師「南方軍の動きは?」

西方参謀「あいあい。おーい地図持ってきてくれ」

カツカツカツ…バサァ

西方参謀「数時間前に南方司令らがここの、東の町へ出兵しましたわ」

天才「兵力は?」

西方参謀「竜騎士隊交えてざっと100ってとこですわ……ヒック」

青年兵「無謀すぎる……っ」

大軍師「確かに、幾ら超人の集まりと言えど、些か厳しいですね」

天才「……んで?」

西方参謀「第一波を東の町で食い止めて、敵を左右に分断する寸法ですわ」

大軍師「上策ですね。これで東西からの援軍にて挟撃出来ます」

青年兵「しかし……仮に50万とすれば25万ずつですよ……?」
435 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:12:53.77 ID:oWvJAaLEo
天才「そんなにはいねーよ。せいぜい20万が関の山だ」

西方司令「ほほほっ、本当ですか!?」

大軍師「100万も軍勢がいれば、とっくに南は落ちていますよ」

西方参謀「……それもそうだわなぁ……ヒック」

天才「まーだからと言って、割っても10万の魔物。こりゃ骨が折れるわな」

西方参謀「何か切り札はねーんすか? ゾディアックみてーな……」

天才「ない」

西方参謀「……がはは! そいつは絶望的だ……ヒック!」

天才「おい」

大軍師「はい?」

天才「テメーの事だから、仕込んであるんだろ?」

大軍師「……まぁ、どの程度の効果があるかは分かりませんが」

青年兵「何かあるんですか?」

大軍師「あまり使いたくはないんですが、そうも言っていられないかもしれません」

青年兵「……」
436 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:13:44.14 ID:oWvJAaLEo
〜南方司令部〜

パッカパッカパッカ

南方兵「ご苦労様でございます!」

エリート「騎士団長殿は?」

南方兵「騎士団長様! 右大臣様がお見えになられました!」

ザッザッザ…ガ゙チャガチャ

騎士団長「おぉ、これはこれは。遥々の援軍、感謝致します」

エリート「いえ。こちらの首尾はどうです?」

騎士団長「合図があればいつでも」

エリート「そうですか。えぇと、電話はありましたよね?」

南方兵「あ、はい! こちらでございます!」

カツカツカツカツ

通信兵「どちらに?」

エリート「西方司令部へ繋いでくれ」

通信兵「了解です」
437 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:14:30.92 ID:oWvJAaLEo
〜西方司令部〜

ツーツツー…ジリリリリリッ

助手「はいは〜い」

エリート『南方司令部のエリートだ。西方副司令はいるかな?』

助手「は〜い。副司令〜! エリートさんからお電話ー!」

タッタッタ…ババッ

西方副司令「は、はいっ! 代わりました!」

エリート『そっちの様子はどうだ?』

西方副司令「あ、えっと……南西砦の件も落ち着いたので比較的平和です。ハイ」

エリート『ならば良かった。ありったけの兵器と魔道兵を援軍によこしてくれ』

西方副司令「へっ? でででもっ、それだとこっちの兵が……」

エリート『西国がいろうであろう。何の為の同盟か!』

西方副司令「了解であります〜! す、すぐに手配致しますっ!」

エリート『頼むぞ、すまんな』

西方副司令「い、いえいえ――」
438 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:15:07.37 ID:oWvJAaLEo
ガチャン

助手「どーしたの?」

西方副司令「……誰かいる!?」

西方兵「はい」

西方副司令「投石機とバリスタを全て船に積んで。あと魔道長も呼んできて!」

西方兵「は、はぁ……」

西方副司令「早くっ!!」

西方兵「は、はいぃ!」

タッタッタッタッタ

助手「なーんだか、慌しいわねぇ」

西方副司令「アンタも出撃よ」

助手「へえぇ!?」

西方副司令「仕方ないじゃない。兵器使える人、少ないんだから」

助手「そんなぁ〜」

副司令「ほら、早く支度してっ!」
439 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:15:57.92 ID:oWvJAaLEo
〜南方司令部〜

エリート「では我々はこれより、赤壁へと向かう」

騎士団長「こちらは我らにお任せあれ」

エリート「本国と司令部の兵を合わせて2万弱。足しになればいいがな」

騎士団長「分かっていると思いますが、こちらに魔王軍は――」

エリート「当たり前だ。ここには数多くの民がいる」

騎士団長「東の町から避難してきた人々もいます」

エリート「絶対に近づけさせぬさ。その為に援軍も増強した」

騎士団長「ですな。南西砦もありますし」

エリート「そうだな。絶対にこの街は守ってみせるさ」

騎士団長「ええ。この命に賭けても、守ってみせます」

エリート「……死ぬなよ」

騎士団長「誰に言っているのです? 本国が誇る騎士団の長ですぞ」

エリート「そうであったな。頼もしい限りだ」

騎士団長「右大臣殿こそ、ご武運を」
440 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:17:07.84 ID:oWvJAaLEo
〜赤壁〜

大軍師「さて、盤面は駒に整いつつありますね」

青年兵「……」

大軍師「敵の数が多いとはい言え、魔王軍は真っ直ぐ北上しています」

青年兵「対してこちらは、少ないとはいえ多数の拠点を構えていますね」

大軍師「まず大きいのは此処、スグリーヴァ様の城」

青年兵「そしてその北東に位置する南東国」

西方参謀「ここである程度の戦力を割いてくれりゃあいいがな」

大軍師「あとは西側にて、司令部の兵と南西砦」

青年兵「エリ……右大臣様の話だと、西方司令部からも救援を呼ぶみたいですね」

西方参謀「んで、正面の赤壁と……最前線の東の町か。ヒック」

青年兵「地図を見る限り、戦場を東側に展開出来れば有利ですね」

大軍師「そうですね。なんとか誘引出来れば良いのですが……ふっふ」

西方参謀「……何か企んでやがるなぁ?」

天才「おーい」
441 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:18:33.80 ID:oWvJAaLEo
青年兵「……司令?」

天才「んじゃ、こっちは出るぞー」

西方参謀「おいおいっ! 出るってどこに……」

天才「決まってんだろ。赤壁だよ」

青年兵「えぇっ!?」

天才「お前らは明日の後詰に備えて待機! いいな!」

西方参謀「おいおい……大丈夫かよ……っ」

天才「おっしゃ! そんじゃ行くぞー!」

西方司令「いやだああぁぁ! 死にたくないいぃぃぃぃ!!」

ドドッドドッドドッ…

西方参謀「あーあ、行っちまった……ヒック」

大軍師「何名です?」

青年兵「……10騎くらいに見えましたけど」

西方参謀「アホだ……」

青年兵「立場を……弁えろ……か。はぁ」
442 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/18(木) 18:20:12.45 ID:oWvJAaLEo
ザッザッザ

占い師「あら? 司令は?」

大軍師「たった今出陣致しましたよ」

占い師「何なのよ、もう……っ」

マジシャン「んで、俺らはどうしてりゃいいんだ?」

西方参謀「さぁなー。酒宴でもしてっか? ガハハ!」

マジシャン「そりゃあいい! ハッハ!」

占い師「ほらほら、遊んでないで防戦の準備しなさいな」

マジシャン「はいはい」

大軍師「明日には朱雀先生方も見えるでしょう。その時には……」

青年兵「局面にも動きが出ているかもしれませんね」

マジシャン「……ま、無事に終わってくれる事を祈るよ。ハッハ」

大軍師「……何か、見えますか?」

占い師「ううん、今は特に何も……」

そして更に何時間かの後、東の町にて両軍が激突した。
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/18(木) 18:37:07.66 ID:oWvJAaLEo
ただいまですよー!さぼってほんとごめんなさい!
今日もご支援本当にありがとうです!
それではこれにて失礼致します!ノシ

>>418
長いのにありがとうございます!
出たような出てないような感じですかね…核心には触れてなかった気がします!
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/18(木) 19:29:29.34 ID:TnSnmzqIO
早く剣を握ってくれ西方司令…豹変ぶりを楽しみにまってる
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/18(木) 21:58:31.22 ID:ycFTWK4ro
サモナーが色々研究してるのは玄武先生ゆずりか
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/18(木) 22:32:05.88 ID:SpYc326AO
マジシャンが居るってなんか嬉しい
がんばれマジシャン
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/18(木) 23:26:54.46 ID:VxAJjs3DO
>>1
大規模戦闘はwwktkするなー
明日会社で戦況まとめを作ってみるか
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/08/19(金) 00:42:28.27 ID:5oNFwUbAO
舞台は赤壁
敵数は多いほど盛り上がる!
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/08/19(金) 12:37:04.17 ID:2OTtXoh50
▼西方司令部
西方副司令

↓移動中 西方魔道長?、助手、魔道兵、兵器部隊(規模不明)

▼南方司令部
騎士団長、南方軍

↓移動中 エリート、本国兵、司令部兵(2万弱)

▼赤壁
青年兵、大軍師、マジシャン、占い師
西方司令、西方参謀、南方軍
(南方軍総動員で4万がいいとこ、大半は赤壁に駐兵している?)

↓移動中 天才、精鋭兵?(10騎くらい)

▼東の町
南方司令、南方副司令、南方参謀、南方魔道長、南方弓長、有志の兵(約50)
青龍士官、竜騎士隊(50程度?)
ボス チンピラ ゴロツキ

↑移動中 白馬騎士、兄者、弟者、弓将軍、錦将軍、精鋭

▼南東国

↓移動中 南東国兵
(華国国境あたり?)

▼スグリーヴァの城
スグリーヴァ、ハヌマーン、法師、マーマン、オーク
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/08/19(金) 12:55:03.15 ID:2OTtXoh50
『魔王軍陣営』

▼先鋒 中央から進軍
第4軍 アスラ

▼本陣 先方に続き中央から進軍
第1軍 魔王ラーヴァナ 

▼右翼 東へ進軍、スグリーヴァの城へ
第2軍 ヴァーリン (スクリーヴァの兄弟)

▼左翼 西へ進軍
第3軍 シヴァ (元サルワさん)

▼後詰 本拠地にて待機
ジャガーノート 

魔王軍の規模について
伝令「……そ、その数……100万との事です……っ!!」
南方司令「ざっと40万といったところだろうな」
ラーヴァナ「想像してみよ、数十万の我が軍勢が火の海を闊歩する姿」
青龍兵「ハッキリ言う。敵の数は数十万は間違いない」
青龍兵「わ、分かりません。おそらく30万……いや、50万かも……」
天才「そんなにはいねーよ。せいぜい20万が関の山だ」

451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)[sage]:2011/08/19(金) 12:58:45.42 ID:Fod9WNqco
おお…
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/08/19(金) 13:32:41.06 ID:2OTtXoh50
赤壁配置図
http://wktk.vip2ch.com/vipper13690.jpg

登場人物(7xまとめ様)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice/settei.html


赤壁は過去に南方でラーヴァナ軍の羅刹等と戦った際に
羅刹の放った超巨大火球を玄武娘のリヴァイアサンと魔道士の氷結魔法とで防いでいた所に
羅刹ごとコカトリスの石化の息で固めて作られた岩壁に築城した要塞です。

〜第十一部〜 南方(13/18) (7xまとめ様)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice/1263825599_01.html
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/19(金) 13:45:26.31 ID:BMD2HOuDO
あ、華国の所南東国って書いたけれどいいのかな?
本国での呼称は南東国、そこに住んでいる人達からすると華国って感じなのかな?
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/08/19(金) 13:45:43.76 ID:unPXE+BPo
なんかサタン級になると7行使わないと無理そうだな
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/19(金) 14:35:16.05 ID:N0QMpaEAO
でも召喚獣ってどうやって死ぬんだよ
あっちの世界では寿命とかあんの?
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/08/19(金) 15:20:28.01 ID:unPXE+BPo
人間から召喚獣になったイケコーンさんが死んだんだしイレギュラーながらも死ぬって概念はあるんだろ
コカさんの発言見るに人間の何百倍かは生きてそうだけどいつかは死にそう
457 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/19(金) 17:34:03.36 ID:ObwfGD/go
ドドドドドドドド…

ラクサーシャ「第2軍、第3軍、左右へ展開致しました!」

アスラ「そのまま進軍を続けよ、と伝えろ」

ラクシャーサ「はっ」

ラーヴァナ「うーむ、素晴らしい眺めではないか」

アスラ「はい」

ラーヴァナ「このまま一挙に北上し、全てを飲み込んでやろうか」

アスラ「ラーヴァナ様、人間とて侮ってはなりません」

ラーヴァナ「フッハハハハ! 貴様は本当に心配性だな」

アスラ「アンラ・マンユの事もありますので」

ラーヴァナ「人間如きに何度も同じ手が使えると思うてか?」

アスラ「……まぁ、それは確かに」

ラーヴァナ「出来るのであれば、とうの昔に実行しているだろう。しかししなかった」

アスラ「出来なかった、という事ですね」

ラーヴァナ「貴様は利口よ。だからこそこの俺も安心して望めるというものだ」
458 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/19(金) 17:35:30.90 ID:ObwfGD/go
ドドオオォォォォ

ラクシャーサ「間もなく人間の居住域に差し掛かります」

ラーヴァナ「どれ、絶望に打ちひしがれるその顔でも拝んでいくとするか」

アスラ「ラーヴァナ様、あまりお戯れを……」

ラーヴァナ「案ずるな。ツラを拝んだらすぐに帰る」

アスラ「それなら……宜しいですが」

ラーヴァナ「それに数百年も運動不足でなぁ。体がすっかり鈍っておるわ」

ゴゴゴゴゴゴ

ラーヴァナ「どれ、挨拶代わりに露払いといくか」

ブンッ……カッ!!

ラクシャーサ「なな……なんという事だ……っ」

アスラ「……」

ラクシャーサ「たった一振りで……この威力とは……っ」

アスラ「お戯れをなさいますな。これでは進路を変えねばなりませぬ」

ラーヴァナ「おーおー、それは済まぬ。フハハハハハッ!!」
459 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/19(金) 17:40:42.82 ID:ObwfGD/go
ゴッゴオオォォォォ…

南方兵「状況確認! 何が起きたか把握せよ!」

東の町南側にて魔王軍を迎え撃つべく布陣していた南方軍。

彼らが警戒し見つめるその目線の先に、突如火柱が立ち上る。

ゴロツキ「な、何だよあれ……っ!!」

南方弓長「まるで……火山でも噴火したかのような……」

南方副司令「おいでなすったようだな。各自、迎撃準備!!」

ザザザッ

南方参謀「竜騎士隊、出撃してっ!」

青龍士官「出るぞ!」

バシュウウゥゥゥゥ!!

南方参謀「続いて騎兵隊! いい? 無理な交戦は不要よ!」

南方兵「了解です! したくても……出来ませんよっ」

グイッ…ドドッドドッドドッ…

南方参謀「……さーて、お次は」
460 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/19(金) 17:42:04.59 ID:ObwfGD/go
ザッザッザ

南方司令「我らだな」

ゆっくりと拳を鳴らしながら門外へと進む南方司令。

南方副司令「はぁ。五ヵ年計画が終わったら、俺は1年の有休を取らせて貰うぞ」

その真横に付き従うかのように、巨大なハンマーを担いだスキンヘッドの大男が続く。

南方魔道長「俺は早く帰って娘に会いてーんだ。ちゃっちゃと終わらせようぜ」

ハットを被った無精髭の男が両手に杖を携え、更にその後から続く。

南方弓長「嫌なのよ……。これ以上自然が失われるのは……」

黒縁眼鏡に胸元の開いた軍服の女性は、弓矢を担ぎその脇を進む。

南方参謀「こんな所で終わってたまるもんですか。まだ結婚もしてないのに」

体格の良い厚化粧の男は、滑らかな女口調で文句を言いつつ、最後尾を歩く。

南方司令「さぁ悪党共、かかって来い! 正義の味方。南方戦隊――」

一同「それはもういいから!!」

南方司令「……むぅ、仕方ない。ならばせめて決めのポーズを――」

一同「いい加減にしなさい!!」
461 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/19(金) 17:44:48.44 ID:ObwfGD/go
ドドドドドド…

ラクシャーサ「町に差し掛かります……ん!? 何かいるぞ……?」

南方副司令「いいかぁ! 最初が肝心だ!」

南方参謀「そうよ! 初撃でインパクトを与える事が重要だからねっ!」

南方司令「行くぞ」

ゴゴゴゴゴゴ

南方魔道長「付加は……火と風でいくか」

南方司令「ジャスティス……パアアァァンチ! バージョンファーストインパクトオォ!」

ズガガガガッ!!…ゴッゴオオォォォォ!!

アスラ「今の音は何だ?」

ラクシャーサ「ぜ……前方で何か爆発のようなものが……」

ズッドオオォォォォン!!

アスラ「……?」

ラクシャーサ「敵襲です! 人間が攻撃を始めています!」

アスラ「人間? こんな所でか? 避難したのではないのか?」
462 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/19(金) 17:47:01.37 ID:ObwfGD/go
ラクシャーサ「分かりません……っ! しかし、かなりの威力です」

アスラ「そんな事は聞いていない」

ラクシャーサ「……ッ」

アスラ「後方でラーヴァナ様が見ておられるのだ。恥をかかせるなよ」

ラクシャーサ「……は、ははぁ!!」

アスラ「第4軍、構わん。このまま直進せよ。町ごと潰してやれ」

ドドドドドド…

南方兵「初撃にて魔王軍、200程度は撃破したものと思われます」

南方弓長「そんなもの撃破に入らないわよ! 攻撃の手を緩めないで!」

南方副司令「ふん……ぬりゃああぁぁ!!」

グオォッ…バッゴオオォォォォン!!

ラクシャーサ「バッカ……列を乱すな――」

バキャアァ!!…ドサッ

南方司令「このまま中央突破してくれるわ」

南方参謀「何が中央突破よ! そっちは右翼側よっ、この方向音痴いぃ!」
463 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/19(金) 17:47:50.45 ID:ObwfGD/go
南方司令「何……だと……!? 魔王軍め……やりおるっ!」

青龍士官「竜騎士隊っ、低空飛行で敵の隊列をかき乱せ」

青龍兵「おおぉぉぉぉ!!」

ワイバーン「グガアアァァァァーッ!!」

ザシュウウゥゥ!!…ズガアアァァン!!

ボス「負けてられっかよ……っ!」

シュイイィィィン

南方弓長「な……何っ?」

南方副司令「何だよあの巨大な蛇は……っ!!」

チンピラ「出た……!! ボスの新召喚獣……ヨルムンガンドだ!!」

南方魔道長「ヨルムンガンド……!?」

ヨルムンガンドと呼ばれた蛇のような体躯の超巨大召喚獣は、主である

ボスの合図と同時に、地面を水面のように出入りし、激しい水飛沫を立てている。

ズガアアァァァァ!!…ドッゴオオォォォォン!!

ラクシャーサ「な、なん……!? 地面がぐわああぁぁーっ!!」
464 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/19(金) 17:49:23.83 ID:ObwfGD/go
青龍士官「口だけではなかったようだな。こちらも負けてはいられんぞ」

竜騎士隊「青龍先生に続けぇ! 遅れを取るなよっ!」

バシュウウゥゥゥゥ

南方弓町「……やるじゃない」

ゴロツキ「ボス、頑張ってましたもん」

ボス「町には1歩たりとも近づけさせん!」

ラクシャーサ「この野郎がっ! テメーが召喚士だなぁ!?」

ボス「……ちっ」

ザザッ…バッキャアァ!!

ボス「……!?」

南方司令「お前の身は私が守る。召喚獣に集中せよ」

ボス「……はっ!」

南方参謀「いいカンジで士気も高まってるじゃない! オーケーよん!」

南方魔道長「何とかこのまま、いくわきゃないよなぁ」

南方軍は僅かの兵にて、魔王軍の第1波を防ぐ結果となった。
465 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/19(金) 17:50:47.47 ID:ObwfGD/go
ゴゴオオォォォォン

ラクシャーサ「何を恐れる必要がある! 前進しろ! 殺せ殺せぇ!」

アスラ「……」

ラクシャーサ「右の連中は何してるんだ! 押されてるじゃないか! 耐えろ!」

アスラ「……」

ラクシャーサ「第25小隊壊滅……!? 他の隊は何故援護に回らぬか!」

アスラ「おい」

ラクシャーサ「はっ」

アスラ「貴様等は何だ?」

ラクシャーサ「……はっ?」

アスラ「貴様等の存在は何だ? ゴミか? 虫ケラか? 塵芥か?」

ラクシャーサ「……ッ」

アスラ「兵を左右に展開しろ。正面の道を開けるのだ」

ラクシャーサ「さ、左右に……ですか?」

バシュッ!!…グチャッ
466 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/19(金) 17:52:34.83 ID:ObwfGD/go
アスラ「以降は貴様が指揮を取れ。ついでにこの肉片も始末しておけ」

ラクシャーサ「は、ははぁ!!」

アスラ「貴様等の敗北はラーヴァナ様の敗北。これ以上恥をかかせるな」

ザッ…ドズウウゥゥゥゥン

ラクシャーサ「ア……アスラ様がゴ出撃なされるぞ! 道を開けろぉ!!」

アスラ「情けない……実に情けない、不甲斐ない、申し訳ない」

ザッザッザッザッザ

ラーヴァナ「ほぉ、アスラが自ら出るのか。これは見ものだな」

ラクシャーサ「進軍……続けますか?」

ラーヴァナ「無論。人間共の絶望を拝まずして帰る事は出来んよ。フハハハッ」

ザッザッザッザッザ

アスラ「……」

南方兵「正面!! 兵が退いていきます!!」

青龍士官「違うっ! 左右に展開して……あれは何だっ!?」

南方魔道長「真正面からでけぇのが近づいてるぞ」
467 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/19(金) 17:56:52.12 ID:ObwfGD/go
ザッザッザッザ…

アスラ「……」

青龍士官「竜騎士隊、炎と雷で攻撃!」

青龍兵「了解っ!」

数十にも上る青龍召喚獣が旋回し、ゆっくりと歩いて近づくアスラめがけ、

ワイバーンの炎とリンドブルムの雷で上空より攻撃を仕掛ける。

ズッガアアァァァ!!…ドドオオォォォォン!!

青龍兵「どうだ……? やったのか!?」

ギュオッ!!

青龍兵「んな――ぐがああぁぁ!!」

ベキベキベキッ…ゴシャアァ!!

竜騎士兵「き……巨大な手が……っ!! うわああぁぁ!!」

爆煙の中伸びる巨大な手。それは1人の竜騎士隊を掴むと、そのまま握り潰した。

そして煙が晴れると、一同はアスラの変化したその異形なる姿に驚愕する。

三面六臂の人型をした巨大な魔物は赤い目を光らせ、人間を見下す。
468 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/19(金) 17:58:49.52 ID:ObwfGD/go
オオォォォォ…

南方副司令「……どう見る」

南方参謀「間違いなく軍団長クラスね。しかも……かなり強いと思うわ」

南方魔道長「部下を退け単身で挑むあたり、まぁそうだろうな」

南方参謀「これは少し……加勢がいるわね」

そう言うと南方参謀は閃光弾を発射し、東の町へと合図を送る。

バシュッ!!

弓兵「合図だ! 撃てぇーっ!!」

バシュシュシュシュシュシュッ!!

ラクシャーサ「矢が……っ! くそぉ……これでは近づけんぞ」

アスラ「それで攻撃しているつもりか?」

ボス「余所見たぁ……いい度胸だな!!」

アスラ「ほぉ?」

ボス「ナメてんじゃねぇぞコラァ!!」

ヨルムンガンド「キシャアアァァァァーッ!!」
469 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/19(金) 17:59:59.96 ID:ObwfGD/go
アスラ「捻り潰してくれるわ」

目の前に迫るヨルムンガンドを掴もうと、6本の腕が伸びる。

ガシィ!!…グググッ

アスラ「馬鹿が。この程度の召喚獣で粋がる――」

シュイイィィィン

アスラ「何……!?」

まるでうなぎがするりと手から逃げるように、ヨルムンガンドはその場より消える。

青龍士官「召喚解除!? あいつ……思った以上にやるじゃないか」

ヨルムンガンドを一時的に召喚解除したボスは、間髪入れず再召喚を始める。

シュイイィィィィン

ボス「絡みつけ。そして……この馬鹿の動きを封じてやれ!」

ヨルムンガンド「シャアアァァァァ!!」

ギュルギュルギュルッ…ガシィ!!

アスラ「……ッ!?」

ボス「このまま……締め殺してやろうかっ!!」
470 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/19(金) 18:02:31.32 ID:ObwfGD/go
アスラ「無駄だっ、先程も言っただろう? この程度の力でこのアスラ様を――」

ザッ

アスラ「――ッ!!」

正面の顔の前に突如現れた人影。その右手が光って唸る。

南方司令「ギガトン……ジャスティスパアアァァーンチ!!」

キュイイィィィィン…ドッゴオオォォォォン!!

アスラ「ゴハアアァァーッ!!」

ボス「竜騎士共っ、何やってやがる! 追撃しろぉ!」

青龍兵「ど、どうします!? このままではヨルムンガンドにも……」

青龍士官「当の本人がやれと言っている。このまま……攻撃だ!」

竜騎士兵「おおぅ!!」

ドドドドドド!!…ゴゴオオォォォォ

ラクシャーサ「ア……アスラ様……ッ」

ラーヴァナ「フハハハッ! 苦戦しているじゃあないかアスラ! フッハハハハ!」

総攻撃を浴びた折れ込むアスラを見つめ、ラーヴァナは高らかに笑った。
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/19(金) 18:10:57.55 ID:ObwfGD/go
全然進まなくてすみません…週末なんであとでまた来たいと思います!
それでは失礼致します!今日もご支援感謝感謝!ノシ

>>449-452
>>447さんですよね!?貴重な時間をすみません…!
物凄く分かりやすいです!本当にありがとうございます!
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/19(金) 18:11:40.29 ID:dbKYjMDIO
リアルタイム遭遇とはうれしや!
いつも>>1乙だ
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]:2011/08/19(金) 18:48:00.34 ID:Av83QshD0
おつおつ。地図すげー分かりやすいな
そういや絵の支援なくなったなあ…
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/19(金) 18:56:20.60 ID:bNAMft0IO
>>1おつ

いいんだよ絵の支援なんかなくて
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/19(金) 19:20:22.87 ID:3kdp0sADO
1乙

絵の支援とかは個人的にどうでもいいけど、要るか要らないかは俺らが決めるもんではなくね?
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/08/19(金) 19:25:33.33 ID:unPXE+BPo
優しい1なら何でもwelcome
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/19(金) 19:44:20.68 ID:N0QMpaEAO
絵はスレを荒らす要因
貼りたいならペニススレに貼った方がこのスレのためになる
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/19(金) 21:02:50.54 ID:8K/xzFnd0
>>1頑張ってずっと応援してる
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/19(金) 21:07:41.24 ID:XkuGpueTo
>>477
わざわざあっちに貼らんでも専用のうpろだがあるよ
>>1本人が書いたのもあるから
絵師様(笑)が嫌いでも一度見にいくといい
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/19(金) 21:36:05.76 ID:IZZiyvaro
一方的に要求だけして
支援でさえも奪って
おまえら酷いね

支援絵投下されなくなってSS製作者スレで嘆いてる奴らは自業自得だけど
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2011/08/19(金) 22:52:48.45 ID:Y42H83iro
きも
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/19(金) 22:56:23.59 ID:BMD2HOuDO
>>1
南方戦隊カッコイイなwwww
南方副司令がスキンヘッドの大男とか完全に忘れてたww

阿修羅様とか単体でもやばそうなのにそれが先鋒とか恐ろしいな……
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/08/19(金) 23:02:21.70 ID:5oNFwUbAO
今回は戦場が広いな
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/19(金) 23:08:02.45 ID:VfMTfu/DO
フラグビンビン丸でこの先見るのが怖い
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/19(金) 23:19:46.74 ID:ksBKYMRAO
>>1

なんだかんだで南方戦隊の中で一番浮いて感じたのは弓長だな
いきなり自然を愛でるキャラになっててちょっとクスっときた
現実の俺はクスっなんて笑い方はしないが
486 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/20(土) 02:44:34.20 ID:Js6Dzxxqo
ズドオオォォォォ…

南方副司令「やったか……? いや、まさかな」

南方参謀「まだ来るわよ、油断しないで!」

ボス「分かってるっつーの」

青龍士官「デカイ奴を牽制しつつ、ラクシャーサ共を引き離すぞ」

青龍兵「中長期戦になるな。2部隊に分けるぞ。Aチームは引き続き攻撃!」

竜騎士隊「Bチームは俺に続いて町に戻る。30分交代で回復するぞ」

バシュウウゥゥゥゥ

南方魔道長「おーい、生きてっかぁ?」

南方司令「まずい事になったぞ……」

南方魔道長「……あ?」

南方司令「あの野郎……顔が3つもある!」

南方魔道長「……はぁ」

南方司令「これでは隙が見当たらない。どうしたものか……」

南方魔道長「まぁとにかく、頑張ってくれ」
487 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/20(土) 02:45:13.63 ID:Js6Dzxxqo
ズズッ

アスラ「……」

ラクシャーサ「ア、アスラ様……大丈――」

バシュッ…ボンッ!!

アスラ「寄るな、触るな、近づくな。他人の手を借りるは敗北を認めたと同等」

ズザッ

アスラ「この程度で……。だがこのアスラ様に土を付けた事は褒めてやる」

南方弓長「余裕かましてくれるじゃない!」

バシュッ!!…パシッ

南方弓長「っ!!」

アスラ「死角から矢を放ったつもりか? 甘い、甘すぎるぞ」

南方弓長「嘘……っ!」

アスラ「3つの顔に6本の腕。この鉄壁に死角があると思っているのか」

南方副司令「まずい! 逃げろ――」

アスラ「そら、矢を返してやるぞ」
488 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/20(土) 02:45:51.75 ID:Js6Dzxxqo
ブンッ!!

南方弓長「――っ!!」

ザシュッ…ゴロゴロゴロッ

南方弓長「……あ……っ」

ボス「何をボサっとしてんだ……姉御よぉ!」

南方弓長「あ、ご……ごめん!」

南方参謀「2人を援護して!」

ゴロツキ「こ……んにゃろおぉ!!」

チンピラ「ボスと姉御にゃ……近づかせねーぞぉ!」

ブンブンブンッ!!

南方魔道長「来んぞ!」

アスラ「まとめて握り潰してくれる」

グアッ

南方司令「させるかぁ! ジャスティスサプライズパーンチ!!」

アスラ「!?」
489 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/20(土) 02:47:07.63 ID:Js6Dzxxqo
バゴオオォォォォン!!…グラァ

南方魔道長「倒……れない!」

アスラ「馬鹿が」

バキャアアァァ!!…ズザザアアァァ

青龍士官「南方司令っ!」

南方司令「……大丈夫だ。しかし、奴は何故背後からの攻撃を」

アスラ「声を発しながら殴りかかれば、嫌でも気付くわ」

南方司令「な、何だとぉ!? まさか……私の必殺技に弱点があったとは……」

南方副司令「反省は後にしてくれ。立てるんだな!?」

南方司令「仕方ない。こうなったらジャスティスキックで……ぶつぶつ」

南方参謀「まぁお陰でこっちは助かったわ。大丈夫?」

ボス「あ、あぁ……。俺に構わず……攻撃を」

南方参謀「アンタこの出血……っ! さっきの矢で……っ」

ボス「気にすんなって言ってんスよ! あと……姉御にも黙っててくれや」

南方参謀「……何、カッコつけてんのよ馬鹿……っ!」
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/20(土) 07:11:39.27 ID:hxOZP5gG0
南方司令wwwwwwwwwwww

1乙
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/20(土) 07:20:12.25 ID:nTN0ZhUDO
うわあぁぁぁ!!誰も死なないでくれ!!
>>1
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/08/20(土) 09:05:53.73 ID:Gxf85ExAO
アスラってインド版阿修羅の事か
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/20(土) 09:37:11.49 ID:cbtFfylEo
ボスが…(´;ω;`)ブワッ
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2011/08/20(土) 11:23:39.43 ID:TfgrFg4Uo
姿はDS版SaGa2のアシュラで再生中
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/20(土) 11:32:14.25 ID:3zvVKeYyo
俺はアシュラマンで再生中
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/20(土) 14:56:57.92 ID:eYMreKEIO
これ召喚士到着まで戦線維持出来ねぇだろ…
497 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/20(土) 23:31:58.13 ID:Js6Dzxxqo


ドシュウウゥゥゥゥ

竜騎士兵「……んっ!?」

東の町にて交戦が行われている中、青龍士官の命により、南東国援軍への

伝令を託された1人の竜騎士兵が、平野にて西へ疾走する数十騎の姿を捉えた。

竜騎士兵「あれ……か? しかし援軍にしては数が少ない気もするが……」

バシュウウゥゥゥゥ

竜騎士兵「やっぱりそうか! おーい! 南東国の方々かぁ〜!?」

ドドッドドッドドッ

弟者「……正面の空からなんか来るぞ?」

白馬騎士「あれは……魔物ではありませんっ、召喚獣ですね!」

兄者「すると本国からの伝令か何かか」

ドドォ…ザザッ

白馬騎士「華国丞相、白馬騎士と申す! 貴殿は?」

竜騎士兵「こ、これは失礼を! 本国竜騎士隊の者です。伝令をお伝えに!」
498 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/20(土) 23:32:45.28 ID:Js6Dzxxqo


弓将軍「……ふぅむ。大軍で押し寄せておるのか」

竜騎士兵「私も目に致しましたが、見た事もない数でした……っ」

錦将軍「上等ぉ……! 望むところじゃねぇか」

弟者「お前とは全然意見合わねーけど、いい事言うじゃねーか」

白馬騎士「それで現況は?」

竜騎士兵「現在はおそらく交戦中かと思われます」

兄者「成程な。それで我らも東の町へ直行すれば良いわけか」

白馬騎士「あちらも少数でしょうし、更に急ぐと致しましょう」

竜騎士兵「お願い致します! 私は先にこの事を伝えて参ります!」

錦将軍「おーう。俺らが行くまで全滅すんなって伝えておいてくれや!」

バシュッ!!…ゴオオォォォォ

兄者「やはり、大軍との報告は本当であったようだな」

白馬騎士「ええ。心のどこかでは……認めたくなかったんですが」

兄者「やるしかない……な」
499 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/20(土) 23:34:09.19 ID:Js6Dzxxqo


アスラ「ハアアァァァァーッ」

6本の腕が休まる事なく、地面へと叩きつけられる。

青龍兵「奴の間合いに入るな! 飲み込まれたら一撃だぞ!」

南方参謀「ラクシャーサは

竜騎士隊がラーヴァナの大軍を発見してから数時間、膠着状態はなおも続く。

とは言え、実際はラーヴァナ側があくまで行軍である事。

つまり魔王ラーヴァナにとって、これは戦闘ではなく行軍という認識の下にある。

五ヵ年計画の為に、あと数ヶ月内で魔王討伐を完遂した人間サイドに対し、

何ら急ぐ事もなく、ただ地獄に人間が踏み込んだ、その様子見も兼ねて

兵を興した魔王軍サイドでは、戦闘前から士気も意義も全く別物であった。

しかし今回に限っては、その意識が人間サイドに優位をもたらしている。

それは小を以って大を制す事のみに留まらず、まだ訪れぬ援軍の為の時間稼ぎ。

そして魔王軍にとって、少数で大勢と立ち向かい、想像以上の力を発揮している

その姿は、ラーヴァナを始め、アスラやラクシャーサの群れにも1つの懸念を与えていた。
500 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/20(土) 23:35:15.32 ID:Js6Dzxxqo
ドドドドドド…

ラーヴァナ「…………」

ラクシャーサ「アスラ様……苦戦しているようですね」

ラーヴァナ「本気ではないようだからなぁ。しかしまぁ、手を抜いているとも思えぬ」

ラクシャーサ「……ッ」

ラーヴァナ「人間とはあれ程までに厄介であったか?」

ラクシャーサ「さ、さぁ……どうなのでしょうか……っ」

1つの懸念。それは人間の予想外の強さ。それが選ばれし人間のみなのか、

それとも後続にて控えていると思われる人間全ても該当するのか。

ラーヴァナにとってすればそれはさほど問題ではない。所詮は魔王と人間。

しかし軍を統べる王として存在する今、自分だけの問題ではないのだ。

部下の命を思っての事ではない。先の行軍からも分かるように、

ラーヴァナにとっての軍というものは余興であり、1つの遊びである。

盤上の駒とも言えるラクシャーサを複数失うは、余興を削がれるに等しい行為。

ゆっくりとした行軍は魔王の懸念により、更にその速度を遅らせる事となった。
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/20(土) 23:46:45.25 ID:g7YwnTfpo
ヨルムンガンドって調べたらフェンリルと同格か……
マジぱねぇな。
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)2011/08/21(日) 00:29:12.53 ID:oojMHikf0
支援!
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/08/21(日) 00:45:40.05 ID:9hWyj+nAO
製作は支援要らんよ
まぁ、1の応援にはなるだろうけど
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/08/21(日) 00:50:15.27 ID:uhYxcDcCo
残ってる伏線
・魔道士と天才の関係
・戦士母の素性
・基本精霊→四神になる法則
・魔道士ちゃんは処女か否か←重要
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/21(日) 00:54:41.19 ID:wM8OZE1ko
ユニコーンに治癒してもらったこと会ったと思うから処女だろなにいってんだおまえ
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/08/21(日) 00:57:21.79 ID:uhYxcDcCo
あやふやだったろ
確かイケコーンから王子キャラのコーンに変わった時
処女だったら治療するけどなーチラッって魔道士と盗賊を見たのは覚えてるけど
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/21(日) 02:19:00.82 ID:fqTXhV1DO
少なくとも、ヤマタノオロチ編では生娘との事。

という事は…
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/08/21(日) 05:10:59.77 ID:+l5PKaWH0
1おつ
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/21(日) 12:38:00.97 ID:gZUz72VSO
>>1

>>505
お前は嫁が浮気しても全く気づかないタイプだな クスクス^^
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/21(日) 14:49:26.28 ID:EXp+XWCAO
>>504
天才の妹の子どもが魔導士だから叔父姪の関係だろ?
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/21(日) 19:08:18.10 ID:EGmZKAuIO
召喚士、五行目としての式神
とか
眼鏡と詩人とか、まだいろいろあるだろ
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/21(日) 23:12:17.99 ID:ov/6WQiDO
女賢者とかはチョイ役なのかな?
513 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/21(日) 23:43:55.03 ID:mN0eI6TCo
ズドドドドッ

地上へ叩きつけられる6本の腕をかわしながら、南方司令は間合いを詰める。

更にはその腕を木の枝のように飛び交い、巨大なアスラの肩へと駆け上る。

南方司令「おおぉぉぉぉーっ!!」

アスラ「……ッ」

南方司令「ギガトンフェイスブレイク……ジャスティスキーック!!」

バゴオオォォォォン!!

南方司令の蹴りがアスラの頬を捉え、力任せにそのまま振りぬかれる。

しかし、蹴り飛ばしたその真横に存在する、もう1つの顔の目がすぐさま、

南方司令の動きを逃さず、背後より左3本の腕を伸ばし掴みかかる。

ゴアッ

アスラ「しつこいぞ、羽虫が」

南方司令「動き回っていれば捕まる事はない! それに……」

バシュシュシュシュッ…バシュッ!!

弓兵「ダメージは与えられなくとも、牽制くらいにはなる! 撃ち続けよ!」
514 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/21(日) 23:44:36.05 ID:mN0eI6TCo
南方弓長「こっちもよ!」

南方魔道長「撃つぞぉ!!」

ドドオオォォォォン…ズッガアアァァァァ!!

アスラ「……ッ」

南方副司令「おい、見ろ! 日の出だ!」

南方参謀「みんなっ、見える!? 朝日が昇っているわよ!」

青龍兵「……て事は……っ」

ゴロツキ「もうそんなに戦ってんのか……」

チンピラ「しかも俺達……結構頑張ってるよな」

南方参謀「そうよぉ! もう何時間も耐えてるじゃない。この勢い弱めないでよっ!」

青龍士官「いいタイミングだな」

竜騎士兵「タイミング……ですか?」

青龍士官「若干下がりかけた士気が、これでうまく持ち直せる」

竜騎士兵「な、なるほど……っ」

青龍士官「我らもこのまま後方のラクシャーサを分断するぞ」
515 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/21(日) 23:45:22.01 ID:mN0eI6TCo
ズガガアアァァァァ!!

