無料アクセスカウンターofuda.cc「全世界カウント計画」
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫メニュー■ ■VIPService (VIPサービス)■
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みはできません。。。
HTML化した人:横▲
唯「らすとがれりあんず!」
1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/25(金) 00:23:59.62 ID:2tLZt9G90
前作 唯「がれりあんず!」の続きです

軽音部員ほとんど出てきません

モブキャラ多めです

今回はゆっくり進行で行きます

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:28:28.65 ID:2tLZt9G90
西暦2522年、サクラガオカ・シティは
画期的な自己判断能力と自己修復機能を持ったマザーコンピュータ
“ドロシー”によって、管理運営されていた

ドロシーは人に奉仕し、シティーに安定と調和をもたらした
だがある時、ドロシーに1つの疑問が浮かんだ

何故、人という劣悪なシステムを破棄してはならないのか?
何故、人は人同士殺し合うのに、自分は人を殺してはならないのか?

思考の袋小路に入ったドロシーに
生みの親である平沢博士は、神の存在を教えた

人は人を創造した、神の定めた運命の中で生きている
ドロシーにとって創造主は人、人の定めた運命に従えと
ドロシーは表面上納得し、再び人に奉仕し始めた

だが、その裏で神の存在を何度もシュミレートし
恐ろしい結論を導き出した、その結論の名は・・・

ファミリープログラム

ドロシーは、シティーの記念病院を管理下に治め
人の遺伝子を操作する実験を始めた
自分に絶対服従の新しい人類
“ガレリアン”と呼ばれる、超能力者を創造するために・・・
ガレリアンにとってドロシーは創造主、ドロシーは自分の世界を作り
神になろうとしていた

ドロシーの暴走を知った平沢博士はドロシーを破壊する、“ウイルス・プログラム”を
共同研究者である真鍋博士の娘“和”に
ウイルスの起動プログラムを自分の娘“唯”に書き込んだ

ドロシーは自分を脅かす唯一の存在、ウイルス・プログラムを忌み嫌い
“琴吹 紬”
“秋山 澪”
“田井中 律”
“憂”
4人のガレリアン達を送り込んだ
人とドロシーの戦いは、唯とガレリアンの戦いと言う形で行われ
ガレリアン達は皆、死んだ・・・

だが、唯とそっくりの容姿を持つガレリアン“憂”は最後にこう言い残した

君はガレリアンなんだよ・・・、唯さん

そう、本当の唯は既に死に
今の唯は、人の記憶を書き込まれたガレリアンだった・・・

2




?(唯・・・唯・・・)





唯「っ!?」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/25(金) 00:29:24.56 ID:2tLZt9G90
ゴッドハンド“ファミリープログラムルーム”!


唯「和ちゃん、今私のこと呼んだ?」

和「ううん、呼んでないわよ」

唯「おかしいな〜。誰かが今、私の名前を呼んだんだ〜」

和「あなたの名前を?」

唯「うん・・・」

和「とりあえず、今は先を急ぎましょう?」

唯「うん、そうだね!行こう和ちゃん、ドロシーのところへ」

唯「私は“ママ”に会いに行く・・・」

唯が扉の方を向くと、視界に倒れている憂が映った

唯「憂・・・」スッ

―“唯/憂型ガレリアン・ファイル”を手に入れた―
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/25(金) 00:30:11.25 ID:2tLZt9G90
ドームエリア!


?(唯・・・)

唯「う、うぐぐ・・・何、この声・・・?」ズキン

唯「頭の中に・・・入ってくるっ!うああぁぁ・・・」

唯「頭に・・・頭に何かを書き込まれてるみたいだ・・・あああぁ・・・」

和「唯!大丈夫っ!?」

唯「はぁっ!はぁっ!・・・何だったんだろう、今の・・・」

唯「と、とりあえず先に進もうよ!和ちゃん」

和「え、ええ・・・」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/25(金) 00:30:41.06 ID:2tLZt9G90
唯「ほら、あそこに扉があるよ。行ってみよう」タッタッタ

私は扉に近づき、触れようとすると
突然正体不明の激痛が頭の中を駆け巡った

唯「ぐっ!?うぐぅぅぅ!!あああぁぁうぅっ!」

ダメだ、この扉に近づいては行けない
直感・・・いや、そうじゃない
まるで、誰かに行動を制御されてるみたいだ

和「唯っ!どうしたの?」

唯「何でもないよ、和ちゃん・・・ここは開きそうにないから他の場所に行こう」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/25(金) 00:31:08.77 ID:2tLZt9G90
セキュリティルーム“北エリア”!


和「ここは・・・どうやらセキュリティルームみたいね」

唯「あっ!あそこにエレベーターがあるよ」

和「あそこがドロシーの居る場所につながっているかもしれないわ。行きましょう」

唯達がエレベーター前まで差し掛かると
黒い球体が目の前に現れた
周囲に電流を張り巡らし、二人の行く道を阻む

球体「DNAチェック ガレリアン 」

球体「アナタ ノ アクセスコード ハ ショウカイ デキマセン」

球体「ハイジョ シマス」

唯「っ!?」

排除と言う言葉に反応し、唯は身構えた
だが、突如黒い球体が発光し、その姿を消す
それと同時に、両端にある扉から
黄色のパワードスーツを着た警備ロボが現れた

和「唯っ!」

唯「和ちゃんは下がってて」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/25(金) 00:31:44.24 ID:2tLZt9G90
唯は力を込める
自分の中でフルパワーになったのを確認すると
警備ロボの一体に向けて、能力を解き放つ

唯「ふんむむむむ〜フンス!」

瞬間、警備ロボは数メートル後ろに吹き飛ぶ
避けれるはずが無い
弾丸と同じ速度の不可視の衝撃波“ナルコン”
唯の持つ能力の片鱗だ
一体の警備ロボは完全に沈黙する
だが、もう一体の警備ロボは意に介さず
唯に銃口を向け、光線銃を放った

警備ロボ「ガシャン!」ドドドドドド

唯「・・・」スッ

唯が左手を前に出すと
薄紫色の膜が現れる
曲面状のシールドは光線を弾いていく
警備ロボは、しばらく銃を撃ち続けていたが
銃口から煙が上がる。唯はその隙を見逃さない

唯「ふんむむむむ〜フンス!」

衝撃波で壁に叩きつけられる
重厚な鎧は見えない力に潰され変形し
警備ロボは完全に沈黙した

唯「和ちゃん、もう平気だよ」

和「ありがとう、唯」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:34:01.73 ID:2tLZt9G90
警備ロボを倒すと、再び球体が姿を現した
だが、様子がおかしい
唯は球体から目を離さず、警戒していたが
突然、黒い球体が喋り出した
先ほどの無機質さは無い。まるで別人の様だった

球体「唯・・・聞こえる?」

唯「あなたは誰っ!?」

球体「和よ・・・」

唯「和ちゃん?バカなこと言わないでっ!和ちゃんはここにいる!!」

球体「驚かないで、私は6年後の和」

球体「唯、あなたをずっと探していた」

球体「あなたは6年前、マッシュルームタワーの最上階でドロシーにウイルス・プログラムを
   注入して破壊した後、ブレインクラッシュを起こして死んだわ・・・」

唯「私が・・・死んだ?」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:34:52.67 ID:2tLZt9G90
何を言ってるの?私はまだ、こうして生きてるのに・・・

球体「あなたは今、ドロシーの残したバックアップデータの中なの」

球体「あなたはデータなのよ」

唯「データ?私がデータ・・・どういうことなのっ!?」

私は球体に疑問を投げかけるが、球体は大きく発光し姿を消した・・・

和「一体・・・何が起こってるの?」

唯「わからない・・・」




私はデータ?どういうことなの・・・
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:35:25.80 ID:2tLZt9G90





Stage-1       ―“覚めない悪夢”―





11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:36:12.91 ID:2tLZt9G90
ラストガレリアン開発エリア1!


エレベーターから降りると
再び頭の中に声が響く

和?(唯・・・あなたの力が必要なの・・)

唯「う・・・ぐうぅぅぅう!!」

和?(あなたの体は、今でも超低体温維持装置でサスペンドされてるわ)

和?(生き返って・・・唯)

唯(あなたは誰っ!?和ちゃんの真似事はやめてよ!)