騎兵「ぐあっ!」

南方副司令「大丈夫か!? 退け!!」

騎兵「す、すみません……っ」

アスラ「……」

ここまでの交戦において、アスラはやや少し焦りを生じていた。

アスラ(何なのだこいつ等の力は。1歩も退かぬではないか……いや……)

南方司令「ぬおおりゃああぁぁーっ!!」

青龍士官「もっと低くだ! そうっ、敵の頭上ギリギリで攻めろぉ!」

アスラ(退かぬだけではない。この数で押し込む事も出来ぬとは……)

ボス「がはっ、あ……あのデカブツは……? ごほごほっ」

南方参謀「血が止まるまで下がってなさい! 誰か、この人を町の中へ!」

アスラ(やはり懸念ではない。下手をすればラーヴァナ様の喉下にも届きかねぬ)

人間側の必死な抵抗に一抹の不安を覚え始めたアスラは、警戒心を更に強める。

そしてアスラのとった行動は、敵味方全ての人間を驚きの表情へと変えた。
516 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/21(日) 23:46:09.03 ID:mN0eI6TCo
ズザザッ

ラクシャーサ「……アスラ様……?」

アスラ「こちらは急ぐ必要はないのだ。後退する」

ラクシャーサ「……!?」

アスラ「聞こえなかったのか? 後退すると申したのだ」

ラクシャーサ「よ……宜しいので……?」

アスラ「何か宜しくない事でもあるのか?」

ラクシャーサ「……ぜ、全軍後退いぃ!!」

南方魔道長「後退……!? お、おい……どうすんだ!?」

南方参謀「ど、どうするったって……」

バシュウウゥゥゥゥ

青龍兵「な、何だ……!? 魔物がこちらへ下がってきていますよ!?」

青龍士官「後退しているのか……? いかん、緊急浮上だ! 挟撃にあうぞ!」

竜騎士兵「一体……急に何が……っ」

青龍士官「一度、皆と合流するぞ」
517 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/21(日) 23:47:14.91 ID:mN0eI6TCo
ドドドドドド

南方司令「……何が起きているのだ?」

騎兵「わ、分かりません! ただ、魔物が退いているようですが……」

南方司令「何? 恐れをなして逃げ出したか!?」

タッタッタッタッタ

南方参謀「それはどうか分からないけれど、とにかく体勢を立て直すチャンスよ!」

南方副司令「こっちも一度後退するぞ! 各自、協力しながら退がれぇ!」

南方魔道長「後退だ後退! 町の手前まで後退すんぞぉ!」

ザザッ

ラクシャーサ「引き返せぇ! アスラ様を護衛しろぉ!」

ザザッ…ザッザッザ…

アスラ「……」

ラーヴァナ「アスラ、梃子摺っておるようだなぁ。フハハハッ!」

アスラ「ラーヴァナ様、申し訳ありません。しかし人間共……思ったより油断出来ませぬ」

ラーヴァナ「アスラを以ってこう言わせしめるとは大したものよ……フッハハハハ」
518 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/21(日) 23:47:51.33 ID:mN0eI6TCo


南方魔道長「あーしんど……」

南方参謀「死傷者はどの程度!? 大丈夫なの!?」

南方弓長「それで、後続の状況は?」

青龍兵「上空から見る限り、扇形に展開しているように見えました」

偵察隊「両翼は広く展開し、どうも狙いはこちらではないように思えます!」

南方副司令「東西に開いたか? いや、しかしそれは好都合か……?」

バシュウウゥゥゥゥ

青龍士官「戦況は?」

南方副司令「魔王軍は一旦後退したようだ」

青龍士官「やはりそうか……。しかし何故……」

南方魔道長「こちらの力が思ったより強かったんじゃないのか?」

何歩参謀「だと良いけど……何か作戦なら面倒ねぇ」

南方副司令「とにかく時間稼ぎには打ってつけだな。早く来てくれりゃいいが……」

1度目の交戦が一段落着いた頃、一頭の馬が東の町へと辿り着いた。
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/22(月) 00:23:44.03 ID:e/HLxhxq0
>>1乙!
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/22(月) 00:25:16.14 ID:e/HLxhxq0
>>1乙!
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)2011/08/22(月) 07:15:28.82 ID:pmobevkg0
地上での軍隊同士の戦いが会戦で海軍同士の戦いが海戦だとじっちゃが言ってた。
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/22(月) 08:06:23.33 ID:aF7NctMDO
そっかそっか
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/22(月) 08:30:21.47 ID:vNHghPXAO
>>1

アスラが眷族にしては弱いのか、南の司令達が強いのか

でも次また戦ったら圧倒されそう
524 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/22(月) 18:26:49.27 ID:HVvEXxSho
ドドッドドッドドッドドッ

南方副司令「ん? 何だ……?」

南方弓長「馬……ってあれもしかして!!」

ドドッドドッドドッ

西方司令「ひいいぃぃぃぃ!! 落ちるううぅぅぅぅ!!」

天才「ゴチャゴチャやかましーんだよ! 落ちるかっての!」

ドドッドドッ…ドドォ

天才「……よぉ。状況はどうだ?」

南方参謀「総司令っ!! 第一波は防ぎましたわ」

天才「ふーん。そんで?」

青龍士官「敵はかなり慎重です。今までの連中とは勝手が違うようですね」

南方参謀「ハッキリ言って厄介なのよね……そういう戦い方されるのってさ」

天才「だな。魔物は魔物らしく力ずくで来て貰わにゃあ困る」

南方司令「困るのか?」

南方参謀「戦術を用いた戦いじゃ、数の少ない方が不利なのは当然でしょ」
525 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/22(月) 18:28:09.59 ID:HVvEXxSho
天才「せっかく出張ってくれたんだ。ここで敵の戦力を叩きたいしな」

南方魔道長「まぁな。あの数で守戦に入られたら、こっちはお手上げだ」

南方副司令「ラーヴァナの進軍はこちらにとっても好機というわけだ」

天才「だからヘタに退かれると、それはそれで手間っちゃ手間だ」

南方参謀「どうします?」

天才「分断は進んでんのか?」

青龍士官「上空から見る限り、両翼は東西に展開しています」

天才「……」

青龍士官「分断と言うよりは、進路を変えているようでしたが」

天才「東はスグリーヴァ。西は……火山か?」

南方副司令「分断なら良いが、支隊は厄介だな……」

南方参謀「東は南東国もいるし安心だけど、西は手薄すぎやしない?」

天才「後詰の数を考えりゃ……まぁ、何とか踏ん張れるってとこだろうな」

南方副司令「ここを凌いだら我らも西の部隊にあたりましょう」

天才「おーう。んじゃまずはここを何とかしようじゃねぇか」
526 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/22(月) 18:29:20.42 ID:HVvEXxSho
ドドドドオオォォ

アスラ「申し訳……ありませぬ」

ラーヴァナ「んー? 構わんよ。この場は全て貴様に託している」

アスラ「被害の数は?」


ラクシャーサ「300……いや、400近くは先頭不能に陥ったかと……」

アスラ「……くそっ」

ラーヴァナ「良い良い。しかしこれ以上は駒も減らしたくはないものよ」

アスラ「人間共、思ったよりやりまする」

ラーヴァナ「みたいだな。貴様もさぞかし梃子摺っておったではないか」

アスラ「次は本気で挑みます」

ラーヴァナ「アスラ、奴らの力はどう見る? 一部の者か? それとも……」

アスラ「現段階では何とも言えません。しかし短期間で人間全てがという事は……」

ラーヴァナ「ない、な。俺もそう思う」

アスラ「おそらく集結しているのは少数精鋭。ここを潰せば数で圧倒出来ます」
ラーヴァナ「良かろう。ならば俺は城にて朗報を待とうか。フハハハ!」
527 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/22(月) 18:30:47.76 ID:HVvEXxSho
ザッ

天才「いいぞー。飛ばせー」

青龍士官「本当に……宜しいのですね?」

ワイバーンの背にのった青龍士官が、後ろに座る天才へ問いかける。

天才「いいって言ってんだろが。早くしろ」

青龍士官「それでは、出ます!」

南方参謀「ち、ちょっと……っ!?」

天才「ハーッハッハ! 心配すんな、偵察だ偵察!」

バシュウウゥゥゥゥ

南方弓長「行っちゃった……」

南方魔道長「不安だな」

シュゴオオォォォォ

天才「おらおらぁ、飛ばせ飛ばせーっ!」

青龍士官「……っ」

2人を乗せたワイバーンは、ラーヴァナ軍先陣の上空へと差しかかる。
528 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/22(月) 18:32:48.35 ID:HVvEXxSho
ゴオオォォォォ

天才「うっひょーっ、こりゃ大したモンだわ」

青龍士官「見えますか? 両翼が大きく広がっていおります」

天才「ありゃどう見ても支隊だな。軍団長がいるはずだ」

青龍士官「確かに……っ。統制が取れておりますね」

天才(厄介だな……。まさかここまで戦略的に軍を率いてくるとはな)

青龍士官「司令……?」

天才「……おし、帰っていいぞ」

青龍士官「あっ、はい。……え? 帰って……いい?」

天才「中央突破だ。いいな!」

ババッ!!

青龍士官「――っ!! し、司令っ!?」

天才「……さーて、ちょっくらかき回してやろうかぁ」

ヒュウウゥゥゥゥ…ズシャッ

天才「ハローじゃなかった……グッモーニン!」
529 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/22(月) 18:33:58.51 ID:HVvEXxSho
ゴゴゴゴゴゴ…

ラクシャーサ「な、なんだ……っ!?」

ザッザッザ

ラクシャーサ「空から降ってきたぞ!? に、人間……!?」

天才「降参するヤツ、この指とーまれ!」

ラクシャーサ「こ……殺せえぇ!!」

天才「ったく、たまーに慈悲の心を見せてやらあこれだよ……」

ジャキッ

天才「吹っ飛べやオラアアァァ!!」

グンッ…ドッゴオオォォォォン!!

ラクシャーサ「ガッハアァ!!」

ドサドサドサッ

天才「おらおらぁ! どーしたぁ、かかってきやがれ! こっちゃ1人だぞぉー?」

ラクシャーサ「か、囲めぇ! 相手はたった1人の人間だぞぉ!」

天才「ハーッハッハッハ! 早くしないと……たーくさん来ちゃうよー?」
530 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/22(月) 18:35:12.32 ID:HVvEXxSho
ドドオオォォォォ

アスラ「何の音だ?」

ラクシャーサ「確認致します!」

ラーヴァナ「……」

タッタッタッタ

ラクシャーサ「て、敵襲です! 前線が蹴散らされております!」

アスラ「何ぃ?」

ラクシャーサ「上空から突如現れたえらしく、兵どもが混乱を……っ」

アスラ「相手は何匹だ!」

ラクシャーサ「そ、それが……1人との……」

アスラ「1人だあぁ!?」

ラーヴァナ「フハハハハハ!」

アスラ「……ッ」

ラーヴァナ「人間にもなかなかに面白い奴がいるようだ」

アスラ「……すぐに消して参ります」
531 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/22(月) 18:37:00.64 ID:HVvEXxSho
ラーヴァナ「まぁ待て。城へ戻る前にツラを拝んでいくとしよう」

アスラ「なりませぬ」

ラーヴァナ「……」

アスラ「単身、この大軍に乗り込んでくるとは、よほど自信があるのでしょう」

ラーヴァナ「負けるとでも?」

アスラ「そ、そうではありません……っ! 余計な労力をかける事もないかと……」

ラーヴァナ「……ふーむ」

アスラ「ここは私に免じて、どうかご帰還下さいます様」

ラーヴァナ「良かろう。貴様に任せると述べた以上、従おうじゃあないか」

アスラ「はっ。必ずや人間共の亡骸をラーヴァナ様の元に!」

ラーヴァナ「……第1軍、反転せい。城へ還るぞ」

ザザザッ…ドドオオォォォォ

ラクシャーサ「第1軍、急ぎ反転せよ! ラーヴァナ様ご帰還!」

ラーヴァナ「アスラ、過ちは許されんぞ」

アスラ「……胆に……命じておきます」
532 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/22(月) 18:38:04.13 ID:HVvEXxSho
ズガガガガガッ!!

天才「うらああぁぁぁぁ!!」

ラクシャーサ「何だコイツは!?」

手にしたツヴァイハンダーを頭上で大きく振り回し、

一振りで数匹のラクシャーサを一気にに吹き飛ばす天才。

ラクシャーサ「止めろぉ! これ以上進ませるなぁ!」

天才「ハーッハッハ! さっすがツヴァイハンダーフュンフ。五行なしでも十分だ」

ザシュウウゥゥゥゥ

天才「コイツが量産の暁には、テメェら豆腐のようにスッパリサッパリだぜ」

ラクシャーサ「人間風情が……ッ」

ドスンッ!!

天才「……おっ?」

アスラ「…………」

天才「魔王……じゃねぇな。何だテメェさんは?」

アスラ「退がっていろ」
533 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/22(月) 18:39:53.56 ID:HVvEXxSho
ラクシャーサ「し、しかし……ッ」

アスラ「貴様等が束になっても適う相手ではない。分かるだろう」

ラクシャーサ「……ッ」

アスラ「我が命はラーヴァナ様の命も同じ」

ラクシャーサ「は、ははぁ!」

アスラ「二手に別れ、町は無視していい。奴等の本拠を襲え」

天才「させっかよ」

アスラ「させて貰う」

ザッ

天才「……」

ラクシャーサ「い、今だ! 突っ込めぇー!」

ザザッ…ドドドドドド…

アスラ「……大人しく通すとはな。てっきり抵抗するかと思ったが」

天才「あんな雑魚、放っておいても問題ないんでねぇ」

アスラ「……」
534 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/22(月) 18:41:48.60 ID:HVvEXxSho
天才「一か八か突っ込んで正解だったわ。とんだ大物が引っ掛かったわ」

アスラ「……」

天才「ここでテメーをブッ殺せば、ラーヴァナの右腕をもいだも同じよ」

アスラ「違うな」

天才「あぁ?」

アスラ「ラーヴァナ様は絶対なのだ。我が力など欲していない」

天才「……」

アスラ「それに貴様、その剣……量産など出来る代物ではあるまい」

天才「……」

アスラの言葉にミミを傾ける天才は、ラーヴァナ軍の思慮深い統制と至高に、

危惧を抱きながらも、一筋の光を導き出そうとしていた。

天才(コイツらはかなり慎重になってやがる。理由は……アンラ・マンユか)

サタンを封印され、同じく封印されていたパズズを葬られた。

そして初めて真っ向からぶつかり、アンラ・マンユが人間の手で倒された。

天才(だったら打つ手はある。切れ者のラーヴァナちゃんならなぁ!)
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/22(月) 18:48:45.51 ID:HVvEXxSho
ここまでにて失礼致します!体が強烈にダルイ…
ご支援ありがとうございました!それでは!ノシ
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/22(月) 18:52:20.58 ID:vNHghPXAO
>>1

今日はマジでダルいな
これからしばらく祝日無いのかと思うと[ピーーー]る
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/22(月) 19:45:18.48 ID:7ZGR3HpDO
>>1乙!
土日更新も乙!体調には気をつけてなー
今の所順調な感じだけど、戦力差がある上に魔王軍にも戦略があるとか厳しそうだな……
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/22(月) 21:56:07.62 ID:p2tVnonIO

1乙。

天才無双かっけーッス
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/23(火) 00:30:56.34 ID:vpCwjLGAO
>>1おつ

阿修羅って聞くと阿修羅像の綺麗な姿想像しちゃうけど、魔物verの画像見たらけっこうイケイケな性格してそうだな
540 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/23(火) 22:30:06.98 ID:F9IZQHzjo
アスラ「貴様の戯言に惑わされる我らではない」

天才「どうかねぇ。戯言かどうかはそのうち分かるさ」

アスラ「仮にそうだとしても、叩き潰すのみだ」

天才「そうしろそうしろ。せいぜい時間をかけてくれや」

アスラ「……」

天才「その間に、こっちはこっちで次の手ぇ打たせて貰うわ」

アスラが天才の声に耳を傾ける事はなかった。ある一部分を除いては。

天才「ま、とにかく今はここでテメーを潰す。そんだけだ」

アスラ(この人間の話は虚言に過ぎない。だが、この意図は何か?)

天才(さぁ考えろ。頭使ってるテメーらなら悩むはずだ)

アスラ(人間共に大した手は持たぬはずだ。では何が狙いだ?)

天才(奴らは時間をかけたい。それは五ヵ年計画にとっては不利)

アスラ(てっきり急いていると思ったが……遅らせたいかのような言動)

天才(悩め悩め。悩んだ先に導くがいいさ。それがテメーらの過ちだ……!)

アスラ(こいつ等……時間をかけて何か行う気か。時間をかけるのは過ちか)
541 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/23(火) 22:44:00.57 ID:F9IZQHzjo
ザッ

天才「来いよ。それともこのままテメーも、魔王様と仲良く退くかぁ?」

アスラ「退く理由が見付からぬ」

天才「ハーッハッハ! じゃあかかってきな」

アスラ「……」

シュバッ!!…ドガガガガガッ!!

アスラの繰り出す6本の拳と天才の大剣が激しくぶつかり合う。

天才「おらおらおらぁーっ!!」

アスラ「たかが1匹の分際で……」

天才「テメーも1匹だろうがよぉ」

アスラ「……」

天才「1対1なら負けねぇとでも思ってんじゃねぇだろうなぁ!?」

アスラ「勝ってから語るがいい」

天才「おーおーそうさせて貰うぜぇ!!」

アスラ「後悔するがいいさ……虫ケラが!」
542 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/23(火) 23:10:53.69 ID:F9IZQHzjo
開戦2日目。初めての朝を迎えたこの日……。

〜本国〜

戦士「準備出来たかー?」

魔道士「はいっ! オッケーです!」

召喚士「それじゃ行きましょうか」

盗賊「……ああ。行こう」

戦士「ルートはどうする?」

召喚士「国軍の輸送船が南方司令部に向かうらしいからそれに乗っていこうかと思って」

魔道士「いいんですか?」

召喚士「ええ。許可は得てますので」

戦士「そんじゃあ直で南方司令部に迎えるんだな」

召喚士「うん。南方司令部に着いたら、すぐにみんなと合流しよう

盗賊「……魔翌力はどうなのだ?」

召喚士「お陰様で、だいぶ戻ってきましたよ」

盗賊「……そうか。なら……いいけど」
543 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/23(火) 23:18:02.22 ID:F9IZQHzjo
〜本国、港〜

サモナー「それじゃ、三日月島に行こうか」

マーメイド「ええ。それじゃ、サモナーも気を付けてね」

サモナー「マーメイドもね」

マーメイド「大丈夫よ。もう魔物も居ないでしょうし。ふふっ」

バシャッ

サモナー「……」

船員「三日月島行きの船が出港致します。お乗りのお客様は――」

ボーッボーツ

サモナー「……軍船か。南方司令部行きかな?」

船員「お客様、お乗りでしたらお急ぎ下さい」

サモナー「あ、すみません。ごほごほっ」

船員「だ、大丈夫ですか!?」

サモナー「すみません……ちょっとふらついただけですから。はは……っ」

船員「……っ」
544 : ◆1otsuV0WFc[sage]:2011/08/23(火) 23:33:59.49 ID:F9IZQHzjo
〜南方、東の町〜

偵察隊「第二波、来ます!」

南方参謀「狙いはどっち!? ここ? それとも……」

バシュウウゥゥゥゥ

青龍士官「狙いはここじゃありません! 更に北上をするようです!」

南方魔道長「ちっ、面倒かけやがる」

南方副司令「東西二手に分かれてやがる! どうすんだ!?」

南方参謀「……」

ドドドドドド

南方司令「来たな」

南方参謀「西よっ! 各員っ、西のラクシャーサに当たって!」

南方副司令「いけぇ!!」

竜騎士兵「西だ! 突撃ーっ!!」

南方弓長「弓隊っ、右方構え……射てぇ!」

南方参謀「騎兵、竜騎士隊もあとに続いて頂戴っ!」
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/23(火) 23:39:42.07 ID:F9IZQHzjo
明日こそは体調万全で頑張ります。すみません
それではおやすみなさいです
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]:2011/08/23(火) 23:40:48.31 ID:WVnoP9NYo
1おつです
体調不良の時は無理なさらぬようにな
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/08/23(火) 23:57:55.53 ID:mq5++WcAO
>>1乙〜
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/24(水) 00:06:58.17 ID:OEAQG2bDO
>>1乙!
今週は急に気温下がったし気をつけてなー
体調悪ければ無理せず休んだ方がいいんだぜ

今回は戦闘開始前にフラグ立ちまくりだから先が凄く楽しみだ。
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/24(水) 00:14:05.27 ID:PIyq50+zo
おつ
ついでにいっちゃうとsaga忘れてる
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/24(水) 01:09:17.89 ID:IFObrcvAO
>>1おつ
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/08/24(水) 04:43:06.19 ID:O5njQW0n0
1乙
お大事に
552 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 17:59:30.26 ID:m5AypDa3o
ザザッ…ジャキジャキジャキッ

弓兵「……発射ぁ!!」

東の町をぐるりと囲む壁。その上に居並ぶ弓兵の手より、

数百の矢が町の東西を進む魔王軍の頭上へと射られる。

バシュシュシュシュシュッ

ラクシャーサ「うっぜぇ……! こんな矢で倒せるとでも思ってんのかぁ!」

ザザッ

ラクシャーサ「ほっとけ。こんな町に用はねぇ!」

射掛けられる矢をものともせず、町の横を素通りするラクシャーサ達。

ドドッドドッドドッ

偵察隊「東側のラクシャーサ! 町を抜かれました……っ!」

南方参謀「流石に矢の牽制程度じゃ乱れないわね」

南方司令「構わん」

南方魔道長「赤壁にぶつける気か?」

南方司令「その前に……彼らがきっと来る!」
553 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:00:15.85 ID:m5AypDa3o
ザザザッ…ドドオオォォォォ

ラクシャーサ「ヘヘッ、二手に分かれたのとアスラ様のお陰で楽に……」

ドドッドドッドドッ

ラクシャーサ「――ッ!?」

弟者「どけどけどけええぇぇ!! 一番乗りじゃああぁぁ!!」

ズバシュッ!!…ドシャアァ

ラクシャーサ「な、なん――」

錦将軍「邪魔する奴は問答無用で蹴散らすぜぇ!」

弓将軍「ほほぉーこりゃあなかなかの数じゃわい。……だが」

兄者「思った程ではないな。本国の皆々が分断したようだな」

ラクシャーサ「なんだコイツら……ぐわぁ!」

ザシュッ!!

白馬騎士「華国五虎将……盟友、本国の増援に参った!」

兄者「このまま突撃だ! 敵の隊列を乱してやれい!」

華国兵「おおぉぉぉぉーっ!!」
554 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:01:04.47 ID:m5AypDa3o
ワアアァァァァ

弓兵「な、なんだ……っ!?」

偵察隊「南東国からの援軍だ! 弓兵っ、援護するんだ!」

弓兵「お、おぉ! 来てくれたのか! よーし……援護射撃始めぇ!」

バシュシュシュシュッ

ラクシャーサ「ちっくしょお……左右から攻撃されてんぞ!?」

錦将軍「うらぁ! どうしたこらあぁ!!」

弟者「この新調した矛と鎧……軽くて大丈夫かと思ったが……」

兄者「前のより勝手が良いではないか。流石は本国の技術か」

白馬騎士「馬の足を止めるなっ! このまま走り抜けるぞ!」

僅か数百の騎馬隊ではあるが、先頭を駆る五虎将の圧倒的な強さを始め、

強固な南東馬を駆る華国きっての精鋭が密集し、勢いそのままに

ラクシャーサの群れを中央より分断するように駆け抜ける。

白馬騎士「駆け抜けた後は一気に反転し、再び突撃だ!」

それを数度となく繰り返す騎馬隊の猛攻に、魔王軍の隊列は為す術なく崩れる。
555 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:02:44.43 ID:m5AypDa3o
ドドッドドッドドッ

偵察兵「東側っ、南東国の増援により魔王軍の足が止まっております!」

南方副司令「よぉーし! こっちも負けるなよぉ!」

南方司令「グランドインパクトジャスティスパーンチイイィィ!!」

ズガッ!!…ドガガガガアアァァ!!

ラクシャーサ「グハァーッ!!」

青龍士官「もっと押し込め! 町には近づけさせるな!」

ラクシャーサ「ヘッ、だーれが近づくかよバーカ!」

ダダッ!!

青龍士官「むっ、このまま西に流れるつもりか?」

青龍兵「隊長っ!! あ、あの奥を……っ!!」

青龍士官「奥……? な、なん――!!」

東の町手前で二手に分かれた第四軍の西側を上空より牽制する竜騎士隊。

その更に遥か西の先にて上がる土煙を発見した彼らは驚愕する。

青龍士官「ラーヴァナの……支隊っ!!」
556 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:03:53.97 ID:m5AypDa3o
ドドドドオオォォ…

青龍士官「方角は!?」

竜騎士兵「北西……まさか……南方司令部へ!?」

青龍士官「くっ!」

バシュウウゥゥゥゥ

青龍士官「西の先に支隊発見! 相当数の魔物です!」

南方参謀「やっぱり後続は切り離してたわね……っ」

南方副司令「さーてどうするよ?」

南方参謀「総司令は?」

南方弓長「まだ戻って来ないわよっ」

青龍士官「おそらく前線で敵の大将を足止めしているかと……」

何歩参謀「いくらこの戦いでは大将じゃないからって……身勝手すぎるでしょ」

南方副司令「大将と副将があれだしなぁ……」

南方司令「さぁどうした!! 恐れをなして逃げるか悪党共がぁー!!」

西方司令「数が多すぎるううぅぅ! もう駄目だ、死ぬううぅぅぅぅ!!」
557 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:04:44.24 ID:m5AypDa3o
ドドオオォォォォ

ラクシャーサ「お、おい……あれって……」

シヴァ「……どうした?」

ラクシャーサ「い、いえ……っ。東の空に召喚獣らしきものが数匹……」

シヴァ「何ぃ?」

ジロッ

シヴァ「……」

ラクシャーサ「あの辺りって第4軍の……人間の町ら辺だよな」

シヴァ「人間……だぁ……?」

ビキビキビキッ

ラクシャーサ「あ、あの……シヴァ様……ッ」

シヴァ「このまま進め。すぐに戻る」

ラクシャーサ「!?」

シヴァ「人間共は根絶やしだぁ……ッ!! ぶっ殺してくれる!!」

ラクシャーサ「あ……あのっ、シヴァ様――」
558 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:05:33.56 ID:m5AypDa3o
ドウンッ!!…オオォォォォ

ラクシャーサ「あ……っ」

隊を離れるシヴァに、ラクシャーサらは唖然としながらその小さくなる影を見つめる。

ラクシャーサ「ど、どうするよ……」

ザッ

ラクシャーサ「ほっとけよ。アンラ・マンユ様の仇討ちのつもりなんだろ」

ザザッ

ラクシャーサ「……仕方ない。俺らはこのまま目的地に進むぞ!」

ゴッゴオオォォォォ

シヴァ「……誰であろうが関係ない。人間は全て殺す! 皆殺しだ!」

ゴウッ!!

シヴァ「アジ・ダハーカ!」

バシュウウゥゥゥゥ

アジ・ダハーカ「ゴガアアァァァァーッ!!」

シヴァ「共に主の仇を取ろうぞ! このまま突撃だ!」
559 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:06:38.35 ID:m5AypDa3o
ォォオオオオ

青龍兵「!?」

青龍士官「どうした?」

青龍兵「何か……来ます! なんだあれは!?」

竜騎士兵「ドラゴン!? いや違うっ! もっとでかいぞ!」

見た事もない巨大な黒い影に、竜騎士隊の面々は言葉を失う。

ドラゴンの数倍はあろうかという巨体ながら、それは凄まじい勢いで迫ってくる。

青龍兵「回避回避回避ぃーっ!!」

ゴアッ!!

南方副司令「何だぁ!?」

南方魔道長「空からだとぉ!? んな――」

アジ・ダハーカ「グガアアァァァァーッ!!」

ビリビリビリッ

南方司令「ドラゴンか? いや……違うな」

弓兵「くっ、か……構え――」
560 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:07:30.11 ID:m5AypDa3o
南方弓長「無理よっ、届くわけないじゃない! 退がりなさい!」

アジ・ダハーカ「ゴオオォォォォ……ッ」

キュイイィィィィ

青龍士官「撃たせるかよぉーっ!!」

青龍兵「突撃ーっ! 接近して間合いを詰めれば、小さいこちらに分がある!」

バシュウウゥゥゥ!!

アジ・ダハーカ「……ッ!?」

南方副司令「よしっ、取り付いた! 今のうちに退避出来る奴は退避しろぉ!」

青龍士官「無理に攻撃する必要はない。とにかくへばり付いて手を封じるんだ!」

竜騎士兵「了解っ!」

アジ・ダハーカ「グウウゥゥ…ッ!!」

ドズウウゥゥン!!

南方参謀「!?」

シヴァ「やるじゃねぇか……アジ・ダハーカ相手によくもまぁ」

南方参謀「ぞ、増援……っ?」
561 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:08:36.99 ID:m5AypDa3o
ザッザッザ

南方参謀「各員、早く退避――」

バキャッ!!…ドザザザザアァ…

南方参謀「げ……げふ……っ」

南方弓長「参謀っ!!」

シヴァ「他愛ねえなぁ。歯応えある奴ぁいねーのかよ?」

南方弓長「参謀っ!? しっかり!!」

シヴァ「何にもねーなら、大人しく死ね」

南方弓長「――っ!!」

グワッ!!…ズッガアアァァァァン!!

シヴァ「……?」

シュウウゥゥゥゥ

ボス「ナメんじゃねーぞ……このクソヤローが……!」

南方弓長「ア、アンタ……っ!?」

シヴァ「……」
562 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:09:11.30 ID:m5AypDa3o
ヨルムンガンド「オアアァァァァー!!」

シヴァ「召喚獣か。しかし見かけ程の力はないなぁ!」

グググッ

南方参謀「ごほごほっ、む……無茶よその身体で……っ!」

南方弓長「!?」

ボス「ちぃ……っ!」

シヴァ「そら、召喚獣ごと吹っ飛べ!!」

バギャア!!…ドサッ…ゴロゴロゴロッ

ボス「……う……っ」

南方弓長「……っ!!」

ゴロツキ「ボス!! その傷じゃ無理だって!!」

チンピラちっくしょおぉーっ!!」

シヴァ「雑魚はどいてろ!」

チンピラ「ぐあぁーっ!!」

ゴロツキ「く……っ、ぐふっ!」
563 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:09:57.46 ID:m5AypDa3o
ドサッ

シヴァ「……大した力もねーくせにしゃしゃり出てんじゃねーぞ」

ボス「姉御ぉ……に、逃げろ……っ」

南方弓長「く……っ!」

チャキッ

シヴァ「そんな弓矢程度で何が出来る? 祈った方がまだマシだぞハハハッ!」

ブオッ!!

ボス「ちっくしょおおぉぉぉぉ!!」

ババッ!!…ガシィッ

シヴァ「……何……ぃ?」

南方弓長「……っ」

ボス「……な、なん――」

スタッ

――「立てるでゴワスか? つかまるでゴワス」

ボス「お、お前……っ」
564 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:10:52.88 ID:m5AypDa3o
番長「遅くなったでゴワスな。ワーカーの援軍……只今参上でごわす!」

ゴーレム「ゴオオォォォォ」

シヴァ「コイツも……召喚獣か」

バキィッ!!

シヴァ「……ッ!!」

リンドブルム「ガアアァァァァ!!」

バイコーン「ハアアァァーッ!!」

ズガガガガッ…ドズウウゥゥゥゥン

親衛隊長「ヘルプミーのボイス……届いたぜ」

特攻隊長「南で好き勝手させるかっつーの!」

南方弓長「あ、あなた達……っ」

シヴァ「……殺す」

――「はああぁぁーっ!!」

シヴァ「!?」

ザシュウウゥゥ!!…ズザザザアァ
565 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:12:11.20 ID:m5AypDa3o
シヴァ「次から次へと湧き出て……ムシケラ共があぁ!!」

剣士「弓使い! 怪我人を町の中へ!」

弓使い「ええっ、立てる!? 急いで!!」

南方弓長「あ、ありがとう……!」

剣士「幼女! 援護を……頼む!」

幼女「はいっ! いっくよぉ!!」

ドドオオォォォォン!!…ズガアアァァ!!

番長「続くでゴワスよぉ!」

親衛隊長「エネミーはロンリーさ! 今がチャンス!」

タタッ…タッタッタ

ボス「ゴ……ロツキ、チンピラ……」

弓使い「みんな無事よっ、息はあるわ!」

南方参謀「ワーカー……来てくれたのね」

弓使い「遅くなってごめんなさい。えっと……あ、いたいた!」

タッタッタ
566 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:13:28.19 ID:m5AypDa3o
弓使い「こっちこっち! 回復お願い!」

女賢者「んふっ、任せて♪」

パアアァァァァ

南方魔道長「大丈夫か?」

南方弓長「ええ……っ。で、でも……」

ボス「ごほごほっ、ぐ……くっ」

女賢者「止血と傷口は塞いだけれど、骨折が何ヶ所かあるわね」

ボス「問題ねぇ……っ、いける……」

ググッ

南方魔道長「おいおい無茶だろ。やめとけ」

ボス「黙って寝てられるかよ……っ」

南方副司令「いいから寝とけ。お前さんの召喚獣は頼りになるんだ」

ボス「……っ」

南方副司令「チャンスは必ず来る。それまでは温存しておけ」

ボス「……くそっ」
567 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:14:31.42 ID:m5AypDa3o
ズドオオォォォォン

シヴァ「その程度で調子に乗りやがってぇ……!」

番長「来い! カトブレパス!」

特攻隊長「援護すんぞ!」

親衛隊長「イエース!!」

シヴァ「アジ・ダハーカめ……何をしてやがる」

ブンブンッ…ブオオォォォォ

アジ・ダハーカ「グゴオオォォォォ!!」

青龍士官「逃がすかっ、邪魔はさせんぞ!」

青龍兵「……くぅ」

竜騎士兵「魔力が……っ」

青龍士官「地上も頑張っている。ここが正念場だぞ!」

青龍兵「そうだ……もうじきAチームが戻ってくる! それまでは……」

竜騎士兵「持たせてみせる!!」

青龍士官「我ら竜騎士隊の……受け継いだ誇りと魂を……見せてやれ!」
568 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:15:40.34 ID:m5AypDa3o
〜南方司令部〜

ザザーン…ゴガアアァァン

南方兵「いいぞー! 物資を運び出せぇ!」

ザザッ…タッタッタッタッタ

戦士「到着早々、慌しいなぁ」

召喚士「もう交戦してるのかもしれないね」

カツカツカツ

騎士団長「待っていたぞ、朱雀の」

召喚士「騎士団長さん!」

騎士団長「前線へ向かうのだろう? 馬車は手配出来ている」

召喚士「ありがとうございます」

タッタッタ

南方兵「これはどっちに運べばいいんだー?」

盗賊「……ん?」

魔道士「あっちにも軍船……ですか?」
569 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:16:22.33 ID:m5AypDa3o
カツカツカツ

西方副司令「ちょっとアンタ! 兵器の手配お願いって言ったでしょ!」

助手「はいは〜い。今やりますよーん、あそれこっちー!」

南方兵「は、はいっ!」

西方副司令「あら? 朱雀先生……よね?」

召喚士「すど、どうも。三日月島からの援軍ですか?」

西方副司令「そうなのよ……思ったより数が多いみたいで」

戦士「大変だな。こうなると俺らも急いだ方がいいんじゃねぇか?」

盗賊「……そうだな」

西方副司令「赤壁に行くなら伝えておいて」

魔道士「分かりましたっ、お伝えしておきます!」

西方副司令「ありがと。こっちは兵器があるからまっすぐ東の町へ向かうわ」

召喚士「東の町……ですか?」

西方副司令「うん。そこでどうやら交戦中みたいよ?」

召喚士「……」
570 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:17:51.56 ID:m5AypDa3o
助手「オッケー♪ そのまま真っ直ぐ南門へ移動してー」

西方副司令「さーて。それじゃ私達も行くわ。また後でね」

召喚士「あっ、はい!」

カツカツカツカツ

騎士団長「馬車は司令部の正門に手配してある。好きに使ってくれ」

召喚士「ありがとうございます」

騎士団長「私はここで司令部を守る。君達も前線で頑張ってくれ」

召喚士「はい……。騎士団長さんも、お気を付けて」

騎士団長「本国騎士団がそう簡単にやられたりはしないさ。はははっ」

ザザッ…カツカツカツ

戦士「……そんじゃ、行くか」

魔道士「そうですね。急ぎましょ!」

召喚士「え、ええ……」

盗賊「……」

4人は用意された馬車へと急ぎ、南方司令部を出発する。
571 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:19:16.91 ID:m5AypDa3o
パッカパッカパッカ…

召喚士「……」

盗賊「……どうした?」

召喚士「俺達も……東の町へ行った方がいいんじゃないかな……?」

盗賊「……」

召喚士「あ、いや……っ、勝手だとは思いますけど……」

盗賊「……同意」

召喚士「えっ?」

戦士「実は俺も思ってたところだ。赤壁経由じゃ時間がもったいねぇ」

魔道士「そうですよね……っ。既に戦いは始まってしまっているようですし」

召喚士「みんな……っ」

戦士「それじゃ、行こうじゃねぇか。東の町によ!」

魔道士「そうしましょう!」

盗賊「……ああ」

召喚士「よし……っ! すみません、進路を東の町へ!」
572 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:20:06.80 ID:m5AypDa3o
〜東の町、南側〜

天才「だっりゃああぁぁ!!」

ズガガガガッ!!…ジャジャキンッ!!

天才「……」

アスラ「ここまで直撃を避けるとは……やるじゃあないか」

天才「ハーッハッハ! テメーもな!」

アスラ「しかしいいのか? 後方が何やら騒がしいようだが」

天才「あぁ? 想定内……かもな」

アスラ「強がっていても焦っておるのは分かる」

天才(まーな。まさかここまで統制された動きとはちょいとばかし予想外だ)

アスラ「貴様もいい加減に――」

天才「……あん?」

チラッ

天才「な……あれは……っ!!」

アスラ「アジ・ダハーカ!? まさかシヴァめ……勝手な真似をッ」
573 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:21:16.98 ID:m5AypDa3o
天才(あれは確かアンラ・マンユの。そうかいそうかい、そういうわけかい)

ザッ

天才「おう、オメーさん……何て言ったっけか?」

アスラ「……我が名はアスラ」

天才「なぁアスラちゃんよぉ」

アスラ「……」

天才「いいのかい? アレ……勝手に動き回ってんだろ?」

アスラ「…………」

天才「ラーヴァナ様の軍勢ともあろうものが、お粗末なモンだわな。ハーッハッハ!」

アスラ「貴様が知った事か!!」

天才(やっぱりな。今、東の町を襲ってるのはラーヴァナ直属じゃねぇ)

アスラ「さっさと朽ち果てるが良い!」

天才(ここにきてようやく綻びが出始めたか!)

ズザッ

天才「尚更、テメーを通すわけにゃいかなくなった。ここで足止め食って貰うぜ!」
574 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:22:22.95 ID:m5AypDa3o
アスラ「小賢しい!!」

天才(出来るだけ時間を稼ぐ。そうすりゃ……駒が盤上に整う)

アスラ「アアァァァァ!!」

天才(そーすりゃコッチがチェックメイトだ)

キュイイィィィィ

天才「五行……聖っ!!」

アスラ「!?」

天才「……を、付加ぁ!!」

ツヴァイハンダーが五行の光に包まれ、目を覆うほどの輝きをみせる。

天才「でっりゃああぁぁぁぁーっ!!」

ザシュウウゥゥゥゥ!!

天才「……残り5本」

アスラ「――ッ!!」

ボトッ…ドサァ!!

天才「このまま大事なお手て、ぜーんぶもぎ取らせて貰うぜぇ。ハーッハッハッハ!」
575 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/24(水) 18:24:33.64 ID:m5AypDa3o
ドドオオォォォォ…ザザッ

ラクシャーサ「……いかが致しますか!?」

ヴァーリン「……」

〜スグリーヴァの城〜

ヴァーリン「ようやくだ、ようやくこの刻が来たのだ……ッ」

ザッ

ヴァーリン「全軍、我に続けぃ!! 狙うはスグリーヴァの首よ!!」

ラクシャーサ「行けぇーっ!! 突撃ーっ!!」

ドドドドドド…

ハヌマーン「……いよいよ来たか」

マーマン「ったく。とんでもねぇ数、引き連れてきやがって……」

オーク「大丈夫! みんないるです!」

ゴブリン「おーう! いくだギャー!」

法師「スグリーヴァ様……」

スグリーヴァ「……うむ。法師殿はここにおれ。それでは皆の者、参るぞ!」
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)2011/08/24(水) 18:47:54.62 ID:pH/8kwAAO
>>1乙!
展開が熱いww
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/24(水) 18:48:32.29 ID:m5AypDa3o
本日もご支援ありがとうございましたー!
まだ復調してないので今日はここまでにて!
また明日、お疲れ様でした!ノシ
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]:2011/08/24(水) 19:31:45.01 ID:/oO89Znmo
>>1
スグリーヴァの城って入るのに細い道通らなきゃいけないなら
籠城でけっこういけそう
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/25(木) 02:30:13.91 ID:g7Wp+vRAO
>>1おつ

アジ・ダハーカってブルーアイズアルティメットドラゴンみたいな風貌だな
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/08/25(木) 02:52:41.39 ID:ouOwsTOAO
すど、が気になって眠れない
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/25(木) 08:19:20.73 ID:D1qFIwgAO
>>1

やっぱりスグリーバの城は見つかってたってことなのね
オーク頑張れ
582 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/25(木) 18:17:20.87 ID:LOJSmad6o
〜東の町、東側〜

ラクシャーサ「チキショー、退路を塞がれたぞ!」

錦将軍「退路を絶ったぞ! このまま維持しろい!」

ラクシャーサ「後続は!? くっそぉ……前進するしかねぇか……ッ」

弓将軍「魔王軍の前衛が北へ向かっておるぞ?」

兄者「構わぬ。本国の拠点があるのだ。ここでは隊列を乱せればそれで良い」

ラクシャーサ「仕方ない……。我らは一旦、アスラ様の下まで退がるぞ」

弟者「本当にこれでいいんだよなぁ!?」」

白馬騎士「ああ、我らの手勢で出来る事はここまでだ」

ラクシャーサ「たかがあれだけの数で……こっちは何百やられた!?」

兄者「負傷者は?」

白馬騎士「2人亡くなった……。あとは軽傷だ」

ラクシャーサ「後退ッ、後退ーッ!!」

錦将軍「進め進めぇ!! ギリギリまで追撃すんぞぉ!!」

白馬騎士「……出だしは上々、か」
583 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/25(木) 18:18:17.99 ID:LOJSmad6o
〜東の町、西側〜

剣士「はああぁぁーっ!!」

キィン…ガキイィン…チュインッ!!

シヴァ「足元をチョロチョロとぉ……ッ! 踏み潰してくれるわ!」

番長「甘いでゴワス!」

シヴァ「アァ!?」

カトブレパス「オオォォォォーッ!!」

ズバァ!!…ゴシュウウゥゥゥゥ

剣士「幼女っ!!」

幼女「うんっ、いくよぉ!」

ドドオオォォォォン!!…ズガアアァァァァン!!

カトブレパスの一撃により石化したシヴァの左足を、幼女の魔法を付加した

剣士渾身の一振りが、それを粉々に打ち砕く。

シヴァ「――ッ!?」

剣士「よし……っ!」
584 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/25(木) 18:19:19.27 ID:LOJSmad6o
ザザザッ…パキイィン

シヴァ「フ……ッ、ククッ! クハハッ!」

グググッ…ズボォ!!

特攻隊長「何ぃ!?」

幼女「足がまた生えてきた……っ、気持ち悪い……」

シヴァ「この程度で喜ばれては困るなぁ」

南方参謀「やっぱり駄目ねっ、あれクラスは五行じゃないと……」

南方魔道長「どうやってだよ? 地上の奴だけじゃねーんだぞ?」

南方参謀「分かってるわよ……ごほっ」

ドシュウウゥゥゥゥ

青龍士官「……っ」

青龍兵「すみません隊長……っ、離脱致します!」

青龍士官(マズイな。かなり離脱してしまったか。早く打開策を練らないと……)

アジ・ダハーカ「グガオオォォォォーッ!!」

青龍士官「……ちっ」
585 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/25(木) 18:20:19.55 ID:LOJSmad6o
ギュオオォォォォ…ビタァ!!

青龍士官「……?」

アジ・ダハーカ「……グ……ウゥ」

南方副司令「ど、どうしたんだ……?」

ザッ

シヴァ「……ッ」

親衛隊長「ホワッツ?」

番長「魔物が急に、上を向いて止まったでゴワスよ……?」

シヴァ「…………」

ブワッ…ドズウゥン

シヴァ「クソが……ッ」

南方司令「……?」

アジ・ダハーカ「グアオオォォォォ!!」

バサッ…バシュウウゥゥゥゥ

剣士「な、何だ……? 魔物が急に退いて行った……!?」
586 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/25(木) 18:21:38.74 ID:LOJSmad6o
バチッ…バチバチバチッ…フッ

インドラ「…………」

東の町の遥か上空、稲妻と共に一瞬姿を見せた魔物は、

シヴァとアジ・ダハーカの撤退を確認すると、自身もその場より姿を消した。

〜東の町、南側〜

アスラ「……」

天才「……」

アスラ「まさか、貴様程の人間がおるとは正直、夢にも思わなかったぞ」

天才「俺様は別格だからな。運が悪かったと思え」

アスラ「だが、貴様が潰れれば他にはおるまい」

天才「ああ、いねーよ」

アスラ「……」

天才「いねーけどよ、俺様より強い力はたっくさんあるぜ?」

アスラ「意味が分からんな」

天才「個で戦ってるテメーには分からねぇだろうよ」
587 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/25(木) 18:22:33.75 ID:LOJSmad6o
ズオッ…バシュウウゥゥゥゥ

天才「!?」

ズダッ

シヴァ「……」

天才(まさか援護に!? いや、そんなハズはねぇ……)

アスラ「何用だ、まさか手を貸しに来たとでも言うのか?」

シヴァ「違う。インドラだ。後退するぞ」

アスラ「インドラ? 後退?」

シヴァ「まさか手を組むとは……やってくれるじゃないか人間!」

天才「……」

アスラ「インドラは元々、貴様の仲間であろう。面倒な事を引き起こしてくれる……」

天才「ハーッハッハッハ!!」

シヴァ「……?」

天才「バレちゃ仕方ねぇ。こちとら天下のインドラ様が付いてんだ!

アスラ「貴様ァ……やはり……!」
588 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/25(木) 18:23:22.84 ID:LOJSmad6o
天才「おっと、いいぜ? なんなら今ここで俺様とインドラを相手にすっか?」

シヴァ「……チッ」

天才「アンラちゃんがいねー今、お前さんの魔力だって限られてんだろ?」

シヴァ「貴ッ様ァ……!!」

ドドオオォォォォ

天才「……?」

ラクシャーサ「ア、アスラ様っ! それに……シヴァ様も」

アスラ「ここで何をしている?」

ラクシャーサ「それが突如現れた人間共に分断を……されて……しまい……」

アスラ「おめおめと逃げてきたと言うかぁ……!」

ラクシャーサ「ひ、ひいぃ! どどっ、どうかお許しを……ッ!」

天才(分断? あぁ、南東国の連中か! ナイスタイミングだ!)

アスラ「どいつもこいつも……ラーヴァナ様のお目汚しを」

天才「んでどーすんだ? そっちの雑魚共もまとめて相手すっか?」

アスラ「……」
589 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/25(木) 18:25:14.39 ID:LOJSmad6o
天才「インドラ様のお力にかかりゃ、一撃で数千は消し飛ぶんじゃねーのか?」

アスラ「……ッ」

シヴァ「離れて久しいと言えど、そのくらいの力があるのは事実だ」

アスラ「…………」

ザッ

アスラ「全軍、撤退」

ラクシャーサ「は、ははぁ!!」

アスラ「首を洗って待っていろ。貴様には左腕1本の借りがある」

天才「いつでもいいぜ。ソロで相手してやるよ」

アスラ「シヴァ。貴様の第3軍も一旦引き揚げさせろ」

シヴァ「アァ?」

アスラ「我が命はラーヴァナ様の命も同じだと分からぬわけではあるまいな?」

シヴァ「……チッ」

アスラ「次はないぞ人間。総力を以って、インドラ共々潰してくれるわ」

天才「おーう。待ってるぜぇ! ハーッハッハ!」
590 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/25(木) 18:26:01.42 ID:LOJSmad6o
ズザッ…ドドドドオオォォォォ…

天才「……ふーっ」

兵を引き揚げるアスラ、シヴァ、アジ・ダハーカとラクシャーサの軍勢。

その土煙と姿を見つめながら、天才は大きく息を吐く。

天才「あぁーしんどいわぁ。つーか危なかったわ……ハーッハッハ!」

ザスッ

天才「なんとなーく読めてきたぜ。ラーヴァナちゃん」

クルッ…ザッザッザ

天才「アンラ・マンユの眷属にアスラ。盤上の駒……」

ザッザッザッザッザ

天才(予想通り、付け入る隙は……あるな)

アスラとの交戦を終え、天才は笑いながら東の町へと引き返す。

天才「あとは……今日中に揃ってくれよな、援軍の皆々様よぉ」

ザッザッザ…ピタッ

天才「……インドラって……誰だっけか?」
591 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/25(木) 18:26:47.01 ID:LOJSmad6o
〜赤壁〜

伝令「東よりラクシャーサの軍勢が迫っています!」

西方参謀「距離は!」

伝令「先程、東の町を通過したとの事でした」

大軍師「数は分かりますか?」

伝令「い、いえ……正確には分かりませんが、おそらくは4〜5万……」

大軍師「……」

西方参謀「思ったより少ねぇな……ヒック」

大軍師「ええ。複数隊に分けているのでしょうかねぇ」

西方参謀「ま、5万程度なら防げる……よな?」

大軍師「……やるしかないでしょう。ふふっ」

西方参謀「んで、まずはどう仕留めるつもりだい?」

大軍師「そうですね。これなんてどうでしょう?」

チョロチョロチョロ…

西方参謀「……水か。えげつない作戦だわガハハッ……ヒック!」
592 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/25(木) 18:27:42.55 ID:LOJSmad6o
〜東の町〜

弓兵「痛……っ!!」

女賢者「はいはい、動かないでね〜」

南方副司令「他に怪我人はいないか?」

南方参謀「大丈夫のようね」

南方魔道長「お前は大丈夫なのか?」

何歩参謀「この程度で泣き言いってられないわよ」

南方弓長「何やってるのよぉ!!」

南方副司令「何だ?」

南方弓長「あなた……怪我してたんですって!?」

ボス「かすり傷だよ、いちいち騒ぐなっての」

南方弓長「かすり傷って……しかも私を庇って……」

ボス「違うっつの。ったく、姉御は心配性なんだよ」

ググッ…ヨロッ…ズシャアァ

ボス「……っ」
593 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/25(木) 18:29:18.64 ID:LOJSmad6o
ゴロツキ「ボスッ! 無茶すんなって」

ボス「テメーらだって怪我してんだろうが!」

チンピラ「俺らとボスじゃ傷が全然違うだろ!」

南方弓長「いいから3人共ここで寝てなさいっ! いいわね!」

ボス「……へいへい」

南方弓長「……っ」

スタスタスタスタ

南方弓長「何なのよ……あいつ!」

南方魔道長「かっこいいじゃねぇか」

南方弓長「何がっ!」

南方魔道長「惚れた女の為に身を挺して守ったんだ。かっこいいだろうがよ」

南方弓長「惚れたって……そ、そんなわけないでしょっ!」

南方魔道長「そうかぁ? 俺にはそう見えるがなぁ」

南方弓長「大体あんな奴、恋愛対象じゃないわよ! 弟みたいなもん!」

南方魔道長「……こりゃお似合いかもな、ははっ」
594 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/25(木) 18:31:24.68 ID:LOJSmad6o
テクテクテクテク

天才「……おーう。全員生きてっかぁ?」

南方参謀「司令!? ちょっと何やってたのよもうっ!!」

天才「あ? 何ってバトルだよバトル」

南方司令「敵は?」

天才「退いた。今日はもう来ねーだろ、しっかろ休んどけ」

南方副司令「来ねーって……」

天才「明日は総力戦だ。今日のうちにしっかり支度しておけよ」

ザッザッザッザ…

南方副司令「総力戦……」

南方参謀「冗談ではなさそうね……っ」

天才「飛べるか?」

青龍士官「また敵のど真ん中に降りるつもりですか? もうこりごりですよ」

天才「ハーッハッハ! もうやんねーよ。偵察だ偵察、南方司令部方面に飛ばしてくれ」

青龍士官「……分かりました。おい、魔力のある者を集めて偵察に出るぞ」
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/25(木) 18:32:06.80 ID:LOJSmad6o
ひとまずここまでにて失礼します
ご支援ありがとうございます!それでは!ノシ
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/25(木) 18:40:07.14 ID:D1qFIwgAO
>>1

天才の青龍仕官への扱いが先生相手とは思えないほど雑いなwwww
まぁ隊を率いてるから当然っちゃ当然なのか
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/25(木) 18:55:23.95 ID:nY1LOYZIO
>>1

インドラってなんだっけ?
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/08/25(木) 18:58:31.21 ID:Fs1RwR6Uo
かつてアンマランユの眷属で今はのんびり庭作って楽しんでる
以前マジシャン探した時に訪れたところの主人
最近また会いに行った
だっけ?
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/25(木) 19:04:10.41 ID:g7Wp+vRAO
>>1おつ

インドラはたしか名士さんだっけか

南方弓長はスレンダー眼鏡にツンデレとはいい萌えキャラだな
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/08/25(木) 19:11:04.20 ID:Fs1RwR6Uo
二人で間違えとる
名士はノーンハスヤでインドラは名士と一緒に離れた眷属
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/25(木) 19:20:02.29 ID:aJgI1q6DO
>>1乙っす
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/25(木) 22:50:27.67 ID:sbSJM4lAO
インドラちゃんのインドアな生活wwwwwwwwwwww
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)2011/08/25(木) 23:55:24.79 ID:XU2Ilkpj0

      / ̄ ̄ ̄\
   γ⌒)      (⌒ヽ
   / _ノ ノ    \  \ `、
  (  < (○)  (○)   |  )
  \ ヽ (__人__)   / /
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/26(金) 07:27:43.69 ID:B3+2+LeDO
>>1

インドラは名士じゃなかとです
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/26(金) 08:02:26.22 ID:uEXDuFPAO
>>1

魔王がデビルのリバースなら、インドラさんはインドラのリバースだな
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/26(金) 08:27:45.47 ID:gte8GcPZo
>>605
??
607 :!ninja2011/08/26(金) 10:42:37.86 ID:cIM3nQcMo
おいおい
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/26(金) 10:43:15.95 ID:cIM3nQcMo
誤爆しました・・・
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/26(金) 18:18:56.37 ID:eCHltKayo
インドラは最初、火山で天才と格闘家がタルウィと遭遇した時に
ちょろっと出て、アンラ・マンユ戦で名士と一緒にちょろっと出た奴です
確か、そうだったと思います…違ったらすみません

>>607-608
お気になさらず!!

↓続き
610 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/26(金) 18:20:27.87 ID:eCHltKayo


メラメラメラッ…パチッ

南方副司令「日が暮れるのも早くなってきたな」

南方魔道長「もう秋になる。五ヵ年計画も残り数ヶ月だわな」

パッカパッカパッカ

南方司令「おぉ、これはこれはご苦労!」

白馬騎士「華国からの増援、遅れまして申し訳ありません」

南方参謀「何言ってんのよっ、お陰で助かったわ」

弟者「んで、敵さんは?」

天才「今日は退いた。明日は向こうもガチで来んぞ」

兄者「多勢のようだが、勝ち目はあるのか?」

ボス「……冗談じゃねぇ。勝つんだよ、こちとらまだ魔王の顔すら見てねぇんだ」

天才「コイツの言う通りだ。目標である魔王にすらまだ行き着いてねぇ」

錦将軍「その前にやられるようじゃ、それまでってか」

天才「おーし、明日に備えて軍議を行うぞ」
611 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/26(金) 18:21:16.02 ID:eCHltKayo
〜赤壁〜

ドドッドドッドドッ

南方兵「開門願おうーっ! 司令部よりの援軍なりーっ!」

西方参謀「来たかっ!」

ドドォ…パッカパッカパッカ

大軍師「……ご苦労様です」

エリート「南方司令部と本部、併せて22000程度です」

大軍師「よくぞ集めて下さいました」

西方参謀「これで赤壁の兵を加えて……

大軍師「約55000ですね」

西方参謀「東側の魔王軍がおおよそ50000。ギリギリで届いたな」

大軍師「ええ。これでうまく誘導出来そうですね」

エリート「西方司令部からの後詰も向かっています」

西方参謀「あとは敵さんの動き次第ってとこかねぇ……ヒック」

大軍師「そうですね」
612 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/26(金) 18:23:19.02 ID:eCHltKayo
バシュウウゥゥゥゥ

青年兵「……エリート様」

エリート「やぁ、今しがた到着したところだよ」

大軍師「どうでした?」

青年兵「東側はあと数時間内に赤壁付近に進軍してくるでしょう」

西方参謀「西は?」

青年兵「特に敵の姿はありませんでした」

西方参謀「西側の狙いは司令部か……」

大軍師「西方司令部と南西砦の援軍で防いで貰いたいところですね」

西方参謀「ああ。街への侵入は絶対に防がんとなぁ」

大軍師「東の街からもあたってくれれば、挟撃出来そうですね」

青年兵「……ならば、私が行って参ります」

大軍師「そうして頂けますか?」

西方参謀「いいのか?」

大軍師「こちらの指揮官は右大臣殿が来て下さいましたから」
613 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/26(金) 18:24:07.97 ID:eCHltKayo


青年兵「それでは、行ってきます」

大軍師「お気を付けて。こちらの事はご心配なく」

青年兵「はい。お待ちしております」

ザッ…バシュウウゥゥゥゥ

西方参謀「お待ちしております?」

大軍師「ラーヴァナはおそらく、動く事はないでしょう」

エリート「……?」

大軍師「最終決戦はラーヴァナの城になる。彼には局面が見えているのですよ」

西方参謀「……がははっ! 若造も成長したもんだわ!」

大軍師「そうですよ。副司令であり、既に貴方よりも階級は上ですから」

西方参謀「……っと、そうだったわ」

大軍師「さて、若い指揮官に頼ってばかりはいられません」

西方参謀「それもそうだわな。準備に取り掛かるか……ヒック」

エリート「……よし。兵の編制を行うぞ。各、大隊長はすぐに集まれ!」
614 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/26(金) 18:24:57.64 ID:eCHltKayo
〜東の町、屯所〜

天才「そいじゃ、始めるぞ。まずは報告から頼むわ」

青龍士官「合流時間や交戦場所に相違がある為、時系列にて進めさせて頂きます」

南方参謀「それが分かりやすくていいわね」

青龍士官「まず、魔王軍が領土内へ進軍を開始したのが、昨日早朝と思われます」

南方副司令「具体的な進軍速度が不明瞭な為、あくまで憶測に基づくものです」

天才「まぁ時間的に大体そんなもんだろ。そこはさほど重要でもねーし」

青龍士官「我ら竜騎士隊がその数時間前に直接、目で見ております」

天才「その段階での兵数は30〜50万とか言ってたか?」

青龍兵「あ、あくまで目測ですので……おそらくといったところですが」

天才「逆算できっか?」

南方参謀「先刻の交戦だけじゃあ何とも言い難いけれど、かけ離れた数字ではないと」

天才「……そんで?」

青龍士官「東の町へ北上中に、魔王軍は3手に分かれたようです」

南方長「偵察隊の話じゃ、東と西に分かれたらしい」
615 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/26(金) 18:25:48.32 ID:eCHltKayo
白馬騎士「すると、私達が交戦した魔物は、東側に分かれた……」

天才「いーや、違う」

白馬騎士「……?」

青龍士官「南東国の方々が交戦したのは、正面から来た隊の兵です」

弟者「意味が分からんな。つまりどういう事だってんだよ」

南方参謀「ちょっと図で書くわね。魔王軍は仮に40万の大軍とすると……」

キュッ…キュキューッ

南方参謀「10万の隊が4つあると考えて頂戴」

南方副司令「そのうちの10万が東、10万が西へ支隊として分かれた」

天才「そして残る20万がここを目指して真っ直ぐ北上してたわけだ」

青龍士官「その中の半数は途中で引き返したようです」

南方弓長「それが魔王直属の部隊って事かしら?」

天才「まぁそうだろうな。あの戦場に魔王はいなかった」

南方参謀「そして総司令が前線で軍団長を抑えてくれたって事ね」

天才「んーまぁ、形的にはそうなったわけだわな」
616 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/26(金) 18:28:50.05 ID:eCHltKayo
青龍士官「そして正面の軍が東の町の東側へ差し掛かった時に……」

南方参謀「南東国軍が遭遇し、交戦となったわけ」

兄者「成程、そういう経緯であったか」

南方司令「そこで分断してくれた事で、魔王軍の隊も分かれたという事だな」

南方参謀「そういう事。つまり半数の5万がそのまま北進し、残り5万が後退……」

錦将軍「ん? ちょっと待てよ、そんなら東に進んだ10万てのはどこに……」

天才「おそらくスグリーヴァんとこだろ」

剣士「……なるほど」

南方参謀「東の支隊はそのままスグリーヴァ軍にあたったと見えるわ」

南方副司令「んで、西の支隊は……南方司令部か」

南方副司令「だろうな」

天才「んで、ここで疑問なんだが……アンラ・マンユの残党は何なんだ?」

青龍士官「分かりません。我らが西へ向かう途中で遭遇致しました」

南方魔道長「あれって確か、火山で交戦した奴……」

天才「ああ。眷属の生き残りだ」
617 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/26(金) 18:30:47.51 ID:eCHltKayo
南方副司令「仇を討つ為にラーヴァナの傘下に入ったのか」

天才「まぁどーだか分からねーが、この機に便乗しようってハラだろうな」

青龍士官「それが本日午後の話ですね」

南方弓長「でも、その眷属はどうして急に退いたのかしら……」

南方副司令「かなり不自然な形で撤退したよな」

天才「……お前らが増援に駆けつけた時、魔王軍と接触はあったか?」

番長「いや、特になかったでゴワス」

弓使い「ええ。南の街から真っ直ぐ来たけど、特に魔物はいなかったわよね」

幼女「うん」

天才「……」

青龍士官「あの、1つ宜しいでしょうか?」

天才「何だ」

青龍士官「支隊にはそれぞれ、軍団長がいるのではないですか?」

南方参謀「考えられるわね。でないと統制なんかとれないでしょ」

天才「……」
618 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/26(金) 18:31:46.91 ID:eCHltKayo
南方司令「……スグリーヴァへの支隊、もしやあの魔物が」

剣士「ヴァーリン!! 確か……スグリーヴァ様の宿敵だったかと……」

天才「……読めてきたぜ」

トン

天才「あくまで予想だが、展開はこうだ」

キュ-ッ…トントン

天才「東西に分かれた支隊の東はヴァーリン。んで西は……」

グイッ…トントン

天才「サルワとあのデケェ鳥みてーのが付いてた」

南方参謀「まさか、軍団長がこっちに!?」

天才「方角的には間違ってねーよな?」

青龍士官「確かに……っ! 西の先に砂塵を見かけました!」

天才「こっちに気付いて陥れようと仕掛けてきたんだろ」

南方司令「断言出来るのか……?」

天才「会話から察するにまぁそうだと思うぜ。独断だなありゃ」
619 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/26(金) 18:32:32.78 ID:eCHltKayo
弓将軍「会話?」

天才「撤退時に遭遇した。アスラって軍団長となんだか話してたぜ」

南方司令「よく無事だったな……」

天才「そこでちょいと聞きてーんだが、ここに眷属以外の魔物は来たか?」

南方弓長「眷属以外? えっと、どういう事……?」

天才「インドラっつったか。知ってっか?」

南方参謀「……いや、知らないですけれど」

天才「……ふーん。ならいいや」

青龍士官「あの、それが何か」

天才「いや、その件はもうちょい情報を集めてからにするわ」

南方参謀「えっと、ひとまず現状は把握出来たかしら?」

南方司令「ああ。つまり正義は勝つと言う事だな」

南方副司令「何にも聞いてねぇ……」

天才「ハッハッハ! いや、その通りだよ。正義は勝たなきゃなんねぇ。勝てば正義だ」

白馬騎士「……」
620 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/26(金) 18:34:47.75 ID:eCHltKayo
南方参謀「……じゃあ、次は明日以降の展開を立案しましょ」

南方副司令「まず厄介なのは、東の町を突破した5万の軍勢……」

天才「それは問題ねーだろ。むしろもっと通してやってもいいくらいだ」

弟者「そうなのか?」

天才「何の為の赤壁だよ。あくまであそこが防衛拠点だろうが」

南方参謀「まぁ、そうだけれど……なるべくその前に叩きたいのが本音よ」

南方魔道長「数が数だからな。叩けるに越した事はないが、連携が大切だ」

天才「そーいう事だ。ここだけで殲滅出来る数じゃねぇ。少し散らした方がいい」

兄者「罠……という事だな?」

天才「赤壁にゃ増援もある。それに、うちの軍師様に任しときゃ何とかしてくれんだろ」

南方参謀「まぁ……そうね」

天才「それよりも面倒なのは、西の10万と正面の15万だな」

剣士「東はスグリーヴァ様の手勢もいますしね」

白馬騎士「華国の兵も国境近くまで進めております」

天才「その為には、ここの連中でどう分配して引き受けるかだな」
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/26(金) 18:43:23.85 ID:eCHltKayo
それではひとまずここまでにて!
本日もご支援ありがとうございました!
それでは、失礼致します!!ノシ
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/26(金) 19:39:04.53 ID:5Ul2ATBDO
はい!
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/26(金) 22:02:39.53 ID:3szpTtmR0
1乙!
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)2011/08/26(金) 22:10:34.15 ID:4yQk/uAZ0
縺翫▽
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/27(土) 01:54:48.76 ID:2va03o1AO
>>1おつ

戦況がわかりやすかったわ
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/28(日) 02:28:15.73 ID:8wQhxgVIO
そういや南方司令って師匠である天才にもタメ口なんだな。
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)2011/08/28(日) 17:43:49.86 ID:/l5j3WpK0

【審議中】
        ∧,,∧ ∧,,∧
   ∧,,∧ (´・ω・)(・ω・`)∧,,∧
  ( ´・ω)(∧,,∧) (∧,,∧(ω・` )
   l U l (  ´・) (・`  )l と ノ
   .u-u (   l). (l   ) u-u'
        `u-u'   `u-u'
628 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/28(日) 23:59:48.04 ID:V8eIQwn7o


南方参謀「それじゃあ、配置を決めましょ」

南方副司令「まずは東側の部隊だが……」

白馬騎士「当然ですが、我らが引き受けましょう」

兄者「そうだな。土地勘もあるし、華国との連携も取れよう」

南方参謀「問題……ないかしら?」

天才「おう。こっちから頼もうと思ってたくらいだ」

白馬騎士「それでは、お任せ下さい」

南方魔道長「しかし、南東国だけで凌げるのか?」

錦将軍「どういう意味だ? 馬鹿にしてんのかてめぇ」

南方司令「そうではないが、敵の数が多すぎるのが心配だな」

弟者「雑魚なんざ屁でもねぇよ」

南方参謀「まぁスグリーヴァ様の部隊もいるけれど……」

天才「……なぁ、おい」

剣士「は、はい……っ!」
629 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 00:01:56.35 ID:WLRltwH6o
天才「お前ら、確か南東国とスグリーヴァに縁があったよな?」

剣士「え、ええ。まぁ……」

天才「じゃあ丁度いいわ。一緒に付いてってやれ」

剣士「!?」

天才「地理も把握してんだろ。その方が効率もいい」

弓使い「私達は構わないけれど……ねぇ?」

剣士「うん」

天才「適材適所だ。頼むわ」

剣士「……分かりました」

幼女「私達、今度はオーク達のとこ行くの?」

弓使い「うん、そういう事になりそうね」

白馬騎士「作戦はいかが致します?」

天才「任せるよ。アンタらだってプロだろ」

白馬騎士「……宜しいのですか?」

天才「ま、不安なら一応聞いとくけど?」
630 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 00:05:46.07 ID:WLRltwH6o
弟者「さっきから聞いてりゃ馬鹿にしてんのかテメェは――」

白馬騎士「ラーヴァナの支隊はおそらく南よりスグリーヴァ様の領土へ侵入するでしょう」

弟者「おい、白馬!」

白馬騎士「我らは少数の利点を活かし、隠れ道より城へ回りましょう」

天才「……」

白馬騎士「その上で彼らと合流し、支隊と交戦致します」

弓将軍「華国へは向かわずとも良いのか?」

兄者「猛者揃いの華国兵を、助けに行く道理が何かあるのか?」

弓将軍「……ひょひょっ、それもそうじゃな」

錦将軍「耄碌してんのか、このクソジジイはよぉ」

白馬騎士「……それで宜しいかな? 剣士殿」

剣士「えっ? あ、いや……僕らはお任せ致します。従うだけですから」

天才「じゃ、頼んだぜ。ワーカー諸君」

番長「諸君? ちょっとまつでゴワス。我らもでゴワスか!?」

天才「当たり前だろ。それでもたかが10数人、まだ足りねーくらいだ」
631 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 00:08:36.45 ID:WLRltwH6o
白馬騎士「では、そなた等もご助力お頼み申す」

親衛隊長「これはファンタスティック! 任せてくれたまえ!」

南方参謀「それじゃ、東へは南東国とワーカーのみんなであたって貰うわ」

南方副司令「んで、次は肝心の西か……」

南方参謀「東の町を考えると、さほど兵力も避けないわよ」

青龍士官「我らがあたりましょう。アジ・ダハーカとやらも居るのでしょう?

天才「ま、あくまで予想だけど」

南方魔道長「それだけで足りるか? 軍団長クラス2匹いんだろ?」

天才「あるだろ。まだ駒がよ」

南方司令「……?」

バシュウウゥゥゥゥ…スタッ

南方参謀「……あっ!!」

南方弓長「あなた……っ」

天才「待ってたぜ、大将」

青年兵「……遅くなりました」
632 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 00:15:26.69 ID:WLRltwH6o


青年兵「と、言うわけで、赤壁への増援と布陣は完了致しました」

天才「ご苦労。流石大軍師だ、こっちの狙い通りに動いてくれてる」

南方参謀「あrとは、正面からのラーヴァナ主力をどうするだわかね」

南方司令「中央は我らが担うとして……」

天才「俺様も正面から行くぞ」

南方副司令「そうなのか!? しかし……西側が手薄ってさっき言ったばっかじゃ……」

天才「……だから、まだ駒がいるって言ってんだろうが」

青龍士官「青年兵……ではなく……ですか?」

タッタッタ…コンコン

南方兵「申し上げます! 南方司令部より馬車が到着致しました!」

南方参謀「馬車……? 聞いてないわよ、そんなの……」

ザッザッザ

天才「……おう。噂をすれば何とやらだ。待ってたぜ、ハーッハッハ!」

召喚士「……遅くなりました」
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/29(月) 01:44:48.99 ID:D8eYc2cAO
寝落ちか
俺も朱雀嬢ちゃんと寝るよ
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/29(月) 02:42:42.70 ID:3QpDmUZSo
本日も乙なのです
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/08/29(月) 02:43:22.35 ID:3QpDmUZSo
本日も乙なのです
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/29(月) 08:23:13.43 ID:1TsuOshAO
>>1

ああなんだ召還士か、主人公が来るものとばかり思っていたが
637 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 17:59:19.42 ID:FIUpBJvyo
剣士「召喚士くんっ!!」

青龍士官「朱雀先生……っ!」

南方参謀「待ってたわよ!」

番長「あれは確か……」

白馬騎士「召喚士殿!」

南方司令「これで駒は全て揃ったわけか」

ザワザワ

天才「待ってたぜ」

召喚士「すみません、遅くなりまして……」

天才「いんや、お陰でいいタイミングになった」

魔道士「……?」

天才「まぁいい。お前ら4人は明日、コイツらと一緒に西へあたってくれ」

戦士「西? 南方司令部か?」

南方副司令「司令部へ侵攻する魔王軍にあたって欲しい」

盗賊「……なるほど」
638 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:00:04.92 ID:FIUpBJvyo
召喚士「ちなみに、数はどのくらいですか?」

南方参謀「あくまで予想だけど、おそらく10万……」

戦士「10万!?」

天才「それでも4分の1だぞ」

魔道士「やっぱり……大軍なんですね……」

天才「初日、2日目のの交戦状況はそこらの資料と参謀から聞いてくれ」

召喚士「はい。あとで確認致します」

盗賊「……それで、魔王は?」

南方魔道長「まだまだ先だ。まずは軍団長を蹴散らす」

戦士「ほぉ」

南方弓長「西の軍団長は2匹いるわ」

天才「ずばり言っておくが、サルワとアジ・ダハーカの2匹だ」

青年兵「――っ!!」

召喚士「サルワって……っ、それに……」

天才「ああ。アンラ・マンユの亡霊だよ」
639 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:00:43.85 ID:FIUpBJvyo
召喚士「……っ」

戦士「ちょうどいいぜ」

南方司令「……?」

戦士「あのクソヤローとはケリが付いてなかったんだ」

盗賊「……自らの手で葬れるとは……好機だな」

天才「ハーッハッハ! 頼もしい限りだ」

戦士「まぁそうは言っても、どこまでやれっか微妙だけどな」

錦将軍「大口叩いてた割ににゃ、随分とビビってんじゃねぇか」

戦士「手持ちの得物が不安だし、何より……まだ死にたくねーからな」

弟者「わははっ! 小心どころか臆病風に吹かれたか!」

戦士「そうじゃねぇよ。魔王相手にする前に死ねるかって話だ」

天才「ああ、それでいい。あくまで魔王を討つ事がゴールなんだからな」

弟者「どんな時だろうが、死ぬ覚悟持たねぇ奴は死ぬんだよ」

兄者「弟者、よさぬか」

天才「構わんよ。どっちの言い分も正解だ。間違っちゃいねぇ」
640 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:01:36.34 ID:FIUpBJvyo


弓使い「幼女ーっ、行くわよ〜」

幼女「……ふあぁ、は〜い」

白馬騎士「では、出陣致します」

南方弓長「気を付けて」

錦将軍「ありがとさんっ!」

弓将軍「お主に言ったわけではあるまいて」

錦将軍「んな事ないよな!」

南方弓長「まぁ、何でもいいわよ……っ」

剣士「スグリーヴァ様と合流次第、まずは伝令を出します」

南方参謀「待ってるわ。交戦後はそのまま南へ向かって頂戴」

南方副司令「うまく行けばラーヴァナの城を挟撃出来るからな」

天才「間違っても、独断で踏み込むんじゃねーぞ?」

白馬騎士「分かっております。よし、それでは出るぞ!」

召喚士「頑張って下さい! また後ほど!」
641 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:02:24.15 ID:FIUpBJvyo
ドドッドドッドドッ

召喚士「……」

戦士「あっちも10万の敵とあたるわけか」

南方魔道長「そうは言ってもラーヴァナの手勢もいるし、お前らよりはマシだろ」

魔道士「ハヌマーンさん達もいますもんね!」

天才「さーて問題は西だな」

盗賊「……」

天才「青年兵、最大の目標は何だ?」

青年兵「軍団長を倒……いえ、南の街への魔王軍侵入を防ぐ事です」

天才「正解だ。その為には篭城は不可。打って出る必要がある」

南方参謀「司令部自体からの増援はあまり来たい出来ないわ」

召喚士「そういえば、西方司令部からの援軍が来るって言ってましたよ」

南方副司令「何? こっちへか?」

召喚士「はい。兵器があるから遅くなると……」

天才「……」
642 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:03:41.67 ID:FIUpBJvyo
南方参謀「朗報ね。どう使うのがベストかしら?」

青年兵「この町の中に配置して、迎撃するのはどうでしょうか」

青龍士官「確かに良い思います。奴ら、ほぼ全てが地上型の魔物でしたので」

南方副司令「確かに。兵器で遠距離攻撃をかけりゃ、だいぶ寸断出来るだろうな」

南方参謀「どうかしら……?」

天才「いいぜ、それでいこう。青龍士官、1人赤壁に伝令を頼む」

青龍士官「はっ」

天才「エリートと大軍師に伝えとけ。魔王軍叩いたら一気に南下しろってな」

青龍士官「……聞いたか、すぐに出発してくれ」

竜騎士隊「了解です!」

天才「そじゃ頼んだぜ。電話がねぇ分、細かに伝令を忘れんなよ」

青年兵「畏まりました。それでは、出発致します」

青龍士官「よし……っ。竜騎士隊、出発準備にかかれーっ!」

魔道士「私達も準備しましょう!」

召喚士「ええ、そうしましょう」
643 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:04:53.90 ID:FIUpBJvyo
ザッザッザ…ガタン!!

南方魔道長「……?」

ボス「はぁ、はぁ……はぁ……っ」

魔道士「ボス……さんっ!?」

南方弓長「ちょっと! 何やってるのよっ!」

ボス「俺も……行くぞ」

タッタッタ

女賢者「あーもうっ、勝手にうろつかないでって言ったでしょ〜」

ボス「ぐ……っ」

戦士「怪我……してんのか?」

南方司令「先の戦闘でな。大健闘の賜物だ」

ボス「この程度、どうって事ねぇって言ってんだよ」

南方弓長「……っ」

カツカツカツ

ボス「……姉御、なん――」
644 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:05:54.65 ID:FIUpBJvyo
パシィッ!!

ボス「……」

南方弓長「迷惑なのよ! 大人しくしていなさいっ!」

クルッ…カツカツカツカツ

ボス「…………っ」

天才「ハーッハッハ! いいビンタだ!」

南方参謀「ちょっと司令ったら……っ」

天才「おら、女泣かせてんじゃねぇ。大人しく寝てろって事だよ」

グイッ

ボス「痛……ぅ!!」

天才「おい、コイツ寝かせておけ」

衛生兵「は、はいっ!」

ボス「離……せ……」

ボソッ

天才「黙って聞け。いいか? お前にはこの先、2つの道がある」
645 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:06:50.11 ID:FIUpBJvyo
ボス「……っ」

天才「1つは無理して、カッコよく女の胸の中で死ぬか……」

ボス「……」

天才「もう1つは、多少ダサくても生き延びて、女と平和な人生を過ごすかだ」

ボス「……」

天才「ミジメなモンだぜぇ? あぁそういやあんな奴いたなぁ……なんて老後に――」

ボス「分かったよ! 大人しく寝てりゃいいんだろ!」

天才「賢明な判断だ」

衛生兵「そ、それではこちらに……っ」

ボス「……くそっ」

ヨロッ…スタスタスタ…ピタッ

ボス「見せ場……とっといて下さいよ」

天才「生意気言ってんじゃねぇ! 自分で掴み取れ! ハーッハッハ!」

スタスタスタスタ…

天才「おーし、そんじゃ頼んだぞ! 行ってこいや!」
646 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:07:45.16 ID:FIUpBJvyo


ザッ…ドドオオォォォォ

青年兵「竜騎士隊の出発と同時に、地上部隊も出発する!」

騎兵「おぉ!!」

戦士「いよいよだな。10万の魔物か……武者震いすんぜ」

盗賊「……ああ。だが、少々怖いものがあるよ」

南方参謀「途中で兵器隊と遭遇するはずだから、指示は頼むわね」

青龍士官「了解です。……では、出るぞ!」

ザザッ…バシュウウゥゥゥゥ

青年兵「召喚士さん達は、僕の馬車に!」

召喚士「うん。魔道士さん、行きましょう」

南方魔道長「頑張ってな」

魔道士「はいっ! ありがとうございます」

青年兵「では馬車を出します。出発!」

西の戦場めがけ、竜騎士隊に続き、召喚士らを乗せた馬車も東の町を出発した。
647 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:08:43.09 ID:FIUpBJvyo
ドドッドドッドドッ…

戦士「しかし、アンラ・マンユの眷属とまた戦う事になるとはなぁ」

召喚士「うん……。あの時取り逃がしたから、気にはなってたんだけど」

盗賊「……仇を討つ為に……他の魔王と手を組んだわけだな」

青年兵「ええ。しかし手を組んだというよりは、互いに利用しているのかもしれません」

魔道士「どういう事です?」

青年兵「他の魔王同士は、さほど連携もなく、むしろ仲が良いようには見えません」

召喚士「確かに……」

青年兵「サルワらはアンラ・マンユの仇……いや、再び君臨する為に……」

魔道士「それって、あの魔物達が魔王になろうとしてるって事ですか?」

青年兵「分かりませんんが、代わりになる力を得ようとしているのではないでしょうか」

戦士「魔物にとっちゃ、それが重要なんだもんな」

青年兵「かたやラーヴァナは昨今のこちらに対する動きにあたる為に……」

召喚士「軍団長クラスである彼らの力を手に入れる為、片棒を担いだ……」

青年兵「そういう事です」
648 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:10:03.40 ID:FIUpBJvyo
戦士「なるほどな。互いに利を得る為に組んだわけだ」

青年兵「そこが重要です」

盗賊「……そうか」

魔道士「……?」

青年兵「互いの力は認めつつ、決してどちらか一方が組したわけではない」

盗賊「……そこに……付け入る隙がある」

魔道士「な、なるほど……っ!」

青年兵「うまくいけば、眷属2匹を孤立させられるかもしれません」

召喚士「でも1番厄介なのは……あの、アジ・ダハーカってやつだね」

青年兵「ええ」

戦士「だよなぁ。空中戦はお前らに任せるしかないもんな」

召喚士「でも今回は竜騎士隊もいるし、何とかなる……かな?」

青年兵「やってみないと分かりませんがこちらもレベルアップしましたしね」

魔道士「そうですよっ! バハムートだって得たじゃないですか!」

青年兵「そうです。全力を以ってアジ・ダハーカは我らが相手します」
649 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:10:32.16 ID:FIUpBJvyo
戦士「すると、あのサルワってのを何とかしないとな」

召喚士「一筋縄ではいかない相手だからね」

戦士「ああ。しかも今回は……ゾディアックはおろか、雷切すらねーからな……」

盗賊「……どうするのだ?」

召喚士「五行以外には……倒す事は難しいね」

青年兵「まずはサルワとアジ・ダハーカを孤立させましょう」

盗賊「……だな」

青年兵「その上でアジ・ダハーカを優先的に叩きます」

戦士「サルワは後回しか」

召喚士「それが得策だね。下手に仕掛けて消耗する事もないし」

青年兵「孤立さえさせてしまえば、あちらも下手に動けないでしょう」

魔道士「分かりました!」

戦士「その為にはまず、10万のラクシャーサをどうすっか。問題だらけだな」

青年兵「南西砦からの援軍があれば或いは……」

召喚士「……前途多難だね。でもまぁ、やるしかないか」
650 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:11:49.34 ID:FIUpBJvyo
南方大戦3日目。午前4時を回った頃、各地で小規模ながら動きが見え始めた。

〜スグリーヴァの城〜

ワアアァァァァ!!

ラクシャーサ「進め進めーっ!!」

ゴブリン「来たぞー! こわいー!」

マーマン「ったく、とんでもねー数だなオイ」

ハヌマーン「ヴァーリンめ。下衆な真似をしてくれる」

マーマン「あん?」

ハヌマーン「我らが領土へ踏み込むには、道なき道を進む必要がある」

マーマン「……あーそういやそうだな」

ハヌマーン「お陰でこの城も寡兵ながら守られてきたのだ」

マーマン「確かにそうだわな。つー事は、何でまっすぐ突っ込んできてんだ?」

ハヌマーン「兵を犠牲に、道を暴こうという魂胆よ」

マーマン「……なるほどな、そいつはえげつねぇわ」

ハヌマーン「……何れ突破される。全軍、今のうちに配置へ付け!」
651 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:13:31.99 ID:FIUpBJvyo
ドドドドドド…

ラクシャーサ「な、何……ウワアアァァーッ!!」

ズガアァ!!…ドシャアアァァァァ

ラクシャーサ「ダ、ダメです! 崖を渡りきれません!」

ヴァーリン「いいから進め」

ラクシャーサ「……は?」

ヴァーリン「このまま進めと言っている。何れ道は開かれる」

ラクシャーサ「し、しかし……」

ヴァーリン「早く行け」


ドンッ

ラクシャーサ「ウ……ウワアアァァァァ!!」

ヴァーリン「役立たずが。目の前にまで差し掛かっているというのに」

ラクシャーサ「申し上げます! 右方にて、崖の上を突破したとの報告が!」

ヴァーリン「何ぃ!? よーし案内致せ!」
ラクシャーサ「ははっ!」
652 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:14:44.56 ID:FIUpBJvyo


ヴァーリン「……」

ラクシャーサ「こ、ここです……! 一見ただの崖ですが……」

ソローッ…スタスタスタ

ラクシャーサ「こ、この通り……渡れます!」

ヴァーリン「ようし、全軍突撃だ。憎きスグリーヴァの腸を引き裂いてくれようぞ!」

ドドッ…ドドドドドド…

ラクシャーサ「いっけぇーっ!!」

バサッバサッ…バサッ

ラクシャーサ「……な、何だ!?」

ガーゴイル「来やがったなぁ! オニ野郎!」

ゴブリン「弓くらえー!」

バシュシュシュッ!!

ラクシャーサ「ぐあぁーっ!!」

ヴァーリン「馬鹿が慌てるな! ガーゴイルにぶら下がっているゴブリンを狙え」

バギャアッ!!

ゴブリン「ぎひぇーっ!!」

ガーゴイル「あっ! お、おい!?」

ヴァーリン「怯むな。貴様等は高等なる魔族、鬼神ラクシャーサであろうが!」

ラクシャーサ「お、おおぉぉぉ!!」

ヴァーリン「下等な魔族など恐れるに足らず! ただ蹴散らすのみだ!」
653 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:15:39.17 ID:FIUpBJvyo
ドドオオォォォォ

マーマン「突破されたみてーだな」

ハヌマーン「オーク、準備はいいか?」

オーク「いつでも行けるです!」

ハヌマーン「よし、歩兵隊……進め!」

オーク「いっくぞぉ! みんな付いて来いです!」

トロル「何がラクシャーサだ、恐れる必要はねぇぞグハハ!」

オーガ「ブチコロス……ラクシャーサ!」

ズドドドド…

マーマン「おぉ、すっげー迫力」

ハヌマーン「さて、我らも出るとするか」

マーマン「おうよ」

ザッ

法師「……2人共、行くのですか?」

ハヌマーン「法師様……」
654 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:16:53.68 ID:FIUpBJvyo
法師「良いですか? 無駄な殺生は控えるのです。最小限に留めなさい」

マーマン「しかしな法師様、悲しいけどこれ戦争なんだぜ?」

法師「分かっております。分かっておりますが……」

ハヌマーン「心得ました。敵味方、被害は出来るだけ最小限に留めましょう」

マーマン「お、おい……っ!」

ハヌマーン「なぁに、敵の頭を叩けば良いだけの事」

マーマン「……ったく、それが1番シンドイんじゃねぇかよ」

法師「彼らとて話せば分かります。争うよりは、互いに手を取り合うべきなのです」

マーマン「……話が通じれば、そうしますよ! ちくしょう、行くぜ!」

ハヌマーン「……うむ」

シュバッ…タタタタタッ…

法師「……」

スグリーヴァ「すまぬな法師殿。さてここも危険だ、宮殿内に下がるが良い」

法師「いいえ。私もここで……彼らと共に戦います。それが私の宿命ですから」

スグリーヴァ「……法師殿」
655 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:18:05.44 ID:FIUpBJvyo
ズガガガガッ!!…ドドオオォォォォン!!

ガーゴイル「ギャアアァァーッ!!」

ヴァーリン「雑魚が、どいていろ」

ゴブリン「こいつ、ちっとも通用しないぞ! 強すぎる!」

ラクシャーサ「ヴァーリン様の護衛は必要なさそうだな」

ザッ

ラクシャーサ「するつもりもねぇよ。くそっ、俺らを駒みてーに扱いやがって」

ヴァーリン「はあぁーっ!!」

ゴブリン「うっぎゃあぁーっ!!」

ラクシャーサ「俺達はラーヴァナ様の兵だ。あんな奴に従う必要はねぇ!」

ダダッ

ラクシャーサ「おうよ! こっちはこっちで手柄取らせてもらおうじゃねぇか!」

スグリーヴァの領内に侵入した第2軍は、領内への突撃において、

ここまでにおよそ5000余りの兵を消耗していた。

そして、身勝手で傲慢な指揮官に対し、僅かにほころびが出始めていた。
656 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:19:15.61 ID:FIUpBJvyo
〜南方、最南〜

アスラ「……」

ラクシャーサ「第1軍、第4軍出ます」

ラーヴァナ「アスラ」

アスラ「はっ」

ラーヴァナ「俺を失望させるなよ?」

アスラ「……私は誇り高き、ラーヴァナ様の部下にございます」

ラーヴァナ「……」

アスラ「我が主は不敗。故に私も不敗であらねばならない」

ラーヴァナ「うむ」

アスラ「必ずや、吉報を持ち帰りましょうぞ」

ラーヴァナ「お前は本当に美しい。他の誰よりも信頼に値するぞ」

アスラ「私如きに勿体なきお言葉! では、参ります」

ラーヴァナ「人間に見せてやれい。絶望……恐怖……負の全てをな」

アスラ「……出陣!!」
657 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:19:50.26 ID:FIUpBJvyo
〜南方、南西平野〜

青龍兵「隊長! 見えました!」

青龍士官「あれが西方司令部からの援軍か。よし、降下するぞ!」

バシュウウゥゥゥゥ

西方副司令「ふんふふ〜ん……えっ!? な、何!?」

西方兵「上空より何かが……あれは、召喚獣のようです!」

シュウウゥゥゥゥ…ズザアアァァ

青龍士官「竜騎士隊の青龍士官です。ここの指揮官は……」

西方副司令「あ、はい! 私です私!」

青龍士官「ご苦労様です。この先、今のところ魔物はおりません」

助手「本当〜? あぁ、良かった〜」

西方副司令「私達はこのまままっすぐ東の町へ行けば良いのかしら?」

青龍士官「はい、そうして下さい。総司令や南方司令部の皆が待っております」

西方副司令「分かったわ。ありがとう」

青龍士官「それでは、ご武運を」
658 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:20:53.77 ID:FIUpBJvyo
西方副司令「南の街にも少しばかし兵器があるから、緊急事態には活用して!」

青龍士官「伝えておきます!」

スタッ…バシュウウゥゥゥゥ

助手「ねーねー今の誰?」

西方副司令「青龍隊の隊長、ってか……今は青龍先生じゃない!」

助手「ふ〜ん」

西方副司令「ふ〜んってアンタ……。それが何よ?」

助手「いや、なかなかカッコ良くなかった!?」

西方副司令「はぁ〜!? そんな事言ってる場合!?」

助手「徹夜だから顔とかヤバめだったかな……」

西方副司令「アンタは博士がいるでしょ!」

助手「そうなんだけどさぁ〜最近冷たいんだモン〜」

西方副司令「全く、よくこんな時にそんな事言ってられるわねぇ……」

西方兵「あ、あのー出発しても……宜しいでしょうか……?」

西方副司令「えっ!? あ、ごご……ごめんなさい! 出発進行〜!」
659 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:22:28.46 ID:FIUpBJvyo
〜赤壁〜

先遣隊「魔王軍、目標地点まで進軍しております!」

エリート「よし、それでは我らも出るぞ! 全軍出撃!」

ズザザッ

西方参謀「いや〜この眺め、圧巻だねぇ」

大軍師「総勢5万の兵ですからね」

西方参謀「逆を言えば赤壁にはたったの5千足らず」

大軍師「工作用の兵を除けば3千が関の山ですね」

西方参謀「しくじれば流石の赤壁と言えど、もつかどうかねぇ……ヒック」

大軍師「ふっふ。失敗は出来ませんねぇ」

西方参謀「……ったく。オメーさんには緊張ってモンがねーのかよ」

大軍師「嫌ですねぇ、緊張してますよ」

西方参謀「……うまくいくといいな」

大軍師「ええ。それでは私も行ってきます。後はお任せ致しますよ」

西方参謀「へいへい。無事に帰って来いよ……ヒック」
660 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:23:54.68 ID:FIUpBJvyo
ドドッドドッドドッ…

エリート「良いか、布陣した後は合図と同時に突撃せよ」

騎兵「おぉーっ!!」

エリート「その後の2度目の合図で逆時計回り! 右翼から大きく回るぞ!」

騎兵「おぉー!!」

エリート「3度目の合図は撤退だ! 素早く高台へ避難せよ!」

騎兵「おぉう!!」

エリート「行くぞ! 本国の……人間の誇りをもって戦えい!」

騎兵「おおぉぉぉぉーっ!!」

ドドッドドッドドッ…

騎兵「丘です! 丘が見えました!」

エリート「全軍停止ー!!」

小隊長「ここで敵を迎え撃つ! 息を潜め……時機を待てーい!」

騎兵「……っ」

エリート「さーて……真っ直ぐ来てくれよ、魔王軍」
661 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:25:07.20 ID:FIUpBJvyo
〜南方、南西平野〜

ドドッドドッドドッ

南方兵「青年兵様! 竜騎士隊が見えました!」

青年兵「よし、全軍あの位置で停止させよ」

南方兵「ははっ! 全軍停止ーっ! 目印は竜騎士隊ぞー!」

ドドォ…スタッ

戦士「ここが戦場か」

青年兵「東の町と南の街の中間地点にあたります」

召喚士「ここならどちらにも動きを取れるね」

青年兵「はい。そういうポイントを選んで貰いました」

バシュウウゥゥゥゥ…ズザッ

青龍士官「先程、西方司令部の援軍に遭遇したぞ」

青年兵「首尾は?」

青龍士官「ここより北側から東の町へ向かっている」

青年兵「そうか。ここまでは順調だな」
662 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/29(月) 18:27:07.12 ID:FIUpBJvyo
ザッザッザッザ

召喚士「……」

魔道士「何も……ないですね」

召喚士「ええ。南風が生温いくらいですね」

魔道士「そろそろ日の出かな?」

盗賊「……だな。ぼんやりと地平線が明るくなっている」

魔道士「よく見えますね……」

盗賊「……この程度なら見えるだろう。ほら……あそこに――!?」

戦士「敵か!?」

盗賊「……ああ、そのようだ」

青年兵「敵が来ているぞ! 戦闘態勢に入れ!」

召喚士「青年兵くん、少し退がった方がいいかもしれない」

青年兵「ですね。ここでは障害物がなさすぎます」

召喚士「大人数相手には目立ちすぎるし、ちょっと不利だね」

青年兵「よし、戦闘態勢を維持しつつ、北へ移動する!」
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/29(月) 18:32:37.54 ID:FIUpBJvyo
それではこおまでにて失礼致します!
毎日のご支援、まことに感謝!それではまた!ノシ

>>633
すみません、寝落ちしてました…

>>634-635
ありがとうございます!!