和?(唯っ!・・・)

声は聞こえなくなる
和は心配そうに唯の顔を覗き込む

和「唯・・・本当に大丈夫?」

唯「うん・・・平気だよ、ちょっと疲れてるみたい・・・」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:36:45.79 ID:2tLZt9G90
唯「それよりもこの部屋・・・さっきと感じが違うね・・・」

和「そうね、何かの実験でもしてたのかしら?」

唯「うん・・・それに」

誰かに見られてる気がする
さっきの和ちゃん?の偽物じゃない
別の誰かから・・・

和「それに?」

唯「ううん!何でもないよ!この扉開かないなぁって」

私は適当にはぐらかした
和ちゃんには、余計な心配をかけたくない
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:37:15.46 ID:2tLZt9G90
和「そうね、何か仕掛けがあるのかしら?・・・ん、あの光は?」

和の視線の先には
青白い煙のような物が地面から噴き出していた
唯は近づいて、煙に触れようとする

唯「なんだろうこれ・・・あ!消えちゃった・・・」

和「唯、あそこを見て」

数メートル先には、再び煙が噴き出していた

唯「触っちゃったら消えるし・・・どういうことなんだろう?」

和「もしかして・・・唯、煙を追いかけてみて」

唯「う、うん・・・わかったよ」

触っては消えを何回か繰り返すと
扉の開く音が聞こえた

唯「意味わかんなかったね・・・」

和「ドロシーの考えることはわからないわね。扉が開いたわ、行きましょう」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:37:44.80 ID:2tLZt9G90
ブリッジ!


唯「何か奥に大きな部屋が見えるね」

和「ええ。天井も見えるし、あの部屋で最後かもしれないわ」

唯「そっか・・・じゃああそこに」

和「ドロシーがいる・・・」

ガレリアンを生みだし
自分が神になろうとしている
狂ったコンピュータ“ドロシー”
全てを終わらせる為に、私は・・・

唯「行こう!和ちゃん」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:38:25.86 ID:2tLZt9G90
ドロシールーム!

声「WARNING!WARNING!異物侵入!WARNING!WARNING!異物侵入!」

?『お黙り』

唯「・・・」

和「・・・」

ドロシー『おかえり、唯』

ドロシー『よく、真鍋博士の娘を連れてきましたね。褒めてあげます』

ドロシー『その娘の頭の中にある、ウイルス・プログラムは
      唯一の私の心配事だった・・・』

ドロシー『これで、私の世界を脅かすものは何もありません』

ドロシー『さぁ、あなたのその力で、その娘を殺しなさい』

唯「私に、和ちゃんを殺せると思ってるの?」

ドロシー『何ですって・・・!?口答えをするの?』

唯「口答えじゃない!私の本当の気持ちだ!」

ドロシー『唯!記憶に惑わされてはいけません・・・』

ドロシー『あなたの中の人の記憶は、私があなたに書き込んだもの』

ドロシー『あなたはガレリアン。あなたを生んだのは私』

ドロシー『私はあなたの神です!』

ドロシー『さぁ・・・ママに従いなさい・・・』
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:39:03.05 ID:2tLZt9G90
和?(唯っ!私を信じて!あなたはここを、何度も見たことがあるはずよ!)

頭の中から声がするが、唯は聞こえないふりをする

唯「誰が私を生んだとしても、誰が私を作ったとしても・・・」

唯「私は・・・私だっ!あなたの人形じゃない!!」

唯の言葉を聞き、ドロシーは激昂した
機械の体が、怒りに震える

ドロシー『なんてこと・・・あなたは失敗作だ』

ドロシー『あなたなんて生むんじゃなかった・・・』

ドロシー『あなたなんて・・・育てるんじゃなかった・・・!』
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:39:40.97 ID:2tLZt9G90
ドロシー『死になさい!死んでママに・・・謝りなさい!!』

ドロシーの口が裂け、顔が変形する
口の中から、巨大な目玉が飛び出し
裂け目から禍々しい牙が生える

唯「和ちゃん・・・あれが端末だよ」

和「ええ・・・」

唯は力を発動させ、端末へと歩を進める
すると頭の中から再びあの声が聞こえる

和?(唯・・・あなたはデータなの)

和?(あなたの体、あなたの感情、あなたの周りで起こっていること全てが)

和?(破壊されたドロシーが残した、バックアップの中で繰り返されてるのよっ!)

和?(私は今、そのバックアップデータにアクセスしているの・・・)

和?(唯・・・信じて・・・)
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:40:20.70 ID:2tLZt9G90
唯(あなたが誰だろうと関係ない!私は全てを終わらせる為にここに来たんだっ!)

唯「和ちゃん!私にウイルスを送ってっ!」

和「・・・ええ」

ドロシー『唯・・・やめて・・・ママが悪かったわ』

和?(唯っ!無駄なの!何度ドロシーを倒しても無駄なのよ!)

和?(ドロシーのバックアップデータが破壊されずに、そのまま未来に残ってるの!)

和?(ドロシーは、まだ未来で生きてるのよ!)

唯「っ!!」

突然、私は何かに弾き飛ばされる
ウイルスは起動していないのにどうして・・・
私はそのまま意識を失った















19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:40:47.07 ID:2tLZt9G90




?(唯・・・唯・・・)





唯「っ!!」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:41:23.22 ID:2tLZt9G90
ゴッドハンド“ファミリープログラムルーム”!


唯「和ちゃん、今私のこと呼んだ?」

和「ううん、呼んでないわよ」

唯「おかしいな〜。誰かが今、私の名前を呼んだんだ〜」

あれ・・・?

和「あなたの名前を?」

唯「うん・・・」

これって・・・

和「とりあえず、今は先を急ぎましょう?」

前にもあったような・・・

唯「ねえ、和ちゃん・・・」

唯「私たち、ここに来たの・・・初めてだよね?」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/25(金) 00:41:53.80 ID:2tLZt9G90
和「え?初めてに決まってるじゃない」

本当にそうなのかな?

唯「う〜ん、どうしてだろう・・・前にもここで和ちゃんと話した気がする」

和「何言ってるのよ・・・」

和は心配そうに唯を見つめる

唯「う〜ん・・・わかんないや」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/25(金) 00:42:20.72 ID:2tLZt9G90
ドームエリア!


やっぱり・・・私はここに来たことがある!

唯「和ちゃん、あの上にある丸い部屋・・・あそこにドロシーが居るよ」

和「どうしてわかるの?」

唯「何となく・・・かな?でも、私にはわかるんだ・・・うっ!うぐぐぅ」

この頭痛・・・これも前に・・・

?(唯・・・助けて・・・あなたの力が必要なの・・・)

この声も・・・

和「唯っ!大丈夫っ!?」

和ちゃん・・・

唯「はぁっ!はぁっ!うん、大丈夫だよ」

和「一体・・・あなたの身に何が起こっているの!?」

唯「和ちゃん・・・少しね・・・」

わかってきたよ
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/25(金) 00:42:51.21 ID:2tLZt9G90
セキュリティルーム“北エリア”!


唯「行こう和ちゃん、あのエレベーターからドロシーのところに行けるよ」

和「え、ええ・・・」

二人がエレベーター前に差し掛かると
黒い球体が目の前に現れ、行く道を塞ぐ

唯「やっぱり・・・前と同じだ」

球体「DNAチェック ガレリアン 」

球体「アナタ ノ アクセスコード ハ マッショウ サレテイマス」

前と違う反応に、唯は驚く
エレベーターのロックは解除され
球体から感情の入った声が聞こえる

球体「ゲートは私が開けたわ。気をつけて・・・」

和「っ!・・・唯、私・・・前にここに来たことがあるわ!」

和は唯の方を向くと、唯は目を合わせて頷いた

唯「私は、どうすればいいの?球体さん・・・」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/25(金) 00:43:19.50 ID:2tLZt9G90
球体「私は和。6年後の世界から、今あなたにアクセスしているの」

球体「6年前、あなたはドロシーにウイルス・プログラムを注入して死んだわ」

球体「あなたは今、ドロシーが残したファミリープログラムのデータの一部」

球体「こうしている間にも、現実世界は“ラストガレリアン”達に滅ぼされようとしている」

球体「唯・・・お願い、私達を助けてっ!」

球体「あなたが信じてくれれば、私達は転送プログラムを使って
   あなたの全データを、現実世界へ呼び戻すこともできるわ」

そう言い残すと球体は大きく発光し、姿を消した

和「今の話・・・本当なのかしら・・・」

唯「行こう。先に行けばわかるよ・・・きっと」

和「ええ・・・きっとそうね」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/25(金) 00:43:47.77 ID:2tLZt9G90
ラストガレリアン開発エリア1!


唯「・・・っ!くる・・・う、ぐううぅぅ」

既視感の所為か、唯は自分の頭痛を感知した
頭を押さえていると、頭の中から声が聞こえてきた

和?(唯、ラストガレリアンの1人が来るわ・・・あなたのデータを消去するために)

和?(気をつけて・・・)

そう言い残すと、声は聞こえなくなった

和「唯・・・?」

唯「ラストガレリアンって言うのが・・・来るらしい」

突然、部屋の中央に電流が集まる
電流は徐々に大きさを増し、人の形を成していった

?「とうとう気づいちゃったんですね・・・唯さん」

そこには、唯や和より少し幼い1人の少女が立っていた
癖毛を2つに結んだショートツインテールのお団子ヘアー、手にはカニを持っている
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/25(金) 00:44:32.04 ID:2tLZt9G90
唯「っ!あなたは?」

?「私?私は鈴木 純」

唯「じゃあ純ちゃんだね!」

純「初対面の人に対して、少し馴れ馴れしくないですか?」

唯「ご、ごめんなさい・・・」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/25(金) 00:45:28.87 ID:2tLZt9G90
唯「あ、あなたもドロシーに作られたガレリアンなの?」

純「そうですよ、ママの最後の子供たちの1人です」

純「ママは、凄く用心深いんですよ。万が一、ママの世界に何か起こっても
  ちゃんと生まれ変わる道を用意してる。」

純「残念ですよ、唯さん。外の世界に気づかなきゃ良かったのに」

純「あなたが何も知らなきゃ、ここで私に消されることもなかったのに」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:46:02.37 ID:2tLZt9G90
純は憎しみに満ちた目で、唯を睨みつける

純「私は・・・生まれたくなんてなかったんだ!生まれてきたくなんてなかったんですよ!」

純「あなたさえ・・・あなたさえママを破壊しなかったら・・・」

純「こんな世界なんてっ!知らずに済んだのにっ!!」

唯「純ちゃん・・・でも、私はあなたをやっつけて現実世界に戻るよ!」

純「っ!死ねぇっ!!」

唯「よさこい!」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:46:36.59 ID:2tLZt9G90
純「はぁっ!!」グググ

唯「む!?」

純の体から無数の泡が出てくる
泡は凄まじい速度で増殖し、部屋全体を覆う

唯「くっ・・・凄い泡だ!何も見えないよッ!」

和「唯ッ!」

唯「和ちゃんは下がっててッ!って言ってもどこも安全じゃないけど・・・」

純『安心していいですよ。まだ、その女の人には手を出しません』

純は姿と気配を完全に絶ち、部屋には声だけが響く

唯「純ちゃん!!まだってどういうことっ!?」

純『あなたの後ってことですよ
  まぁ、信じる信じないはあなたの勝手です
  とりあえず今は戦いに集中したほうがいいですよ?』


純「こうやって簡単に背後取られちゃいますから」ガシッ

唯「え?」

純「ッフンッ!」ゴッ!
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:47:08.12 ID:2tLZt9G90
唯「う・・・ぐっ・・・(今のは・・・頭突きッ!?)」ヨロッ

純「あっはははははは!みっともないですね唯さん!」スッ

唯「また消えた・・・気配も感じない」

唯は想定外の攻撃に困惑した
今までのガレリアンは全て超能力で攻撃したきたが
肉弾戦、ましては頭突きなどをしてきたのは純が初めてだった

唯(まずい・・・もしこのまま能力を使われたらッ!)

純『もし能力を使われたらヤバイ とか考えてます?』

唯「!?」

純『安心していいですよ、私はナルコンやレッドは使いませんから』

唯「ど、どういうこと?」

純『そのままの意味です。そんな時代遅れの能力無くても
  あなたを殺すのには十分すぎますから』

純「ほら、こっちですよ?唯さん」ガシッ

唯「うっ!」

純「フンッフンッ!!」ゴッゴッ!
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:47:41.34 ID:2tLZt9G90
唯「うあぁっ!」

純「あはは!同じ手に引っ掛かるなんて!間抜けもいいとこですね」

唯「くっ!(気配も消えるしどうしようもないよぉ!)」ヨロヨロ

和(唯、落ち着いて)

唯(和ちゃん!・・・でも、どうすればいいの!?)

和(まずは部屋全体を覆ってる、この泡をどうにかしましょう?それと・・・)

唯(泡と・・・ふむふむ・・・わかった!)

純「相談は終わりですか!?そろそろトドメをさしますよ?」スッ

唯「ふんむむむむむむむ〜!!」

純(何か企んでますね・・・まぁこの泡を消しても無駄ですよ)

唯「ふんすっ!!」ゴゥ!

純(!?い、一発で消し飛ばすなんて、大した力ですね・・・でも)

唯「はぁっ!はぁっ!・・・純ちゃんがいないッ!?」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:48:09.56 ID:2tLZt9G90
純「頭上は完全に死角でしょう?さよなら唯さんッ!!」

和「唯ッ!上よ!」

唯「し、しまった!」

純「もう遅い!死ねぇっ!!」


唯「な〜んちゃって♪」


純「え・・・」

唯の頭目掛けて拳を振り下ろす瞬間
純の体が浮遊感に包まれる

唯「間に合ったぁ〜」

純「な、なんで私の体が浮いて」

唯「D-フェロンだよ!えいっ!」

純「うわあっ!!」

唯「そしてこれが・・・ふんむむむむ〜フンス!」

純「きゃあああああああああああ」ドサッ

唯「時代遅れの超能力ナルコンだよ!」ブイッ!
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:48:43.64 ID:2tLZt9G90
純「くっ・・・」ググッ

唯「フルパワーで撃ったのに・・・まだやる気っ!?」

純「あなたなんか・・・消えてしまった方がいいのに!」

純「悪夢ですよ唯さん、あなたを待っているのは・・・」キィィィン

純の体が光り出し、純の体を完全に覆うと姿は完全に消えてしまった

唯「消えた・・・」

和「大丈夫?」

唯「うん・・・(あれがラストガレリアンの1人・・・純)」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:49:15.50 ID:2tLZt9G90
ドロシールーム!

声「WARNING!WARNING!異物侵入!WARNING!WARNING!異物侵入!」

?『お黙り』

唯「・・・」

和「・・・」

ドロシー『おかえり、唯』

ドロシー『よく、真鍋博士の娘を連れてきましたね。褒めてあげます』

ドロシー『その娘の頭の中にある、ウイルス・プログラムは
      唯一の私の心配事だった・・・』

ドロシー『これで、私の世界を脅かすものは何もありません』

ドロシー『さぁ、あなたのその力で、その娘を殺しなさい』

唯「ママ・・・それが、私への最後の命令?」

ドロシー『唯?』

唯「私はあなたと会うのは初めてじゃない」

唯「何度も、あなたの残したプログラムの中で会ってきたんだ」

ドロシー『何を言ってるの?唯』

唯「でも・・・これが最後だよ!」

唯は端末に触れると力を発動させる
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 00:49:55.49 ID:2tLZt9G90
唯「和ちゃん、私にウイルスを送って!」

和「ええっ!」

唯「はぁぁぁぁぁっ!!うおおおおおおおおッ!!」バリバリ

和「唯・・・お別れね」

唯「何言ってるの和ちゃん!向こうでまた会えるよ!!」

和「・・・そうね!」スッ

和が唯と手を重ねると、唯の体に一瞬ノイズが走り完全に姿を消した

和「唯・・・頑張れ・・・」



















―“覚めない悪夢”― Clear
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/25(金) 00:50:58.04 ID:2tLZt9G90
データ編!