>>636
召喚士「…………」
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県)[sage]:2011/08/29(月) 21:38:38.62 ID:XsP2d36s0
あれ?主人公って一体誰だ……?
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/29(月) 21:52:50.63 ID:AHuTN035o
天才と青年兵だろ?
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/29(月) 22:07:42.31 ID:gxQqiX6no
確かに天才や青年兵は主人公っぽい
ぽいけどロードス島とか好きな自分はスーパーヒーローではない主人公がいい
だから最近影は薄いけど戦士が主人公だと思う
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/08/29(月) 22:09:34.83 ID:cZI/Zd/Vo
鍛冶屋に決まってんじゃん
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/29(月) 22:41:56.94 ID:7ngP1UXHo
ボスも結構主人公としての風格が出てきたな
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/08/29(月) 22:47:42.40 ID:2KzEXUZDO
全員が主人公、それで解決
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/30(火) 00:02:22.19 ID:27L90mNAO
作戦が軍主導だから天才達が目立つのは仕方ないな
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/08/30(火) 00:08:23.90 ID:teZ7KSxAO
悲しいけどこれって(ry
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/08/30(火) 00:13:30.72 ID:rHLwydpto
天才はもうすぐ死ぬしいいじゃん
そっからが召喚士達の冒険やろ
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/30(火) 13:38:09.19 ID:H9WOMbV90
え?主人公って幼女じゃなかったの?
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
674 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/30(火) 18:05:00.66 ID:bwC4I75Ho
〜本国、国軍本部〜

パッカパッカパッカ…ドドォ

白虎長「到着〜」

朱雀嬢「着いたわよ、起きなさいですわ」

玄武娘「……くあっ、うぅー」

白虎長「白虎嬢は付いて来て。書類提出と簡単な身体検査があるから」

白虎嬢「はい。宜しくお願いします」

白虎長「2人も一緒に来て。適当にくつろいでで頂戴」

朱雀嬢「え、ええ……。でも、宜しいのかしら?」

白虎長「そのくらい遠慮しないでしょ。せっかくだし朝食もここで一緒に――」

玄武娘「本当ですのっ!? やったぁ!!」

朱雀嬢「……」

白虎長「……さ、行きましょっか」

玄武娘「はいですのー!」

朱雀嬢「……全くもう」
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
675 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/30(火) 18:05:51.57 ID:bwC4I75Ho
スタスタスタ

白虎長「……あら?」

皇太子「やぁ、これはレディーがお揃いでどうしたのだ?」

白虎長「この娘が新しく入隊しますので、その手続きを」

皇太子「そうであったか。ご苦労様」

白虎長「陛下こそ、このような所でどうなさったのです?」

皇太子「ん、ああ。指揮官が出払ってしまったのでね。私が臨時で指揮を執っている」

白虎長「そうでしたか……」

皇太子「北の次は南、南の次は北。皆も休む暇なしだな」

白虎長「まぁ、仕事ですから。それに今やらねばなりませんからね」

皇太子「君の言う通りだ。流石は白虎先生だ。士気も志も高い」

白虎長「……はい。白虎先生ですから」

皇太子「ははっ。私も見習わなくてはな」

朱雀嬢「……強いですわね。貴女も頑張らないとですわね」

白虎嬢「ええ。私も強くならないとね」
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676 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/30(火) 18:06:28.62 ID:bwC4I75Ho
テクテクテクテク

双子姉妹「陛下〜っ」

皇太子「どうした?」

双子姉「責任者はいるかと」
双子妹「お客様です」

皇太子「……客?」

スタスタスタ

バーテン「殿……陛下!?」

皇太子「君は確か、元軍人の……」

バーテン「そうか。軍の連中は不在ってわけだな」

皇太子「うむ。よって私が責任者となるが?」

バーテン「いや、参ったなぁ」

双子姉「陛下が責任者では」
双子妹「問題があるとでも?」

バーテン「いや、そういうわけじゃねぇんだが……」

皇太子「事情があるのならば、伺うが?」

バーテン「……実は、総司令殿に頼まれ事されちまってな」
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677 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/30(火) 18:07:11.18 ID:bwC4I75Ho
白虎長「……頼まれ事?」

バーテン「ああ。そんで必要なモンを拝借しに来たってワケよ」

皇太子「因みに、何が必要なのだ?」

バーテン「……ボウガン」

白虎長「!?」

皇太子「クロスボウの事か? それが必要なのか?」

バーテン「……かつて、もう30年近くも前になるが……手に馴染むっつーのかな」

玄武娘「……?」

バーテン「色々なボウガンを扱ってきたが、やっぱりアレが1番だわ」

皇太子「もしや、現役時代に使っていたボウガンか何かか?」

バーテン「ああ。ここでカビ臭く眠ってるはずなんだ」

白虎長「だったら問題ないはずです。だって、元々バーテンさんの物なんだし」

バーテン「まぁ、そりゃそうだがなぁ」

白虎長「それに、本国で1番偉い方がいらっしゃるんだから、大丈夫ですよね?」

皇太子「そういう事だ。私が全責任をもって承認する。安心したまえ」
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678 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/30(火) 18:08:29.04 ID:bwC4I75Ho
〜武器庫〜

衛兵「ごっ、ご苦労様です!!」

白虎長「ちょっと失礼するわね」

衛兵「どどっ、どうぞ!!」

カチャッ…ギイィ

皇太子「ここが武器庫か。初めてだな」

バーテン「えーと、どっか端っこに転がってりゃいいんだが……」

テクテク…ゴソゴソゴソ

玄武娘「ふぉー! カッコイイ武器が並んでるですのー!」

朱雀嬢「こらっ、ガラスケースに触るんじゃないですわ!」

白虎嬢「きっと高貴な物なんでしょうねぇ。綺麗に保管されてますもの〜」

白虎長「どんなボウガンなんです?」

バーテン「ああ。んーと……弓部分が青くて……」

玄武娘「これ何ですの? 青い弓みたいなのが付いてるですの」

バーテン「土台は黒の下地に金の模様を施してあって……」
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679 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/30(火) 18:09:15.24 ID:bwC4I75Ho
朱雀嬢「多分、クロスボウじゃないかしら? 黒色に金って随分豪華ね」

バーテン「んで、矢羽は弓と同じく青を基調とした……」

白虎嬢「矢の羽も青色で、オシャレねぇ〜」

バーテン「それだよ!!」

玄武娘「ふぇっ!?」

ガタッ…テクテクテク

白虎長「このガラスケースに入って、飾られてるやつ?」

朱雀嬢「さっきからずっとありましたわよ?」

皇太子「君の功績を称えて、ずっと保管されていたようだな」

バーテン「……ったく、たかがこんなボウガンごときで」

ガパッ…ゴトン

バーテン「保存状態も良好。マメにメンテしてくれてたのかよ……っ」

白虎長「それだけ初代特遊は国軍の支えになってたって事じゃないですか?」

白虎嬢「でも良かったですねぇ。これなら問題なさそうですね」

バーテン「ああ、助かる。腕が鈍った分、武器でカバーするしかねぇからな」
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680 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/30(火) 18:10:27.44 ID:bwC4I75Ho


バーテン「さーてと、そんじゃ行ってくるかね」

皇太子「そうだ……双子姉妹、君達も付いて行ってやると良い」

双子姉妹「えっ!?」

皇太子「護衛には心許ないかもしれないが、魔法付加は役立つであろう」

バーテン「しかしだな」

皇太子「構わんさ。本国に兵を残す必要は、今はないのだからな」

バーテン「まぁ確かにそうか。結局、南北が押し込まれたらここも終わりだしな」

白虎長「それなら、私達も一緒に……」

バーテン「いいよ、お前らは休んでいてくれ」

白虎長「そんな……」

バーテン「あんな事があった後なんだ。無理する必要はないし、無理しちゃいかん」

白虎嬢「……っ」

バーテン「な? ここは俺の顔を立てて、本国で待っててくれや」

白虎長「……はい」
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681 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/30(火) 18:11:26.31 ID:bwC4I75Ho


バーテン「すまないな。わざわざ船の手配まで」

皇太子「この程度、助力にもなりはしないさ。では頼むぞ」

バーテン「了解。んじゃ、行ってくる」

双子姉妹「行ってきます!」

ザザッ…パッカパッカパッカ…

白虎長「大丈夫……ですよね?」

皇太子「使い手が結集しているからな。問題ないだろうさ」

朱雀嬢「……ええ」

皇太子「本国、南方、西方。それに朱雀先生や他のワーカーもいる」

玄武娘「そうですの!」

皇太子「みなの実力は、君も十分分かっているだろう?」

白虎長「まぁ、そうですね……」

皇太子「それに、彼女等も丁度良く居合わせているようだしな」

白虎長「……?」
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682 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/30(火) 18:13:08.44 ID:bwC4I75Ho
〜三日月島、西方司令部〜

サモナー「……何だか慌しいね」

マーメイド「みたいね。南で大きな戦いがあるんでしょう? だからじゃない?」

サモナー「うん。多分そうだと思うよ」

ザッザッザッザッザ

西国兵「失礼だが、何者か」

サモナー「あ、すみません。僕はサモナーと言いまして……あれ? 西国の兵士?」

西国兵「それが何か? ここは今、緊急態勢となっている。部外者は……」

パッカパッカパッカ

王子「どした? 揉め事か?」

西国兵「あ、陛下。何やら不審な男が……」

サモナー「これは陛下、一体なぜ司令部に?」

王子「サモナーさん!? サモナーさんこそ何でこんな所に!?」

西国兵「……あの……えっとぉ」

王子「上客だバカッ! 早く本陣へ案内しろい!」
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683 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/30(火) 18:15:04.42 ID:bwC4I75Ho
〜西方司令部、会議室〜

王子「おーい神官、客だぞー」

神官「客……ですか?」

テクテクテク

サモナー「どうも、ご無沙汰してます」

神官「サモナー殿! 一体どうされたのです?」

王子「お前に話があるんだってさ」

神官「私に? 何かありましたか?」

サモナー「……しかし、大変ですね。西国までもが兵を動かすとは」

神官「何を言われる。本国に比べたら、我らは戦いにもならぬよ」

サモナー「しかし現に、司令部の防衛に務めておられるではないですか」

神官「このくらいは同盟国として、最低限の仕事ですよ」

王子「そうそう。今日からは補給物資もジャンジャン南に送るぜ!」

神官「それで、お話というのは?」

サモナー「召喚術、特に古の禁呪についてです」
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684 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/30(火) 18:16:00.66 ID:bwC4I75Ho
神官「……」

王子「何だそれ?」

サモナー「宜しいですか?」

神官「陛下、席を外して頂けますか?」

王子「は? お前何言ってんの? 何で王である俺が関を――」

神官「支援物資の手配は終わったのかと言っているのです」

王子「……さーてと。サモナーさん、ごゆっくり〜」

テクテクテク

サモナー「すみませんね」

神官「いえ。それで、禁呪が何か?」

サモナー「あなたが、とある書物を入手した事は既に存じております」

神官「……」

サモナー「今日は召喚士くんの代わりにここへ来ました。ある話をする為に」

神官「でしょうね。召喚士殿とも以前、話をしましたから」

サモナー「それともう1つ、これは個人的な話なのですが――」
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685 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/30(火) 18:17:33.78 ID:bwC4I75Ho
〜スグリーヴァの城〜

広大な台地に佇むこの城は、人間の目から見れば砦に近しい形状のものである。

四方を囲むように備わる崖は、城と外界を遮断し、深い谷底に川を為している。

橋などが架かっている様子もなく、初見の者には渡る気すら起こさせぬであろう。

道を知る者は、その四方に存在する目には見えぬ道を渡り、城を訪ねる。

そしてこの日、招かれざる客が始めて足を踏み入れ、この地に血が流れた。

ワアアァァァァ

ラクシャーサ「正面からブチ破ってやるぜぇー!!」

ドガアアァァン!!

トロル「そうはさせるかってんだ!!」

オーガ「ウオオォォォォ!!」

ラクシャーサ「何だぁ!? 急に厚みを増し……グガアアァァ!」

オーク「ここから先は……絶対に通さねぇです!」

ラクシャーサ「ダメだ、左右に回れ! 正面突破は諦めるぞ!」

オーク「逃がさねぇです!!」
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686 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/30(火) 18:18:56.03 ID:bwC4I75Ho
ザザッ…ドドドドドド…

ガーゴイル「右側、押されてる!」

マーマン「ったく、今行くからもうちょい踏ん張れ!」

ハヌマーン「はあぁーっ!!」

ドドオオォォォォン!!…ゴゴオオォォォォ!!

マーマン「竜巻の次は……洪水だ!」

ドドオオォォォォン…ズガガガガアアァァ!!

ラクシャーサ「ダメだ! 右側もラチがあかねぇ!」

ゴブリン「へっへー! ざまーみろー!」

ラクシャーサ「しだ利が手薄だぞ! あっちから回り込め!」

マーマン「ちっきしょう……次から次へとウゼーなぁ!」

ハヌマーン「ここは私が引き受ける。お主は手薄な北側の防衛にあたれ」

マーマン「おっしゃ、行くぜ――」

ドズウウゥゥゥゥン

ヴァーリン「……誰かと思えば、ハヌマーンではないか」
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687 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/30(火) 18:20:04.23 ID:bwC4I75Ho
ハヌマーン「ヴァーリン……ッ!!」

マーマン「ちっ、向こうに行く余裕も無くなっちまったじゃねぇか……ッ」

ハヌマーン「構うな! 早く行け!」

マーマン「行けるかよッ! 1人で何とかなる敵じゃねーだろ!」

ヴァーリン「雑魚が何人群がろうと、無意味だ」

バギャアァ!!…ドゴオオォォォォン!!

ガーゴイル「あわわわわっ! 一撃で10人以上やられちまったぞぉ!?」

ヴァーリン「お前も一緒に死ね」

ガシッ…グシャッ!!

ハヌマーン「……ッ!!」

シュバッ…ザザザザッ

マーマン「馬鹿がッ! 真っ直ぐ突っ込んで勝てる相手かよぉ!」

タタッ…キュイイィィィィ…

ハヌマーン「うおおぉぉーっ!!」

マーマン「んなろおぉ!!」
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688 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/30(火) 18:21:14.51 ID:bwC4I75Ho
ドッドオオォォォォン!!…ドザアアァァァァ!!

ヴァーリン「む……ぬうぅ」

マーマン「おいおい……ッ、合体魔法の水竜巻を片手で……」

ハヌマーン「まだまだぁ!!」

2人の作り上げた水竜巻を片手1本で凌ぎ支えるヴァーリン。

その巨体めがけ、ハヌマーンは重心を低く疾走し、如意棒を振りかぶる。

ハヌマーン「はああぁぁぁぁ!!」

それを一気に振ると、如意棒は長く伸び、ヴァーリンの左足を捉える。

鈍い音と同時に脛を捉えた如意棒は再び短く戻り、ハヌマーンの手元へと帰ると、

高く飛んだ彼の手元から再び長く伸び、ヴァーリンの腹部を突き押した。

ヴァーリン「ぬぅ!」

グラァッ…ザスッ

不意の攻撃によろめき片膝をつくヴァーリンは、唸りながらも態勢を戻そうとするが、

その目の前には先程まで左手で支えていた水竜巻が迫っており、

その巨体は一瞬の内に竜巻へと飲み込まれ、空中へと大きく投げ出された。
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689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/30(火) 18:30:48.25 ID:bwC4I75Ho
全然進まない…本当に申し訳ない…とりあえずここまで!
今日もご支援ありがとうございました!みんなが主役!
それでは失礼致します!!ノシ
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690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)2011/08/30(火) 19:23:09.37 ID:VhgBWXTAO
>>1乙!
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691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/30(火) 20:56:31.15 ID:PNFrEZEAO
>>1乙です
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692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/31(水) 02:05:05.31 ID:Tp7/+esAO
>>1おつ
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693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/08/31(水) 04:01:58.74 ID:3d2zuBBW0
いちおつ
いよいよ決戦か

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694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/31(水) 08:31:44.29 ID:qSt/nDYAO
>>1

俺も主役だったのか
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695 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/31(水) 18:44:15.30 ID:+CwBGYMLo
ドッズウウゥゥゥゥン!!

マーマン「おぉ……っ!」

ハヌマーン「まだまだぁ!!」

ババッ…ズドドドドドド!!

横たわるヴァーリンへ間髪いれず飛び掛ったハヌマーンは、

休む間もなく如意棒を連打し追撃を仕掛ける。

マーマン「……ッ」

それを見たマーマンも慌ててその後に続くが、両者の追撃は数秒で終わった。

ギロッ…ゴゴゴゴゴゴ…

ハヌマーン「!?」

マーマン「ク……ッ!!」

ババッ…スタッ

マーマン「……なんて威圧だよっ、まだ力を余してんのか」

ハヌマーン「まさか……これだけやって無傷とはな……っ」

ヴァーリン「無傷ではないさ」
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696 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/31(水) 18:45:00.07 ID:+CwBGYMLo
ムクリ…ズシイイィィン

ヴァーリン「チンケなものだが、ダメージはある」

ハヌマーン「……っ!」

ヴァーリン「だからこそ余計に、腹が立って仕方がないのだ!」

ゴウッ!!

マーマン「ちぃ、お前らは城まで退がれっ! 勝てる相手じゃねぇ!」

ゴブリン「ひ、ひええぇぇ!!」

ハヌマーン「これ以上は近づけさせぬ!」

ヴァーリン「無駄だ!」

咆哮と同時にほとばしる衝撃波。それはハヌマーンはおろか、

後方のマーマンやゴブリンらをも飲み込み、大きく吹き飛ばす。

ゴッガアアァァァァ!!…ズザザザザアアァァ

マーマン「う……っ」

ヴァーリン「先程の礼だ。威力は格段に違ってしまったがなぁ」

ハヌマーン「……ッ」
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697 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/31(水) 18:45:57.34 ID:+CwBGYMLo
ピクッ

ハヌマーン「……?」

ヴァーリン「諦めてそこをどけい雑魚共」

ガーゴイル「つ、強すぎるぞぉ……」

ヴァーリン「そうだ、貴様等……今、降伏するのならば、受け入れてやるぞ?」

マーマン「なん……だとぉ!?」

ヴァーリン「ラーヴァナ様、そしてこの私に忠誠を誓え。さすれば命は助けてやろう」

ゴブリン「オ……オレ……」

マーマン「聞く耳持つな! お前らは心を入れ替えたんだろ!?」

ヴァーリン「さぁどうする? 大体が人間の味方をする事こそ、おかしな話なのだ」

マーマン「違げぇ!! 種族とかそういう事はねぇんだよ!!」

ヴァーリン「……」

マーマン「お前らここに来るまで、楽しかったか? つまんねー日々だっただろ?」

ガーゴイル「……」

マーマン「俺らを理解してくれる人間に出会うまで、生きてるって言えたか!?」
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698 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/31(水) 18:47:07.16 ID:+CwBGYMLo
ゴブリン「……ッ」

マーマン「今のお前らは生き生きしてるじゃねぇか! 幸せじゃねぇか!」

ヴァーリン「よくもまぁ詭弁をベラベラと……」

マーマン「コイツらは所詮、俺らを利用する事しか考えてねぇ!」

ヴァーリン「いい加減……黙れ」

マーマン「生きるってのは従う事はねぇ! 自ら生きる事だろうがっ!」

ヴァーリン「もういい、死ね」

グアッ!!…ガギイイィィィィン

マーマン「…………ッ?」

グググッ

オーク「マーマンさんの言うとおりだ。オラ達は駒じゃねぇです!」

ヴァーリン「手を離せ。それとも、このまま押し潰してやろうか?」

ググッ…ズズズ

オーク「生きるって言うのはぁ、みんなが一緒に笑って暮らせる事だあぁ!!」

ヴァーリンの巨大な拳を、オークの小さな両腕が力強く押し返した。
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699 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/31(水) 18:48:18.49 ID:+CwBGYMLo
バキイイィィィィ!!

トロル「俺らもいるぞ! 続けぇ!」

オーガ「ヴァーリン……コワクナイ!!」

ヴァーリン「このカス共がぁ、まんまと洗脳されおってぇ」

マーマン「オーク! 今、手を貸す――」

ガシッ

ハヌマーン「もう1度だ」

マーマン「あ!?」

ハヌマーン「水竜巻、もう1度仕掛けるぞ」

マーマン「通用すっかよ! さっきの一撃だって簡単に……」

ハヌマーン「通用するなどと思ってはおらぬ。目晦ましと奴が濡れればそれで良い」

マーマン「は?」

ハヌマーン「いいから時間がないのだ、早くしろ!」

マーマン「分かったよ! やりゃあいいんだろっ!」

ハヌマーン「いくぞっ!!」
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700 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/31(水) 18:49:11.22 ID:+CwBGYMLo
キュイイィィィィ…

マーマン「オーク!! ヴァーリンから離れろぉ!!」

オーク「!?」

ハヌマーン「はああぁぁ!!」

ドドオオォォォォン!!…ズガガガガガガッ!!

ヴァーリン「2度目は通じるとでも思っているのか? 阿呆が」

ハヌマーン「思わぬ!」

ヴァーリン「ならば血迷ったか」

ハヌマーン「……そうかもしれぬな」

ヴァーリン「笑わせる。そら、今度はそっくりそのまま貴様等に――」

パリッ…バリバリバリッ

ヴァーリンの背後に突如輝く稲光。それは空間を引き裂くかのように広がると、

その奥より出現した巨大な魔物がヴァーリンの背後から襲いかかる。

ヴァーリン「なっ――!!」

ズガシュウウゥゥゥゥ!!
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701 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/31(水) 18:50:13.96 ID:+CwBGYMLo
雷鳴と共に刃のように研ぎ澄まされた雷の一閃が、ヴァーリンへと打ち放たれる。

バリッ…バチバチッ…ドシャアアァァ

ハヌマーン「…………」

ヴァーリン「……スグリーヴァ!!」

スグリーヴァ「久しいなヴァーリン。恐れて攻めて来ぬと思っておったわ」

ヴァーリン「ほざくな、時機を見据えていただけの事よ」

スグリーヴァ「……」

ヴァーリン「その気にならば貴様如き、瞬く間に消し去ってくれるわ」

マーマン「片腕落とされて、強がってんじゃねぇよ」

ヴァーリン「貴様は馬鹿か?」

マーマン「んだとぉ!?」

ヴァーリン「渾身の一撃が直撃出来ず、片腕を落とすのみ」

マーマン「!?」

ヴァーリン「スグリーヴァ、力の差は歴然だな」

スグリーヴァ「…………」

ハヌマーン「スグリーヴァ様……ッ」
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702 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/31(水) 18:51:22.64 ID:+CwBGYMLo
〜南方、南西平野〜

召喚士「……」

青年兵「……」

見晴らしの良い平野からやや後方へ移動する事、数キロの距離。

南方特有の、泉とそれを囲むように生い茂る木々の場所。言わばオアシスである。

そこへ布陣した召喚士らは、障害物となる小高い丘や岩の影でじっと息を潜める。

盗賊「……来るぞ」

ドドドドドド…

青年兵「今だっ! 出でよ、ワイバーン!」

召喚士「行けっ! コカトリス!!」

シュイイィィィィン…バシュウウゥゥゥゥ!!

ラクシャーサ「正面から何か来んぞぉ!」

召喚士「っ!!」

青年兵「眷属がいない!?」

ラクシャーサ「空中の奴はどうせ狙えねぇ! 構うなっ、強引に突っ切るぞ!」
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703 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/08/31(水) 18:54:51.37 ID:+CwBGYMLo
青年兵「仕方ないっ、作戦続行だ!」

コカトリスとワイバーンは正面より迫り来るラウシャーサの大軍に、

低空飛行で真っ直ぐに召喚主を背中に乗せて突進する。

それを合図に、脇で潜んでいた竜騎士隊が召喚獣を羽ばたかせ、

ラクシャーサの群れを左右から押し潰すように攻撃を開始する。

青龍士官「あとは任せろ! 2人は後方に戻ってくれ」

青年兵「サルワとアジ・ダハーカが見当たらない!」

青龍士官「了解した。ひとまずは地上の魔物を掃討する」

青龍兵「隊長に続けぇ! 左右より魔物を押し込むぞ!」

竜騎士隊「でりゃああぁぁぁぁ!!」

ラクシャーサ「くっそぉ、伏兵かよ……ぐああぁぁーっ!!」

青年兵「よし、ここは任せたぞ」

青龍士官「眷属が現れたら知らせてくれ!」

青年兵「了解だ、では戻りましょう召喚士さん」

召喚士「うん!」
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704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/08/31(水) 18:55:33.00 ID:+CwBGYMLo
少ない投下ですがここまでにて…
本日もありがとうございました!失礼致します!ノシ
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705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/08/31(水) 19:01:33.55 ID:qSt/nDYAO
>>1

ヴァーリンヴァーリン、色んな角度から君を見ていた…
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706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/01(木) 01:37:22.23 ID:6Z/VAaoAO
>>1おつ
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707 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/01(木) 18:00:21.07 ID:Re3CSQQ6o
〜赤壁、城壁〜

ヨロッ…フラフラ

占い師「……っ」

マジシャン「おっと、大丈夫か? 体調でも優れんか?」

占い師「……ふふっ」

マジシャン「あん? 俺の顔に何か付いてるか?」

占い師「ううん、満身創痍の貴方に心配されるなんて……ダメだなって」

マジシャン「……あのなぁ、まぁ元気ならいいさ。ほれ、中に戻るぞ」

占い師「うん」

テクテクテク…

マジシャン「……何か、見えたのか?」

占い師「……みんな曇った顔をしていたわ」

マジシャン「まさか……っ」

占い師「ううん。曇り顔だけど空は晴れていて、手を取り合って……そんな感じかしら」

マジシャン「よく分からんが……負けなきゃいいさ。明日があれば生きてるって事だ」
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708 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/01(木) 18:15:07.59 ID:Re3CSQQ6o
〜赤壁東、渓谷〜

パッカパッカパッカ

本国兵「騎馬5千、配置につきました」

大軍師「ご苦労様です」

本国兵「……しかし、深い谷ですね。崖上から狙われては逃げ場がありませんよ」

大軍師「かつてこの地で、ラクシャーサとの戦闘がありました」

本国兵「あ……っ、数年前の……ですか?」

大軍師「私も資料でしか存じませんが、寡兵で大軍相手に見事、勝利したようです」

本国兵「今回と似ていますね」

大軍師「ええ。なかなか衝撃的でしたよ」

本国兵「……?」

大軍師「罠を用いて奇策で相手を叩く。まぁ小が大を制するには常套手段ですか」

本国兵「は、はぁ」

大軍師「さて、ここはお任せ致します」

本国兵「はっ。ご武運を!」
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709 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/01(木) 18:20:13.93 ID:Re3CSQQ6o
〜赤壁南、渓谷〜

ドドッドドッドドッ…

大隊長「各騎、並列にて展開致しました!」

エリート「いいか、仕掛けるのは敵が通過してからだ。早まるなよ」

大隊長「了解であります!」


エリート「さぁ、間もなくだ。気合いを入れて行くぞ! 決して死ぬなよ!」

騎兵「おおう!」

エリート「ここには本国の人間も南方の人間も西方の人間もいる」

南方兵「……」

エリート「だが皆、仲間だ。手を取り合い……今日を生き抜こうではないか!」

本国兵「おぉーっ!!」

エリート「明日、また会おう! それでは各自、戦闘態勢に入れ!」

ザザザッ…ズザッ

大隊長「お見事です」
エリート「この程度で士気が上がれば容易いものさ。それに、本音を言ったまでだよ」
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710 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/01(木) 18:22:27.62 ID:Re3CSQQ6o
ォォォォオオ…

地響きを通して、ラクシャーサの数が甚大ではないという事は容易に想像がつく。

人はおろか、馬でさえも、その尋常ではない有様に、息を潜めるように静かである。

エリート「…………」

大隊長「…………」

エリートは丘の傾斜部分で、生える木々の間からじっと様子を伺う。

そして右方に構える1人の大隊長と目を合わせると力強く頷き、それを合図に

総大将であるエリートを残し、兵らがゆっくりと後方に移動を開始する。

エリート(近すぎれば気配で勘付かれる。厄介なものだ……)

しばらくすると、丘の上には木々の隙間から漏れる光を遮る何かが現れた。

それは1つ、また1つと数を増やし、あっと言う間に木々の隙間を埋めた。

ラクシャーサの大軍、およそ5万の影である。

若き右大臣は口内に溜まった唾液を飲み込むと、額の汗を1度拭った。

エリート(対峙してみると、想像以上に凄まじい威圧だな……っ)

数秒目を閉じ、大きく息を吐き出すとエリートは大軍の先頭めがけ、馬を飛ばした。
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711 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/01(木) 18:27:07.79 ID:Re3CSQQ6o
ドドッドドッドドッ

エリート「精鋭は私に続けぇ! 一気に行くぞ!」

ピクッ

ラクシャーサ「何だ……? 何か気配が近づいているぞ!?」

ドドッドドッドドッ

ラクシャーサ「人間だ! しかし数は少ないぞ!」

エリート「退けぃ! 退かねばどうなっても知らんぞ!」

ラクシャーサ「たかが数匹で何をほざくか! かまうな、やっちまえ!」

ワアアァァァァ

騎兵「交戦開始したようだな、行くぞぉ!」

南方兵「おおぅ!!」

エリートが仕掛けるのを合図に、最後尾から待ち伏せていた兵らが一気に飛び出す。

ラクシャーサ「後ろからっ!? バカッ、前の連中をとめろ!」

大隊長「突撃ぃーっ! 魔物らを一気に押し込めえぇーっ!」

伏兵の奇襲により、ラクシャーサの群れは早くも乱れ始めた。
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712 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/01(木) 18:33:32.76 ID:Re3CSQQ6o
ドドドドッ…ズガァ!!

ラクシャーサ「何だコイツら……次から次へとぉ!」

小隊長「押せ押せ押せぇーっ! 左右の騎馬とタイミングを合わせろよ!」

魔物達にとっては、ただ闇雲に突撃してくる人間の集団にしか見えないが、

統制された人間側の騎馬突撃は、上空から見れば高波が押し寄せるように、

最後尾から流れるように、順番に、丁寧に繰り広げられていた。

本国兵「うおああぁぁーっ!!」

突撃した騎馬は足を止める事なく、更に進路を変える。

先頭を駆る小隊長をを必死で追い、その縦列は螺旋状に疾走する。

ラクシャーサ「動きが読めねぇ! くっそ……グギャアアァァ!!」

螺旋状に渦巻く騎兵は幾多にものぼり、高波は大嵐の大海へと姿を変えた。

ラクシャーサ「後ろは塞がれたっ! もう前方で合流するしかねぇぞ!」

騎兵「逃がすな! 出来る限りここで打ち倒せ!」

南方兵「うおおぉぉーっ!!」

混乱は更なる混乱を招き、5万の軍隊は最早、半分近くの機能を失っていた。
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713 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/01(木) 18:37:56.23 ID:Re3CSQQ6o
ドドッドドッドドッ

大隊長「奇襲突撃、成功のようです!」

エリート「よし、我らも前線より後退する!」

ザザッ…ドドッドドッドドッ

本国兵「しかしよく持ってくれる。どこの騎馬隊も大したものだ」

南方兵「それもあるが、やはりこの新しい甲冑……! 軽い上に頑丈この上ない!」

エリート「五ヵ年計画は何も、時機だけを狙っていたわけではないのだ」

騎兵「全くです! 馬用のものもそうですし、ランスやスピアだって……」

エリート「だからとて油断はするな。所詮、魔王や軍団長クラスには通じぬ代物だ」

本国兵「……っ」

エリート「だが、1番は自身の力量。皆、本当に良くやってくれている」

騎兵「ええ……っ!」

エリート「さぁ、我らの仕事はほぼ終えた。あとは大軍師に任せようではないか」

大隊長「了解です! もうひとふん張りだぞ! さぁ頑張れ!」

南方兵「おぉーっ!!」
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714 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/01(木) 18:38:53.87 ID:Re3CSQQ6o
〜スグリーヴァの城〜

ゴゴゴゴゴゴ…

オーク「嘘だ! スグリーヴァ様だってまだ本気じゃねぇ!」

ヴァーリン「本気だよ。本気を出してこの程度さ……クック」

オーク「違う!!」

スグリーヴァ「オーク、退がっておれ」

オーク「……?」

スグリーヴァ「ヴァーリン、確かに貴様の言う通りかもしれぬな」

オーク「――ッ!!」

ヴァーリン「認めるかっ、勝ち目はないと申しているようなものだぞワハハッ!」

スグリーヴァ「勝ち目? 違うな、まだ気付かぬのか貴様は」

ヴァーリン「アァ……?」

スグリーヴァ「本物の強さとは、己の力を誇示する事ではないのだ」

ヴァーリン「諭すか、無駄な事を!」

スグリーヴァ「確かに私は、かつてより力を大きく失った」
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715 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/01(木) 18:42:06.69 ID:Re3CSQQ6o
ヴァーリン「人間を食ろうておらんからだろう」

スグリーヴァ「ああ、そうだな」

ヴァーリン「だから勝ち目はないと申しているのだよ!」

スグリーヴァ「しかしな、今の私はかつて以上の力を手に入れたぞ?」

ヴァーリン「どこにそのようなちからがあるっ!」

スグリーヴァ「見えぬのか? 今ここに、多数おるではないか」

ヴァーリン「……ア?」

スグリーヴァ「ここにおる仲間達が、かつて以上の力そのものなのだ」

オーク「……」

マーマン「……ッ」

ハヌマーン「……スグリーヴァ様」

ヴァーリン「ブハハハッ! こんなチンケな虫ケラ共が……力だとぉ!?」

スグリーヴァ「所詮、お前には手にする事は出来ぬ力よ」

ヴァーリン「不要だな、そんなちっぽけな力は!」

スグリーヴァ「可哀想な奴だ」
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716 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/01(木) 18:43:51.31 ID:Re3CSQQ6o
ヴァーリン「愚弄するかぁ!!」

ドゴオオォォン!1

ヴァーリン「……ッ」

スグリーヴァ「見よ、現に防がれているではないか。お前の言うちっぽけな力に」

オーク「ウウゥゥゥゥ……!!」

マーマン「旦那にゃあ……近づけさせねぇぜ!」

ハヌマーン「我らが居る限りな……ッ!」

ヴァーリン「……ゴミめがっ!」

スグリーヴァ「それに比べ、貴様はどうだヴァーリンよ」

ヴァーリン「……何がだ」

スグリーヴァ「貴様の周りには、力が見えぬ」

ヴァーリン「……」

スグリーヴァ「貴様の周りには、誰1人居らぬではないか」

ヴァーリン「あのような奴等は所詮、駒に過ぎぬ!」

スグリーヴァ「だから気付かぬのさ」
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717 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/01(木) 18:44:34.60 ID:Re3CSQQ6o
ヴァーリン「先程からゴチャゴチャと……!!」

スグリーヴァ「気付かぬのか? 貴様とてラーヴァナに利用されているに過ぎぬのだ」

ヴァーリン「……利用? 俺がか? ワハハッ! ハーッハッハッハ!」

マーマン「なーにがおかしいんだこのクソヤローが」

ヴァーリン「ラーヴァナ様は魔王! 暴君! 支配者なるぞ!」

スグリーヴァ「……」

ヴァーリン「そしてこのヴァーリン様は認められてここに居るのだ!」

ゴアッ!!

ヴァーリン「貴様は此処でえぇ、この俺に殺されるべきなのだああぁぁ!!」

スグリーヴァ「本当に哀れな奴だ。最早、慈悲も不要也」

ハヌマーン「スグリーヴァ様、お力添え致します!」

マーマン「見せてやろうぜっ、俺達のちっぽけな力をよおぉ!!」

オーク「全力本気前回だああぁぁ!!」

スグリーヴァ「受けてみよ、我らの力をっ!!」

ヴァーリン「――ッ!!」
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718 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/01(木) 18:45:37.89 ID:Re3CSQQ6o
〜スグリーヴァの城、北側〜

ズザザッ…ドドドドッ

ラクシャーサ「しかし放っておいていいのか? あれでも大将だろ?」

タッタッタッタッタ

ラクシャーサ「やられるわけないだろ。普段から豪語してんだからよぉ」

タッタッタ

ラクシャーサ「そうそう。それに助ける義理もねーしな! ヒャハハ!」

タッ

ラクシャーサ「俺らは俺らで今のうちに、無人の城を――」

ザシュッ!!…ドサッ

ラクシャーサ「バ、バカなっ!? 何でこんな所に人間が――」

ガシュッ!!…ズシャアアァァ

剣士「……ふーっ、まだ続けるか? それとも……大人しく退くか?」

ラクシャーサ「あ……あぁ……っ」

剣士「戦意はないようだな。よし、先に進もう!」
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719 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/01(木) 18:47:17.47 ID:Re3CSQQ6o
ドドッドドッドドッ…

錦将軍「あんな雑魚、黙って叩き斬っちまえよ」

剣士「そうはいかないよ」

弟者「魔物だろ? 生かしておいてもいい事なんかねーって」

兄者「そうでもないぞ? 現に共闘しておる魔物がいるではないか」

弟者「でもそれは種族によるだろ。あんな鬼を説得するなんざ無理無理」

白馬騎士「ならば何故、斬らなかったのです?」

弟者「うっ、それはまぁ……その……だな」

弓将軍「ひょっひょ、お主も分かっておるのだろう?」

弟者「うるせぇ!!」

剣士「とにかく、まずは城の迫っている魔物を追い払いましょう」

幼女「おーっ!」

白馬騎士「良いか? 抵抗するものだけ斬るのだぞ!」

兄者「降伏を促し、従う者は結界の中に閉じ込めておけい」

錦将軍「っしゃあぁ! 暴れるぜえぇーっ!」
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720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/09/01(木) 18:51:59.38 ID:Re3CSQQ6o
それではここまでにて台風上陸前に帰ります!
ご支援ありがとでした!では!ノシ
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721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2011/09/01(木) 18:54:54.55 ID:dtF/QDBOo
>>717
まさかのフリーザ
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722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/01(木) 20:36:09.59 ID:fFFn8C5DO
人間食わんで力出ないって雷禅だな



…フラグ?
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723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/09/01(木) 20:57:51.36 ID:FJLX2xyAO
息子は誰だよ
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724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/01(木) 23:51:31.84 ID:6Z/VAaoAO
>>1おつ
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725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/02(金) 00:36:32.80 ID:bkZWFjEDO
>>1乙!!
VIPから読んでいて応援してるよ!
そんな俺に、さっき第一子長男が産まれました(`・ω・´)

これも>>1のおかげだよ、ありがとう。
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726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/02(金) 00:42:43.81 ID:ItFnUQLDO
>>1のおかげで就職決まりました!
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727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/09/02(金) 08:06:52.91 ID:FxKnYITAO
>>1

フリーザ気づかんかったわ
てかやっぱり魔王の座から離れると弱体化するのね
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728 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)[sage]:2011/09/02(金) 13:10:10.25 ID:1ghVfBU90
>>1おつ
>>725おまえ・・・1年前?新婚旅行がどうのこうのっていってたやつだろ
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729 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/02(金) 18:03:13.72 ID:xKEWQxL3o
〜南方、南西平野〜

バシュウウゥゥ…スタッ

戦士「どうだ!?」

青年兵「竜騎士隊、流石ですよ。想定以上の戦果です」

魔道士「凄いじゃないですか!」

青年兵「しかし如何せん、敵の数が多すぎます。これではキリがないな……」

戦士「我慢ならん。俺も行くぜ」

召喚士「駄目だよっ! 戦士はここで、サルワを迎え撃つんだろ?」

戦士「そうだけどよ……」

青年兵「大丈夫ですよ。いくら数が多いとはいえサルワ達さえ居ないのならば……」

盗賊「……」

青年兵「ラクシャーサのみならば、竜騎士隊だけで十分時間は稼げます」

召喚士「その間に援軍が来てくれるはずだよ」

魔道士「そ、そうですよ!」

戦士「……分かっちゃいるがなぁ」
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730 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/02(金) 18:04:30.25 ID:xKEWQxL3o
ピクッ

盗賊「――っ!!」

戦士「……な、何だこの感じ……っ! まさか来やがったか!?」

ワアアァァァァ!!

召喚士「くっ!!」

オアシスに潜む彼らはやや身を乗り出し、迫るラクシャーサ達を目視する。

歓声のような声のその遥か後方に、上空を羽ばたく影が迫っていた。

青年兵「来たっ! アジ・ダハーカだ!」

盗賊「しかし、サルワはどこに……!?」

戦士「……おいおいっ、ウソだろおぉ!!」

徐々に大きくなるアジ・ダハーカの姿に一同は驚愕する。

アジ・ダハーカは2本の後ろ足で、巨大な1匹の魔物をぶら下げていた。

青龍士官「来たぞおぉーっ!! 上空からだ!!」

青年兵「まさか空からとは……っ! くそっ、交戦準備!!」

召喚士「……っ」
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731 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/02(金) 18:06:04.58 ID:xKEWQxL3o
ゴウッ!!…ゴオオォォォォ…

シヴァ「所詮は雑魚の群れか。ラーヴァナ様もこんな奴らに何を期待しているのやら」

アジ・ダハーカ「コオオォォォォ」

シヴァ「貴様もそう思うか、sジ・ダハーカよ!」

ゴウッ!!…バシュウウゥゥゥゥ

シヴァ「ワーッハッハッハ! 生まれ変わったこのシヴァ様の力、とくと味わえ!」

青龍士官「2匹抜かれるのはまずいっ! 食い止めろぉ!」

竜騎士兵「は、早いっ!!」

ゴウッ!!

青龍兵「駄目です! このままでは突破されます!」

青龍士官「ここは任せたぞっ、出来る限り分断せよ!」

竜騎士兵「た、隊長!?」

バシュッ…ゴウッ!!