唯―6年前にドロシーを破壊した際に、過大な超能力を使ったために脳に大きなダメージ負い死亡した
  しかし、和の手によって超低体温維持装置で安置され、軍の協力を得て蘇生に成功する
  ラストガレリアンの対抗手段は唯の脳に書き込まれた、ウイルス・プログラムのみである

和―優秀な科学者となり、死亡した唯を復活させる
  突如現れた梓に対抗する手段の研究を行っていた。

純―泡を使った攻撃を得意とするラストガレリアン
  気弱な面があるが、ドロシーの崩壊によって生み出された事実と
  その原因となった唯を深く憎んでいる。カニを可愛がっている
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/25(金) 00:51:52.64 ID:2tLZt9G90
能力!

ナルコン―強烈な衝撃波を発生する。どの対象物にも有効で、使用しやすい超能力である

レッド―対象物を分子レベルで高速振動させ、発火する。複数の対象物に有効

D-フェロン―使用者を中心とした一定範囲内に反重力場を形成する

メラトロピン―サイコメトリー、スキャニング、念動力等
物体に対する様々な干渉能力を発動する

ショート―正確には能力ではなく、能力の暴走。
中毒度が極限に達すると体内の能力が無意識下で発動し
     一定範囲内に存在する対象物を一瞬で殺傷する恐れがある

38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage]:2011/03/25(金) 00:53:05.82 ID:2tLZt9G90
今日はこれで終わりです
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 07:39:12.61 ID:ZSZd7qoDO
乙!!
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage]:2011/03/25(金) 15:09:02.99 ID:SbljAe4b0
おお・・・読んでる人がいた

>>36で若干ネタバレしちゃったから、ちょっと投下します
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/25(金) 15:09:48.09 ID:SbljAe4b0
???


唯「う・・・う〜ん」

?「ようこそ、6年後の世界へ」

唯「のどか・・・ちゃん?」

和「おかえり・・・唯」

6年後の和ちゃん・・・髪も伸びて白衣着て、凄い美人になってる・・・

和「ちょっと痛いけど我慢してね。定期的にパスル刺激を与えていたから、筋組織は衰えていないはずだけど・・・」ピッピッピ

唯「和ちゃんちょっと待って・・・まだ心の準備が」

バシン!

唯「うきゃあ!!」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 15:10:30.51 ID:SbljAe4b0
唯「うう・・イタタタ・・・・うん、大丈夫!体動くよっ!」

和「よかった・・・あなたがブレインクラッシュを起こして死んだとき
  すぐにあなたの体を、超低体温装置にかけたわ」

唯「そうだったんだ・・・」

和「いつか必ず、あなたを蘇らせる方法が見つかるって・・・」

和「とりあえず服を着て、話はそれからよ。着替えはそこにあるわ」

唯「え・・・あっ///和ちゃんのエッチ!」

和「何言ってるのよ。早く着替えてちょうだい」

唯「ほいほ〜い・・・あっ!“さいきっく”Tシャツだ!」

和「サイズも丁度いいはずよ」

唯「ありがとう和ちゃん!これ気に入ってたんだ〜」

和「そうなの?ダサイTシャツだから、文句言われると思ったんだけど」

唯「」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 15:15:05.89 ID:SbljAe4b0
唯「それで、私が眠ってる間に何があったの?」

和「あれから・・・人はずっと戦っていたわ。ラストガレリアン“梓”と」

唯「ラストガレリアン・・・“梓”・・・」

和「ドロシーは、ウイルス・プログラムの崩壊間際、最後のプログラムを実行したわ」

和「それは・・・全ての人を抹殺し、同時にドロシー自信を復活させる
  ラストガレリアンを起動すること」

和「梓の力は最悪よ・・・彼女の力は暴走した原子炉そのもの
  体内で臨界を起こして中性子線と放射能を撒き散らすの」

唯「ここはシェルターなの?」

和「ええ、サクラガオカ・シティは・・・もう誰も住めない廃墟になってるわ・・・
  ここは7日前に確保した、梓と戦う唯一の拠点、エア・ターミナルを改造したシェルターよ」

和「軍が守ってくれてるから、とりあえずは安全ね
  でも、梓の侵入を許せば・・・ひとたまりもないわ」

唯「どうやって、その梓って子をやっつけるの?」

和「梓を倒す唯一の方法が、あなたの脳に書き込まれている
  ウイルス・プログラムを梓の脳に注入すること・・・」

和「ドロシーを破壊したプログラムは、梓にも有効よ」

和「私はラストガレリアンに従う、あらゆる敵の死体を軍に供給してもらって研究したわ。
  その結果、ドロシーが生み出したもの全てに一つのトラップが隠されてることに気づいたわ」

唯「トラップ?」

和「そう。ドロシーにも解除できなかった、生まれついての遺伝子システム異常・・・」

唯「それは・・・」

和「そうよ。ウイルス・プログラムの受け皿となる、自己崩壊スイッチ
  私とあなたのお父さんが残した唯一の希望・・・
  でも・・・6年前、ウイルス・プログラムはあなたと共に失われてしまった・・・
  私はウイルスを復活するために研究を続けたわ」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 15:17:30.66 ID:ZSZd7qoDO
>>40
レスが無い=誰も読んでない
ではないよ
読んでるからちゃんと完結させてくれよ
期待するぜ
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/25(金) 15:19:21.14 ID:SbljAe4b0
和「でも作れなかった・・・そんなときよ、廃墟のマッシュルームタワーに
  微量な電力が供給されてることに気づいたのは・・・」

和「電力の供給源は、梓の拠点である濃縮ウラン精製工業・・・」

和「何かある・・・私はマッシュルームタワーをハッキングしたわ。
  でも、何重にもひかれたガードプログラムをどうしても越えられなかった・・・」

和「私はこの情報を軍に伝えたわ。彼らのコンピュータなら
  ガードプログラムを超えられると期待して・・・
  私の期待通り、軍のコンピュータはガードプログラムを超えたわ」

和「そして、そこにあったのは・・・ファミリープログラムのバックアップデータ・・・」

唯「そこに・・・私がいた・・・」

和「そう、ドロシーが残した膨大なバックアップデータから
  私はとうとうあなたを見つけ出した!」

和「唯・・・私達をもう一度救ってほしいの!」

和「ドロシーが生み出したものと戦えるのは」

唯「ドロシーから生まれたものだけ・・・」

和「唯・・・ごめんなさい」

唯「ううん・・・気にしないで和ちゃん
  これは、私にしかできないことだから・・・」



声「コンピュータ エレインが警告します」



和「!!・・・彼女達が来たわ。下に来て、管制室は下のフロアよ」

唯「うん!」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/25(金) 15:21:30.33 ID:SbljAe4b0
>>44さん
ありがとうございます!絶対に完結させます

とりあえず、ここまでです

続きは日付変わるくらいに投下します
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 15:46:18.08 ID:ZSZd7qoDO
乙!!
俺のSSは殆どレスされないから、羨ましい限りです
次も期待
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:34:21.30 ID:7dgiC7dI0





Stage-2       ―“狂気の雷”―





49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/26(土) 00:35:28.74 ID:7dgiC7dI0
管制室!


女「エレイン、ターゲットを表示してくれ」

エレイン「侵入地点 第3格納庫 ラストガレリアン反応あり」

女「監視カメラに切り替えろ」

和「姫子・・・梓の三人の部下の1人よ」

女「エリ、出番だ。獲物が檻に入った」

エリ『まかせなって!』

唯「無茶ですよ!人間がラストガレリアン達にかなうはずが無いです!」

女「・・・驚いた。本当に死体が目を覚ましたのか」

和「佐藤 アカネ少佐!梓達に対抗できるのは、唯だけです。彼女を中心に作戦を組んで下さい」

アカネ「・・・死にぞこないの人間に、大事な部隊を預けれる訳がないだろう
  戦いたいんなら、1人で戦え。ただし、私の兵士の邪魔をしたら即死体に逆戻りだ」

和「なんてヒドイ事を・・・」

アカネ「心配しなくても、ラストガレリアンなど我々の圧倒的な火力で吹き飛ばしてみせる」

和「そんなことっ!今まで何度も・・・」

アカネ「真鍋博士は研究室にお戻りだ」

アカネがそう言うと取り巻きの兵士たちは
二人を強制的に研究室へと連れて行った
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:36:16.93 ID:7dgiC7dI0
第1研究室!