青龍士官「間に合ええぇぇ!!」

シヴァ「……ん? 何だ笑わせる。たかが1匹の召喚獣で何が出来るか」
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732 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/02(金) 18:07:57.61 ID:xKEWQxL3o
ドシュウウゥゥゥゥ

交戦中のラクシャーサと竜騎士隊、更には背後から追走する青龍士官に目もくれず、


シヴァを運ぶアジ・ダハーカは、オアシスの方へと真っ直ぐに飛行を継続する。

召喚士「仕方ない……」

青年兵「召喚士さんはまだ待って下さい!」

召喚士「!?」

戦士「そうだよ、まだ魔力全快ってわけじゃねーんだ」

召喚士「……」

魔道士「ここは私達が引き受けますっ」

盗賊「お前は切り札なのだ。どうしてもの時には……頼む」

召喚士「……分かりました」

戦士「行くぞっ!」

青年兵「ワイバーン!」

バシュッ!!…タッタッタ…

召喚士「…………っ」
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733 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/02(金) 18:08:49.16 ID:xKEWQxL3o
ゴオオォォォォ

青龍士官「おおぉぉぉぉ!!」

シヴァ「しつこい塵だな」

ズバァ!!

青年兵「通すかっ!!」

シヴァ「!?」

青年兵「青龍士官っ!」

青龍士官「おぉっ!!」

前後よりアジ・ダハーカへ襲いかかる2匹のワイバーン。

その一撃は寸分違わず、申し合わせたかのように、アジ・ダハーカを同時に、

口から吐き出す大量の炎にて攻撃を繰り出した。

ドドオオォォォォン!!…ゴゴオオォォォォ!1

アジ・ダハーカ「…………ッ」

シヴァ「ちぃ、面倒だ。その塵共は任せたぞ」

被害が拡大する前に、シヴァは自ら地上へと飛び降りた。
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734 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/02(金) 18:09:43.81 ID:xKEWQxL3o
ブワッ

シヴァ「何っ!?」

戦士「待ってたぜおらあぁーっ!」

飛び降りるシヴァを待ち構えていた戦士は、推定落下位置より高く跳躍し、

手にした戟を突き出すと、そのまま空中にて迎撃態勢へと移る。

戦士「おおぉぉぉぉ!!」

シヴァ「甘いわ!」

繰り出される戦士の戟による連撃。しかしそれはシヴァの強靭な肉体に弾かれ、

また、両腕による防御にて防がれ、効果は全く見出せない。

戦士「……ちいっ」

シヴァ「落ちろ」

ガシィ!!

シヴァは広げた壁のような掌で戦士をそのまま掴み、地面へと押し潰す。

戦士「がっはあぁ!!」

シヴァ「ウワーハッハッハ!」
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735 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/02(金) 18:10:48.03 ID:xKEWQxL3o
ズガガガガッ!!…ゴロゴロッ

地を統べるように吹き飛ぶ戦士。それを横目にシヴァは優雅に着地する。

シヴァ「ククッ、バカが――」

その刹那、シヴァの頭上より巨大な落雷が直撃する。

ドッドオオォォォォン!!…ガカアアァァァァ!!

魔道士「もう……1回っ!」

盗賊「馬鹿は貴様だ!」

魔道士による雷魔法。更にはそれに続き盗賊が一気に間合いを詰める。

シヴァ「グ……ク……ッ」

ドドオオォォォォン!!…ゴガアアァァァァ!!

盗賊「――っ!?」

タタタッ…ビタァ!!

走る盗賊はシヴァの奥底に眠る異様な威圧に察知し、走るのをやめた。

魔道士「……まだ……まだぁ!」

盗賊「待てっ、魔道士!」
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736 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/02(金) 18:12:19.93 ID:xKEWQxL3o
魔道士「えっ!?」

盗賊「……こやつ、大したダメージは受けておらぬ!」

魔道士「っ!!」

シュウウゥゥ…バチバチバチッ

シヴァ「……ん、むぅ」

召喚士「……っ」

シヴァ「なかなかやるではないか。人間にしては、大したものだ」

魔道士「む、無傷……っ!?」

盗賊「無傷ではないっ、無傷ではないが……」

ゴキッ…コキッ

シヴァ「この程度の、ましてや通常魔法など通じるとでも思っているのか?」

ヨロッ…ムクリ

戦士「思っちゃ……いねぇさ……っ」

召喚士「戦士!」

シヴァ「生きていたか。しぶとい奴だ」
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737 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/02(金) 18:14:31.76 ID:xKEWQxL3o
戦士「そうそう、死ねるかってんだよ……っ」

シヴァ「……貴様、見覚えがあるぞ?」

戦士「……」

シヴァ「そうか、貴様……先日のっ!」

戦士「あん時ぁ世話になったなぁ」

シヴァ「まさか今日この日、仇討ちが出来るとはな!」

戦士「同感だな。俺もてめぇのトドメがさせると思うと、嬉しいぜ」

シヴァ「殺す!」

ゴアッ!!…ゴゴゴゴゴゴ…

盗賊「来るぞっ!」

魔道士「……っ」

戦士「魔道士、盗賊、召喚士! ありったけの魔力を俺に……五行を俺に撃て!」

召喚士「駄目だっ、そんな事は出来ない!」

戦士「じゃあどうやってこのバケモンと戦う!」

召喚士「……それは……っ」
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738 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/02(金) 18:16:22.01 ID:xKEWQxL3o
ズシイイィィン

シヴァ「戯言は終わりかああぁぁ! ならばあぁ殺す!」

ダンッ!!

前進に力を加え跳躍するシヴァ。その巨体の勢いをもってして4人を潰す。

そういう算段で飛んだであろうシヴァは、目の前を飛行する者に目を丸くする。

シヴァ「……ッ?」

――「はあぁーっ!!」

ザシュッ!!…ズガアアァァ!!

シヴァ「グブッ、な……何だ貴様ら――」

ドガガガガガガッ!!…ザシュウウゥゥゥゥ!!

シヴァ「ガアアァァーッ!!」

ドシャアアァァ!!…ズズウウゥゥゥゥン

召喚士「あ……れは……」

魔道士「……ワ、ワルキューレ!?」

シヴァの頭上を浮遊する9人の美しき召喚獣が、静かに微笑んだ。
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739 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/02(金) 18:17:17.38 ID:xKEWQxL3o
〜東の町〜

ドドドドドド…

不気味な地鳴りは徐々にその音を大きく奏で始める。

南方魔道長「さーて、いよいよ来なすったぜ」

南方参謀「推定、15万のラクシャーサ……」

天才「ちょうどいい、こっちも来たみてーだな」

南方司令「……?」

ドドドド…ガラガラガラッ

助手「は〜い、お元気?」

西方副司令「ウチの司令……生きてる?」

南方副司令「おぉ、西方の援軍か! 待っていたぞ!」

南方弓長「これが兵器っ、凄い数……!」

南方参謀「投石器にバリスタ……と、とにかくっ、全て町の中に入れて頂戴っ!」

助手「はぁ〜い♪」

天才「さーて、いよいよ出陣と行きますか」
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740 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/02(金) 18:18:10.10 ID:xKEWQxL3o
助手「あ、そうそう。西方司令はどこぉ〜?」

南方弓長「さっきあっちで泣いてたわよ?」

西方副司令「……全く」

南方魔道長「どうかしたのか?」

西方副司令「局長から頼まれてね。武器が完成したから持って来たのよ」

南方参謀「へぇ、あ……そっか。西方司令のツバイハンダーは総司令が……」

ズドンッ

南方参謀「……へっ?」

南方魔道長「おいおい、兵器用の槍はあっちに置けよ」

助手「んふふ〜♪」

ザッ

天才「んじゃ、行くぞ」

南方司令「了解」

南方副司令「本当に2人で……大丈夫なんですかい?」

天才「さっさとあのバカに武器握らせて後を追わせろ」
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741 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/02(金) 18:18:43.20 ID:xKEWQxL3o
南方司令「では行ってくる。正義の為に悪を討つ! 我らがヒーローその名は――」

ヒュバッ…タタタタッ

南方参謀「もう……行っちゃったわよ?」

南方司令「しまった! 私とした事が油断したかっ!」

ザザッ…タタタッ…

南方弓長「大丈夫かしら……?」

南方副司令「あの2人が負けるところなど想像がつかん」

南方魔道長「ま、その為にも俺らが精一杯援護せんとな」

南方参謀「そうよ〜っ! さぁ、早く準備に取り掛かって頂戴っ!」

ドドドドドド…

ラクシャーサ「進め進めぇ! 雑魚は構わず、敵の拠点を潰すぞ!」

アスラ「そうだ、それでいい。人間なぞ個の力は他愛ないのだからな」

ラクシャーサ「おぉーっ!!」

アスラ「ごく一部、手強い輩もいるが……そんなものは更なる力で叩き潰す」

ラーヴァナの腹心、アスラ率いる本隊は再び、東の町へと到達する。
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742 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/02(金) 18:19:37.50 ID:xKEWQxL3o
ゴゴゴゴゴゴ

天才「さーて、おいでなすったぜ」

南方司令「……どうします?」

天才「あん?」

南方司令「いかに雑魚と言えど、強引に進むには2人では手間がかかりますよ?」

天才「なーに敬語使ってんだてめぇは、気持ち悪りぃな」

南方司令「一応、師ですので。普段はまぁあれですけど」

天才「あっそ、まぁどうでもいいや。心配すんな」

南方司令「……?」

天才「師弟水入らずでラーヴァナ観光と行こうや」

南方司令「だから、手間がかかると――」

ザスッ

南方司令「!?」

西方司令「……待たせたなぁ! ヒャッハハハハー!」

天才「言ったろ? 師弟水入らずで観光ってなぁ!」
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743 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/02(金) 18:20:49.67 ID:xKEWQxL3o


南方副司令「まさか、あれが武器とはな……っ」

助手「凄いでしょ〜?」

南方弓長「凄いって言うか、あんなの人間の扱える代物じゃないわよ……」

西方副司令「でも現に、携えて行ったでしょ?」

南方魔道長「しかも……片手でな」

南方参謀「何なのあれ、ツヴァイハンダーの倍以上はあったわよ……っ」

助手「元は兵器で射出する槍っていうかぁ〜、投擲用の鏃?」

西方副司令「それを手で扱えるように施したんですって。呆れるわよ」

南方参謀「開発局長も何考えてるんだか……」

南方弓長「使い……こなせるの?」

南方副司令「お前も知ってるだろ。西方司令の別名を」

南方参謀「普段の西方司令からじゃ、想像も出来ないけれどね」

南方弓長「確か……」

南方魔道長「……人間兵器。1個大隊に相当するって噂だな」
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744 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/02(金) 18:22:54.54 ID:xKEWQxL3o
ゴアッ…ゴゴゴゴゴゴ

ラクシャーサ「ひ、ひいいぃぃぃぃ!!」

西方司令「死ねやおらああぁぁぁぁ!!」

それは剣や槍と呼ぶには相応しくなく、異様な光景であった。

西方司令の手により振り回された超巨大な代物は、ラクシャーサの群れを

一振りにて複数匹をまとめて吹き飛ばし、軽々と葬った。

南方司令「相変わらず……シャレにならんな」

天才「ハーッハッハ! 今までサボってた分、しっかり働けやぁ」

西方司令「血が足りねぇぞコラァ!! もっとだ、もっと浴びせてみろやあぁ!!」

南方司令「変態というか、狂ってる」

天才「流石の俺様でも引くレベルだ。ハーッハッハ」

ズッバアアァァァァン!!…

南方司令「ま、お陰で簡単に中央突破出来そうですわな」

天才「雑魚は後ろの連中に任せて、俺らが狙うはアスラちゃんだって事忘れんなよ」

西方司令「目の前にいる奴ぁ、誰であろうがこの世から消してやるああぁぁぁぁ!!」
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745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/09/02(金) 18:25:06.12 ID:xKEWQxL3o
とりあえずここまでにて!今日も天気怪しいのでこれで失礼します!
週末だからあとで来る予定です!それでは失礼致します!ノシ

>>725
おめでとうございますー!!
てかこっちはいいですから、存分に愛情を注いであげて下さい!

>>726
おmでとうございます!仕事サボっちゃダメですよっ!

てか…別になんにもしてないですからお陰とかやめて下さい!
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746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄)[sage]:2011/09/02(金) 18:27:59.06 ID:LJW1auCAO

相変わらず武器持った西方司令が世紀末の雑魚にしか見えないぜ……
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747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄)[sage]:2011/09/02(金) 18:29:19.78 ID:LJW1auCAO

相変わらず武器持った西方司令が世紀末の雑魚にしか見えないぜ……
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748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄)[sage]:2011/09/02(金) 18:31:32.39 ID:LJW1auCAO
すまんorz
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749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/09/02(金) 18:36:43.49 ID:FxKnYITAO
>>1

じゃあ俺もVIPの1スレの3レス目ぐらいから見てたけど1乙のおかげで今年の10月に結婚予定だよ

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750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/02(金) 20:15:01.03 ID:HC/0PnBDO
>>1
なんでこのスレはリア充が多いんだよ死にたい
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751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/02(金) 22:26:28.67 ID:Ea5R8zhd0
1乙

>>750
安心しろ。ここに初期から読み続けてバツイチになったオレガイル・・


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752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]:2011/09/02(金) 23:37:40.48 ID:0EOaAYS1o
お、お、おれも、>>1からやさしい言葉をなげかけられたいんだな
しかし、なにもないorz
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753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/03(土) 01:30:17.37 ID:bV3tBYlAO
>>1おつ

天才が引くレベルとかワロタ
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754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県)[sage]:2011/09/03(土) 06:16:45.36 ID:McSE9sHIo
1スレ目から居ますがぼっちです
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755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/03(土) 07:51:35.00 ID:uwtRbpZDO
vipで見つけた日に仕事をやめていまだにニートの俺が>>1
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756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/03(土) 09:20:40.25 ID:5AzKi5ISo
>>755
お前まだ仕事見つかってなかったのか>>1
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757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県)[sage]:2011/09/03(土) 09:22:48.02 ID:NCy1quAuo
去年の5月に結婚したけど、波瀾万丈でした
結婚前に男も好きって言ってなかったっけ?
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758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県)[sage]:2011/09/03(土) 10:30:37.05 ID:iFM7Bun/0
ふえぇPCさまぁ無駄な書き込みはやめてくださいよぉ
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759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/09/03(土) 15:59:48.37 ID:dkV19WUPo
>>1
天才も引くレベルとかとんでもねーな
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760 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/04(日) 21:48:23.73 ID:phHbR+OOo
〜スグリーヴァの城〜

オーク「わああぁぁぁぁ!」

マーマン「いっけえぇ!」

ハヌマーン「攻めよ、攻め続けるのだ」

ヴァーリン「何が力だっ、出来るものならさっさと見せてみろ」

スグリーヴァ(……あれはもう、何千年前になるか)

ヴァーリン「……」

スグリーヴァ「……」

兄弟であり、かつては同様の容姿を持った両者であったが、

今では大人と子供程の差がある体躯に、スグリーヴァは呆れていた。

だがそれ以上に強く感じている者がここにも1人。

ハヌマーン(スグリーヴァ様とヴァーリン様……。かつては互角であった2人だが……)

ヴァーリン「何だ、最早そんなものかぁ!」

ハヌマーン(今現在となっては、その差は明白だがな……)

両者に比べ倍以上小さくなった己の拳を見つめ、唇を噛み締める。
761 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/04(日) 21:52:12.33 ID:phHbR+OOo
グゴゴゴゴゴゴ…

マーマン「押し負けるなよぉーっ!」

オーク「うぐぐぐ〜っ!」

ハヌマーン「流石はヴァーリン様……か」

ヴァーリン「貴様等の言う力とやらも、これまでのものであったなぁ!」

スグリーヴァ「……ッ」

グオオォォォォッ!!

マーマン「な、何だぁ……!?」

オーク「ヴァーリンの体が……光って……」

ヴァーリン「我が力の全て、とくと味わい、思い出すが良いわ!!」

ハヌマーン「あ、あれは……っ!!」

ヴァーリン「喰らええぇぇぇぇいいぃぃ!!」

凝縮した魔力が体内で爆発し、ヴァーリン自身が光り輝く巨大な弾丸となり、

スグリーヴァらの元へ一直線に襲い掛かる。

ヴァーリン「さぁ、さっさとくたばれええぇぇ!!」
762 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/04(日) 21:52:55.07 ID:phHbR+OOo
ズゴゴゴゴゴゴッ

ハヌマーン「マーマン! 水で押し返せっ!」

マーマン「無茶言いやがるぜぇーっ!!」

ハヌマーン「オークは炎だっ、出せる限り撃ちこめ!」

オーク「はいです!」

ドドオオォォォォン!!…ズガガガガガガッ

ハヌマーン「うおおぉぉぉぉ!」

マーマンの水、オークの火、そしてハヌマーンの風が壁代わりを務め、

ヴァーリンの猛突撃を力の限り防御する。

マーマン「すっげぇ……力……ッ!」

ハヌマーン「踏ん張るのだ、ここで食い止めねば……城にまで被害が及ぶぞ!」

オーク「う……ぐぐぐぐうぅーっ!!」

ヴァーリン「吹き飛べええぇぇ!!」

スグリーヴァ「はあぁ!!」

ヴァーリン「!?」
763 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/04(日) 21:54:19.55 ID:phHbR+OOo
ズザッ…ガシィ!!

ヴァーリン「貴様……ッ!」

ハヌマーン「スグリーヴァ様っ!」

スグリーヴァ「皆にばかり任せてはおけぬ」

ヴァーリン「貴様が加わろうと、無駄な事おぉ!!」

スグリーヴァ「我らの力を、侮るでないぞ!」

ゴゴッ…ゴゴゴゴゴゴ…

マーマン「スグリーヴァ様がいて、まだ押されるのかよ……っ!」

ハヌマーン「それ程までに力量差があるという事だ」

スグリーヴァ「…………」

ハヌマーン(やはり、以前のようにはいかぬか……)

オーク「う……ううぅぅぅぅーっ!!」

ザスッ…ジュウウゥゥゥゥ!!

オーク「が……ああぁぁぁぁ!!」

マーマン「お、おい……お前っ!?」
764 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/04(日) 21:55:09.23 ID:phHbR+OOo
巨大な隕石ののようなヴァーリンの突撃に対し、魔法による防御壁と、

スグリーヴァが直々に受け止めていたが、その威力は弱まる事を知らない。

ハヌマーン「オーク、私も手を貸すぞ!」

止まらぬ勢いに痺れを切らしたオークが飛び出し、スグリーヴァの下で両手を広げる。

それを見たハヌマーンも素早く横に並び立ち、スグリーヴァと共にヴァーリンを受け止める。

マーマン「どいつもこいつも……馬鹿なんだよっ!」

タタッ…ジュウウゥゥゥゥゥ!!

マーマン「ぐああぁぁ……っ!!」

スグリーヴァ「離れよお主等、支えきれるものではないぞ!」

オーク「じゃあどうしてぇ、スグリーヴァ様は支えているのさあぁ!!」

スグリーヴァ「ッ!?」

マーマン「そ……うだぜっ、皆で1つなんだ! 力を見せてやろうじゃねーかよおぉ!」

ハヌマーン「見て下さいスグリーヴァ様。これが、貴方の望んだ世界なのです」

スグリーヴァ「……ッ!!」

ヴァーリン「な、何だ……貴様等ああぁぁ!!」
765 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/04(日) 21:56:05.02 ID:phHbR+OOo
ドドドドッ

ゴブリン「オオォォォォーッ!!」

ガーゴイル「おらぁ、もっと集まれ! まだまだ足りねーぞ!」

オーガ「ウガガアアァァ!!」

スグリーヴァ「お……お主等ッ」

ヴァーリン「何だ、何なのだこれは……ッ!!」

トロル「くっそおおぉぉ! 止まらねーぞ!!」

ヴァリーン「無駄だと分かっていて……何故ここまで……」

オーク「だって……負けちゃ駄目だからだっ!!」

ヴァーリン「魔族が他者の為に……自ずから動くなどとは……」

マーマン「テメーにゃ分からねぇだろ! 結束の力ってもんがよぉ!」

ハヌマーン「我らの絆、こんなものではない」

ヴァーリン「……アァ?」

ドドドドドド…

ヴァーリン「……!?」
766 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/04(日) 21:56:48.22 ID:phHbR+OOo
ワアアァァァァ

ラクシャーサ「お、おおぉぉぉぉーっ!!」

ヴァーリン「おぉ貴様等、助けに来て――」

ラクシャーサ「うわああぁぁぁーっ!!」

ヴァーリン「!?」

ラクシャーサ「ダメだっ、逃げろ! 逃げろーッ!」

ヴァーリンの脇を無我夢中で潰走するラクシャーサ達。

スグリーヴァ「ヴァーリン、分かったであろう? 結束の力というものを」

ヴァーリン「……ヌゥ!」

スグリーヴァ「所詮、心通わぬ者同士。離れればこんなものよ」

ハヌマーン「本物の結束、仲間の力……それがどんなものか……」

ヴァーリン「魔族が力を合わせれば、結束だとでも言うのかぁ!」

ドドドド…ドドッドドッ…

ヴァーリン「な、何の音だ……?」

スグリーヴァ「お、おぉ……っ!!」
767 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/04(日) 22:00:21.34 ID:phHbR+OOo
ドドッドドッドドッ

剣士「盟友、スグリーヴァ様のお力となる為……推参!」

弟者「雑魚は蹴散らした! あとはデカブツ、てめぇだけだぞ」

ヴァーリン「人間……人間が……ッ」

錦将軍「人間様の底力、見せてやるよぉ!」

ヴァーリン「まさかこの地に……人間があぁ!!」

白馬騎士「遅くなりました、スグリーヴァ様」

スグリーヴァ「いや、有難い。助かるぞ」

ハヌマーン「これが絆。信じる者の……仲間の力だ」

兄者「それい、我らも出来得る限りの魔力と力で押し返せいっ!」

幼女「はいっ!!」

ググッ…ググググググッ

ヴァーリン「ぬ……ぐぐ……うぅ!!」

スグリーヴァを初めとする志同じ仲間達。その結集した力が強大な

ヴァーリンの一撃を、ゆっくりとゆっくりと、静止させるに至り始めた。
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/04(日) 22:54:56.74 ID:mNxc5tkAO
主役の剣士はやっぱりカッコイイ
769 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/04(日) 23:55:25.25 ID:phHbR+OOo
〜南方、南西平野〜

ゴゴゴゴゴゴ…

アスラ「…………」

魔道士「ワ、ワルキューレ……っ」

ザッザッザ

――「すまない、遅くなったな」

召喚士「あなたは……アマゾネスさん!」

色黒「私達もいるぞっ!」

ポニテ「さーてペガサス、あたし達はあっちへ行くわよーっ!」

ツインテ「わ、私も行くーっ!」

盗賊「……あいつらは確か」

魔道士「アマゾネスさん達……っ!?」

シヴァ「何だ貴様等ァ……ッ! 新手の召喚――」

アマゾネス「ワルキューレ!!」

シヴァ「!?」
770 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/04(日) 23:56:03.50 ID:phHbR+OOo
ズガガガガッ!!…ドドオオォォォォン!!

シヴァ「グク……ッ」

アマゾネス「黙って寝ていろ。まだ話は終わっていない」

シヴァ「何だとぉ!?」

アマゾネス「南西砦からの援軍が間もなく到着する」

召喚士「本当ですか!?」

アマゾネス「ああ。その間、何とかこのデカブツを引きつけよう」

召喚士「ええ、その通りです!」

盗賊「戦士、いけるか?」

戦士「当たり前だろ。あの程度でくたばってたま――」

ゾクッ…クルッ!!

戦士「……っ」

盗賊「……どうした?」

戦士「今のは……いや、何でもねぇ……っ」

盗賊「……」
771 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/04(日) 23:56:42.90 ID:phHbR+OOo
バシュウウゥゥゥゥ

青龍士官「あれは……召喚獣?」

青年兵「援軍か!」

青龍士官「青年兵っ!」

青年兵「ああ。これだけいれば、このでかい奴に集中出来る……っ!」

バサァ

ポニテ「青年子さーん!」

青龍士官「青年子?」

青年兵「わああぁぁーっ!! ご無沙汰してます!!」

ポニテ「助けに来ったよー!」

青年兵「ありがとうございます! 下のラクシャーサをお願い出来ますか?」

ポニテ「まっかせて〜! 行くわよツインテ!」

ツインテ「セイレーン! 行くだにゃー!」

ズガアアァァァァン!!

ラクシャーサ「ゴハアアァァ!!」
772 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/04(日) 23:57:55.73 ID:phHbR+OOo
ドドドドドド…

青龍士官「……」

青年兵「流石だな、あっという間に押し込んでるぞ」

青龍士官「……なぁ」

青年兵「ん?」

青龍士官「青年子って何だ?」

青年兵「そんな事はどうでもいい!!」

青龍士官「っ!?」

青年兵「今のうちに、一気にカタを付けよう!」

青龍士官「あ、あぁ……そうだな」

青年兵「やるか」

青龍士官「……おう」

ザッ

青年兵「出でよ……っ!!」

青龍士官「バハムート!!」
773 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 00:00:37.38 ID:QJR5VXIco
ズゴゴゴゴゴッ…ドドドドドド…

竜騎士兵「お……おおぉぉ!!」

魔道士「あれって確か……」

召喚士「バハムート!!」

2匹の巨大な龍がアジ・ダハーカの前に立ちはだかる。

アジ・ダハーカ「グゴオオォォォォ」

青龍士官「行くぞっ」

青年兵「ツイン……バハムート!!」

バハムート「グゴアアァァァァーッ!!」

僅か一瞬である。瞬きと同時に視界より消えると、2匹のバハムートは、

アジ・ダハーカの巨体を遥か後方へと吹き飛ばしてた。

アジ・ダハーカ「……ッ!?」

何がおきたか理解出来ずにいるアジ・ダハーカへ、2匹のバハムートは容赦なく、

その首と羽を鋭い牙で捉え、引き摺るようにそのまま空中へと放り投げる。

直後、アジ・ダハーカが空中で体勢を整えると、2つの打ち放たれた閃光に包まれた。
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/09/05(月) 00:19:42.80 ID:9XvBUNNAO
最速の>>1
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/09/05(月) 02:19:52.68 ID:ZgNCxgfb0
いちおつー
776 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:09:38.17 ID:tHxhHLM2o
〜赤壁東側、渓谷〜

大軍師「…………」

少し、風が吹き始めていた。夏特有の生暖かい東南の風だ。

大軍師「…………」

渓谷に吹き付けるその風に、やや生臭さが交じり、漂い始める。

大軍師「……来ましたね」

最早トレードマークでもある白い羽扇をひらひらと扇ぎながら、

大軍師は崖の上から渓谷の遥か奥をじっと見つめていた。

ドドッドドッドドッ

騎兵「来ました! ラクシャーサです!」

大軍師「数は?」

騎兵「かなりの数です。しかし……」

大軍師「……」

騎兵「右大臣様の攻撃でかなり押し込まれているようで、統制は乱れております」

大軍師「そうですか。流石ですね」
777 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:10:22.44 ID:tHxhHLM2o
ドドオオォォォォ

工兵「見えてきました! うわ、すっげぇ数……っ」

大軍師「敵は乱れています。恐れる事はありませんよ」

工兵「分かっております。ここで失敗でもすれば……皆の努力が台無しですからね」

大軍師「よし、それでは配置について下さい」

工兵「みんな、行くぞ!」

ダダッ

大軍師「……あとは、見極めるのみ」

ここまでの作戦において、大軍師の懸念は2つあった。

1つは魔王軍がこちらの手の内に勘付いて、引き返すかどうか。

しかしこれはエリートによる背後からの完璧と言っていい突撃により、

仮に気付いたとしても退路は封じ込めるという素晴らしい形に出来上がっていた。

そしてもう1つの懸念は軍団長クラスの有無。

前日までの交戦結果で不在と判断した大軍師だが、結果は言わずもがな。

懸念は取り除かれ、この時点で人間側の勝利は目に見えたものであった。
778 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:11:14.94 ID:tHxhHLM2o
ザザザザッ…タタタッ

ラクシャーサ「くっそ、くっそぉ」

強襲され、よもや抗う術は残されていなかった。

ラクシャーサ「んっ? お……おいあれっ!」

遥か遠くまで見渡せる魔族の瞳が捉えたのは、巨大な建造物であった。

ラクシャーサ「人間の拠点だ! よし、こうなったらこのまま真っ直ぐ突っ込むぞ!」

ダダッ

ラクシャーサ「この数なら張り付きゃ陥れられるはずだっ」

大軍を率いて圧倒するはずが、同等以上の兵力を整えられ、しかも初撃にて

敗戦濃厚の空気が漂っていた魔王軍に一縷の望みが見えたその矢先であった。

ドドドドドドッ…

ラクシャーサ「……な、何の音だ……ッ!?」

およそ3万5千程であっただろうか。渓谷を進む隊列の最後尾が悲鳴を上げる。

ラクシャーサ「グワアアァァァァーッ!!」

渓谷の道を塞ぐ勢いで、大量の落石が崖上より落とされた。
779 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:11:47.81 ID:tHxhHLM2o
ゴガッ!!…ゴゴゴゴゴゴッ

工兵「いいぞ! 全ての縄を切るんだっ、急げ!」

ラクシャーサ「落石だとぉーッ!? くっそぉ、罠だ!!」

大軍師「まずは成功ですね。さて……」

ザッザッザ

大軍師「準備は?」

工兵「いつでもいけますっ!」

大軍師「……よし、今です!!」

ブツブツブツッ…ブチイィン!!

無数の縄が一斉に切られると、蓋をしていた木材や岩が一斉に崩れ落ちる。

そして、けたたましい音と共に、大量の水が渓谷へと流れ落ちていく。

ズドドドドドドッ…ドドオオォォォォ!!

ラクシャーサ「な、なんグブアアァァ――」

ドドドドドドッ!!

ラクシャーサ「退がれえぇーっ、退がれって! 前は無――ガフアアァァ!!」
780 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:12:27.55 ID:tHxhHLM2o
押し寄せる水流が木々や大地もろともラクシャーサを飲み込んでゆく。

大軍師「……」

工兵「水計……大成功ですね」

大軍師「とどめを差しますよ。弓兵、魔道兵……前へ」

ズザザザザザッ…チャキッ

大軍師「……撃てぇーっ!!」

落石では退路を塞ぎ、両脇の渓谷同様、高い壁のように重なり合っていた。

そしてバケツをひっくり返したように渓谷へ流れ落ちる貯水は、

その中へ湖を生み出し、魔物らは息も絶え絶えに足掻くのが精一杯であった。

バシュシュシュシュシュッ…シュンッ

空を切り裂く多数の音。矢は魔道兵による雷の魔法を付加し、黄色く輝いていた。

ラクシャーサ「…………」

空より降り注ぐ魔物らは、それを視界に捉えるがどうする事も出来ず、

ただ無言でそれが水面へと落ちていく様を、スローモーションのように眺めていた。

そして、激しい雷鳴と稲光の下、次々とその目を閉じていった。
781 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:12:58.34 ID:tHxhHLM2o
ズガガガガアアァァン!!…ゴガアアァァァァ…ドオオォォォォン!!

工兵「くあ……っ!」

弓兵「す、凄い光……やったか!?」

バリバリバリッ…バチバチィ…パチッ…

大軍師「…………」

音と光によって一時的に弱まった視力と聴力が徐々に正常化する。

見つめるその先には、とても表現するには忍びない光景が広がってた。

騎兵「うぅ……っ」

そして次の瞬間、後方で積み重なっていた落石による岩壁が崩れ落ちる。

水の勢いに押され支えきれず、渓谷の道は再びその姿を現したのだ。

ゴトッ…ドドドドドドッ…ズガアアァァァァ…

大軍師「……水の力で崖崩れが生じる可能性があります。十分気を付けて下さい」

騎兵「り……了解であります……っ」

大軍師「……」

駆ける騎兵隊の後姿を、大軍師はじっと見つめていた。
782 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:13:28.96 ID:tHxhHLM2o
〜新月闇夜の日、心曇る刻〜

大軍師は僅かな手勢を引き連れて、遺跡を山脈伝いに、西へと馬を飛ばしていた。

その真意は、赤壁建造の際に治水事業として行っていた貯水池の視察である。

赤壁は深い谷に囲まれている為、天然の要害となるこの地は、拠点に最適であった。

しかしその反面、土地の形状から、水害が懸念されていた。

大軍師「…………」

そこで大軍師は、山の一部を削り、貯水池を建造。更には川の流れを変え、

南方の北側に水脈を確保した。内政としては非常に多大なる成果である。

だが一方、彼の中にはもう1つの考えが浮かんでいた。それは罠である。

これだけの水を渓谷へ流し込めば、仮に大軍が攻め込んできても、

かなりの被害を与える事が可能である。渓谷以外に大きな道はないのだから。

大軍師は先の戦いによる召喚士の計略を大きく買っていた。それだけ価値があった。

いつかその日は来る。彼の中に確信めいた思いが強く繰り返されていた。

魔物は多大なる犠牲を払う事になるであろう。そして木々や草花の自然も。

今は避難されても良い。後世がきっと評価を下してくれれる。
783 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:14:06.88 ID:tHxhHLM2o
〜赤壁〜

西方参謀「音が止んだ……」

マジシャン「大軍師の策、成功したようだな」

占い師「よく分からなかったんだけど、どういう作戦だったの?」

西方参謀「まず、魔王軍を渓谷に誘き入れる」

マジシャン「5万の数をまとめては無理だからな。ある程度は殲滅した上でだ」

西方参謀「そうそう。後方から叩いて、蓋をするように押し込めるんだ」

占い師「成程ね……」

西方参謀「そこで、落石で出口を封じ水計で一気に魔物を叩く」

マジシャン「更には金行で感電させトドメ。まぁ、恐ろしいもんだよ」

占い師「ひとたまりもないわね……っ」

マジシャン「残った魔物も逃げるしかねーわな」

西方参謀「それをエリート率いる騎兵が追い討ちをかける」

マジシャン「赤壁めがけて進軍してきた連中は、それでほぼ全滅だろうな」

西方参謀「ああ。あとは他の奴らが頑張ってるかどうか……ヒック」
784 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:16:01.35 ID:tHxhHLM2o
〜南方、南西平野〜

アマゾネス「まだまだっ!」

ブリュンヒルデ「全員、突撃」

ガガッ!!…スガガガガッ!!

シヴァ「次から次へとおぉ!」

おさげ「長も頑張ってる! 負けてられないっ!」

色黒「その通りだっ」

ポニテ「これ以上好き勝手は、させないんだからっ!」

ツインテ「いっくぞおぉーっ!」

魔道士「皆さん、凄いですね……っ!」

召喚士「ええ。徐々にですけど、魔王軍も分離していますね」

戦士「ああ。でけぇ鳥みてーのは青年兵と青龍士官が突き飛ばしてくれたし」

盗賊「あとは……サルワが孤立してくれれば……」

召喚士「はい。でも……どうやってサルワを討つか……」

戦士「それは任せてくれ。多分、大丈夫だ」
785 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:18:10.98 ID:tHxhHLM2o
〜静寂の日、心静かな刻〜

本国は思った以上に豊かで明るく、そして暖かいところだった。

おさげ「ねぇ長、私……暮らせるなら本国で暮らしていきたい!」

色黒「私も。別に村に不満があるとかじゃないけど……」

慣れ親しんだ村を離れ本国での日々。便利で不自由ない暮らしに最初は戸惑った。

ポニテ「村は村の良さがあるけど、こーんなオシャレな服や靴はないし〜」

ツインテ「美味しい物もいーっぱいだにゃあぁ〜♪」

彼女らの言う通り、日が経つにつれ、村での暮らしが窮屈に感じ始めていた。

だから最後に、村にお別れを言おう。改めてそう思って、皆で村を訪ねた。

戦いの傷跡残る火山は、あの頃の熱気を失っていた。それは火山だけのせい?

自分自身が願った、兼ねてからの想いが適った事で、この地への情熱も失った?

答えはまだ分からない。でも、自分達は新しい人生を歩む。それでいい。

せめてもの恩返し。飛び込んできた戦いの情報。私達に出来る事は?

皆の心も一致していた。助けよう、それは皆の為、自分の為。

そして、生まれてからずっと世話になった南方への恩返しの為……。
786 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:19:08.38 ID:tHxhHLM2o
ドガガガガアアァァ!!

アマゾネス「……」

シヴァ「……どうしたぁ!? もう終わりかああぁぁ!!」

ロスヴァイセ「全く、キリがないわね。タフな奴……」

オルトリンデ「マスター、どうすんの?」

アマゾネス「今はこのまま攻め続ければ良い」

ブリュンヒルデ「そうだ。まずはこの者を孤立させる事こそが必然」

ジークルーネ「もう一度行くわよっ!」

ヴァルトラウテ「オッケー!」

バシュッ!!…ズガガガガガッ!!

ワルキューレの突撃は何度も何度も繰り返される。

しかしシヴァへのダメージは当然ながら薄く、致命的な効果は得られない。

それでもなお繰り返される猛攻に、シヴァは無意識ながら少しずつ後退していた。

アマゾネス「まだまだっ、行け! ワルキューレ達!」

シヴァはラクシャーサの大軍を外れ、オアシスの東側へと押し込まれていた。
787 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:20:17.01 ID:tHxhHLM2o
ゴガガガガッ!!…ドドオオォォォォ

ポニテ「それにしてもキリないわねっ、何匹いるのよー!」

色黒「愚痴ってないでコッチ手伝って!」

セイレーン「〜♪」

ラクシャーサ「グギャアアァァーッ!!」

ドシャアアァァ

ラクシャーサ「あの変な歌を止めろ! これじゃあ抵抗も出来ねぇぞ!」

おさげ「ちょっとツインテ、あんまり前進しすぎると――」

ラクシャーサ「固まって特攻ダァーッ! うんぬりゃああぁぁーっ!」

ズッガアアァァン!!

セイレーン「――ッ!!」

ツインテ「ふにゃああぁぁーっ!」

シュイイィィィン…ドサッ

おさげ「バカッ! ポニテ、ペガサスに乗せて後退してっ!」

ポニテ「ちょっと待ってよ〜! こっちだって結構厳しい……んだからぁ!」
788 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:21:25.52 ID:tHxhHLM2o
バゴオオォォォォン!!

ラクシャーサ「……ヘ、ヘヘッ。ようやく突破したぜぇ……ッ」

ドサッ

ラクシャーサ「テメーらの死は無駄にはしねぇぜ!」

ザッザッザ

ラクシャーサ「さぁさぁ、ここまで来れば召喚獣もうまく使えまい!」

色黒「ちょっとー! 囲まれてるじゃない!」

おさげ「言わんこっちゃない……」

ポニテ「どうすんのよ!」

ラクシャーサ「死ねええぇぇーッ!!」

ドドオオォォォォン!!…ゴシャアアァァ!!

ラクシャーサ「ア……アグ……ゥ」

ドサッ

おさげ「なになにっ!? 何が起きたの……っ!?」

――「大丈夫かい? アンタ達」
789 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:23:06.23 ID:tHxhHLM2o
ザッザッザ

色黒「……国軍の……人?」

西方魔道長「全く、人使いが粗いもんだよぉ」

魔道兵「撃てえぇ!!」

ドドオオォォォン…ゴガアアァァァァ!!

ラクシャーサ「また増援かよぉ!! クソがあぁーっ!!」

魔道兵「これ以上は先に進めるなよぉ! 街までそう遠くはないんだぞ!」

西方魔道長「そうさ、一般人を巻き込むんじゃあないよっ!」

ラクシャーサ「魔法ばっかりポンポン撃ちやがってぇ!」

ドドドドッ

ラクシャーサ「接近しろ! どうせ魔法やら召喚獣やらしかねぇんだ!」

西方魔道長「やれやれ、嫌になっちゃうねぇ」

ラクシャーサ「ギャハハハッ! 近づいちまえば攻撃出来――」

ザクゥ…ポタポタポタッ

ラクシャーサ「……ア……アァ?」
790 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:24:13.52 ID:tHxhHLM2o
ポイッ…ドサッ

騎士団長「本国騎士団の意地に賭けて、ここから先へは通さぬ。全軍、突撃ーっ!」

ワアアァァァァ…ドドッドドッドドッ

ポニテ「おおぉぉ、カッコイイ〜!」

おさげ「ツインテ、今のうちに退がるわよっ」

ツインテ「ふにゅうぅ〜」

騎士団長「西方魔道長殿、先鋭は我らに任せよ!」

西方魔道長「頼んだよっ、こっちは援護させて貰うからね!」

ラクシャーサ「バアア1匹くらい、この俺が――」

チュドオオォォォンン!!…ドシャアアァァァ

西方魔道長「ババアだからってなめるんじゃあないよ」

魔道兵「そうそう。歳を重ねれば魔力も高まる!」

西方魔道長「無駄口叩いてないで、若い連中が頑張んなっ!」

魔道兵「り、了解!」

西方魔道長「全く。金輪際もうまっぴらだよ……っ」
791 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:25:12.15 ID:tHxhHLM2o
〜風の吹く日、心揺らぐ刻〜

かつて左翼に属していた彼女は、後継者問題に直面した時から変わりつつあった。

古き知人である学園長や右大臣、村長達の思い。そして皇太子の思い。

すっかり老け込み半ば隠居に近い日々を送っていた彼女の心は揺れていた。

自分にものこされた僅かな日々の時間で、まだやれる事もあるのではないか?

それは1人の老人が見出した結末において、確信へと変わった。

青龍先生。かつて自身が若き乙女であった頃から戦い続けていた男。

彼は何を思い、そして何を成し遂げて逝ったのか。彼女は少し分かった気がした。

そして、老人達は皆、第一線を退いていった。若き者らに全てを託して。

自分は託すべきものをのこしたのか。心残りは本当にないのかどうか。

戦いは佳境に入っている。そして自分を慕う若き魔道士達が多数居た。

彼らに耳を傾けた時、彼女は魔道機関の長としてすべき事を見出した。

自らが先頭に立ち、模範となるべし。それは青龍先生が成し遂げた事。

その日から彼女は笑った。そして若き魔道兵達も笑った。

もう後悔はない。きっと逝く時は笑顔のままで逝けるから。
792 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:25:43.07 ID:tHxhHLM2o
ズッドオオォォォン

シヴァ「……ッ」

アマゾネス「はぁ……はぁ……はぁっ」

シヴァ「……情けない。こんなものかね、ラーヴァナの精鋭とは」

起き上がるシヴァは遠目に映るラクシャーサの不甲斐ない戦いぶりにぼやく。

アマゾネス「人の心配をしている場合か」

グアッ!!…ガシィ!!

アマゾネス「何っ!?」

ゲルヒルデ「うぐ……っ!」

シヴァの巨大な手がゲルヒルデの体を掴む。

グググッ…ガシュッ!!

ロスヴァイセ「ゲルヒルデ!!」

シヴァ「まず1匹。悪いが後は、まとめて殺すぞ」

オルトリンデ「こいつ……っ、力を抑えていたのかっ!」

魔道士「アマゾネスさん、下がって!」
793 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:26:39.21 ID:tHxhHLM2o
キュイイィィィィ…ドドオオォォォォン!!

シヴァ「こざかしいいぃぃ!!」

魔道士による魔法攻撃をその身に受けつつも、シヴァは渾身の一撃を振るう。

その両腕を大きく地面へと叩きつけると、大地は砕け、地割れと岩石が飛び散った。

ゴシャアアァァ!!…ドガガガガッ!!

魔道士「きゃああぁぁーっ!」

召喚士「なんて力……っ」

シヴァ「こんなところで無駄な力を使う羽目にあうとはなぁ」

戦士「……っ」

盗賊「戦士、どうするのだ!?」

戦士(さっきの気配、間違うわけはない。まだなのか……!?)

召喚士「仕方ないっ、行け! クジャタ!!」

シュイイィィィンン

クジャタ「……オオォォォォーン!!」

ゴアッ!!…ビュオオォォォォ!!
794 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:27:53.87 ID:tHxhHLM2o
クジャタの放つ竜巻がシヴァの周囲を囲み、牢のごとく身を封じ込める。

召喚士「今のうちに退がって! 態勢を整えましょう!」

アマゾネス「す、すまない……っ」

魔道士「はいっ!」

タタッ

シヴァ「バカがっ! 我こそ暴風……シヴァ様なり!」

バアアァァァァン!!

盗賊「竜巻がっ!?」

召喚士「こんな簡単に打ち破られるとは……っ」

シヴァ「この程度の非力な風で、この俺様が封じ込めるとでも思っているのかぁ!!」

ゴアッ!!

召喚士「ぐああぁぁ!!」

戦士「クジャタが……一瞬で……っ!」

魔道士「召喚士さんっ!」

召喚士「……くそぉ」
795 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:29:19.62 ID:tHxhHLM2o
ズシイイィィン

シヴァ「万策尽きたか。ならば潔く死ねい!」

ビュオッ!!

シヴァ「……?」

ポタポタポタッ

シヴァ「返り血か? いや、今何かが飛んできたような……」

ゴゴゴゴゴゴ

シヴァ「何だ……この気配は……っ」

ザッザッザッザッザ

――「そいつらから離れるんだな、デカブツ」

シヴァ「……ッ」

魔道士「あ、あぁ……っ」

ザッザッ…ザッ

召喚士「あ、あなたは……!!」

同門「不死鳥は死なん。何度でも……蘇る!」
796 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:29:59.20 ID:tHxhHLM2o
〜灼熱の日、燃える心の刻〜

戦士父「……」

失ったゾディアックを探していたある日の事。戦士父は火口に立っていた。

戦士父(やはり……ここだったか)

アンラ・マンユとの戦い後、マグマを失った火山は、その赤黒い穴の中に、

僅かながらの溶岩と立ち込めるガスの噴煙を作り上げていた。

当然ながらここにある可能性は踏んでいた。しかし、人が踏み入るには

あまりにも危険であった。だからこそ戦士父は慎重に準備をし、今日に至った。

それでもなおゾディアックは噴出するガスの奥にその影をゆらゆらと見せていた。

戦士父「…………」

息を止めると、そのままゆっくり足を進める。そして傷ついた右手で影を握る。

戦士父「――――っ!!」

肉の焼ける音と蒸気が沸き起こる。それは熱気のせいでもあるが、

魔王アンラ・マンユを討った代償。その反動が逆流していたのであった。

跳びそうになる意識を堪え、力任せに引き抜くと、足早にその場を去った。
797 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:31:01.23 ID:tHxhHLM2o


戦士父「…………っ」

どうせ役に立たぬ右腕。別に何ら未練も何もない。

火口を出て火山の斜面で蹲っている戦士父の下に、足が止まった。

同門「こんな所で、何をしている?」

只事ではない状況は、すぐに分かった。蹲る男は顔を苦痛に歪めていた。

特に意識したわけではないが、その場ですぐにフェニックスを召喚していた。

その男の右腕は既に使い物にはならなくなっていたが、火傷程度は癒す事が出来た。

戦士父「……すまない」

同門「……」

特に事情は聞いていない。そして聞く必要もない。皆、何かの為に生きている。

多分そうなんだろうな。だから俺も、少しずつ生きる決心をし始めたのだ。

失ったモノは二度と手には入らない。だからこそ、失ってはならないのだ。

その為には?簡単な話さ、守る力を手に入れれば良い。あぁ、そういやそうだった、

かつてどこぞのジジイも似たような事言ってたっけ。親父も理解すりゃ良かったんだろうな。
798 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:32:29.75 ID:tHxhHLM2o
ズッドオオォォォォン!!

シヴァ「この炎は……魔法ではない、召喚獣か!」

同門「どけと言ったんだデカブツ」

シヴァ「何ぃ!?」

同門「おい、早くしろ」

召喚士「……?」

ザッザッザ

戦士「……やっぱりアンタか……親父!!」

戦士父「遅くなったな。受け取れ」

盗賊「あれは、ゾディアック!」

パシィッ!!

戦士「……コイツがあれば」

魔道士「あの大きな魔物も……」

召喚士「……討てる!」

戦士「さぁ、第2ラウンド……開始だ!!」
799 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:33:40.37 ID:tHxhHLM2o


アジ・ダハーカ「……グゴオオォォォォ」

青年兵「流石にバハムートと言えど、とどめを差せる相手じゃない」

青龍士官「同感だ」

青年兵「ここは何とか、この戦場から切り離すのが上策」

青龍士官「同感だ」

青年兵「ならば、このまま南へ押し飛ばす」

青龍士官「同感だ!」

2匹のバハムートは、ようやく起き上がるアジ・ダハーカを更に痛めつける。

1匹が尾で薙ぎ払うと、もう1匹が鋭い牙で噛みつくと、そのまま地面へ叩きつけ、

今度は2匹が同時に口内より強烈な閃光を魔物めがけて撃ち放った。

キュイイィィィィ…ズッガアアァァァン!!

アジ・ダハーカ「――ッ!!」

青年兵「よしっ!」

青龍士官「まだまだいくぞっ、追撃だ!」
800 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:34:45.20 ID:tHxhHLM2o
青年兵「ああ!」

バシュッ…ゴオオォォォォ!!

青龍兵「すっげぇ……すっげぇよ!!」

竜騎士隊「バハムートが……しかも2匹も並んで……っ」

青龍兵「青龍先生もきっと、喜んでくれてるよな……」

竜騎士兵「バカ、ちげーだろ」

青龍兵「……?」

竜騎士兵「今はあの2人が青龍先生なんだ! そうだろ!」

青龍兵「……あぁ、そうだよなっ! よし、俺らも続くぞ!」

竜騎士兵「ラクシャーサを分断した者は、青龍先生達の援護に向かえーっ!」

青龍兵「おぉーっ!!」

バシュウウゥゥゥゥ

盗賊「……あっちも大丈夫のようだな」

召喚士「ええ。凄絶な光景ですね……っ!」

2匹のバハムートとそれに従う青龍召喚獣達。その後姿は壮大な光景であった。
801 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:35:24.07 ID:tHxhHLM2o
〜東の町、南側〜

西方司令「うりゃりゃりゃりゃああぁぁぁぁ!!」

超級の得物が振り回される度に、対峙した魔物らは阿鼻叫喚をきわめた。

ズバシュウウゥゥ!!…ドッゴオオォォォォン!!

ラクシャーサ「ゴブ……ッ、ガハァ!!」

天才「竜巻みてーな奴だな。勝手に道が出来るぜおい」

南方司令「だいぶ深入りしてるが、大丈夫ですか?」

天才「構やしねぇ。さっきも言ったろ、雑魚は後方に任せておけばいい」

南方司令「……」

天才「俺らの狙いは……」

西方司令「死いいぃぃぃぃねええぇぇぇぇーっ!!」

ドッグオオォォォォン!!…ザシャアアァァァァ…

天才「アスラちゃん、ただ1匹のみよ!」

西方「ふしゅううぅぅぅぅー」

ザッ…ズウウゥゥゥン
802 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:37:30.08 ID:tHxhHLM2o
アスラ「よもやここまで、押し込まれるとはな」

天才「いよぉ、今日も遊びに来てやってぜぇ」

アスラ「やはり、貴様等のような輩がいる限り、ラーヴァナ様をお止めして正解だった」

天才「何だよ、ラーヴァナちゃんはおうちで引き篭もりかい」

アスラ「今ここで、後顧の憂いを……絶つ」

西方司令「五臓六腑ブチ撒けて、死んどけやこらああぁぁぁぁ!!」

ビュオッ!!…ガシィ!!

西方司令「何ぃーっ!?」

アスラ「遅いわ。止まって見えるぞ」

ブンッ!!…ゴシャアアァァ!!

南方司令「!?」


ゴトッ…スタッ

西方司令「ハッハー! やるじゃねーか。血が止まらねぇぜ!」

天才「どけ、オメーはちょっと休んでろ」
西方司令「あぁー!?」
803 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/05(月) 18:39:39.54 ID:tHxhHLM2o
グイッ…パシッ

西方司令「……はっ! こ、ここは……!?」

天才「おい、コイツの武器ちょっと持ってろ」

南方司令「り、了解」

ポイッ…パシッ

西方司令「ぎゃああぁぁ! ちちち……血がああぁぁぁ! 死ぬううぅぅ!」


南方司令「死にはせん。早く来い、止血するぞ」

天才「騒がせたな。さーてんじゃ、おっ始めようとすっか」

アスラ「ただでは死なせぬぞ。我が腕を落とした事、後悔するが良い」

天才「ほぉー。そんじゃ今日は残り5本、全部いってみっか。ハーッハッハ!」

アスラ「……やはり、今すぐ殺す!!」

天才「おぉよ! やってみやがれぇ!」

グアッ!!…ガッキイイィィィィン

アスラ「……グ……ヌヌゥ!」
天才「全力でこいよアスラちゃん! ハーッハッハッハ!」
804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/09/05(月) 18:40:53.95 ID:tHxhHLM2o
ここまでにて今日は失礼致します!
ご支援ありがとうございました!それではまた!ノシ
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/05(月) 18:59:08.88 ID:CgZdyU4v0
>>1乙です!!
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/05(月) 19:23:58.28 ID:BDXCqMXDO


ドッペルちゃんは・・・
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/05(月) 19:34:08.18 ID:NdijoHYDO
いちおつ
大量更新ありがとー
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/05(月) 22:15:03.30 ID:UPcvBrg5o
おつ

>>782の召喚士の計略ってなんだっけ
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/05(月) 22:40:37.99 ID:HRRc9mvDO
>>1
西方魔道長は参戦しないかな?と思ってたけれど参戦したんだね
本当に総力戦って感じだよなー

そして改めて登場人物の多さとキャラの立ち具合に感心した
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 00:15:57.81 ID:V4Sr6Fwoo
>>1
西方司令は見せ場なしか、
強いんだか弱いんだかよくわからんな
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 01:17:51.46 ID:IcBba8VSo
>>808
落とし穴じゃね?
812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/09/06(火) 08:32:03.60 ID:Henmu4tAO
>>1

西司令はアレだな
弱い奴にはとことん強いが、強い奴には勝てないって言う典型的なピッコロタイプなんだな
そう言うの好き
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/09/06(火) 13:46:43.73 ID:aNajwACG0
>>808
赤壁が出来上がるきっかけになった一回目の南方でのラーヴァナ軍との戦いの時のやつだね
スフィンクスで穴を掘ってその中に小さく砕いた結界石をばら撒いておいて
落石で追い込んだラクシャーサが穴に落ちたところで雷魔法を放つ
すると細かく砕いた結界石を伝って穴の中で雷が暴れまわり、ラクシャーサは壊滅という罠だった。

9スレ目の>>806あたりからと
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice/1262770503_13.html
10スレ目の>>22あたりからで描写されてるよ。
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice/1263825599_01.html

(7xまとめ様より)
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/09/06(火) 14:00:37.77 ID:aNajwACG0
>>808
赤壁が出来上がるきっかけになった一回目の南方でのラーヴァナ軍との戦いの時のやつだね
スフィンクスで穴を掘ってその中に小さく砕いた結界石をばら撒いておいて
落石で追い込んだラクシャーサが穴に落ちたところで雷魔法を放つ
すると細かく砕いた結界石を伝って穴の中で雷が暴れまわり、ラクシャーサは壊滅という罠だった。

9スレ目の>>806あたりからと
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice/1262770503_13.html
10スレ目の>>22あたりからで描写されてるよ。
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice/1263825599_01.html

(7xまとめ様より)
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/09/06(火) 14:58:44.03 ID:aNajwACG0
間違って前の書きこみが残った状態でエンター押してしまった・・・orz
現在の戦況まとめ

西
▼南方司令部

▼南方、南西平野〜 (オアシス)

青年兵 青龍士官 竜騎士隊
召喚士パーティー、アマゾネス、おさげ、ポニテ、ツインテ、同門、戦士父
騎士団長、西方魔道長、本国騎士団、西方司令部軍、南方軍

VS

シヴァ、アジ・ダハーカ、ラーヴァナ第3軍(約10万)

【戦況】
東の町と南の街の中間地点で交戦中
南方司令部に駐留していた軍も打って出て大規模野戦に

アマゾネスのラッシュとWバハムートのコンボでシヴァとアジ・ダハーカを孤立させる事に成功
シヴァにはアマゾネス、召喚士パーティー、同門、戦士父が対峙中
アジ・ダハーカは引き続き新・青龍先生コンビがWバハムートコンボでハメ中
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/09/06(火) 15:02:01.48 ID:aNajwACG0
中央1
▼赤壁
大軍師、エリート、マジシャン、占い師、西方参謀、
南方軍、本国兵、司令部兵(総勢55,000)

VS

ラーヴァナ第4軍 先行部隊(約50,000)

【戦況】
エリート指揮の騎兵隊と大軍師の罠により5万のラクシャーサ兵を撃破!
この後は主力軍を率いて南下して東の町へと合流すると思われる

また本国よりバーテン&双子姉妹が移動中
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/09/06(火) 15:04:09.18 ID:aNajwACG0
中央2
▼東の町
南方副司令、南方参謀、南方魔道長、南方弓長、
ボス チンピラ ゴロツキ、西方副司令、助手、兵器隊、南方軍

天才、南方司令、西方司令

VS

アスラ ラクシャーサ第4軍(第1軍も?)約15万

【戦況】
東の町では兵器隊を展開し迎撃体勢を構築中

天才率いる規格外トリオは一個大隊相当の戦闘力を有する『人間兵器・覚醒西方司令』を
前面に押し出しラーヴァナ軍主力を掻き分けアスラの元へ到達!現在アスラと対峙中
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/09/06(火) 15:06:24.36 ID:aNajwACG0

▼スグリーヴァの城
スグリーヴァ、ハヌマーン、法師、マーマン、オーク
剣士一家 五虎将軍 番長 親衛隊長 その他ワーカー召喚士

VS

ヴァーリン ラーヴァナ第2軍(約10万)

【戦況】
ヴァーリン率いる第2軍がスグリーヴァ城内に侵入するも
進入時にヴァーリンが取った犠牲を厭わない強攻策により士気が著しく低下

五虎将軍、剣士一家、ワーカー達の増援によりラーヴァナ第2軍は押し返されて壊走中
指揮官ヴァーリンはスグリーヴァとその仲間達と対峙中
剣士たち増援部隊の力でスグリーヴァとヴァーリンの力量差を覆す事が出来るのか?
819 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/06(火) 18:05:54.06 ID:tlFeBRSyo
〜スグリーヴァの城〜

ジジッ…ズズズズッ

マーマン「と……止まった……?」

弓将軍「そのようじゃな」

シュウウゥゥゥゥ

オーク「やった……」

剣士「でもまだ、終わったわけじゃない」

白馬騎士「そうです。ここからが本当の勝負」

グアッ…ズズウウゥゥゥゥン

ヴァーリン「……ッ」

スグリーヴァ「ヴァーリン、いい加減に分かったであろう」

ヴァーリン「まだ問答するかぁ!」

スグリーヴァ「他人を信じぬ者に、力は得られぬ」

ヴァーリン「何度も何度も何度も何度も、同じ事をぬかすなあぁ!!」

スグリーヴァ「何度繰り返しても理解出来ぬから、愚か者なのだ!」
820 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/06(火) 18:06:41.40 ID:tlFeBRSyo
ズガアアァァァァン!!

ハヌマーン「退がれっ!」

ヴァーリン「ガアアァァ!!」

怒りに我を忘れ、力任せに拳を振るうヴァーリンの一撃。ハヌマーンはそれを

最前列で防御するが、威力に圧倒され、大きく後方へと吹き飛び転がる。

錦将軍「んのやろぉ! やりやがったなぁ!」

弟者「行くぞおぉ!」

その攻撃を皮切りに1人、また1人と次々にヴァーリンへと攻撃を仕掛ける。

弓使い「えっ、え……っ!?」

兄者「馬鹿者っ、早まりおって……。白馬、後方をまとめあげてくれい!」

白馬騎士「了解致しました!」

剣士「こういう時、冷静さを忘れない指揮官がいると頼もしいな」

弓使い「本当ね」

剣士「よし、僕ら3人も微力ながら援護しよう!」

幼女「うんっ!」
821 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/06(火) 18:07:12.71 ID:tlFeBRSyo
ヴァーリン「ヌガアアァァーッ!」

錦将軍「どうりゃああぁぁ!!」

ガゴォッ!!…ズザザザザアァ

錦将軍「かってーなチキショー」

弟者「どけっ、今度は俺だ!」

ブンブンブンッ…ガギイィ!!

ヴァーリン「アアァァァァ!!」

弟者「こんのデカブツ……ビクともしねぇぞくそ!」

兄者「お前1人では無理だ、手を貸すぞ」

ブンッ!!…ガキイイィィンン!!

ゴブリン「俺もー!」

オーガ「ウガアァー!!」

得物を振るっては弾かれ、それをカバーするようにまだ別の誰かが攻撃する。

一撃一撃は微々たるものだが、隻腕となったヴァーリンにとっては、

流石に苦戦を強いられ、徐々に隙を見せ始めていた。
822 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/06(火) 18:08:07.72 ID:tlFeBRSyo
ズズッ…ズズズズッ

ヴァーリン「邪魔だああぁぁ!!」

グワッ!!…ズガアアァァァァン!!

トロル「うぐあぁーっ!!」

ゴブリン「いってぇ〜!」

ドサッ…グイッ

剣士「大丈夫か!? 怪我人は城に引き返すんだ!」

ゴブリン「あ、ありがとー! 大丈夫だ!」

白馬騎士「足並みを揃えれば被害は最小限に抑えられる! 左右から突撃!」

オーガ「オオォォォォーッ!」

ガーゴイル「オリャー!」

弓将軍「ひょっ、流石は白馬じゃ。魔物相手にようまとめ上げるわい」

ヴァーリン「正面からかと思えば左右から……動きが読めぬ! クソがあぁ!」

弓将軍「どーれ、魔物と言えど弱点は人間とさほど変わらんて……」

暴れ狂うヴァーリンめがけ、弓将軍は後方より弓を大きくしならせる。
823 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/06(火) 18:08:46.31 ID:tlFeBRSyo
キリキリキリッ…バシュッ!!

ヴァーリン「!?」

ドスッ!!

弓将軍「どうじゃ、特製の結界石で出来た鏃じゃ。微弱の魔力でも多少は有効じゃろ」

寸分違わず放たれたその矢は、ヴァーリンの左足踵へと突き刺さる。

グラァ

剣士「幼女っ!!」

よろけるヴァーリンめがけ走り出す剣士。更には剣士だけでなく、五虎将軍や、

マーマンらもほぼ同時に、ヴァーリンめがけ一直線に走り出していた。

兄者(ここに居る者らは大半が相当の使い手)

白馬騎士(一瞬の隙であろうとも、逃すわけがない!)

剣士「はあぁーっ!!」

ヴァーリン「――!?」

一番手に到達した剣士は、矢が刺さった左足へ更なる追い討ちをかけるべく、

幼女の魔法付加を得た長剣を迷いなく一気に振り下ろす。
824 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/06(火) 18:09:43.61 ID:tlFeBRSyo
ザシュウウゥゥゥゥ!!

振り下ろした剣を素早く引き抜くと、その背後から今度は2本の矛と槍が伸びる。

弟者「ぬうりゃああぁぁぁぁ!!」

錦将軍「でっりゃああぁぁーっ!!」

ザクザクウゥ!!…ドズッ!!

弟者「一番槍は許したが、二番手は俺だったな!」

錦将軍「はぁ!? 俺のが早いだろ!」

兄者「早くどけいっ!」

口論する2人を尻目に、新調された青龍偃月刀を頭上で振り回し、

兄者はそのままヴァーリンの左足甲へと刃を突き立てる。

ザグウウゥゥ!!

ヴァーリン「グガ……ァ」

兄者「もう一撃だ、頼むぞ」

白馬騎士「お任せ下され!」

駆け抜ける白馬から繰り出された槍の連撃は、ヴァーリンの左足を数箇所痛めつけた。
825 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/06(火) 18:10:23.24 ID:tlFeBRSyo
ドドッドドッドドッ…

ヴァーリン「このカス共……徹底的に同じ箇所を……っ!!」

剣士「まだ立っていられるのか……っ、ならば……!」

思いの外しぶといヴァーリンに対し、剣士はもう一度攻撃を仕掛ける為に疾走する。

ヴァーリン「同じ手が通じるかああぁぁ!!」

動きを予測していたヴァーリンの左拳が、剣士の身体へと振り下ろされる。

マーマン「そのくらいの事ぁ……」

ハヌマーン「読んでいる!」

剣士の脇に回りこむ2人の両手からおびただしい魔力が放出され、その風と水は

ヴァーリンの強撃を下から突き上げるように剣士を守る壁となる。

オーク「剣士さんは……オラが守る!」

弓使い「幼女っ、今度は……こっちよ!」

力強く踏み込んだオークはそのまま手にした槍を突き上げ、その後方から輝く、

魔法付加を施した弓使いの矢がヴァーリンの左腕へと命中する。

その瞬間、上半身のバランスを崩したヴァーリンはたまらず転倒する事となった。
826 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/06(火) 18:10:59.45 ID:tlFeBRSyo
ズッガアアァァァァン!!

ヴァーリン「ヌグアアァァ!!」

スグリーヴァ「今一度喰らうが良い! 我が一撃!」

地に腰を着けたヴァーリンへ、スグリーヴァが雷鳴轟かせ正面へと立ちはだかる。

ヴァーリン「ウヌアアアアァァァァ!!」

スグリーヴァ「はああぁぁーっ!!」

剣士「みんなっ、スグリーヴァ様に出来る限りの援護を!!」

弟者「大した魔力、持ち合わせてないっつーの!」

錦将軍「それでも多少の足しにはなんだろうがよ!」

マーマン「こっちは枯渇間近だっつーのおぉ!」

ハヌマーン「四の五の申している場合ではないぞ」

オーク「おああぁぁぁぁ!!」

スグリーヴァ「貴様にも感じるであろう。我が背後に集いし、皆の力が」

ヴァーリン「クッソオオォォォォ!!」

助力を得たスグリーヴァの一撃は、ヴァーリンを遥か後方へと弾き飛ばした。
827 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/06(火) 18:12:12.50 ID:tlFeBRSyo
ドガガガガガガッ…ゴガアアァァァァ…

弓使い「や……った……?」

剣士「いや分からないっ、行きましょう!」

白馬騎士「うむ。全員、続けぇ!」

ザザッ…ドドッドドッドドッ…

錦将軍「これで生きてりゃ……手の付けようがねぇぜ」

兄者「……うむ」

スグリーヴァ「奴はまだ生きている。この程度では駄目だ」

ハヌマーン「スグリーヴァ様?」

スグリーヴァ「情けないものだなハヌマーンよ。我らの力も……衰えたものだ」

ハヌマーン「……ッ」

スグリーヴァ「さて、総仕上げとかかるか」

ハヌマーン「スグリーヴァ様……な、何を……」

ドドオオォォォォ

マーマン「な、何だぁ!?」
828 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/06(火) 18:12:51.17 ID:tlFeBRSyo
大きく抉れた地面の先にヴァーリンが横たわる。

錦将軍「いやがった! 寝てやがるぜ!」

弓将軍「まだ倒したとは限らぬじゃろ。それに、あの周囲におるのは……」

ヴァーリンの後方に無数の影が見える。先程、戦線を離脱し後退したラクシャーサの軍勢。

退却したものの逃げ場を失い、未だにこの地へ留まっていた矢先、

轟音に様子を探っていたが、それはヴァーリンの打ちのめされた姿であった。

弟者「何でぇ、雑魚かよ。どーする! 諦めて降伏――」

まさに一瞬の出来事であった。とてつもない衝撃音と共に爆風が巻き起こり、

周囲は火山でも噴火したかの如く、真っ赤に燃えさかっていた。

ゴゴゴゴゴゴ…

白馬騎士「…………っ!!」

幼女「あ……あぁ……ぁ」

上空へ吹き飛ぶ何百というラクシャーサ。もちろん生きている者はいなかった。

ハヌマーン「バ……バカな……ッ!!」

スグリーヴァ「……」
829 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/06(火) 18:13:26.43 ID:tlFeBRSyo
空に漂う黒煙の中より、それはゆっくりと、静かに姿を見せる。

押し寄せる熱風と凶悪な威圧。そして圧倒的な存在感に、一同は気圧されていた。

弟者(あ……足が……動かねぇ!!)

兄者「何なのだ……これはっ!!」

スウウゥゥ…ゴゴゴゴゴゴ

ラクシャーサ「う……あぁ……っ」

光が煌くと、先程と同様、再び轟音ときのこ雲が沸き起こった。

ズガアアァァァァ!!…ズッドオオォォォォン!!

弓使い「きゃあーっ!」

マーマン「こっ、このカンジはまさか……ッ!!」

スグリーヴァ「まさか、直々に来るとは思いもしなかったぞ……ラーヴァナ!!」

ラーヴァナ「……情けない、不甲斐ない、失望を通り越し、呆れ果てる」

ラクシャーサ「お、お許しをっ!! どうか、どうかああぁぁ!!」

ラーヴァナ「誇り高きラーヴァナの精鋭、それを忘れた者は死すべし」

言い終えると、3度目の光が起こり、ラクシャーサの群れは消滅した。
830 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/06(火) 18:15:21.55 ID:tlFeBRSyo
ゴゴゴゴゴゴ…

錦将軍「な、何なんだよ……これはよぉ……っ」

生い茂る緑は一瞬の内に焼失し、枯れ果て、灰と化した。

先程までとは打って変わって現れた光景は、まさに地獄と呼ぶに相応しいものとなった。

剣士「あれが……魔王ラーヴァナ……!?」

ラーヴァナ「……しかも情けないに尽きるはこの者」

グイッ

ヴァーリン「ア……グゥ」

ラーヴァナ「多少は役に立つかとも思ったが、やはりこの程度か」

ヴァーリン「ラ……ヴァナ様」

ラーヴァナ「なぁヴァーリンよ、貴様はこの程度で終いかね?」

ヴァーリン「……ッ」

アウグリーヴァ「ラーヴァナよ、もう良かろう。そやつは最早、大した力も残しておらぬ」

ラーヴァナ「おぉ、これはスグリーヴァか。いつ以来か、しかしまた随分と縮んだなフハハハッ!」

スグリーヴァ「……貴様」
831 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/09/06(火) 18:18:12.64 ID:tlFeBRSyo
ひえー凄い雨降ってきた…では帰ります!
ご支援ありがとうございました!では!ノシ

>>813-818
うわー!細部まで本当にありがとうございます!
参考にさせて頂きます!!
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2011/09/06(火) 18:48:10.10 ID:TuBekYuwo
アウグリーヴァ
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/09/06(火) 19:05:48.01 ID:Henmu4tAO
>>1

時代は大型思考からコンパクト高性能省エネの時代に変わったのさ
この勝負、やる前から見えていたな(ドヤッ
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 23:14:22.92 ID:lF/hqKvl0
みんな、これまだラスボス戦じゃないんだぜ
835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/07(水) 00:02:30.29 ID:sCjZqEGAO
>>1おつ

絶望しかねぇなこの状況は
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/09/07(水) 02:50:46.58 ID:+dCMscRt0
いちおつ
退いてもらうほかないな
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/07(水) 04:11:18.55 ID:2VobsWXlo
左足怯みハメでヴァーリンゆゆう
838 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/07(水) 18:04:42.60 ID:+fAafJfDo
〜赤壁南側、渓谷〜

エリート「……」

チョロチョロチョロ…ジワァ

騎兵「水……? 何でこんな所に?」

南方兵「お前、まさか……」

本国兵「俺じゃねぇって!!」

騎兵「じゃあ……まさか……」

エリート「……大軍師殿の策が発動したようだな」

南方兵「で、ですよね! しかしここまで水が到達するとは……」

エリート「数は少ないだろうが、残党が退却してくるはずだ」

大隊長「迎撃致しましょう」

エリート「ああ。しかしまずは、ここで潰走した魔物らを討つのが先決だ」

大隊長「確かに。町まで距離があるとは言え、うろつかれるのは厄介ですからね」

エリート「ここに本隊として2万を布陣し、各大隊長は周辺の掃討、及び警備にあたれ」

大隊長「了解であります!」
839 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/07(水) 18:06:20.57 ID:+fAafJfDo
〜赤壁東側、渓谷〜

騎兵「進めぇ! 渓谷を南下し、赤壁から遠ざけよ」

工兵「任務完了です。残党の士気は著しく低下しており、攻め入ってくる事はないでしょう」

大軍師「ご苦労様でした。それではこちらの事後処理をお任せ致しますよ」

工兵「はっ。あの……魔物の残骸はいかが致しますか?」

大軍師「これだけの数を放っておくわけには参りませんね」

魔道兵「……っ」

大軍師「エリート殿の隊が帰還次第、丁重に埋葬致しますか」

工兵「畏まりました」

大軍師「私は一足先に、魔道兵や弓兵らと赤壁へ戻らせて貰います」

弓兵「帰還準備にとりかかれ!」

大軍師「本番はこれからです。さぁ行きましょう」

魔道兵「はっ!」

ラーヴァナ第4軍10万。前日の華国による奇襲にて分断された半分にあたる5万は、

指揮官不在の混乱を止めきれず、赤壁手前の渓谷にて、そのほぼ全てが壊滅した。
840 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/07(水) 18:06:57.88 ID:+fAafJfDo
〜南方、南西平野〜

騎士団長「前線を押し上げろっ、数に圧倒されるでない! 力は此方が上だ!」

騎兵「うおおぉぉ!」

ドドッドドッ…ドガガガガッ!!

騎士団長「怪我人は後方へ退がらせるのだ」

ポニテ「は、はい。ツインテ、立てる?」

ツインテ「ふにゃあぁ……ごみん」

騎士団長「謝る事はない。ここまでよく戦ってくれた、礼を言いたいくらいだ」

魔道兵「こっのおおぉぉ!」

ラクシャーサ「押し潰せぇーっ!」

ドドオオォォォォン!!

西方魔道長「なーにやってんだい、だらしないねぇ……男だろ、シャキっとしな!」

魔道兵「すっ、すみません!」

一進一退に続く攻防。両軍決定打に欠く中、個々の強さは魔王軍が勝るものの、

地力の強さや技術力において、人間側の力が徐々にではあるが押し始めていた。
841 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/07(水) 18:07:37.90 ID:+fAafJfDo
ズザザァ

召喚士「……」

戦士「整理すんぞ」

召喚士「うん」

岩場の影に隠れ、隣り合わせに居並ぶ召喚士と戦士。

戦士「ラクシャーサの連中は?」

召喚士「援軍の手でここから東の方へ押されてるよ」

戦士「んじゃアイツ……なんだっけ、あのドラゴンみてーなやつ」

召喚士「あれは青年兵くんと青龍士官さんが南に追いやって……」

戦士「竜騎士隊が援護にあたってる」

召喚士「そうそう」

戦士「んじゃここまでは、うまく敵を分断出来てるってわけだな?」

召喚士「うん、そうだね」

戦士「そんじゃ俺らのやるべき事は……」

召喚士「サルワを倒すか、最低でも行動不能にいいぃぃ――」
842 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/07(水) 18:08:21.89 ID:+fAafJfDo
ズッガアアァァァン!!

シヴァ「コソコソと逃げ惑いおってぇ!!」

ザザアアァァ…スタッ

戦士「さて、どうする!?」

召喚士「ゾディアックは?」

戦士「まぁこれしかねーよな。だが五行がなけりゃ身動き封じるだけだぜ?」

破壊された岩から横の岩に隠れ、再び背中を合わせる2人。

召喚士「魔道兵のみんなの力を借りれば何とか……」

戦士「でもそれじゃあ、ラクシャーサは抑えきれねーぜ?」

召喚士「うん……」

戦士「何か手はねーのかよ」

召喚士「……そうだね、ちょっと相談してみる」

戦士「相談?」

召喚士「西方魔道長さんと騎士団長さんに」

戦士「なるほどな、了解いいぃぃぃ――」
843 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/07(水) 18:09:16.59 ID:+fAafJfDo
ズッガアアァァァン!!

シヴァ「いい加減に姿を見せろおぉ!!」

ゴロゴロゴロッ…ズザッ!!

戦士「……もう岩は残っちゃいねーぞ」

召喚士「うん。次のタイミングで左右に散ろう」

戦士「盗賊と魔道士は?」

召喚士「ポニテさんと一緒に、怪我したツインテさんを後退させてる」

戦士「お前1人で大丈夫か?」

召喚士「うん。攻撃は微々たるものでも召喚は出来るから」

戦士「オッケーだ。サルワは俺が食い止める。何とか策を練ってきてくれ!」

召喚士「了解っ!」

戦士「さーて来るぞ」

召喚士「せーのっ!」

バゴオオォォォォン!!

砕け散る岩と共に、召喚士と戦士は左右別々に駆け出した。
844 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/07(水) 18:20:00.68 ID:+fAafJfDo
ゴトゴトッ…パラパラパラ…

シヴァ「どっちから始末してやろうかぁ!?」

召喚士「……っ」

タッタッタッタ…ズザザァ

戦士「おら、サルワ! 俺が相手になってやるぜ!」

シヴァ「サルワ……? その名で呼ぶのはやめろ」

戦士「!?」

シヴァ「俺は……生まれ変わったのだああぁぁ!!」

ゴアッ!!…ズッガアアァァァァン!!

戦士「相……っ変わらず、すんげー威力だな……っ!」

シヴァ「良かろう、貴様から死ねぃ!!」

戦士「易々と死ねるかってんだよおぉ!!」

突き放つゾディアックとシヴァの手刀が激しくぶつかり合う。

シヴァ「ウオアアァァァァーッ!!」

戦士「っりゃああぁぁぁぁ!!」
845 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/07(水) 18:21:11.07 ID:+fAafJfDo
タッタッタッタ

召喚士「……っ」

騎兵「な、何だ!? 何か用か……?」

召喚士「騎士団長さんは!?」

騎兵「えぇと多分、前線に……」

召喚士「ありがとうございます!」

騎兵「お、おいっ! 危ないぞ!?」

タッタッタ

ラクシャーサ「数じゃ勝ってるってのに……何で押されて……んおっ!?」

召喚士「どいてくれぇ!」

ラクシャーサ「1人で突っ込んでくるぞ!? 構わねぇ、ぶっ殺してやれぇ!」

召喚士を囲むように飛び掛かる魔物達。それに対し召喚士は前方へ跳ぶと、

空中で身体をひねり回し蹴りを放ち、正面のラクシャーサを蹴り倒す。

更には着地後、すかさず周囲の魔物にも蹴りと拳の連打を繰り出し、

吹き飛ぶラクシャーサの横を何事もなかったかのように走り抜けて行った。
846 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/07(水) 18:22:24.94 ID:+fAafJfDo
タタタッ…タッタッタ

ラクシャーサ「なんだコイツ!?」

召喚士「はああぁぁーっ!」

バキィッ…ドカッ!!

ラクシャーサ「武器も持ってねーくせに……くっそぉ」

召喚士(とどめを差さないのであれば、充分やれるはずっ)

迫り来るラクシャーサ達をその体躯に似合わぬ体術で強行突破する。

召喚士(いたっ!!)

タッタッタッタ…ズザザッ

召喚士「騎士団長さん!」

騎士団長「!? おぉ、朱雀先生……っ?」

召喚士「西方魔道長さんは……」

騎士団長「いるぞ。付いて来たまえ」

召喚士「はい!」

騎馬隊の連なるやや中央寄りに、強固な陣形を敷いた一角が見え始める。
847 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/07(水) 18:24:27.11 ID:+fAafJfDo
タッタッタッタッタ

騎士団長「西方魔道長、少し良いか?」

西方魔道長「……?」

召喚士「ここで、敵の軍団長を討ち倒したいと考えております」

西方魔道長「あのおッきな奴かい? あんなの倒せるのかい……?」

召喚士「やり方によっては」

騎士団長「まさか、五行を使う気か?」

召喚士「そうなります。媒介を通じて、という事になりますが」

西方魔道長「媒介?」

召喚士「ゾディアックです」

騎士団長「何!? 大丈夫なのか……?」

召喚士「色々あって、今のゾディアックなら生命の危険までは及びません」

騎士団長「……」

西方魔道長「それしか……方法はなさそうだねぇ」

召喚士「ええ、ここで討つには……ですが」
848 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/07(水) 18:25:23.59 ID:+fAafJfDo
騎士団長「……」

西方魔道長「ここで討つ必要性は?」

騎士団長「ある。群団長を失えば魔物は退くからな」

召喚士「そういう事です。それに、この先に魔王がいるとなると……」

西方魔道長「手助けになりそうな輩は、早々に片付けておいた方がいいって事だね」

召喚士「はい。ですが、この作戦にはどうしても懸念が……」

騎士団長「抜けた魔道兵の穴をどう埋めるか、だな」

召喚士「その通りです」

西方魔道長「でも何か、考えてあるんだろう?」

召喚士「……出来るかは別ですけど」

騎士団長「聞かせて貰えるかな?」

召喚士「……このまま東へ押して行けば、ある地点のテリトリーに入ります」

騎士団長「そうか……っ、東の町か」

召喚士「東の町には今、かなりの数が集結しているはずです」

西方魔道長「うまくいけば、挟み撃ちに出来るねぇ」
849 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/07(水) 18:27:15.30 ID:+fAafJfDo
騎士団長「面白い。やってみようじゃないか」

召喚士「いけますか?」

騎士団長「はははっ、私を誰だと思っている」

召喚士「頼もしい限りです。では、お願いします!」

西方魔道長「魔道兵はどうすりゃいいっ?」

召喚士「合図を送ったら、一斉に魔法を放ってください!」

西方魔道長「あいよっ!」

騎士団長「それでは健闘を祈る! 此方も出来る限りの事は……やらせて貰うぞ!」

ザザッ

騎士団長「騎馬隊、全軍突撃ーっ! 私に続けぇーっ!」

騎兵「おぉーっ!!」

ドドッドドッドドッ

召喚士「……よし、では魔道兵の皆さんもギリギリまで接近し、待機していて下さい!」

西方魔道長「了解だよっ! ほら……若い奴が頑張ってんだ。アンタらも頑張りなっ!」

魔道兵「もちろんですっ!!」
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/09/07(水) 18:45:30.09 ID:+fAafJfDo
少なくてすみませんがこれにて失礼致します…
本日もご支援感謝です!それでは!ノシ

〜オマケ〜

彼は最近、やや焦りを感じていた。

エリート「……」

右大臣就任にあたり、耳にする声にうんざりしていたのである。

お偉い人「いやはや、次はご結婚ですな。隠居したお父上に次は是非、孫をですな!」

別の偉い人「右大臣殿は男前ですからな! さぞや悩まれるでしょうな、はっはっは」

若い頃は調子に乗って軽いお付き合いなんぞ繰り返していた彼。
そして婚約者が決まると完全に油断していた。

エリート「実にまずい。歳も歳だ……余裕かましている場合ではないぞ」

最大の敵である男は国王となった。国王が未婚など前代未聞。
どんな事があろうと、誰であろうと、いずれは結婚する事になるだろう。

エリート「このままではどう見ても取り残されてしまう……」

決して女性が少ないわけでもないのに、何故か縁がない本国右大臣、エリート。
はたして彼に朗報が訪れる機会は巡ってくるのであろうか……。

エリート「……おい待て、オチもなしか!? 誰かとのフラグもないのか!? おいっ!!」
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/09/07(水) 18:52:46.94 ID:YRHJtLfAO
>>1


エリート…コクッ(俺はエリートの肩を優しく叩き、無言で頷く
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/07(水) 18:54:35.06 ID:2VobsWXlo
南方参謀「あら? 右大臣様じゃな〜い」
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/07(水) 19:34:51.69 ID:rNCiM6TDO
いちおつ!
最初の頃は兵力2000とかが関の山だったのに今は数十万か。ホントにすごいなぁ
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/08(木) 00:15:25.59 ID:X2LU57WDO
>>840
ドーラ母さん!
855 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:33:18.29 ID:/bKvzhT+o
〜東の町、南側〜

天才「ハーッハッハッハ!!」

アスラ「……ッ」

ツヴァイハンダーの流れるような連続攻撃に、アスラは明らかに動揺していた。

アスラ(やはりこの人間、危険すぎる。かつて居たであろうか……このような輩が)

天才「どーしたよ、反撃はしねぇのかおらぁ!!」

アスラ(突然変異。ラーヴァナ様へ近づける事だけは絶対に避けなくてはならぬ)

天才「来ねーなら、こっちが攻め続けるだけだぜぇ!」

アスラ(今は耐える。こやつらの力は無限ではない。いつか限界が来る)

天才「おらおらおらあぁーっ!!」

アスラ(おそらくはこいつが頭だ。こいつを潰したその時こそが勝負)

天才「ハーッハッハッハ! このままぶっ殺してやんぜえぇ!」

アスラ「……その程度の非力な攻撃で、倒せるとでも思っているのか?」

天才「あぁ!? 随分と調子コイてくれちゃってんじゃねぇか!!」

アスラ「事実を言ったまでだ、虫ケラが」
856 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:33:50.80 ID:/bKvzhT+o
ドウンッ!!…ズッガアアァァァァ!!

天才「ナメてんじゃねぇぞくらあああぁぁぁぁ!!」

アスラ(そうだ、さっさと力を使い果たすが良い)

南方司令「おいおい……あんな力任せに、魔物相手に逆上してるんじゃないだろうな」

西方司令「ひええぇぇーっ!」

ガキィン…ガキィン…ズガァ!!

天才「ん……ぬりゃああぁぁ!!」

アスラ「…………」

天才「……もっと攻めて来いとか、そう思ってんだろ」

アスラ「――ッ!?」

天才「浅はかすぎんだよ。バカだろお前」

アスラ「こちらを読んだ上で貴様……わざと」

天才「悪いがこっちはもう、リミット外してんだ。今までの連中みてーに手加減出来ないぜ」

アスラ「貴様アアァァァァ!!」

瞬く間にアスラの右へと移動した天才は、ツヴァイハンダーで2本目の腕を斬り落とした。
857 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:34:41.71 ID:/bKvzhT+o
〜東の町、内部〜

南方副司令「どうだぁ!? 見えるかぁー?」

南方参謀「軍団長と総司令がやりあってるわ……」

南方魔道長「司令コンビは?」

南方参謀「魔王軍に飲み込まれて、一応生きてはいるみたいだけど……」

南方副司令「どういうこったぁ!?」

南方参謀「知らないわよっ! もっと性能いいのないのわけっ!?」

手にした望遠鏡を城壁下にいる南方副司令へ投げつけると、南方参謀はそのまま

背後に控える兵器を見つめ、待機する一同に大声で叫ぶ。

南方参謀「もうすぐ到達するわよっ! 準備はいい!?」

助手「いつでもどうぞ〜♪」

南方弓長「射程距離の誤差は?」

西方副司令「……誤差は?」

助手「誤差? さぁーよく分かんな〜い」

西方副司令「ですって」
858 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:35:48.39 ID:/bKvzhT+o
南方弓長「……あのねぇ」

タタッ

チンピラ「来ました! 目標地点に到達!」

南方参謀「行くわよっ、まずは投石器!」

西方兵「カタパルト、発射用意ーっ!」

ガチャッ…ギギギギギギ

南方副司令「……」

ゴロツキ「……っ」

助手「……♪」

南方参謀「発射ぁーっ!!」

声と同時に多数の巨大な岩が町の壁を軽々と越え、外へと放物線を描く。

高々と舞った岩石は、再び地上へと戻るべく、凄まじい勢いで落下を始めた。

ラクシャーサ「!? んな――」

ドッグシャアアァァァァ!!

南方参謀「第一波命中! 次っ、準備して!」
859 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:36:47.10 ID:/bKvzhT+o
ジャキッ

南方副司令「お次はバリスタか」

西方副司令「準備完了っ!」

南方参謀「……撃てぇーっ!!」

バシュシュシュシュッ!!

南方魔道長「手が空いてる奴ぁ、付加手伝え!」

撃ち放たれた巨大な結界石で出来た棒のような矢。そこへ南方魔道長の

両手に握られた杖より、無数の光がほとばしる。

ドドオオォォォォン!!

放たれた光は次々とバリスタの矢へと吸いこまれる様に飛んで行くと、

更に背後から次々と無造作に放たれた魔法が後を追う様に伸び、同じく付着していく。

ラクシャーサ「う……わああぁぁーっ!!」

ゴッシャアアァァ!!…ドッドオオォォォォン!!