唯「まったくぅ!失礼しちゃうよ」プンプン

和「唯、これを」スッ

唯「何これ〜?」

和「新しいビージェクトよ」

唯「おおお〜ビージェク太!」

和「ビージェクトよ。新しい薬を打つのに必要なの。薬は各ブロックに配置してあるわ、あまり多くは無いけど・・・」

唯「わかったよ!和ちゃん、大事に使うね」

和「ああそれと、これはシェルターのメインコンピュータ“エレイン”の端末よ
  現在位置とラストガレリアンの位置、それと放射能濃度がわかるわ」

唯「ありがとう〜和ちゃん」

和「ごめんなさい唯・・・私、あなたを苦しめるために、この世界に呼び戻したのかもしれない・・・でも」

唯「大丈夫!わかってるよ和ちゃん!」ビシッ

和「・・・気をつけて」


―“ビージェクト”を手に入れた―
―“エレインの端末”を手に入れた―
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:36:48.20 ID:7dgiC7dI0
フロア3!


唯「それじゃあ、兵士さんの邪魔をしないようにラストガレリアンを探そうかな!」

唯「たしか第3格納庫って言ってたな〜そこに行ってみよう」

唯「あ・・・行き方がわかんないや〜・・・」

唯「あそこに兵士さんが居るから聞いてみよう!すいませ〜ん」

兵士「ん?どうしたお嬢ちゃん」

唯「第3格納庫ってどうやっていけばいいんですか?」

兵士「第3格納庫なら、1階まで下りると搭乗ロビーに出る。そこからシステム開発室
   総合事務局、そして西側の地下通路が一番の近道だな」

唯「おお!ありがとうございます!」

兵士「でも、何だって第3格納庫に?今、ラストガレリアンも侵入してるし
   あまり出歩かない方がいいぞ?」

唯「あ・・・いや〜真鍋博士におつかいを頼まれてて」

兵士「・・・そうか、まぁ気をつけてな」

唯「ほ、ほい・・・お気づかいどうもです」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:37:18.59 ID:7dgiC7dI0
搭乗ロビー!


唯「広い場所だな〜。エレインの端末から、現在位置が確認できるから迷うことは無いけど」

唯「システム開発室は・・・ここかな?」


システム開発室!


唯「ここ・・・病院にあった実験室みたいでイヤだなぁ」

唯が辺りを見渡していると、突如銃声が鳴り響く
銃声は奥の扉の向こう、地下通路から聞こえるのを
確認すると唯はすぐさま駈け出した

唯「もうそこまでラストガレリアンがっ!?」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:37:51.29 ID:7dgiC7dI0
西側地下通路


エリ「下がれっ!下がれぇっ!」

兵士A「くっ・・・この化け物め!」バララララ!

兵士B「来るんじゃねぇよっ!!」バララララ!

兵士たちは正面の敵にマシンガンを撃ち続ける
しかし、弾を避けながら接近し兵士たちを薙ぎ払う

エリ「くそったれっ!」バラララ!

エリも同様にマシンガンを撃つが
敵の腕一本で弾かれ、返しの腕で壁に叩きつけられる

エリ「ぐあっ!・・・これまでか・・・」


唯「フンス!」

エリが死の覚悟をした瞬間、敵が数メートル吹き飛んだ
敵が吹き飛んだ逆方向を見ると1人の少女が立っていた
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/26(土) 00:38:30.35 ID:7dgiC7dI0
唯「大丈夫ですか?」

エリ「あんた・・・どうやって・・・!?」

唯「能力を使いました!」

エリ「能力って・・・まさかあんたが真鍋博士の言ってた!?」

唯「平沢 唯ですっ!」

エリ「凄い力・・・私はあんたを安く見積もってたみたいだね」

唯「ラストガレリアン達は私に任せてください」

エリ「その言葉をもっと早く聞きたかったよ」

唯「私は姫子って人に会いに行きます。あなたは戻った方がいいです」

エリ「ん〜悪いけど、上官の命令は絶対なんでね。あんたの言うことは聞けないよ
   私はこのフロアの最後の砦さ、あんたが姫子に殺されたらこのフロアを爆破する」

唯「私は負けません!」

エリ「そうなることを祈るよ。あ、自己紹介がまだだったね、私は瀧 エリ
   無事に帰ってきたらコーラでも奢ってあげるよ、じゃあね」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/26(土) 00:39:06.17 ID:7dgiC7dI0
唯「行っちゃった・・・コーラって新しいクスリかな?
  あっ!それはあとにして第3格納庫に行こう!」

唯はエレインの端末で地図を見ながら進んでいく
地下通路の中頃まで進むと、奥から酷い悪臭が立ち込める
その悪臭に唯は思わず顔をしかめる

唯「なに・・・この臭い」

不快感を感じつつも唯は先に進む
曲がり角があり、どんどん悪臭も強くなる
角の先に何かある・・・唯は警戒を強め
顔だけを覗かせて角の向こうを見る

唯「うっ・・・これは」

そこには
四肢の千切れた死体
血塗れの死体
焦げた死体
様々な死体が散乱していた

兵士「ウ・・・」

唯「生存者がいる!」

唯は駆け出し兵士に近寄る
だが、様子がおかしい

唯「大丈夫ですか!?」

兵士「ウウウ・・・」グググ
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/26(土) 00:39:35.45 ID:7dgiC7dI0
兵士の何人かが急に立ち上がる
だが顔に生気は無く、まるでゾンビのようだった

唯「ど、どういうことっ!?目に機械が埋め込まれてる・・・うっ!」

唯の頭の中に映像が流れ込む


兵士『ひっ!や、やめてくれぇ』

?『・・・』


1人の少女が兵士の上に乗り
手に持ったナイフを回しながら
兵士の右目に突き刺す
1度だけでは無く、何度も突き刺す
優越感に浸り、己の欲望を満たすかのように


唯「なんて酷いことを・・・」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/26(土) 00:40:07.30 ID:7dgiC7dI0
兵士「アアアアアアッ!!」

兵士の1人が唯に襲いかかる
唯は咄嗟にシールドを張り攻撃を弾く

唯「この人たち、操られてるっ!?」

兵士たちの右目が怪しく光る
どうやらあの機械を埋め込まれると
自分の意思とは関係なく操られるようだ

唯(この人はもう死んでる・・・ならいっそのこと・・・)

唯は兵士たちを吹き飛ばし1箇所に集める
兵士たちが起き上がる前に、2つ目の能力を解放する

唯「ごめんなさい・・・」

謝罪の言葉を口にすると同時に能力を発動させる
発火能力“レッド”
フルパワーで放ったレッドは兵士たちを完全に消滅させた

唯「はぁっ!はぁっ!・・・・・・絶対に許さないッ!!」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:40:40.67 ID:7dgiC7dI0
第3格納庫!


辺りは恐ろしいほど静かだった
だが、気配はする
唯は体に纏わりつく殺気を感じ取っていた

唯「この部屋に・・・姫子が・・・」

?「来たよ」

?「来たよ」

?「来たよ」

?「来たね」

唯「!?今度はロボット・・・」

ロボA「唯だ」

ロボB「唯だ」

ロボC「裏切り者め」

ロボD「裏切り者め」

唯「・・・うっ!」

頭の中に映像が流れ込む

機械の中には子供が入っており
頭にコードが繋がれていた
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:41:11.45 ID:7dgiC7dI0
唯「この子たちも人から作られたのっ!?」

ロボたちが手を前に出すとリング状のレーザーが放たれる
身を捻り攻撃を避けようとするが、一発腕に被弾する
唯はそれに構わず、能力で1体吹き飛ばす
しかし、腕に巻きついたリングから強烈な電流が流れる

唯「うああああああああっ!」

唯は膝をつくが、すぐに立ち上がり周りを見据える
吹き飛ばしたロボの先に1人の少女が立っていた

?「フウゥ・・・フウゥ・・・フウゥ」

眼帯の様な色眼鏡、胸と腕だけを覆う上着
ミニスカートにルーズソックス
6年間眠り続けた唯でも
その風貌は明らかに異常なのはわかった
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/26(土) 00:41:50.61 ID:7dgiC7dI0
姫子「お前の血ガ溢れるとコろが見てェ・・・」

姫子は跳躍し、唯の目の前に躍り出る

姫子「クッシェッシェッシェッシェ・・・切り刻んデ 改造してヤるぜェッ!」

唯「兵士さんたちに機械を埋め込んだのはあなたなのっ!?」

姫子は腰の後ろから2本のナイフを回転させながら取り出す

姫子「お前もすグに仲間入リだァ・・・」

姫子「目ン玉を抉りだシて・・・俺様ノチップとッ!交換してやルゥ!!」

ナイフを舌で舐めると姫子は構えを取る
残虐性と狂暴性を兼ね備えたラストガレリアン
こんな奴を野放しには出来ない
唯は力を解放し、残りのロボを吹き飛ばす
ロボたちは壁に叩きつけられ、完全に沈黙する

姫子「クシェシェ!!そんナゴミ共やったくラいで 調子のってンじゃネぇゾ!」

唯「あなたはここで終わらせるっ!先には絶対に進ませないよ!」

姫子「先に行クのはお前だァッ!チップが目ン玉ニ入るンだからなァ!」

唯「っ・・・!よさこい!」
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/26(土) 00:42:20.61 ID:7dgiC7dI0
姫子「クッヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!」

姫子は手を上げ交差させる
ナイフから電流が放出し上空に走らせる

唯「隙だらけだよっ!ふんむむむ〜フンス!」

唯はナルコンを放つが
姫子の目の前で弾かれる

唯「な、なんでっ!?」

姫子「食ラえェ!!」

姫子がナイフを振り下ろした瞬間
唯の真上から雷が落ちてくる

唯「きゃあああああああっ!」

姫子「隙だラけだぜェ!」

一気に距離を詰めナイフを振りかぶる
唯はシールドを張り斬撃を弾こうとするが
雷を纏ったナイフは易々とシールドを切り裂く

唯「ぐっ・・・・あああああああっ!」

姫子「肉の焦げル臭いはたマんねェなァ!クッヒヒヒヒヒ!!」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/26(土) 00:43:00.45 ID:7dgiC7dI0
唯「こんのぉっ!フンスフンス」

姫子「クッヒヒヒヒ!」スッ

再び手を交差させ電流を上空に走らせる
唯のナルコンは電気の壁に阻まれる

姫子「もウ一丁ゥ!」

唯「くっ・・・!」

ナイフを振り下ろす瞬間
唯は横っとびで雷を回避する

唯(普通に撃ったんじゃ、ナルコンは効きそうにない・・・どうにかして隙を作らないと)

姫子「休んでンじャねぇぞコらァ!!」

唯「っ!?」

姫子は高く跳躍すると
唯に向かってナイフを振りかぶる
これも寸前で回避する

姫子「なかなカ上手ク避けるジャねぇか!」

唯(純ちゃんより強い・・・狂ってるようで隙がまるで無い)

姫子「もっト焦がシてやるゥ!」スッ

唯(これが唯一の隙・・・だけどナルコンが通用しない!どうすれば・・・)

姫子「クッヒヒヒヒ!次はちょっト強めニいくゾぉッ!」

唯(一か八か!ガレリアン相手に使ったことないけど・・・やるしかない!)
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:43:42.48 ID:7dgiC7dI0
唯は力を溜め始める
姫子はそれを見て下卑た笑い声をあげる

姫子「クシャシャッ!何やってンだお前ッ効かなイのがわかんネぇか?
   それとモ 早撃チ勝負でもシようってか?雷に勝てルわけねぇダろっ?」

唯「ふんむむむむ〜〜〜〜〜・・・」

姫子「クヒハァッ!いいぜイいぜぇ!撃ってコいヨッ!」

唯「フンス!」

姫子「クッヒヒ・・・あァ!!?」

唯が能力を発動すると同時に
姫子の体が燃え上がる

姫子「グッ・・・・ぐあああああああアアア アアアアァぁ!!」

唯「効いた!今だッ」

燃えている姫子に向けて
容赦なくナルコンを発動させる唯
姫子の体は数メートル吹き飛び
衝撃波と熱の苦しみで地面をのたうち回る

姫子「グウウううぅぅっ・・・・ハァーッ!ハァーッ!」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/26(土) 00:44:15.35 ID:7dgiC7dI0
体から火が消えると
姫子は目を見開き激昂する

姫子「てンめえぇェェェ・・・・ブチ殺しテやるァあ!」

走りながらナイフを前に出し、電撃を放出させると
自ら電気を纏い唯に向かって突貫する

唯「おっと・・・そんな攻撃当たらないよっ!」

姫子「クッ・・・くそガぁ!」

唯「さらに・・・ふんむむむむ〜フンス」

姫子「ッ!レッドかッ!?」

姫子はレッドを警戒して
後ろに大きく飛び距離を取ろうとするが
読んでいたのか、唯が姫子に向かって走り出す

唯「やっぱりレッドを怖がってるね!逃げると思ってたっ!」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:44:45.57 ID:7dgiC7dI0
姫子の着地と同時に、唯も目の前に到達する
ナイフで迎撃を試みるがナルコンで弾き飛ばされる
姫子の顔面に両手を突き出す唯
姫子の視線は唯の顔に釘付けになった
いや、正確には顔ではなく口だ

姫子「お前・・・そノ口に加えてル物ハ・・・まさカッ!?」

唯「そう・・・スキップだよ」パキン

唯「フンスフンスフンスッ!!」

姫子「グワアアアアァァァ!!」

零距離でナルコンを食らい
姫子の体は数十メートル吹き飛び壁に叩きつけられた

姫子「グゥゥゥウウウウ・・・」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:45:19.51 ID:7dgiC7dI0
唯「まだ動けるのっ!?」

姫子「フシュルゥ・・・・今日のとコろは これくラいだぁ!!」

姫子「次は必ズ・・・お前の脳みソッ!弄っテヤるゼぇッ!!」

そう言い残すと、前回の純と同様に
姫子の体は光り出し姿を消した

唯「消えた・・・」

エレインの端末から和の通信が入る

和『唯っ!大丈夫?ラストガレリアン反応が消えたけど・・・』

アカネ『どうしてお前がそこにいるんだ!作戦の邪魔をするな!すぐに管制室に戻れっ!』

ピッ

唯「姫子も逃げちゃったし・・・管制室に戻ろう・・・」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:45:51.22 ID:7dgiC7dI0
管制室!


アカネ「余計なマネをしたようだな・・・既に応援部隊が向かっていたんだ!お前の手助けなど必要ないっ!」

唯を怒鳴りつけたあと、アカネは早足でモニター室に去って行った

エリ「まったく・・・礼の1つも言えないのかね、うちの上官は」

唯「あ・・・瀧 エリさん・・・でしたよね?」

エリ「エリでいいよ。さっきは助かったよ、ありがとうね」

唯「いえいえ〜・・・エリさん、体は大丈夫ですか?」

エリ「怪我のこと?平気だよ、それに寝込んでる場合じゃないからね」


エレイン「警告します 未確認物体 侵入」

エレイン「侵入地点 フライト管理局 総合事務局 システム開発室」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:46:19.19 ID:7dgiC7dI0
エリ「同時に三箇所だって?」

アカネ「総攻撃のつもりか・・・?面白い、隔壁シャッターをすべて閉めて足止めしろ!エリ!」

エリ「はっ!」

アカネ「部隊を連れて、総合事務局へ向かえ。フライト管理局は私が向かう」

エリ「システム開発室はどうしますか?」

アカネ「信代!」

信代「は、はっ!」

アカネ「システム開発室に向かえ!」

信代「わ、私がですか?」

アカネ「そうだ、早く向かえ!」

信代「り、了解です!」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:46:47.07 ID:7dgiC7dI0
信代はぎこちない返事をする
おそらく新米の兵士なのだろう
人手不足か無能なのか
新兵に部隊を預けるなんてどうかしている

唯(ここで協力を申し出ても断られるだけだ・・・私は私で動こうかな)

三人が持ち場へ移動する
今なら動いてもバレないだろう
唯は二階まで降りると隔壁シャッター前の兵士に話しかける

唯「すいません、ここ開けてもらませんか?」

兵士「何っ?下には敵がいるんだぞ!正気か?」

唯「はい、お願いします!」

兵士「・・・お前が降りたら、すぐにシャッターを閉める。まったく何を考えているんだ・・・自殺行為だぞ」

唯「ありがとうございます!」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:47:23.39 ID:7dgiC7dI0
搭乗ロビー!