南方参謀「第二波、命中っ! どんどん行くわよー!」

突如、兵器による攻撃を浴びた魔王軍は、進軍を停止する事を相成った。
860 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:37:20.36 ID:/bKvzhT+o
〜スグリーヴァの城〜

白馬騎士「何故こんな所へ……魔王が……っ」

剣士「……くそぉ」

スグリーヴァ「驚いたぞラーヴァナ。まさか貴様が直々に訪れるとはな」

ラーヴァナ「戯れだよ。折角、戦が始まったと言うのに、俺も城に篭りっ放しでなぁ」

スグリーヴァ「わざわざご足労頂いて結構な事だ。何れ、こちらから訪ねると言うのに」

ラーヴァナ「フハハッ! そうかそうか、それは済まぬ事をした」

ハヌマーン「……ッ」

ラーヴァナ「なんせ皆が張り切るものでなぁ。皆殺しにしてしまうかと思ってな」

スグリーヴァ「笑わせるな」

ラーヴァナ「全く、そのようだ」

ヴァーリン「ウ……ゥ……」

ラーヴァナ「既に陥落させているかと思えば、何だこれは」

ヴァーリン「申し訳……ありません……」

ラーヴァナ「しかもだ、ラクシャーサすら統制出来ぬとは……情けないと思わぬのかぁ」
861 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:38:49.11 ID:/bKvzhT+o
スグリーヴァ「待て、もう良かろう」

ラーヴァナ「……何だ? 裏切り者だが実の兄はやはり見捨てて置けぬか?」

スグリーヴァ「そうではない」

ラーヴァナ「安心せよ、殺したりはせんよ」

オーク「……ッ」

ラーヴァナ「楽に殺して慈悲を与えるなど、サタンじゃあるまいしなぁ」

ヴァーリン「……ウ……アァ」

ラーヴァナ「最後のチャンスだ。せめて弟と群がる屑共を道連れにせい」

パアアァァァァ

マーマン「な、何をしてやがる……っ!?」

ハヌマーン「魔王の魔力を分け与えておるのだ……っ」

ラーヴァナ「最後の力だ。最早、止める事は出来ぬ。苦しみもがき死ねい」

ドンッ!!…ズッゴアアァァァァ!!

兄者「な――っ」

スグリーヴァ「ぬううぅぅん!!」
862 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:39:26.63 ID:/bKvzhT+o
ガガガガガガッ!!

ヴァーリンに送り込まれた魔王ラーヴァナの力。どす黒いオーラを放つそれは、

燃え尽きる蝋燭の最後の炎のように、ヴァーリンの全身をゆらゆらと漂い続ける。

その力に押し出されるように、ヴァーリンはまたしても隕石のような突撃を見せ、

咄嗟にそれを支えたスグリーヴァは勢いに押され、ずるずると引き摺られていく。

絶望的なこの状況下において、唯一の救いはヴァーリンの背後に居た凶悪な気配。

白馬騎士「魔王は!?」

錦将軍「いねぇ! どこ行きやがった!?」

ハヌマーン(気配を感じない……退いたか? いや、今はそれよりも……)

マーマン「ボサッとしてんな! スグリーヴァ様を助けるぞ!」

ズザザァ

剣士「ありったけの魔法をぶつけるんだぁ!!」

兄者「うおおぉぉ!!」

幼女「いっけぇーっ!!」

ドッドオオォォォォン!!
863 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:40:53.50 ID:/bKvzhT+o
弓将軍「ぬおぉ……っ!」

弟者「コイツは……きっついぜ……っ」

ゴゴゴゴゴゴ

オーク「スグリーヴァ様……オラが今、助けるです!!」

マーマン「もう魔力なんざ空に近けぇんだ! 頼む、止まってくれえぇ!!」

ゴゴゴゴゴゴ

弓使い「う……ううぅぅ……っ」

白馬騎士「この力は尋常ではない……おそらくは……」

ハヌマーン「ヴァーリン様の命をそのまま力としたのであろう」

白馬騎士「やはり……っ」

錦将軍「どういう事だぁ!?」

兄者「花火のようなものだろう。燃え尽きるまで耐えるしかない……っ」

弟者「無茶な話だくっそおおぉぉ!!」

剣士「でもやらねば……みんな死ぬ!!」

スグリーヴァ「その通りだ。我等だけではない、城に居る者らも皆――」
864 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:41:48.15 ID:/bKvzhT+o
ザザッ

ゴブリン「おりゃーっ!!」

ガーゴイル「のんびり後ろで観戦してる場合じゃないっつーの!」

マーマン「お……お前ら……ッ!!」

オーガ「フンガアアァァ!!」

トロル「俺達だけじゃねーぜぇ? 見なよ、旦那達!」

スグリーヴァ「――ッ!!」

ザザザッ

法師「怪我した者らが再び、戦場へ向かうと言うのでね」

スグリーヴァ「法師殿……ッ!! そ、それに……」

法師「ええ。彼らも……力となってくれるそうです」

ラクシャーサ「……ッ」

錦将軍「コ……コイツら何で……」

ハヌマーン「法師殿が……っ?」

法師「別に私は何もしておりませんよ。皆、自分の意思で決めた事なのです」
865 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:42:30.62 ID:/bKvzhT+o
……――

ラクシャーサ「くそぉ! ここから出せぇ!」

ガシャガシャッ

法師「……構いませんよ」

ラクシャーサ「……!?」

法師「しかし、出たところで貴方達はどうするのです?」

ラクシャーサ「……ど、どういう意味だ!!」

法師「外を御覧なさい。邪悪な気配が渦巻いております」

ラクシャーサ「ヴァーリン……様が押し負けてる!?」

法師「それに感じますよ、貴方のお仲間達は早々に退いているではないですか」

ラクシャーサ「……ッ」

法師「ここに仲間が囚われているというのに、何と薄情な事か……」

ラクシャーサ「うるせぇ、俺達はなぁ……テメーらみたいに群れたりしねーんだよ!」

法師「ならば、どうして大群を?」

ラクシャーサ「……し、知るかよ! ラーヴァナ様のご命令だからだ!」
866 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:43:21.43 ID:/bKvzhT+o
法師「貴方達の意思ではない……と?」

ラクシャーサ「そうだ、ラーヴァナ様は絶対なのだ! 俺らがどうこう言う必要はない!」

法師「それは悲しい話ですね」

ラクシャーサ「悲しいだぁ!?」

法師「そうです。貴方達は自分の為、他人の為に生きた事はないのですか?」

ラクシャーサ「……意味分かんねぇよタコ!」

法師「言われるがままにそれだけを延々と繰り返す。そんな生き方が楽しいのですか?」

ラクシャーサ「楽しいとか……そんなん関係ねーだろ!!」

法師「……そうですか」

ラクシャーサ「俺達はラーヴァナ様の兵隊なんだ! それが誇りなんだよ!」

法師「……成程、自分の意思がないわけではないようですね」

ガチャッ

ラクシャーサ「――ッ!?」

法師「ならば行きなさい。自分の意思をもって、自分の行動を為すのです」

ラクシャーサ「バ……バカかお前!?」
867 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:44:15.53 ID:/bKvzhT+o
法師「心外ですね。行かないのですか?」

ラクシャーサ「何なんだよお前! お前と話してると調子狂うんだよ!」

法師「貴方達はしっかり自分の意思を持っている。ならばそれで良い」

ラクシャーサ「……ッ!」

法師「ですがこれだけは聞いて下さい。もう互いに、命を奪う事はやめましょう」

ラクシャーサ「どうしろっつーんだよ!!」

法師「私達は争いのない世を築きあげたいのです」

ラクシャーサ「アァ!?」

法師「その為にはその根源を無くす。それは命を奪う事ではない。改めて貰いたいのです」

ラクシャーサ「……」

法師「しかし魔王にはそんな事は通じません。ですから、最小限の被害で終わりにしたい」

ラクシャーサ「ク……ッ!」

法師「貴方達はどうなのです? 自らの意思で命を奪っているのですか? それとも……」

ラクシャーサ「ウゥ……ッ!」

法師「人間を、そしてかつての仲間達を……殺しているのですか? 違うでしょう!」
868 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:44:52.60 ID:/bKvzhT+o
ラクシャーサ「うるせええぇぇ!!」

ズッドオオォォォォン…

ラクシャーサ「……な、何の音だ……っ!?」

ババッ

法師「……っ!」

ラクシャーサ「な、何だよあの爆発は……っ」

法師「……私は目が見えません。しかし分かる。今、無数の命が散っていった……」

ラクシャーサ「!?」

法師「何か巨大な、邪悪なる力が現れ……貴方達の同胞が散った……っ」

ラクシャーサ「ま、まさか……そんなっ! ラーヴァナ様が来て下さったのか!?」

ザワザワッ

ラクシャーサ「そうだ! あんな力を出せるのはラーヴァナ様しかいない!」

法師「……何と悲しい事か」

ラクシャーサ「…………」

法師「己の部下を何の躊躇も無く、一瞬の内に……」
869 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:45:28.42 ID:/bKvzhT+o
ラクシャーサ「……逃亡は死に値する。そういう事さ」

法師「では、貴方達も死ぬわけですか……」

ラクシャーサ「……俺達は負けたんだ。仕方ねぇんだよ!」

法師「何の為に生まれ、何の為に死んでいくのか……哀れで悲しい話だ」

ラクシャーサ「
テメーに何が分かるってんだよぉ!!」

ガシィ!!

法師「構いませんよ、殺すなら殺しなさい。しかし、何の解決にもなりませんよ」

ラクシャーサ「……クゥ!」

法師「結局、何も残す事なく死んでいく。それだけです……」

ラクシャーサ「クソッ、クソッ、クソォーッ!!」

法師「手を……離して貰えませんか?」

ラクシャーサ「……逃げんのかよ」

法師「いいえ、まだ生きている者もいるはずです」

ラクシャーサ「だからどうした!!」

法師「だから、救いに行くのです。まだ間に合います。そうか離して貰えないでしょうか」
870 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:46:00.52 ID:/bKvzhT+o
ラクシャーサ「……す、救う……だとぉ!?」

法師「はい」

ラクシャーサ「俺らはテメーらの敵なんだぞ!? 何で助ける必要があるんだ!!」

法師「……生きているからです」

ラクシャーサ「――ッ!!」

法師「生きている者の命が失われようとしているのです。だから救う……それだけです」

ラクシャーサ「バ……バカなんじゃ――」

ズッドオオォォォォン!!

ラクシャーサ「ま、まただ……っ」

法師「時間がありません、私は行きます」

ラクシャーサ「俺にも今見えたぞ……ッ、仲間が……紙クズみてーに吹き飛んで……」

ザシャッ

ラクシャーサ「……お、俺は……行くぞ!」

法師「……」

ラクシャーサ「俺もだ! 俺もコイツと一緒に……行く!」
871 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:46:54.42 ID:/bKvzhT+o
ザワザワ…

ラクシャーサ「行くったってどうすんだよ……」

グググッ

ラクシャーサ「何だっていいさ、とにかく仲間を助ける、そんだけだろ!」

法師「皆さん……っ」

ラクシャーサ「どうせラーヴァナ様に殺されるんだ、助けられる奴だけでも助けようぜ」

タタッ

ラクシャーサ「おい待て! ちっくしょおぉ……行きゃいいんだろ、行きゃあよおぉ!!」

ダダッ…タッタッタッタッタ

ラクシャーサ「……なぁ」

法師「……はい」

ラクシャーサ「何でここには、こんなに多くの魔族が住んでるんだ?」

法師「皆、楽しく生きたいからですよ。皆で笑って、楽しく暮らしたいからですよ」

ラクシャーサ「……なるほどな、楽しく……か」

――……
872 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:47:47.94 ID:/bKvzhT+o
ゴゴゴゴゴゴ

ラクシャーサ「ぬ……りゃああぁぁぁぁ!!」

マーマン「お、お前ら……」

ラクシャーサ「勘違いすんな! 俺らは俺らの仲間を助けたい、そんだけだ!」

オーク「お、おぉ……ッ」

ラクシャーサ「ムカつくんだよテメーらは! 人間なんぞに加担しやがってぇ!」

ハヌマーン「良いものだぞ、そういう暮らしもな」

ゴブリン「そうそうっ!」

ラクシャーサ「うるせぇ!!」

スグリーヴァ「何と言う事か……」

ゴゴゴゴゴゴ

スグリーヴァ「これぞ、これぞ我が望みよ……ッ!」

ハヌマーン「ええ、スグリーヴァ様の望んだ世界が現実となったのです……!」

スグリーヴァ「見えるかヴァーリンよ、いや……もう意識はないだろう。だが感じるであろう?」

ハヌマーン「スグリーヴァ様……!?」
873 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:48:20.44 ID:/bKvzhT+o
パアアァァァァ…

マーマン「な、何だぁ!?」

剣士「スグリーヴァ様の体が……光って……」

スグリーヴァ「皆の者、よく聞くのだ。これより私が、ヴァーリンを食い止める」

白馬騎士「!?」

スグリーヴァ「皆は魔力を全て、我にぶつけよ!」

弓使い「何言ってるの!? そんな事したらスグリーヴァ様が……」

スグリーヴァ「それ以外に方法はない。それに、その程度で我が死ぬとでも?」

オーク「……ッ」

スグリーヴァ「時間がない、兄弟であるこの身ならば、ヴァーリンの力を吸収出来る!」

錦将軍「ど、どうすんだぁ!? 早く決めてくれぇ!!」

白馬騎士「ハヌマーン殿!」

ハヌマーン「……」

スグリーヴァ「ハヌマーン、お前も分かっておるだろう?」

ハヌマーン「……ッ!」
874 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/08(木) 18:49:40.00 ID:/bKvzhT+o
ジャリッ

ハヌマーン「……全魔力を……スグリーヴァ様へ撃ち放つのだ!」

剣士「……っ!!」

スグリーヴァ「それで良い。それで良いのだ」

兄者「良いのだな? 撃つぞ……?」

幼女「……っ」

ハヌマーン「……撃てぇ!!」

そこにいる誰もが、結末は見えていた。

凄まじい力を防ぎながら、一身に魔力を背負い、力を放つ。

本人の口から大丈夫だと言ったそれが、嘘である事は明白であった。

だが、撃った。スグリーヴァの意思、そしてハヌマーンの意思を汲み取った。

僅かな時間ながらも別の策を模索したが、他に策などなかった。

スグリーヴァは既に覚悟を決めていた事は、誰もが知っていた。

別に望みを叶えるべく撃ち放ったわけではない。すがるように、スグリーヴァの言葉を信じた。

生きて欲しい。ただ、それだけを願って。
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/09/08(木) 18:52:02.10 ID:/bKvzhT+o
本日もご支援感謝です!パワー貰います!ありがとう!
ここまでにて失礼致します!それではまた!ノシ
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/09/08(木) 19:06:49.75 ID:/bPIR4rAO
>>1

スグリーヴァの兄弟ってヴァーリンだったのね
ずっとラーヴァナと兄弟なんだと勘違いしてたや
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/09/08(木) 19:26:11.79 ID:PiRj9rVXo
ラーヴァナは雑魚のお猿さん
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/08(木) 19:34:31.09 ID:hOYnSvZDO
さすが主人公の法師は大活躍だな
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]:2011/09/08(木) 20:43:27.37 ID:uEtytcMto
>>875
俺「……全魔翌力を……>>1様へ撃ち放つのだ!」

日々の更新を楽しみにしてるが、
無理はせんでくれ。
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/09/08(木) 20:47:10.24 ID:PiRj9rVXo
きめえ
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/08(木) 20:59:08.82 ID:60ATrlhDO
>>1乙!
法師とラクシャーサのくだりでちょっとウルッときた
各戦場が一カ所毎に一章づつ話に出来そうなドラマがあるな……
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄)[sage]:2011/09/08(木) 21:28:22.50 ID:TEH8twZAO

しかし「部下である事が誇り」って割にはあっさり寝返るな
もっとこう「主様の為なら死んで本望」みたいな気概のいい奴が敵方にも欲しいな
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/08(木) 22:04:36.32 ID:HR5g4sHAO
人間だけど騎徒尉がそんな感じだったよね
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/08(木) 22:05:27.97 ID:HR5g4sHAO
騎都尉だった
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/09/08(木) 23:29:01.30 ID:/iaZy2w+o
「えーマジ寝返りー!?」
「騎徒ー尉」キャハハ
「寝返りが許されるのはインドラまでだよねー」キャハハハー
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/08(木) 23:40:28.53 ID:z76RfNrAO
検索したらラーヴァナがめっちゃキモくてびっくりした。せめて顔は3個くらいにコンパクトにおさめておけよ。顔が10個とかいい的じゃねーか
887 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/09(金) 18:09:00.40 ID:5ZvAiEOFo
……――

スグリーヴァ「ヴァーリンよ、我が声が聞こえるか?」

ヴァーリン「…………」

スグリーヴァ「いや、聞こえておろう。今は最早、精神でつながっておるのだからな」

ヴァーリン「……」

スグリーヴァ「貴様にも見えたであろう? あれが私の望んだ世界の形だ」

ヴァーリン「……馬鹿だな。所詮それは魔族と一部の人間同士の繋がりでしかない」

スグリーヴァ「……」

ヴァーリン「所属問わず、差別無く、分け隔て無く、世界が成立するとでも思っているのか」

スグリーヴァ「それは時が解決してくれるさ」

ヴァーリン「何?」

スグリーヴァ「今すぐにどうこうする必要はない。時間を掛けてゆっくりと互いが理解しあえば良いのだ」

ヴァーリン「行く末も見ずに死んでいくとは……哀れな奴だ」

スグリーヴァ「哀れ? 哀れな事などあるものか。貴様の弁は的外れも甚だしいぞ」

ヴァーリン「何だとぉ……!?」
888 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/09(金) 18:09:41.65 ID:5ZvAiEOFo
スグリーヴァ「我の役目は行く末を見定める事ではない。切欠を与える事に過ぎぬ」

ヴァーリン「……」

スグリ−ヴァ「幾星霜を経て、ようやく時代が動き出したのだ」

ヴァーリン「うまくいく保証はないぞ」

スグリーヴァ「無論だ。さすればそこまでの事。それもまた宿命よ」

ヴァーリン「諸行無常か。本当に馬鹿らしい」

スグリーヴァ「だが、少なくとも今の時代では、為し得ると思っておるぞ」

ヴァーリン「何を根拠に……」

スグリーヴァ「根拠はある。それ程の人間が今生には揃っておる」

ヴァーリン「たったそれだけで……。人間の愚かさは貴様もとくと見てきたはずだ」

スグリーヴァ「ああ、見てきた。しかし人間は成長している。進化し続けている」

ヴァーリン「……」

スグリーヴァ「人間同士で領土を巡り、殺しあっていた時代は終わり……」

ヴァーリン「……」

スグリーヴァ「魔族と人間が争う長き時代も今、終わりを告げようとしているのだ」
889 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/09(金) 18:10:09.37 ID:5ZvAiEOFo
ヴァーリン「今度は魔族と人が共存するとでも言うのか? 笑わせる……」

スグリーヴァ「ヴァーリンよ、貴様は何も感じなかったのか?」

ヴァーリン「あ?」

スグリーヴァ「我が城へ踏み込んだ際、違和感を感じなかったかと聞いているのだ」

ヴァーリン「……」

スグリーヴァ「まぁ、周りを見渡せぬ貴様には、到底気にも留めぬ事か」

ヴァーリン「何が言いたい」

スグリーヴァ「此度の戦において、私の最大の敵は貴様。そう、貴様さえ葬ればそれで良いのだ」

ヴァーリン「……」

スグリーヴァ「被害は最小限に。つまりは貴様を道連れに死すればそれで良かったのだ」

ヴァーリン「良かったな。念願、叶ったではないか」

スグリーヴァ「思わぬ援軍が多数現れたが、毛頭、兵など置くつもりはなかった」

ヴァーリン「……待て、貴様まさか……ッ」

スグリーヴァ「気付いたかヴァーリンよ。そうだ、猿兵共の姿が見えぬであろう?」

ヴァーリン「――ッ!!」
890 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/09(金) 18:11:12.23 ID:5ZvAiEOFo
〜分かれ道〜

パッカパッカパッカ

華国兵「へ……陛下!?」

ザザッ

三男「ご苦労。お力添え感謝するぞ」

居並ぶ華国兵はほぼ全員が妙な面を身に付けており、その素顔は隠されている。

三男「すまないな。我が国も小国ゆえ、このような事態にも微弱な兵しか出せなくてな」

兵らは三男の手にに促され直立すると、ゆっくりと面を外し始めた。

猿兵「何を申されますか。それが我が主と貴方様の兄君とのお約束ですから」

三男「感謝するぞ」

猿兵「これは人間や魔族、そして我が主が長年見続けた夢」

三男「……はい」

猿兵「我が主はおそらく、この戦いで地上より姿を消すでしょう」

三男「!?」

猿兵「良いのです。あの方はその為に今日まで生き長らえていらっしゃったのですから」
891 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/09(金) 18:13:24.38 ID:5ZvAiEOFo
三男「……」

猿兵「今後は法師様、ハヌマーン様、そして貴方様がその意思を継いでくれまする」

三男「私と兄はすぐに死んでしまいますけれどね」

猿兵「人間の寿命は短いですからね。いや、我ら魔族が極端に長いだけか」

三男「人間や動物の一生など儚いものです。魔族こそ選ばれた種族なのかもしれませんね」

猿兵「どうでしょうね。我々や召喚獣こそが特殊なのかもしれませんよ」

三男「魔族にみお寿命はあるのですよね?」

猿兵「あると言えばありますし、ないと言えばないです。だからこそ殺される方が早いのです」

三男「……」

猿兵「ふふっ、まぁこんな事を言っても、真実が分かるわけではありませんね」

三男「ええ。ですが言える事は1つ。命は平等だと言う事です」

猿兵「仰る通りだ。それが一番、大切な事」

三男「もうすぐですよ兄上、スグリーヴァ様」

猿兵「では、警備を続けます。陛下はこちらを動かれぬよう」

三男「分かっております。動いても足手纏いですからね」
892 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/09(金) 18:14:18.55 ID:5ZvAiEOFo
……――

スグリーヴァ「理解出来たかヴァーリンよ。既に、動き出しているのだ」

ヴァーリン「……ッ」

スグリーヴァ「今は小さな波紋に過ぎぬが、それはやがて大きなものとなる」

ヴァーリン「ふざけた幻想を思い浮かべて、夢を語る愚か者が……」

スグリーヴァ「届いたぞ。ギリギリではあったがな」

ヴァーリン「ククッ、馬鹿な奴だ」

スグリーヴァ「貴様ももっと他人を信じるべきだったな」

ヴァーリン「俺は俺だ、お前とは違うのだよ」

スグリーヴァ「共に歩む道もあったであろうな」

ヴァーリン「何れまた繰り返されるぞ」

スグリーヴァ「その時はまた現れるさ、救世主がな」

ヴァーリン「……とんだ罪人だよ、貴様はな」

スグリーヴァ「分かっている。だから消えるのだ。そして全てが終わった時、同様の事を思うであろうな」

――……
893 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/09(金) 18:14:59.23 ID:5ZvAiEOFo
゙カアアァァァァ!!…シュウウゥゥゥゥ

マーマン「……ッ」

オーク「あ……あぁ……」

ハヌマーン「スグリーヴァ様……ッ」

兄者「終わった……か」

剣士「……っ」

弟者「待てっ! 待て待て待て!」

シュウウゥゥゥゥ

弓将軍「光の奥から……何かが……」

弓使い「あれって……っ!!」

ズズッ…シュウウゥゥゥゥ…

白馬騎士「スグリーヴァ様!!」

マーマン「生きて……生きてやがったぁ!!」

スグリーヴァ「……ハヌ……マーン」

ハヌマーン「……ッ」
894 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/09(金) 18:15:52.20 ID:5ZvAiEOFo
カ〜東の町、南側〜

アスラ「グ……ヌウゥ……ッ」

天才「はぁ、なんかお前ら……とんだザコだな。まるで手ごたえないわ」

アスラ「愚弄しおってぇ……」

天才「事実だし」

地面に突き刺したツヴァイハンダーに腕を乗せ、耳をほじりながら話す天才。

アスラ「殺す!!」

天才「そうそう。テメーらがいくら頭使ったって、結局無駄なんだからよぉ」

アスラ「グラアアァァァァ!!」

天才「理性取っ払って力ずくで来いよ! 戦略とか策とか無理無理」

先程までとは逆の立場となる両者。至って冷静な天才に対し、

血相を変えたヴァーリンが怒涛の攻撃を繰り出す。

天才(それでいい。力んで遮二無二暴れてくれりゃあ軍はおろか、退く事すら忘れてくれる)

アスラ「アアアアァァァ!!」

天才(そうすりゃコッチのモンさ。今日中にまず1匹、大物を始末出来るな……ハーッハッハ!)
895 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/09(金) 18:17:12.66 ID:5ZvAiEOFo
ザザッ…タッタッタッタッタ

南方司令「うおおぉぉぉぉ!!」

西方司令「ひいいぃぃぃぃ!!」

慌てふためき暴れるラクシャーサの大群の中、2人は必死に駆け回る。

南方司令「うおおぉぉ!?」

ヒュウウゥゥゥゥン…ドッズウウゥゥゥゥン!!

西方司令「ぎゃあぁーっ! もう終わりだぁ! 死んだああぁぁ!!」

南方司令「死ぬか馬鹿者! 我らの部下は優秀! 味方にまで当てたりはしない!」

西方司令「ひええぇぇぇぇーっ!!」

南方司令「しかし、そうは言っても早く戦線を離れ……」

西方司令「師匠だって死ぬんだああぁぁ! もう駄目だああぁぁ!」

南方司令「死ぬわけがないだろうっ! それはお前もよく分かっているだろう!」

西方司令「ででででもぉ、五行発動しっぱなしであんな戦闘続けて……ひいいぃぃ!!」

南方司令「……今……何と言った?」

西方司令「みんな死ぬんだああぁぁぁぁ!!」
896 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/09(金) 18:17:55.60 ID:5ZvAiEOFo
ドッゴオオォォォォン!!…ザザァ

南方司令「……おい」

西方司令「ひぃっ!?」

ポイッ…パシッ

南方司令「助けに行くぞ。目標はアスラだ」

西方司令「うおりゃああああぁぁぁぁ!! 殺すっ!!」

南方司令「さっき言った事、本当なのだな?」

西方司令「あぁ!? あー天才さんか? 見りゃあ分かんだろこのダボがよぉ」」

南方司令「……」

西方司令「暴れ足りねええぇぇ!! 血を見せろ!! 絶望を味わええぇぇ!!」

巨大な刃が前方めがけて打ち下ろされる。その一撃によって、正面には道が出来上がる。

作られた道を南方司令が拳を振り、更に開かれた道を西方司令の剣によりまた更に先へ。

繰り返される猛攻に、ラクシャーサ達が上空へ舞い上がる。

一撃一撃が投石器の岩と匹敵か、ほぼそれ以上の光景であった。

そして何者も寄せ付けぬ道は、真っ直ぐに天才とアスラの元へと伸びてゆく。
897 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/09(金) 18:18:52.31 ID:5ZvAiEOFo
ズザザザッ…タタタッ

南方司令「いたぞっ!!」

西方司令「さっきはいいもの貰っちまったなあぁ!! 倍にして返すぜくらああぁぁーっ!!」

アスラ「!?」

天才「ちっ、邪魔すんじゃねぇ!」

大剣を構える天才の背後から、2人が左右に跳躍する。

アスラ「…………ッ」

突然の奇襲に驚いたその一瞬が、アスラに冷静さを取り戻させる隙を与えてしまった。

アスラは天才の動きを見据えつつ、静かに飛び掛る2人を迎撃すべく、腕を伸ばす。

天才「バカやろうがっ!」

ツヴァイハンダーの斬撃ではどちらか一方しか間に合わない。総判断した天才は、

大剣を地面へ突き刺すと自身も2人を追うように高く飛び、両手を光り輝かせる。

そして更に、左右にいる弟子らの腕を掴むと、そのまま五行を発動した。

アスラ「――ッ!!」

あたかも己の武器かの如く、2人の弟子を振り下ろすと、同時にアスラの腕が2本、宙を舞った。
898 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/09/09(金) 18:21:32.69 ID:5ZvAiEOFo
それではここまでにて!たぶんまた後ほど!
沢山のご支援ありがとうです!それでは!ノシ
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/09/09(金) 19:00:56.13 ID:yCmcqllAO
>>1

司令の思いを知れいって感じだな

なにを言ってるか分からないと思うが、俺自身も何を言ってるのか分からない
900 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/09(金) 23:11:45.11 ID:2yueyZKDO
>>1乙!
魔物にも感情があって色んな考え方をするやつがいるよなー

そして天才……
まだ大丈夫だよな?な?
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/10(土) 01:56:31.24 ID:60FeaSUAO
>>1おつ

天才はこの戦い終わっても生き残ってほしいというか死んだらヤバイ
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/09/10(土) 02:57:50.15 ID:eNQQS39R0
1おつ
天才強すぎ…
903 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/10(土) 03:03:57.99 ID:xT9H27Iao
ヒュンヒュンッ…ドサッ

地面へ落下するアスラの腕に遅れる事、天才に叩きつけられるように、

2人の司令は頭から地面へと落下した。

ズシャアアァァァァ

西方司令「ぐっはああぁぁぁぁ!!」

南方司令「無茶……しやがってぇ……っ」

天才「ぐっはーじゃねぇよタコ! そこで少し反省してやがれ」

南方司令「まさか我らを媒介に五行を……ぐく……っ」

天才「反動で立てねーだろ。しばらく寝てろ」

アスラ「おのれぇ……貴様、またしてもおおぉぉ!!」

天才「ハーッハッハ、残り2本だなアスラちゃんよぉ」

アスラ「おのれええぇぇ!!」

天才「余計な邪魔が入ったが、続きといくかね」

再び両者が合間見えようとしたその瞬間、天才とアスラの動きは、

突如現れた者の手によって、静止する。
904 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/10(土) 03:10:19.52 ID:xT9H27Iao
ゴゴゴゴゴゴ

天才「――っ!!」

アスラ「な……何故……」

ゴゴゴゴゴゴ

アスラを更に上回る異形の姿。その最強を誇る威圧によって、

全ての動きを静止した天才が、ようやく口を開く。

天才「……てめぇ、何者だ?」

アスラ「軽々しく話しかけるでない!!」

天才「ほぉ、て事はやっぱり……」

アスラ「何故ここへいらしたのです……ラーヴァナ様!」

ラーヴァナ「貴様等が余りにも遅いのでな。様子を見て回っているのだよ」

アスラ「……」

ラーヴァナ「フハハッ! アスラよ、苦戦しているではないか」

天才「アンタがラーヴァナちゃんかい?」

ラーヴァナ「だとしたら?」
905 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/10(土) 03:17:01.35 ID:xT9H27Iao
天才「そうだな。悪いが今はそいつの相手してるんだ。アンタはもうちょい待っててくんねーか?」

ラーヴァナ「……」

天才「明日にでも行くから、城にでも篭って待ってろって!」

ラーヴァナ「それはわざわざ痛み入る」

天才「遠慮すんなって」

ラーヴァナ「ならばお言葉に甘えるとしようか」

天才「おーう。そうしてく――」

カッ!!…ズッドオオォォォォン!!

西方司令「んな――」

南方司令「師匠……!? 消し飛んだ……」

ラーヴァナ「さてアスラよ、今日は退くとしようではないか」

アスラ「…………ッ」

ラーヴァナ「全軍、退却の指示を致せ」

アスラ「……はい」

ラーヴァナ「ではまた会おう、人間よ」
906 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/10(土) 03:30:03.18 ID:xT9H27Iao
〜東の町、内部〜

南方参謀「撃って撃って! どんどん撃ちまくるのよ!」

助手「もう駄目よ〜。タネ切れだわぁ」

西方副司令「何か出来るでしょ! 手配してっ!」

南方魔道長「何やってる!? 魔王軍に詰め寄られるぞ!」

その時、突如町を守る壁から轟音が響き渡る。

ズッガアアァァァァン!!…パラパラッ

チンピラ「な、何だぁ!? 敵の攻撃かぁ……!?」

南方副司令「い……いやっ、あれは……っ!!」

天才「……っつう」

ゴトッ…ドサッ

南方参謀「司令っ!?」

天才「……クソヤローが……ぜってぇ……殺す」

その場に倒れこむ天才とほぼ同じタイミングにて、ラーヴァナの咆哮が響き渡り、

それを合図にラクシャーサの群れが進軍を諦め、続々と後退を始めた。
907 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/10(土) 03:44:42.64 ID:xT9H27Iao
ザザッ…ドドドドドド…

ラクシャーサ「後退、ほぼ完です!」

アスラ「ご苦労。貴様も早々に退くが良い」

西方司令「待てやコルアアァァ!! 逃がすかああぁぁ!!」

ラクシャーサ「あぁ!? やんのかコラァ!!」

南方司令「やめろ、あちらも退いているのだ。こちらも退くぞ」

アスラ「おい、人間」

南方司令「……?}

アスラ「あいつに伝えておけ。次こそは確実に殺すとな」

南方司令「分かった。だが次も、相手してくれれば、の話だがな」

アスラ「どういう意味だ?」

西方司令「考えろやこのド低脳が!! 師匠は魔王にワンパン貰ったんだ、礼はしねーとなぁ!」

南方司令「そういう事だ。次は大将戦になるやもしれん」

アスラ「臆す事なく、再び対峙する事を願うとしようか」

生き残った第4軍全員の退却を確認すると、アスラもまたその場より姿を消した。
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)[sage]:2011/09/10(土) 05:02:54.61 ID:AcpyFePX0
>>1
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/10(土) 05:33:05.28 ID:qSrJzdwDO
>>1
ラーヴァナやべぇ……
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/09/10(土) 13:55:47.44 ID:88q6rFHAO
>>1

アンラマンユが弱く見えるな…

てか西方司令…完全に鉄砲弾やで…………
911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/10(土) 14:22:46.68 ID:N0uQ9UvDO
ヴァギーナやべぇ
912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/10(土) 18:30:28.93 ID:tHII/oPDO
元々天才ってチートすぎるんだよな
確か賢者になるってめちゃくちゃ難しいんだろ?
今まで出てきた賢者2人見ても魔翌力ハンパなさそうだし
その上、近接においても超トップクラス
できないのは召喚ぐらいじゃなかろうか
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/10(土) 21:14:29.02 ID:duucvmFDO
>>1

>>902
西方司令と南方司令の発言と反応を見てると、天才はずっと命削りながら界王拳使って戦ってるような感じだったんじゃないかな?

魔王討伐に入る前辺りでずっと魔翌力温存してたって言うような発言もあったし
自分の先が長くないのを解っていて、命の蝋燭を一気に燃やしてるような感じなんだろうね
914 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/10(土) 21:15:41.33 ID:BjMUQagf0
天 才 が 召 喚 魔 法 使 え な い な ん て

ど こ に も 書 い て な い ! !
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]:2011/09/10(土) 21:57:06.24 ID:wKQsvTrz0
天 才 が 召 喚 獣 じ ゃ な い な ん て

ど こ に も 書 い て な い ! !
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/10(土) 22:17:19.32 ID:x0iDvKWAO
ニコ厨[ピーーー]
917 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/09/11(日) 00:39:13.58 ID:g9TkqPWAO
天才の強さには秘密がある気がするのよね
918 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/09/11(日) 00:41:39.47 ID:IGZrBc0Lo
単に経験だろ
若い感じで年はかなり喰ってるみたいだし
919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/11(日) 01:07:55.87 ID:RKbtDdKAO
>>1おつ

その場から消し飛ぶくらいのワンパンくらって痛いで済むとか天才は人間じゃねーな
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/09/11(日) 12:25:26.21 ID:xPZfRu+IO
夏終わったんだから糞ゆとりは勉強してろ
それか死ね
921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]:2011/09/11(日) 16:45:19.92 ID:VXd8F3rZo
>>920
何があったのか知らないけれど
とりあえず落ち着いたら?
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)[sage saga]:2011/09/11(日) 17:26:21.26 ID:jzqWQouWo
よくわからないけどつまり糞ゆとりとニコ厨はしねってことか
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)[sage saga]:2011/09/11(日) 17:26:55.67 ID:jzqWQouWo
よくわからないけどつまり糞ゆとりとニコ厨はしねってことか
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)[sage saga]:2011/09/11(日) 17:27:29.41 ID:jzqWQouWo
よくわからないけどつまり糞ゆとりとニコ厨はしねってことか
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)[sage saga]:2011/09/11(日) 17:28:03.88 ID:jzqWQouWo
よくわからないけどつまり糞ゆとりとニコ厨はしねってことか
926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)[sage saga]:2011/09/11(日) 17:30:04.81 ID:jzqWQouWo
よくわからないけどつまり糞ゆとりとニコ厨はしねってことか
927 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2011/09/11(日) 17:30:54.84 ID:jzqWQouWo
warota
928 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/09/11(日) 17:37:04.60 ID:8fI1FT1ho

       ⊂二 ̄( ^ω^ )∩ >>1おt
          ヽ  ___ノ
         /  /Σ グキッ
        /   <___/|
        ヽ  ――――|
          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´





           どうして……
       <⌒/ヽ___
     /<_/____/
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
929 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/11(日) 20:57:58.60 ID:/wbJPuBDO
多重投稿する奴と意味も無くageる奴も死んでいい

>>1
930 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)[sage]:2011/09/11(日) 21:24:06.52 ID:jzqWQouWo
             ッ‐'"       ー、
           ,r'゛           ヾ ,
           r'                   ヾ
         ./                 ヽ
         !   ‐-              i
        ,!´       、      '     l
        〈illliiiii;,  .,,,,,,._       ;'    ;!
        lゞフ`ッ:'  .:"r-;、llii;, 、  、,_,.、 -.、
        .l  ,:::::'    `ミニ`‐      .i' :::;!
         .l'´ :r'   、  、`       !::;: :/
       ,ィ  ヽ _,. -ノ:::..  ヽ    ;r -ノヽ_ヽ、
     / l  、     ::.       /、r'/     ヽ. ヽ、
    / ..::::ヽ '´`ー‐-ヽ、        / !     lト-、 ヽ!
  ./  ,.- '.::::::i:.  ‐-   ヽ    /   /       .i!
  く r' .:::::/::::〉、     _   .:r '´   i   .:'   l
 r:'   ::::r::::::/ _ :::T:i ̄  .::l´  ヽ  /       .!

           サゲロ=アゲンナ [Sagero=Agenna]
           (1913〜1957 イタリア)
931 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)[sage]:2011/09/11(日) 21:26:00.55 ID:jzqWQouWo
どんだけあがるの嫌なんだよ
jpg貼ってくれるなら喜んでさげるが
932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/11(日) 21:41:30.95 ID:/wbJPuBDO
あぁ、弄っちゃダメな人でしたか

ホントに皆さん、雰囲気悪くして申し訳ありませんでした。しばらくROMります。
933 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/09/11(日) 21:51:22.78 ID:IGZrBc0Lo
なにをいってるのかさっぱりだ
SS速報には頭沸いてる奴がいるのか?
934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/11(日) 21:59:25.77 ID:bTD0ni0DO
なんかだいぶ前も長崎のやつがファビョってなかったっけ?
935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/11(日) 22:31:32.05 ID:UVicJMgAO
これだから田舎者は
936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2011/09/11(日) 22:38:39.57 ID:jzqWQouWo
ゆとり速報
937 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/11(日) 23:42:16.54 ID:8itdCdKso
〜南方、南西平野〜

戦士「おわぁっ!」

シヴァ「1匹ずつ握りつぶしてやる!」

時間稼ぎの為に逃げ回る戦士を背後から追い回し、

シヴァは大きな手を伸ばし、戦士を捉えようと狙う。

戦士「あっぶね……っ!」

シヴァ「案ずるな! 他の奴らもすぐに後を追わせてやる!」

戦士「んだとぉ!」

シヴァ「大人しく死ねぇ!」

ズザッ!!…ドッドオオォォォン!!

シヴァ「――ッ!?」

戦士「魔法……!?」

スタッ

盗賊「遅くなった、すまぬ!」

魔道士「戦士さん、大丈夫ですか!?」
938 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/11(日) 23:42:54.76 ID:8itdCdKso
戦士「お前ら……っ」

シヴァ「……ン……ヌゥ」

魔道士「全然効いてない!?」

戦士「生半可な攻撃じゃ駄目だ。不用意に近づくなよ」

盗賊「……召喚士は?」

戦士「援護要請に行ってる。もうじき戻ってくる」

盗賊「……援護?」

戦士「魔道兵だ」

魔道士「魔道兵ってもしかして……」

戦士「ああ。ゾディアックと五行でコイツを――」

ガガアアァァ!!…ズドオオォォォォン!!

シヴァ「こうなれば3匹まとめて殺してくれるわ!」

戦士「させっかよ!」

盗賊「戦士、左に回れ! 魔道士は援護を!」

魔道士「はいっ!」
939 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/11(日) 23:43:23.04 ID:8itdCdKso
シヴァ「散って攻撃しようという気かぁ!」

戦士「あいつが戻ってくるまでは俺が、いや俺達が……っ!」

盗賊「……凌ぐ!」

シヴァ「何をゴチャゴチャほざいているかぁ!!」

魔道士「きゃあっ!」

ゴアッ!!

盗賊「……むっ、来たぞ!!」

戦士「召喚士!」

ズザザッ…ドドドドドド

召喚士「よし、戦士は無事……魔道士さんに盗賊さんっ!?」

西方魔道長「おやまぁ、こりゃまた大物じゃないか」

魔道兵「それでっ、対象はぁ!」

戦士「コッチだ! この槍めがけて頼む!」

西方魔道長「全員、構えっ!」

盗賊「……?」
940 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/11(日) 23:44:13.01 ID:8itdCdKso
魔道兵らが練り上げた魔力を開放しようと並び立った瞬間であった。

まずそれに気付いたのは盗賊であった。

盗賊「……待て、待てっ!」

その後、次々と各人が異変に気付き始める。

戦士「っ!!」

召喚士「な、何だ……っ!?」

魔道士「す……凄く重たい空気が……」

ゴゴゴゴゴゴ…

改めて見てみると、シヴァだけはただ1体、その動きを完全に硬直させていた。

シヴァ「あ……ああぁ……ッ」

背後に現れた不気味な黒い影。それは半透明からゆっくり具現化していく。

召喚士(分かる……こんな威圧、他には絶対に有り得ない……っ)

シヴァ「……ラーヴァナ……様!!」

ラーヴァナ「何やら梃子摺っておるようだなシヴァよ。フハハッ!」

召喚士「やはり……魔王!!」
941 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/11(日) 23:44:46.16 ID:8itdCdKso
ゴゴゴゴゴゴ

シヴァ「ラーヴァナ様っ、何故このような所まで……」

ラーヴァナ「ん? 来てはならなかったかな?」

シヴァ「い、いえ……そうでは……」

ラーヴァナ「ふむ、ここにも人間がおるのか」

戦士「コイツが……魔王ラーヴァナか……っ」

ラーヴァナ「何とも、不思議なものよ。人間なぞ束にならねば何も出来ぬかと思えば」

魔道士「……っ」

ラーヴァナ「先程の者と言い、個々の強さも持ち合わせておるとはなぁ」

シヴァ「もっ、申し訳ございません! すぐに始末を……」

ラーヴァナ「良い良い。今日はここまでとする」

シヴァ「は……っ?」

ラーヴァナ「他所の者らは既に一度退いた。貴様も一度退くが良い」

召喚士「何……っ!?」

シヴァ「しかしっ!」
942 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/11(日) 23:45:22.88 ID:8itdCdKso
ラーヴァナ「退く、と申しておるのだ。聞けぬか?」

シヴァ「……い、いえっ」

ラーヴァナ「そういうわけだ人間。また明日な」

戦士「お、おい……っ」

ラーヴァナ「ん?」

戦士「……っ」

ラーヴァナ「特に用もないならこれにて失礼するぞ」

シヴァ「……ちっ」

バシュッ…ウウゥゥゥゥ

魔道士「消……えた……っ」

盗賊「……」

西方魔道長「な、何だったんだい……?」

召喚士「……」

肩透かしを食らう形となった召喚士達は、安堵と同時に言い得ぬ恐怖に駆られる。

やがて戦場のオアシスは、夜よ共に静寂を取り戻した。
943 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/11(日) 23:46:48.44 ID:8itdCdKso
〜南西平野、南側〜

青龍士官「押し込めぇ! 敵はかなり弱ってきているぞ!」

竜騎士兵「おおぉぉぉぉ!!」

青年兵「……」

青龍士官「うまくいけば、このまま倒せるかもしれんな」

青年兵「ああ。思った以上にやれている」

青龍兵「な、何だあれ!?」

青龍士官「どうした!?」

青龍兵「上空を! 何やら黒い影が……っ」

青年兵「!?」

ズズッ…ズズズズ

アジ・ダハーカ「グ……オオォォォォ!!」

青龍士官「どうした!? 急に息を吹き返したかのような……」

青年兵「あの影に呼応して……反応したのか?」

アジ・ダハーカ「オオォォォォーッ!!」
944 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/11(日) 23:47:46.97 ID:8itdCdKso
バシュウウゥゥゥゥ!!