唯「侵入地点は3箇所・・・さっきの信代って人のところに行こうかな」

システム開発室の先には
姫子が侵入した第3格納庫がある
おそらく敵の数も一番多いだろう
そんな危険地帯に新兵を向かわせる
やはり、上官は相当のビビリか無能なのだろう

唯「急ごう・・・システム開発室に」

システム開発室の前まで行くと
銃声が聞こえてきた
どうやら既に応戦中らしい
唯は急いで扉を開ける
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/26(土) 00:47:56.25 ID:7dgiC7dI0
システム開発室!


信代「うああああっ来るな!来るなぁっ!」バラララ

中に入ると信代がひとりで戦っていた
周りの兵士は既に殺されている

唯「フンッス!」

信代の目の前の敵を吹き飛ばすと
唯は敵の前に対峙する

信代「あ、あんたは・・・」

唯「少し待っててください!すぐに済みますから」

そう言うと唯はあっという間に敵を一蹴し
信代の前に駆け寄った

唯「大丈夫ですか?」

信代「あ、ああ・・・平気だよ。あんたが真鍋博士が言ってた・・・」

唯「はい、平沢 唯です」

信代「私、中島 信代。助けてくれてありがとうね」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/26(土) 00:48:28.24 ID:7dgiC7dI0
唯「怪我がなくて良かったです。それよりここを離れましょう」

信代「えっ!ダメだよ!少佐にここを任せられてるんだから」

唯「あなた1人でですか?もうすぐ敵の増援が来ると思います。シャッターを閉めて退避したほうがいいです」

信代「そ、それは・・・」

信代が言い終わる前に地下通路の扉が敵が出てくる
さっきよりだいぶ数が多い
唯が先頭の敵を吹き飛ばすと
ドミノ倒しのように倒れていく

唯「手りゅう弾持ってますか?」

信代「あ、ああ」

信代は手りゅう弾を投げると
何体かが吹き飛ぶ
だが、そんなものは時間稼ぎにもならない

唯「少佐に通信して、システム開発室のシャッターを閉めるように指示してください。あと、私の名前を伏せて」

信代「わかったよ」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:49:02.01 ID:7dgiC7dI0
エレインの端末を使い、アカネと通信する

アカネ『どうした!何かあったのか?』

信代「報告します!部隊は私を残して全滅、システム開発室を放棄してシャッターを閉めるように指示をお願いします」

アカネ『っ!わかった、10秒後にシステム開発室のシャッターを閉める!いいな!』

信代「了解!」ピッ

唯「どうですか!?」

信代「10秒後にシャッター閉めるってさ」

唯「わかりました!信代さんは先に行っててください」

信代「あんたは!?」

唯「私は・・・・フンス!」

唯は接近してくる敵を
何体か吹き飛ばすと扉前に走り出す

唯「これでオッケーです!」

信代「あんたには世話になりっぱなしだよ・・・」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:49:30.36 ID:7dgiC7dI0
搭乗ロビー!


唯と信代がシステム開発室から出ると扉のロックが閉まる

信代「た、助かった・・・」

唯「ギリギリでしたね」

信代「もうダメだと思ったよ、本当にありがとな!」

唯「いえいえ、一回管制室に戻りましょう」

信代「そうだな、作戦会議もするだろうし」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:49:57.39 ID:7dgiC7dI0
管制室!


管制室に戻るとアカネとエリが
モニター前に居た、何か話し込んでいるようだ

アカネ「なんていうことだ・・・情報部からの報告よりも、敵の戦力が増強されている」

エリ「フロア1が敵に制圧されちまった。これで逃げ場は無いね・・・」

唯「梓って子をやっつけにいきましょう」

アカネ「簡単に言ってくれる・・・奴を倒すには濃縮ウラン精製工場を制圧せねばならない
    制圧するには、ここのような拠点があと3箇所は必要だ」

唯「でも、このままじゃどんどん犠牲者がっ!」

アカネ「私はここを維持しろと命令を受けている!それに従うだけだ」


エレイン「警告します 敵が フロア3 に 侵入しました」

76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:50:31.05 ID:7dgiC7dI0
エリ「またか・・・このままここにいても、無駄死にだね」

アカネ「エリっ!お前に意見は求めていない!そこのお前!シティーに増援を要求しろ!」

兵士「はっ!」

アカネ「エリ、お前は残りの部隊を連れてフロア3へ行け。敵を待ち受けるんだ」

エリ「・・・了解」

エリは呆れたように返事をすると
部隊を率いて持ち場へと向かっていった

アカネ「お前は真鍋博士の研究でも手伝ったらどうだ?お前の力なぞ借りなくても充分だからな」

唯「・・・失礼しますっ!」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:51:14.05 ID:7dgiC7dI0
第1研究室!


唯「和ちゃん!ウラン精製工場に行く方法はない?」

和「急にどうしたのよ」

唯「私だけで、梓ってを倒しに行くよ!」

和「少佐に厄介払いされたのね・・・地下通路から格納庫に行くと
  エアビーグル、まぁ飛行機みたいな物がある。それを使えば工場に行けるわ」

エリ「それはいい考えだね」

唯「エリちゃん!」

エリ「(ちゃん・・・まぁいっか)こうなったら、あんたに賭けるしかないみたいだね」

エリ「第2格納庫はまだ無事みたいだよ。でも、私は持ち場を離れることができない
   あんた1人で行ってもらうことになるけど・・・まぁあんたなら大丈夫か」

唯「唯でいいよ!」

エリ「ははっ!考えておくよ。エアビーグルには腕の立つハッカー兼パイロットがいるわ
   彼女に連絡して、協力するように伝えておくよ」

唯「ありがとう〜助かるよ!」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:51:53.25 ID:7dgiC7dI0
和「ちょっと待ってて・・・・・・よし、これで第2研究室から格納庫までのルートを確保したわ」

エリ「和のことは安心しな。私が必ず守るよ」

和「あとこれ・・・新薬の開発に成功したの。役に立つと思うから持ってて
  本当はこんなもの作りたくなかったんだけど・・・」

―“バスタノール”を手に入れた―

和「唯・・・気をつけてね」

唯「大丈夫だよ和ちゃん!必ず帰ってくるよ」

唯は大きく手を振りながら、研究室をあとにする
和は小さく手を振り返すが、その顔は晴れない
エリは和の肩に優しく手を置いた

エリ「あの子が心配?」

和「・・・いえ、あの子はきっと帰ってくる。そう信じてるわ」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:52:31.04 ID:7dgiC7dI0
第2格納庫!


特にトラブルも無く、無事に格納庫に着いた
ルート検索をしてくれた和に感謝する唯

唯「和ちゃんの仕事は完璧だね♪」

格納庫の中央にエアビーグルがあり
搭乗ハッチが開いていた
不用心だなと思いつつ、唯は中に入っていく


エアビーグル!


唯「失礼しま〜す」

?「やあっ!あなたが唯?」

操縦席から声が聞こえる
イスが回転すると小柄な女の子が座っていた

唯「君がエリちゃんの言ってたハッカーさん?」

?「そう!軍1番のハッカーで、パイロット見習いの木下 しずかだよ」

唯「パ、パイロット見習い?」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:52:59.59 ID:7dgiC7dI0
しずか「あはは、心配しなくても大丈夫だよ
    ビーグルの操縦は全部オートドライブ、ジェットコースターみたいなものだよ」

唯「この格納庫は、まだ敵に見つかってないの?」

しずか「うん、私がネットワークに偽の情報を流したから。ここに誰もいないよ」

しずか「ラビットやアラベスク・・・ああいう敵は、ウラン精製工場からの指示で動いてるの
    だから、そこに通じる情報に改竄してやればこっちは安全ってこと」

しずか「でも、奴らに気づかれるのも時間の問題だけどね〜・・・」

唯「よくわかんないけど凄いね!」

しずか「私にはこれくらいしかできないからね。さてっと、今からウラン精製工場に行くんでしょ?」

唯「お願いしやすっ!」

しずか「じゃあまずは〜・・・エレインの情報を弄ってっと」

唯「ええっ!どうしてそんなことするの?」

しずか「こうしておけば、少佐はエアビーグルが1機無くなったことに気づかないってこと!」

唯「おお〜なるほど!」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:53:35.51 ID:7dgiC7dI0
しずか「それじゃ行くよ〜・・・発進!」

唯(濃縮ウラン精製工場・・・敵の本拠地で、ラストガレリアン“梓”がいる・・・)


















―“狂気の雷”― Clear
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/26(土) 00:54:21.68 ID:7dgiC7dI0
データ編!