青龍士官「!?」

竜騎士兵「逃げるぞ!!」

ゴウッ!!…ゴオオォォォォ

青年兵「待て、追わずともよい!」

オオォォォォ…

青龍士官「急にどうしたというのだ……?」

青年兵「分からない。だけどあの影……」

青龍士官「……」

ゾクゥッ!!

青年兵「――っ!!」

青龍士官「な、なん……」

バハムート「グゴオオォォォォ!!」

青年兵「バ、バハムート!? 落ち着くんだ……っ」

青龍士官「い、一体……っ」
945 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/11(日) 23:48:31.47 ID:8itdCdKso
フッ

青年兵「消えた!?」

青龍士官「な……なんだったのだ今のは……」

バハムート「ゴ……グオオォォ……」

青年兵「今の威圧は間違いない……あんな強烈なものは今だかつて……」

その場にいる竜騎士隊の面々もそれはすぐに分かった。魔王のものである事を。

青龍士官「退いた……のか?」

青年兵「みたいだな。何がどうなっているのだ……」

戸惑いを隠せない青年兵と青龍士官。そして竜騎士隊一同。

青年兵「ともかく、一旦こちらも後退して、皆と合流しよう」

青龍士官「あ……あぁ、そうだな。各自、退却準備!」

青年兵「……さぁ、僕らも戻ろうか」

青龍士官「ああ、そうだな」

2人は上空を見上げて、最後まで異常がないかと見据え、バハムートの召喚を解く。

訪れた闇と共に、無数のワイバーンは北へと戻っていった。
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/09/11(日) 23:59:50.45 ID:8itdCdKso
>>942
やがて戦場のオアシスは、夜よ共に静寂を取り戻した。

やがて戦場のオアシスは、夜と共に静寂を取り戻した。

週末もご支援ありがとうでした!それではまた明日!
あと、可愛らしい魔道士の新作ありがとうございました!ノシ

〜オマケ〜

イヌ「くぅ〜んくぅ〜ん」

魔法剣士「美味いか? ミルク、もっとあるからな」

眼鏡「おや、すまないね。面倒見てくれてるのか」

魔法剣士「可愛いもんだよな。なぁ、犬って飼うの大変か?」

眼鏡「いや、そんな事はないよ。頭も良いし、手間も全然かからない」

魔法剣士「ふぅん」

眼鏡「か、飼いたいのか……?」

魔法剣士「いや、いいなぁって思ってな。ほれ、お座り」

犬「くぅ〜ん」

魔法剣士「賢いな……って、なんでお前まで座ってんだ?」

眼鏡「えっ、あ……いや、こうすると犬の気持ちも分かるかなぁなんて……ははは」
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/12(月) 00:02:54.97 ID:cEnGimeIO
眼鏡…
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]:2011/09/12(月) 00:58:49.68 ID:DsfkgRaWo
眼鏡かわいいよ眼鏡
眼鏡飼いたい
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/09/12(月) 03:45:21.70 ID:c0xs1cf+o
誰だ眼鏡をしつけたのは
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/12(月) 08:16:30.36 ID:ULuPpUWIO
ホモ
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/09/12(月) 09:30:45.42 ID:RqNSERQAO
魔法剣士さんもすっかり丸くなっちゃって
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/12(月) 10:59:51.77 ID:w/Gne31DO
最近コカトリスの出番が少ないな
953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/09/12(月) 17:57:18.73 ID:YqPQlj+Jo
たまには休憩させてあげないと
あれスフィンクス・・・あれ?
954 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:06:11.71 ID:QT0KVdSOo
〜スグリーヴァの城〜

ゴゴゴゴゴゴ…

弓使い「良かった……スグリーヴァ様生きて……」

ハヌマーン「……」

マーマン「ど、どうした……?」

ハヌマーン「スグリーヴァ様……ではない……ッ!!」

白馬騎士「何っ!?」

ズゴゴゴゴゴ…

スグリーヴァ「……フシュウウゥゥ」

ハヌマーン「何と言う事だ……ッ」

オーク「で、でもあれはスグリーヴァ様で……」

ハヌマーン「違う。外見は確かにスグリーヴァ様だが……中身は別物だ」

法師「確かにスグリーヴァ様の気配は最早……ありませぬ……」

剣士「!!」

スグリーヴァ「クッ…・・・フフ、フハハハハァ!!」
955 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:06:38.75 ID:QT0KVdSOo
ドオオォォォォン!!

マーマン「何なんだこれは! どういうこっちゃ……」

ハヌマーン「……ヴァーリンさ」

マーマン「!?」

ハヌマーン「スグリーヴァ様の肉体は、ヴァーリンの精神に乗っ取られたのだ……ッ」

弟者「なにぃ!?」

スグリーヴァ「ハヌマーン……よ……」

ハヌマーン「……ッ」

ズズッ…ズズズッ…

ヴァーリン「残念だったなぁ!!」

幼女「そ、そんな……そんなぁ……っ」

ヴァーリン「グハハハハアァ!! 馬鹿な奴だ、最後の力を持ってしても相打つ事すら出来ぬとは!」

兄者「止む無し、もう一度攻撃を仕掛けよう」

マーマン「どこにそんな力が残ってるってんだよぉ!」

オーク「…………」
956 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:07:08.55 ID:QT0KVdSOo
ゴゴゴゴゴゴ

剣士「……オ、オーク?」

オーク「……くもっ、よくも……よくもよくもよくもおおぉぉ!!」

ミシッ…ベキベキベキィ!!

錦将軍「な、何だ!?」

弓使い「オークの体が……っ!?」

突如、オークの身体は筋肉が膨れ上がり、徐々にその姿を巨大化させ始めていく。

ミシミシッ…ズゴゴゴゴゴゴ…

マーマン「まずいっ!! オークを止めろおぉ!!」

弓将軍「止めろってどうやってだな……」

マーマン「何でもいいっ! あのまま突っ込む気だぞ!」

オーク「お……おぉ……オ、グオオオオォォォォーッ!!」

ズッダアアァァァァン!!

マーマン「バッカヤロオオォォ!!」

ハヌマーン「ちぃっ!」
957 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:08:10.26 ID:QT0KVdSOo
傍から見ても分かるような、理性を失ったオークは雄叫びをあげながら目を光らせ、

その巨体に不似合いな速さで、スグリーヴァの姿を持ったヴァーリンへと突進する。

ヴァーリン「どれ程、力を込めようとも、当たらなければ何ら意味はない!」

オーク「ゴガアアァァァァーッ!!」

ヴァーリン「そら、貴様の攻撃をそっくりそのまま返して――」

ピキイイィィィィン

――『させぬよ。そのまま静止しておれ』

ヴァーリン「何ィーッ!?」

ビタアァ!!

白馬騎士「敵の動きが止まったっ!?」

オーク「ガアアアアァァァァ!!」

ヴァーリン「――ッ!!」

ドグッシャアアァァ!!…ゴガガガガッ…ドッズウウゥゥン

オーク「グ……ルルウウゥゥゥゥ!!」

マーマン「オーク!!」
958 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:08:38.54 ID:QT0KVdSOo
ズザザッ…スタッ

マーマン「バッカヤロー! しっかりしろ!」

オーク「グウゥ……」

マーマン「テメー1人で突っ込んでどうする! 死ぬ気か!?」

オーク「…………ウゥ」

マーマン「オメーが死んだら、スグリーヴァ様が体張った意味がねーだろうがよっ!」

オーク「……ッ」

マーマン「みんなを生かす為にあの人ぁ、自ら犠牲になったんだろうが!」

ハヌマーン「マーマンの言う通りだオークよ。気持ちは分かるが、お前1人に任せるわけにはいかぬ」

オーク「ウ……ウウゥゥ……ッ」

グラァッ…ドッズウウゥゥゥゥン

幼女「オーク!?」

ハヌマーン「大丈夫、気を失っているだけのようだ」

弟者「おいっ!! ヤ、ヤローが!!」

兄者「!?」
959 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:09:11.76 ID:QT0KVdSOo
オオォォォォ…

白馬騎士「い、いない……っ!?」

弓使い「もしかして、倒したの……!?」

法師「いえ、そのような感じはありませんでした。突如、気配がふと消えたような……」

剣士「退いた……のか?」

白馬騎士「とにかく、今のうちに一旦、城内へ戻りましょう」

ハヌマーン「それが良かろう。多勢でなくば、城内の方が安全だ」

マーマン「オーク、おいオーク!」

シュウウゥゥゥゥ…

弓将軍「縮んでゆく。力を使い果たしたのか……?」

マーマン「……くっそ、重てぇな……っ」

オーガ「フガッ!!」

トロル「オークは俺達に任セロ!」

マーマン「……あ、あぁ」

剣士「よし。それじゃみんな、一度城内へ戻ろう」
960 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:09:39.10 ID:QT0KVdSOo
〜赤壁〜

パッカパッカパッカ…パシャッ

騎兵「……っ

南方兵「これが……戦果か……っ」

エリート「……」

門兵「おぉ!! 右大臣様ご帰還だぞ、開門ーっ!!」

ギッギイイィィ…ガゴオオォォン

エリート「凄まじいものだな」

大軍師「ご覧になられましたか? お見事でした」

エリート「こちらに残党は?」

大軍師「いえ。おそらく抵抗しようという気はおきますまい」

エリート「それもそうだな。あの光景を見てしまえば……な」

大軍師「息のある者は捕虜として一応、治癒は施しております」

エリート「……大丈夫なのか?」

大軍師「何も全て殲滅する必要はありませんし、役に立つ者もおりましょう」
961 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:10:16.22 ID:QT0KVdSOo


衛生兵「……っ」

赤壁兵「何ビビってんだよっ、早くしろって」

衛生兵「他人事だと思ってちきしょう……。ほ、本当に大丈夫なんだろうな?」

ツンツン

ラクシャーサ「ウ……ッ」

衛生兵「そもそも治療って、何をすりゃいいんだよ……っ」

大軍師「何でも構いませんよ。治癒魔法は無理でしょうから、普通の応急手当を」

赤壁兵「大軍師様! それに……右大臣様も」

エリート「そこそこの数はいるな」

大軍師「同じ種族でも強さはまちまちのようですからね。おそらくは部隊長クラスが大半かと」

ラクシャーサ「ウ……ウゥ」

大軍師「大丈夫ですか?」

ラクシャーサ「……こ……ろせ」

大軍師「そうは参りません。無抵抗な者の命を奪うなど、それこそ魔物と同じですからね」
962 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:11:03.36 ID:QT0KVdSOo
ラクシャーサ「……」

大軍師「お聞きしますが、魔王軍の狙いは本国ですか?」

ラクシャーサ「……さぁな」

大軍師「規模は? 軍団長の数は?」

ラクシャーサ「さぁな」

大軍師「……ふむ、なかなか忠義ですね」

エリート「少し痛めつけるか?」

大軍師「いえいえ。無理強いする必要もありません。今は休ませておきましょう」

ラクシャーサ「覚えていろ……必ず、殺してやる……ッ!」

大軍師「貴方も味わったでしょう? 我らの力を。それでもまだやりあいますか?」

ラクシャーサ「……」

大軍師「ラーヴァナが倒れれば、貴方達だけでは勝ち目はありますまい」

ラクシャーサ「……クッ」

大軍師「ましてや、他の魔王が手を貸す事もないでしょうしね」

エリート「……」
963 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:11:36.91 ID:QT0KVdSOo
テクテクテクテク

西方参謀「うぉーい、客人だぞ」

大軍師「おや、貴方は……」

テクテクテク…ザッ

バーテン「おう。総司令は?」

大軍師「前線にて指揮を執られてますよ? 現役復帰ですか?」

バーテン「まさか。民間人のお小遣い稼ぎだよ」

双子姉「エリ−ト様っ」
双子妹「御機嫌よう」

エリート「お前達も来たのか。陛下のご意思か?」

双子姉「はいっ!」
双子妹「この方をお守りしろって」

エリート「そうか。宜しく頼むぞ」

双子姉妹「はいっ!」

バーテン「これから前線に行く予定はあんのか?」

大軍師「ええ。こちらは落ち着きましたので、本陣を東の町へ押し上げます」
964 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:12:06.66 ID:QT0KVdSOo
バーテン「んなら良かった。同行するわ」

大軍師「はい。出発まで今しばらくお待ち下さい。こちらの後処理がありますので」

エリート「先程申していた件だな」

大軍師「はい。右大臣様にお任せ致します」

エリート「後詰も兼ねて、確かに引き受けるぞ。手短に打ち合わせをしよう」

大軍師「はい。バーテン殿は中で待機していて下さいませ」

バーテン「そうさせて貰うぜ」

テクテクテク…

バーテン「おっ!?」

マジシャン「いよいよお出ましかい、初代隊長」

バーテン「やめてくれや。そんなご大層なもんじゃねぇよ」

占い師「私達も同行するから、一緒に行けるわね」

バーテン「お−そいつは良かった。お守りは苦手でな」

双子姉妹「お守りっ!? まぁひどい……っ」

マジシャン「両手に花で羨ましい限りじゃねぇか、ハッハ!」
965 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:12:55.59 ID:QT0KVdSOo
〜司令室〜

エリート「さて、まずはどうする? 魔物の死体を片付ければ良いか?」

大軍師「そうですね。それが完了次第、近辺の警備をお願い致します」

エリート「了解した。既に1万程度の兵が残党を追い払う為、巡回している」

大軍師「こちらの被害は?」

エリート「ほぼ皆無だな。初撃の奇襲で数十名の死傷者が出たといったところか」

大軍師「成程」

エリート「5万を相手にしては奇跡的な数字だよ。全ては戦略の賜物だな」

大軍師「そうですね。それに、こちらの技術も通用するに至ったという事ですね」

エリート「ああ。研究機関、開発機関もよくやってくれている」

大軍師「裏方である彼らの功績も、十分に評価せねばなりません」

エリート「分かっているさ。それは……全てが終わった後に然るべき処置を施すさ」

大軍師「宜しくお願い致します」

エリート「まぁ、お互いに最後まで生きていればの話だがな。ははっ」

大軍師「ごもっともですね。ふふふっ」
966 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:13:45.42 ID:QT0KVdSOo


西方参謀「おっしゃ、馬車の手配は完了! 兵はどうだぁ……ヒック」

魔道兵「魔道兵、衛生兵、護衛の騎兵……全て準備整っております!」

西方参謀「さーて、あとは……」

テクテクテク

大軍師「お待たせ致しました。準備は……大丈夫のようですね」

エリート「頼んだぞ」

大軍師「はい。まぁ大丈夫でしょう、伝令がないと言う事は、無事であるという証です」

エリート「まぁな。こちらもこまめに偵察隊を出すとしよう」

大軍師「助かります。さて、行きましょうか」

西方参謀「おーう、そんじゃ……出陣!」

パッカパッカパッカ

占い師「いよいよね……」

バーテン「ああ。さっさと終わらせて、無事に帰ろうぜ」

マジシャン「全くだ、せっかく生き長らえた命、無駄に使えるかってんだよ……ハッハ!」
967 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:17:23.42 ID:QT0KVdSOo


夜。各地での戦闘は一旦収束し、開戦より3日目を終えようとしていた。

〜東の町、内部〜

衛生兵「包帯が足りねーぞ! もっと持って来い!」

西方兵「救援物資の荷解きはまだやってないのか!? 早くしろと言っただろ!」

ザッザッザ

南方副司令「かなりやられているな。流石に大規模ともなると仕方ないか」

南方参謀「お気楽な事言ってる場合jはないわよ……っ」

ザッザッザッ…ザッ

南方参謀「……生きてる?」

女賢者「大丈夫、命に別状はないわよ。んふっ♪」

南方副司令「しっかし、御大将がこれじゃあ……明日以降、大丈夫かねぇ?」

南方参謀「ええ……っ」

ザッザッザ

南方司令「師……司令は?」
968 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:18:12.18 ID:QT0KVdSOo
南方参謀「ご覧の通りよ」

西方司令「ひ、ひいいぃぃ……っ」

女賢者「肋骨やら鎖骨やら……まぁ酷い有様ね」

南方参謀「戦えそう?」

女賢者「無理じゃない? こんな状態で戦ってたら、間違いなくご臨終ね♪」

南方副司令「こりゃどうしようもないわな」

南方司令「この程度でくたばるような人ではないさ。正義の名においてな」

南方参謀「正義かどうかは置いといて、今は総司令抜きのプランを立てましょ」

西方司令「……っ」

南方副司令「そんじゃ戻るぞ。会議室で明日の立案だ」

ゾロゾロ…ザッザッザッ…

天才「……ちっ」

女賢者「やっぱり起きてた。んもぅ、ダメじゃない寝てなきゃ〜♪」

天才「余計な事ベラベラ言いやがってこのクソアマ……っ」

女賢者「事実でしょ。あんまり無茶すると本当に死んじゃうわよぉ〜?」
969 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:18:59.25 ID:QT0KVdSOo
ザッザッザ

南方参謀「弓長〜っ、これから会議よ〜」

南方弓長「ええ、今行くわ」

ボス「……ぐっ」

南方弓長「起きないでいいわよ……っ、具合はどう?」

ボス「……気にしないでくれっ、この程度で……」

南方弓長「……っ」

スクッ

南方弓長「いい? とにかくしっかり休んで、早く付いて来なさいよね!」

ボス「……」

南方弓長「返事は!」

ボス「……お、おう……っ」

南方弓長「宜しい。約束……したわよ」

ザッザッザッザッ…

ボス「……情けねぇな……俺って」
970 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:20:26.67 ID:QT0KVdSOo
テクテクテク

召喚士「青年兵くん!」

青年兵「召喚士さん、大丈夫でしたか?」

召喚士「こっちは平気。そっちは?」

青年兵「こちらも大丈夫です……と言うか、急に魔物が退きました」

召喚士「やっぱり……」

青龍士官「何かあったのですか?」

召喚士「実は……」

戸惑う2人に、召喚士は先程遭遇した出来事を事細かに説明する。

青龍士官「……魔王……ラーヴァナ」

青年兵「まさか単身、最前線へ姿を見せるとは……」

召喚士「うん。俺らも全くの予想外だったよ」

青年兵「こう言っては何ですが、よく……無事でしたね」

召喚士「ラーヴァナは俺らの事なんて眼中になかったみたいだね」

青龍士官「……っ」
971 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:21:23.39 ID:QT0KVdSOo
ザッザッザッザ…

南方副司令「おー丁度良かった、これから会議室で作戦会議だ。来てくれ」

青龍士官「了解です!」

青年兵「それでは行きましょうか」

召喚士「あ、うん。先に行ってて! みんなを呼んでくるから」

青年兵「分かりました」

テクテク…ザッザッザ…

召喚士「……えっと、3人はどこに……あ、いたいた」

盗賊「……召喚士。青年兵には会えたか?」

召喚士「ええ、話も済ませました。それと、これから作戦会議があるそうです」

魔道士「明日のですねっ」

召喚士「はい。俺らも行く……って戦士は?」

盗賊「……この中だ」

召喚士「……?」

魔道士「今……取り込んでまして……」
972 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:22:38.20 ID:QT0KVdSOo
カチャッ…ソーッ

戦士「フザけんなよ! バカにも程があんだろうが!」

戦士父「……」

戦士「使い物にならねーからって……無茶しすぎだろうが!」

グイッ

戦士「この右腕じゃ……投擲はおろか日常だって……」

戦士父「俺の役目は終わったんだ。これでいい」

戦士「あのなぁ……」

同門「……なぁ」

戦士「あんだよ」

同門「このオッサン、お前の親父さんなんだろ?」

戦士「……だから何だよ」

同門「生きてるだけいいじゃねぇか。それに、本人はやる事やったんだ、それでいいじゃねぇか」

戦士「てめぇが何をほざいてんだよ!」

同門「余計な世話かもしれねーけどよ、他人だから分かる事だってあるんじゃねぇか?」
973 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:23:26.28 ID:QT0KVdSOo
戦士「あぁ?」

同門「この人はお前に全てを託したんだろ。じゃあそれを素直に受け取れよ」

戦士「んな事ぁ分かってんだよ! 問題はそのやり方だ!」

同門「あのな、俺は現場に居たから分かるが、この人は……」

戦士父「もういいだろ。今はこんな事、愚痴言ってる場合じゃないんだ」

スクッ

戦士「……親父」

戦士父「戦士、お前はまだ戦わなくちゃならん。行け」

戦士「……?」

戦士父「仲間が待ってるんだろ、早く行け」

戦士「……ちっ」

ガタッ…テクテクテク

戦士「……おう」

召喚士「あ、ごめん……作戦会議だってさ」

戦士「ああ、行こうぜ」
974 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:24:21.24 ID:QT0KVdSOo
バタン…テクテクテク…

戦士父「……」

同門「良かったのか?」

戦士父「悪いな。お前さんにまで余計な事させちまって」

同門「……別に」

戦士父「お前さんも行くといい。役に立ちたいんだろう?」

同門「……」

戦士父「誰も拒んだりはしないさ。その力は本物だ。自分を信じろ」

同門「……あんたはどうする?」

戦士父「どうもしないさ。こんなナリじゃあ何も出来やしない」

同門「……」

戦士父「だが、逃げたりはせん。行く末を見守らせて貰うさ」

同門「……そうか」

戦士父「死ぬなよ」

同門「……死ねねぇよ」
975 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:24:59.54 ID:QT0KVdSOo
〜会議室〜

ザワザワザワ

南方参謀「それじゃ、始めるわよぉ」

南方副司令「各々、資料を手にしたら好きな席に座ってくれ」

南方参謀「総司令が負傷した為、私達が臨時で議長を務めるわ。意義のある者は……」

騎士団長「構わぬ。進めてくれ」

南方参謀「……それじゃはじめるわね。えぇとまず――」

コンコン

南方兵「失礼致します!」

南方参謀「もう何よ!」

南方兵「大軍師様ご一行、ご到着です!」

ザワッ!!

南方魔道長「来たか……」

カツカツカツカツ

大軍師「お待たせ致しました。ふふふっ」
976 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:25:37.69 ID:QT0KVdSOo
南方副司令「遅かったな、待っていたぞ」

大軍師「すみません、なかなか魔王軍もやりますので」

魔道士「マジシャンさん!?」

戦士「それに……オッサンまで!!」

マジシャン「ハッハ! 遅くなったな」

バーテン「よぉ、元気そうだな。懐かしい顔もちらほらとまぁ……」

南方司令「特遊の初代隊長!? いや、まさかあなたまで出張ってくるとはな……っ!」

西方参謀「ウチの大将は生きてっかい? ヒック」

西方副司令「ここにいるわよ。まぁ、相変わらずだけど」

西方司令「ひ、ひいいぃぃ!! 参謀!!」

西方参謀「……何で俺が恐れられてるんだよ」

テクテクテク

双子姉「こんばんは」
双子妹「皆さんっ!」

召喚士「双子姉妹さん!? お2人まで……」

双子姉妹「一緒に頑張りましょうねっ!!」
977 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:34:00.42 ID:QT0KVdSOo


大軍師「それでは始めましょう。まずはここまでの経緯ですが……」

南方参謀「えっと、まずは赤壁の状況からお願い」

西方参謀「赤壁はこちらの大軍師様が秘計を以って、敵の前線を壊滅させた」

騎士団長「おぉ……っ!」

大軍師「おそらく魔王軍の先鋒10万程度だと思われます」

南方弓長「ああ、ここを東に抜けて行った部隊ね」

大軍師「そこでまず10万を二手に分断する事に成功致しました」

西方副司令「凄いじゃない! どうやったの!?」

大軍師「我らがやったわけではありません。南東国の援軍のお陰です」

南方参謀「ええ。そこまでは聞いているわ。それで?」

大軍師「分断された前衛は、完全に退路を絶たれ、北上しておりました」

召喚士「赤壁にぶつかりますね」

大軍師「そうです。朱雀先生も馴染み深いでしょう? あの渓谷です」

盗賊「……」
978 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:34:42.55 ID:QT0KVdSOo
大軍師「そこで5万の魔王軍をほぼ壊滅させるに至りました」

戦士「すげぇな……」

大軍師「西方司令部からの増援が間に合いましたので、兵力でも劣らず済みましたから」

南方副司令「成程な」

大軍師「そして右大臣殿の指揮において、背後からの奇襲に成功し、後は言わずもがなです」

西方参謀「鮮やかな手並みだったぜ……ヒック」

大軍師「今は約5万の兵が赤壁に結集しており、明日には南下を始めるでしょう」

騎士団長「背後の備えは抜かりなし……か」

南方参謀「それじゃあ次は、西側の戦場ね」

青年兵「はい。西側にもおよそ10万程度と思われる魔王軍が北上しておりました」

大軍師「狙いは南方司令部ですか」

青年兵「だと思われます。そして軍団長は……アンラ・マンユの残党です」

ザワッ

占い師「アンラ・マンユって……火山の……!?」

バーテン「あん時の逃がした奴か」
979 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:35:19.13 ID:QT0KVdSOo
青龍士官「人型が1体と、ドラゴンタイプのものが1体です」

戦士「人型のはサルワってヤローだ。パワータイプでかなり手強い」

召喚士「ドラゴンのはアンラ・マンユが消滅する前に現れた奴だと思います」

大軍師「特徴は分かりますか?」

召喚士「飛行タイプだと言う事以外は……交戦もしていないので」

大軍師「成程、分かりました」

南方参謀「それで、戦果は?」

青年兵「ラクシャーサの大群は、司令部からの援軍との連携で迎え撃ちました」

騎士団長「うむ。どれ程の数を倒したか把握は出来ていないが、上々だと思う」

西方魔道長「そうさね、敵もうまく連携が取れてないみたいで浮き足立ってたねぇ」

南方副司令「……そうか。それで、敵は退いたんだな?」

青年兵「はい。突如、魔王が現れて……」

ザワザワッ

西方参謀「魔王……!?」

大軍師「まさかラーヴァナが?」
980 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:35:56.81 ID:QT0KVdSOo
召喚士「はい。名乗りはしませんでしたが、あれは間違いありません」

戦士「ああ。アンラ・マンユクラスかそれ以上の威圧だった」

大軍師「大人しく退いたのですか?」

魔道士「は、はいっ! 他の魔物にも退くように命令して、消えていきました」

南方参謀「……」

大軍師「東の町ではどうです?」

南方参謀「実は、ここにも魔王が現れたのよ」

マジシャン「ラーヴァナはどういうつもりなんだ?」

南方副司令「まずここには主力と思われる魔王軍が進軍してきた」

南方魔道士長「昨日よりも数が多かったように思えたな」

大軍師「おそらくは我々が討った部隊の半分が合流したのでしょう」

南方副司令「最前線に総司令と南方司令、西方司令があたった」

南方司令「うむ。アスラはそこまで危ない敵ではない印象を受けたな」

大軍師「やはりそうですか」

戦士「どういう事だ?」
981 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:36:43.37 ID:QT0KVdSOo
大軍師「龍脈ですよ。あれを絶った事で魔物も魔力が半永久的ではなくなったという事です」

南方司令「道理で、それ程絶対的な強さを感じなかったのはそういう事だったのか」

大軍師「じわじわですが活きてきていますよ、今までの計画がね」

南方参謀「他の雑魚は町で足止めて、兵器を中心に迎撃したわ」

南方副司令「戦果は南側の惨状を見て貰えりゃ分かるはずだ。十分に蹴散らした」

大軍師「それで、ラーヴァナが現れたというのは?」

南方司令「我らがアスラと交戦している時だった。突如、魔王が現れ……」

西方司令「総司令が……ひええぇぇぇぇ!!」

南方司令「何かが光ったと思った瞬間、司令はその場から消えてきた」

南方参謀「……えっ? ちょっと待ってよ」

南方弓長「まさか、一撃でここの城壁まで吹き飛ばしたって言うの!?」

南方魔道長「そんなわけあるか。仮にそうだとしたら、死んでるぞ!?」

ザワザワ

大軍師「……しかし、見間違いだとは思えませんねぇ」

南方司令「……っ」
982 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:39:24.42 ID:QT0KVdSOo
大軍師「分かりました。あとは東側ですか」

西方参謀「東? あぁ、スグリーヴァさんのとこかい……ヒック」

大軍師「何か連絡は?」

南方参謀「まだ何もないわ。まぁ、無事だとは思うけれど」

南方副司令「こちらからは南東国の援軍にワーカーを付けて援軍に派遣した」

南方魔道長「何かあれば一報あるはずだがな」

大軍師「おそらく、あちらにも同等数の隊が進軍しているはずです」

南方副司令「兵力はあるし篭城戦だ。よほどの事がなければ持つと思うが」

大軍師「同感です。今夜いっぱい様子を見て、伝令がなければ此方から動きましょう」

南方副司令「了解した」

南方参謀「ここまでの状況は理解して貰えたかしら?」

バーテン「ああ。まぁいいとも悪いとも言い切れねぇわな」

同門「……」

大軍師「ではいよいよ、明日の立案に入りましょう」

南方参謀「それじゃみんな、地図に注目して」
983 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:40:11.94 ID:QT0KVdSOo
バサッ…トン

大軍師「ここまでで言える事はまず1つ。ラーヴァナは他の魔王と一線を画しているという事です」

盗賊「……どういう意味だ?」

大軍師「通例、魔物は個々の強さを誇示し、行動致します」

西方副司令「確かにそうね。強い者が上に立ち、絶対君主として成り立っている」

大軍師「はい。そこのところはまぁ変わりませんが、問題は軍の進め方です」

青年兵「進め方……確かに、今までの魔物とは行動パターンが違いますね」

大軍師「まず大軍を率いるという事だ在り得ない事なのです。今までであれば」

南方弓長「言われてみれば、聞いた事ないわね」

大軍師「そしてそれをさも盤上の駒の如く、理詰めで進めていく」

騎士団長「まるで人間の軍略のようだな……」

大軍師「その通りです。ラーヴァナは軍略を覚えた、と言う事です」

マジシャン「それが何だってんだ?」

大軍師「軍略を用いられれば、策での優位がこちらには無くなる、という事ですよ」

青年兵「なるほど……っ」
984 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:40:49.26 ID:QT0KVdSOo
大軍師「ところが、これがどういうわけか、魔王軍はうまく機能していないように思えます」

南方副司令「それは俺も感じたな。無意味な行動が多すぎる」

大軍師「結論から言えば、結局真似事止まりで、何ら意味を為していないのです」

南方魔道長「見かけだけって事か?」

大軍師「はい。理由は幾つか考えられますが、一番大きいものは……」

青年兵「軍団長……っ」

大軍師「ご名答です。軍団長の行動がバラバラなのです」

戦士「つまりどういう事なんだ?」

大軍師「一言で言えば、指揮官に指揮能力がないのです」

南方参謀「成程……っ、確かに合点がいくわね」

大軍師「まずアスラについては、これまではラーヴァナを護る事だけに重点を置いていました」

南方司令「ラーヴァナに害為す者を葬る。魔王直属の行動だな」

召喚士「アンラ・マンユの眷属もそうでしたね」

大軍師「だからこそ独自に兵の指揮を執った事などない。つまり臨機応変に動けないのです」

西方参謀「指揮経験のない指揮官か。そりゃ下も浮き足立つわな……ヒック」
985 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:41:24.86 ID:QT0KVdSOo
大軍師「サルワにおいてはラーヴァナ直属ではありません」

盗賊「……奴の目的は、おそらく復讐だ」

大軍師「そうでしょうね。アンラ・マンユの仇を討つ為にラーヴァナに助力を求めた」

南方魔道長「そりゃ機能もするわけないわなぁ」

大軍師「東にはおそらくヴァーリン、スグリーヴァ殿の宿敵があたっている事でしょう」

バーテン「そいつも一緒だな。結局はラーヴァナの兵なんぞどうでもいいんだ」

大軍師「だからこそ大軍を率いていても、全く機能していないのです」

戦士「そういう事か」

大軍師「しかしここからが厄介な話です」

魔道士「……?」

大軍師「魔王ラーヴァナは逆に、予想以上に切れ者だと言う事です」

マジシャン「そうなのか?」

大軍師「はい。今日の戦いぶりについても、見事に手際良く、兵が退いています」

南方参謀「確かに……! 随分と潔く退いて行ったわ」

大軍師「ラーヴァナだけは軍略を理解し始めております。これが厄介な話なのです」
986 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:41:56.18 ID:QT0KVdSOo
青龍士官「……」

大軍師「ここからは憶測ですが、もしラーヴァナが直接指揮を執り始めるとすれば……」

南方司令「すれば?」

大軍師「長期戦になる恐れがあります」

ザワッ

騎士団長「最も望んでおらぬ展開だな」

大軍師「はい。戦力はおそらく互角。膠着状態になる事は目に見えております」

南方参謀「在り得ない話じゃないわね……」

西方参謀「そんで、どうすんだ?」

大軍師「長期戦であれば最終的にこちらが勝てるのは間違いありません」

西方副司令「でも、時間はかけていられない……」

大軍師「必然的に、短気決戦に持ち込むしかないでしょう」

西方参謀「嫌になるねぇ……今までと全く逆の立場じゃねぇか……ヒック」

大軍師「数奇なものですね。よもやこのような展開になるとは予想外でしたよ……ふふふっ」

召喚士「……」
987 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:42:33.66 ID:QT0KVdSOo
南方司令「それで、明日はどうする?」

大軍師「まず、魔王軍の行動次第だと言う事を前置きしておきます」

同門「……」

大軍師「おそらく明日は、全軍でこの町へ進んで来るでしょう」

ザワザワザワッ

西方魔道長「全軍……!?」

西方司令「もう駄目だあぁ!! 死んだああぁぁぁぁ!!」

大軍師「こちらに個々の強さや兵器による攻撃も見せ付けました。だからこそ敵は……」

青年兵「包囲網!!」

大軍師「はい。時間をかけてこちらの戦力を削ってくるはずです」

南方副司令「手間だな。正面からあたっても破れる数とは思えんしなぁ」

大軍師「でしょうね。ですから、何としても短期決戦に持ち込む必要があります」

戦士「どうやってだ?」

大軍師「今夜のうちに、討伐隊を組み、ラーヴァナの城を目指します」

ザワザワッ
988 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:43:06.90 ID:QT0KVdSOo
南方弓長「魔王を直接……狙うっていうの!?」

大軍師「そうです。一番大切な事は、ラーヴァナ軍はラーヴァナを中心に機能しているという事」

青龍士官「つまり、ラーヴァナを討てば……」

大軍師「あとは烏合の衆。恐れる足らずですよ」

召喚士「でも、どうやって……魔王を倒すんですか?」

大軍師「……今回の戦いは予め、司令が作戦を練っておりました」

召喚士「……?」

大軍師「その為に貴方をお呼びしたのです……バーテン殿」

ザワッ

バーテン「……弓、か」

大軍師「はい。弓による遠距離五行攻撃で、ラーヴァナを殲滅致します」

戦士「無茶だろ! アンラ・マンユの時を忘れたのか!?」

大軍師「あの時は確か、ゾディアックに五行を付加するものでしたよね?」

魔道士「ええ……。最後は何とかいけましたけど……結構厳しかったですよね」

大軍師「ゾディアックという媒介は非常に強力なものです。しかし一点集中型」
989 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:43:37.31 ID:QT0KVdSOo
西方参謀「そこを警戒されると、直撃は難しいわな」

南方副司令「それに魔力を狙い打つ難しさもある」

大軍師「そこで今回は、一行ずつそれぞれの矢を放つ作戦です」

ザワッ

南方魔道長「……何……だとぉ!?」

大軍師「方法はこうです。まず5人の射手と魔道士を一対として……」

西方参謀「待て待て待て、5人も射手がいるのかよ!?」

大軍師「司令はいけると仰ってましたよ。ねぇ?」

占い師「確かに予言では……そうだったけれど……」

召喚士「バーテンさん以外に4人……っ」

南方参謀「1人はアンタね」

南方弓長「私っ!?」

南方参謀「以外にいないでしょ」

南方弓長「私に……出来るかなぁ」

南方副司令「仮にも南方司令部の弓長なんだ。出来ないわけがなかろう。自分を信じろ」
990 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:44:05.58 ID:QT0KVdSOo
南方弓長「……うーん」

マジシャン「あとは誰だ……?」

魔道士「……あーっ!!」

盗賊「……?」

魔道士「弓使いさん……っ!!」

戦士「そうだよ! いるじゃねぇか……って、弓使いさんどこにいんだよ……」

南方副司令「弓使いってのはワーカーか? それならスグリーヴァの救援に派遣されてるはずだ」

西方参謀「南東国の連中と一緒か」

盗賊「……なぁ、南東国にもいなかったか? 弓の達人が……」

戦士「いたっ!! 五虎将軍って連中のあのジーサン!!」

青年兵「これで……4人揃った……っ」

大軍師「あと1人ですね」

バーテン「……お前でいいんじゃないか?」

戦士「……は?」

バーテン「いや、お前だよ」
991 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:44:34.85 ID:QT0KVdSOo
戦士「はああぁぁ!?」

召喚士「確かに、戦士も弓の腕前はかなりのものだよね」

魔道士「そうですよ!」

戦士「アホか、専門家じゃあるまいし無理言うなっての」

バーテン「いや、お前には2つの顔がある」

戦士「……?」

バーテン「1つは一番槍、戦士父の息子」

戦士「……オ、オッサン?」

バーテン「もう1つはお前の母、弓兄妹の……戦士母の息子だ」

戦士「……」

バーテン「お前には元来、弓の才能がある。それは間違いねぇんだよ」

戦士「……んなもん、ただ親だってだけだろ! そんなんで才能が決まってたまるかよ!」

同門「……また、逃げんのか」

戦士「あぁ!?」

同門「結局のところ、自身がなくて逃げてるだけだろお前は」
992 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:45:05.34 ID:QT0KVdSOo
ガタッ…ガシィ

戦士「てめぇ……もういっぺん言ってみろ!」

同門「何度でも言ってやるさこのチキンヤローが」

戦士「何だとこらぁ!!」

南方副司令「おいおい、揉めてる場合か! 着席しろ!」

戦士「……っ」

バーテン「戦士、何も弓矢を扱えと言っているわけじゃない。投擲でもいいんだ」

戦士「……ゾディアック、使えってのかよ」

バーテン「そっちの方が慣れてんだろ。だが、矢をような照準が必要になるのは間違いない」

戦士「……」

バーテン「父に投擲の達人、母に弓矢の達人。これ程適した奴はお前以外にはいないんだ」

戦士「……」

召喚士「戦士……」

盗賊「……お前なら……出来るよ、戦士」

戦士「……分かったよ、やりゃいいんだろ! やってやるよ!」
993 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:45:36.40 ID:QT0KVdSOo
騎士団長「これで射手は5人揃ったわけだ」

南方副司令「スグリーヴァ隊が無事ならだけどな」

西方参謀「だから大丈夫だっつーの……ヒック」

南方参謀「お次は付加する魔道士ね」

南方副司令「魔法使える奴なら心配いらんだろ」

大軍師「いや、一概にそうとは言い切れませんよ」

西方副司令「そうなの?」

大軍師「何より1人で賄うのです。相当量の魔力がないと話になりません」

マジシャン「それにタイミングを合わせた付加となると、射手との連携も重要だな」

南方参謀「そっか……それなりに気心知れた仲じゃないと難しいかしらね」

マジシャン「俺クラスになれば話は別だがな……ハッハ!」

バーテン「言うじゃねぇか、病み上がり」

マジシャン「あぁん!?」

南方弓長「じゃあ私の付加は、南方魔道長で決まりね」

南方魔道長「俺か? まぁ構わんが……足りるかな」
994 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:46:04.73 ID:QT0KVdSOo
大軍師「不安であれば2人でも構いませんよ。そのくらいなら運べると思いますから」

召喚士「……?」

西方副司令「それなら西方魔道長が行ったら?」

西方魔道長「あたしゃそんなのやだよ、危なっかしいったらありゃしない」

南方副司令「あのなバーサン、国の大事なんだぞ?」

西方魔道長「そうやって老人を誑かす、周到な詐欺の手口だねぇ」

南方副司令「このババァはほんとに……」

魔道士「それなら、私は戦士さんの付加が出来そうですね!」

召喚士「そうですね、2人なら大丈夫でしょう」

バーテン「俺んとこは……」

双子姉妹「私達の出番ですわね……ふふふっ」

バーテン「……だとさ」

大軍師「あとは弓使い殿と弓将軍殿ですか……」

魔道士「あっ、弓使いさんなら幼女ちゃんがいますよ!」

召喚士「そうですよ! 幼女ちゃんなら……1人で……出来るかなぁ」
995 : ◆1otsuV0WFc[sage saga]:2011/09/12(月) 18:46:33.80 ID:QT0KVdSOo
戦士「不安ならあの女に行ってもらえばいいんじゃないか?」

盗賊「……あの女?」

戦士「ほら、弓使いさん達と仲のいい……さっき救護室にいた……」

魔道士「女賢者さん!!」

召喚士「女賢者さんなら回復も出来るし、何かあった時の備えにもなるね!」

大軍師「残るは1人、南東国の弓将軍殿ですね」

戦士「白馬騎士さん……じゃあ火力に欠けるか?」

南方副司令「しかし南東国と縁のある者などおらぬぞ」

バーテン「おーそれなら出番ですな先生」

マジシャン「……は?」

バーテン「まさかさっき言った事忘れたとは言わせねーぞ? お前クラスなら出来んだろ?」

マジシャン「!?」

大軍師「決まりましたね。これならばうまくやれそうです」

マジシャン「ちくしょう……口は災いの元ってか……」

占い師「自業自得よ」
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/09/12(月) 18:55:20.28 ID:QT0KVdSOo
次スレです!危なかった…
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1315821180/

それでは本日ここまでにて!ご支援ありがとうでした!
次スレもまたよろしくです!それでは失礼致します!ノシ
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/12(月) 18:56:32.31 ID:AAsUEoAIO
さすがドS!>>1乙!
リアルタイム遭遇で久しぶりの支援書き。VIPからずっと読んでいて、ハネムーン先云々支援してた者です。>>725とは別人です。

いつもスレ読んで力を貰っています。
10月末に第一子誕生で名前に青龍先生から龍の字をいただきました♪
>>1かわいくてLoveです。いつもありがとう!!!
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/09/12(月) 19:00:02.78 ID:YqPQlj+Jo
うめうめ
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/12(月) 19:04:51.62 ID:p/JvJzUr0
ついにこのスレも埋まるか
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/09/12(月) 19:08:46.46 ID:YqPQlj+Jo
華麗にせんげっと
1001 :1001Over 1000 Thread
      (ヽ、 _ヽ、  )\     ヽヽ
     _ヽ、     ⌒  ヽ、     \\
     \ ̄     __    )ノ     ヽヽ
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   /   //(/ !_|_|       ヽ三ヽ
   レヘ  |j(/l_/    |ノヽ      |──)  
    ノ (/l_/  /⌒| | | |  !   |二 二ヽ
  /   |_/__| |  | -| | ノノ    ノ── 、)
  /    `───| | ノ -| |   |/(())   ヽ  
 /⌒) ∧    ヽ/_//  /j()ノ_   (()) i
    // ノ     |_// / ̄ ̄`\ (())  j
      (ヘ       ̄   |   ヽ   \   /
       )/(/) / ⌒ |⌒ヽ |\  /i\ /|   )ヽ
            |/      |    !  / | ノ |  ( (
     )ヽ           |  /  /  ( ((|   ) ヽ
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(    )   )    )ヽ  ヽ_ノ |  |   ヽ   ノ     )
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  .ト、.  /ヽ |\  /ヽ  /”゙ォv' .// // /
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\      ,illllli,,,,,,,,, lllll llll               /
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  >   ゙゙゙゙' .,illlll゙    lllll|  llllllllll!!!!!  llll !ll! iiii,, <_.
/_   .,illlll'   ,,,,,,,llllll,,,,,,,,,,      ,,,iillll!!゙   >
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   ( ⌒ )
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   .__⊥_    <こんなおわらせかたじゃあ、
  (____)     あとがこまるじゃないか!
  |_ノ_ヽ  ヽ
  | 3 | ◎| ̄ ̄6)  なんというむせきにんなわしだ!!
  ( ̄○丶   .|
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優良出会い系サイト教えてください。 @ 2011/09/12(月) 18:04:08.21 ID:lRvPllvDO
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届きそうな答えを疑いながら 遠すぎて見えない未来を信じてみる @ 2011/09/12(月) 17:45:47.93 ID:f5IhZwigo
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俺の人生信じてくれるか? @ 2011/09/12(月) 17:21:32.65 ID:K3w1psVko
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