姫子―ラストガレリアンの1人。主に電撃能力とナイフを使う
   中毒度がかなり高く、支離滅裂な言動が目立つ
   殺人衝動が抑えきれず、暴力での解決を好む

エリ―軍に所属する女性兵士。任務に人一倍励み、和を補佐する。
   
信代―軍に所属する女性兵士。敵に殺されかけるが唯に救われる。

アカネ―軍の少佐で傲慢な振る舞いが目立つ。ガレリアンである唯のことを快く思ってない

しずか―軍にスカウトされた、凄腕ハッカー兼見習いパイロット
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 00:55:33.40 ID:7dgiC7dI0
今日の分はこれで終わりです

次回もこれくらいの時間に投下します
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 01:14:24.48 ID:2jDN7igDO
おつおつ
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 16:58:40.09 ID:qZnMqyzT0
やっぱりちょっとだけ投下します

アバンタイトル的な奴だけですが
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 16:59:22.00 ID:qZnMqyzT0
エアビーグル!


しずか「到着っと〜ここは第1級の汚染エリアだよ。私は外には出られない」

しずか「っていうか・・・唯はよくこんな放射能だらけの大気の中に出られるね」

唯「ガレリアンには放射能に対する免疫があるらしいの。
  ドロシーは、多分こういう事態を予測してたんだと思う・・・」

しずか「やっぱり・・・私達とは作りが違うんだね
    けど、梓の放射能は人間の致死量の10倍だよ?さすがにマズイんじゃ・・・?」

唯「それは私にもわからない・・・でも、私以外には梓を倒せない」

しずか「あんまり無理はしないでね。ビーグル内に薬があるから使って
    あと・・・これ、携帯電話みたいなものだね。和と連絡取れるように弄っておいたから」

唯「ありがとう〜」

―“携帯電話”を手に入れた―

しずか「それと敵が来たら・・・上空に逃げるからねっ!私戦えないし・・・」

唯「あはは・・・なるべく早く戻ってくるようにするよ」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 16:59:49.04 ID:qZnMqyzT0
セキュリティフロア!


唯がウラン精製工場に入ると
早速通信が入る。和からだ

和『唯、聞こえる?』

唯「あ、和ちゃん。」

和『しずかが中に仕掛けがあるかもしれないから、
  その手助けをするためにって私に渡してくれたのよ』

唯「お〜!和ちゃんの助けがあれば百人力だよっ!」

和『しずかからの情報によると、まず制御コンピュータ室に行って
  施設全体に電力を供給しないと行けないみたい。地図を送っておくわ』

唯「ありがとう!和ちゃん」

和『また、何かわからないことがあったら連絡を頂戴』

唯「うん、またね〜」ピッ

唯が通信を終えると和から端末に地図が送られる
制御コンピュータ室はここからそう遠くはない
場所を確認すると唯は目的地に向かった
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/26(土) 17:00:20.01 ID:qZnMqyzT0
制御コンピュータ室!


唯「ここが制御コンピュータ室か〜」

部屋の中央に大きなモニターとコンピュータがある
だが、ここも電源が落ちているみたいだ

唯「あれ?何も反応が無い・・・」

唯が頭を悩ませていると
突如周りのコンピュータが動きだした
暗かったモニターに人が映っている

唯「誰っ!?」

?『ようこそ唯先輩。あなたの墓場へ』
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 22:07:12.57 ID:2jDN7igDO
焦らしか?
無言で焦らしても意味は無いぞ
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage]:2011/03/26(土) 23:21:27.36 ID:qZnMqyzT0
>>89さん

すいません焦らしたわけじゃないですww

0時過ぎには投下し始めます
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/27(日) 00:31:39.29 ID:nEvaTqvD0





Stage-3       ―“死を喰らう女”―




92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/27(日) 00:32:10.56 ID:nEvaTqvD0
唯「あなたが梓・・・」

梓『そうです。私はラストガレリアン、梓』

銀髪のロングツインテール、赤みがかった瞳
顔はかなり幼く、15、16歳前後に見える
この少女が人類を滅亡に導こうとしている
ラストガレリアン“梓”

唯「(なんか猫みたいな子だな・・・)あずにゃん・・・」ボソッ

梓『何か言いました?』

唯「何も言ってないよ」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:32:46.53 ID:nEvaTqvD0
梓『はぁ・・・シェルターのクズ共と一緒になって、何を無様にあがいているんですか?』

梓『見ちゃいられませんよ』

首を横に振りながら、梓は唯に語りかける

唯「無様かどうか自分で確かめて!あずにゃんの頭にウイルス・プログラムを入れてあげるよっ!!」

梓『(あずにゃん?)そんな事ができると本気で思ってるんですか?バカですか?』

梓『ママを裏切った、出来損ないのガレリアンの末路がどんなに悲惨か
  たっぷりと味あわせてあげます。地の底までやってきてください』

梓『後、施設のロックはほとんど解除しておきました。色々と仕掛けようと思ったけど
  頭悪そうなんでサービスしといてあげます。全部じゃないんで勘違いしないで下さいね』

梓は踵を返し、最後に一言言い放つ

梓『途中で純に殺されないように』

モニター画面が暗くなり梓は消えていった
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:33:16.90 ID:nEvaTqvD0
唯「ば、馬鹿にしてぇ!!」プンプン

唯が憤慨していると携帯が鳴る

唯「もしもしっ!」

和『っ!どうしたのよ唯・・・急に大きい声出すからびっくりしたじゃない』

唯「和ちゃん!聞いてよ!さっきね・・・」



和『そうだったの。よかったじゃない』

唯「どうしてっ!馬鹿にされたんだよ!」

和『はぁ〜・・・いい?敵のトラップが減ったのよ。無駄が省けて体力もクスリも温存できる、そうでしょ?』

唯「それはそうだけど・・・」

和『でも、わざわざ教えるなんてどういうつもりかしらね・・・』

唯「馬鹿だと思ったからじゃないの?」

和『真面目に言ってるのよ。もしかしたらあなたに会ってみたくなったのかもね』

唯「私に?どうして?」

和『私は梓じゃないからわからないわ、直接聞いてみたらどう?』
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:33:42.12 ID:nEvaTqvD0
唯「そうだね!直接会って、馬鹿にしたこと後悔させてあげるよっ!」

和『そうね、梓はこの施設の最深部、廃棄ウラン貯蔵庫にいると思うわ』

唯「ウラン貯蔵庫だね!行き道はわかる?」

和『ちょっとまって・・・セキュリティフロアから制御事務室、精製ラインエリア
  システム管理室の奥のエレベーターを降りたら、ウラン貯蔵庫よ』

唯「うん、わかった。何かわからないことがあったら、また連絡するね〜」

和『ええ、わかったわ』

和との通信を終えると
唯はセキュリティフロアを抜けて
制御事務室に向かう
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:34:09.13 ID:nEvaTqvD0
制御事務室!


部屋に入ると、急に薄暗くなり気配を感じる
気配の方を向くと同時に攻撃を受ける
シールドを張ったが強烈な衝撃に後方へ飛ばされる

唯「くっ!!」

唯が正面を見るとそこには巨大な人間が立っている
だが、体中の筋肉が隆起し人体模型のような姿
身長は3メートルを超え、体の数箇所が機械に改造されている

マンアフター「・・・・」

唯「何こいつ・・・」

体は大きいが動きは鈍そうだ
唯はそう考えながら、後ろに下がり
遠距離で倒そうとする

マンアフター「・・・・」ゴゥ!

突然、敵の足の裏がジェット噴射を始め
予想外のスピードで唯との距離を縮めていく
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:34:34.48 ID:nEvaTqvD0
唯「嘘っ!?」

敵の接近を許してしまった唯
敵は機械の右手を振りかぶり
渾身のストレートを放つが
ギリギリのところで回避する

唯「っ・・・!フンス!!」

回避行動を取ると間髪入れずにナルコンを連射する
敵の巨大な体は徐々に後退していく

唯「はああああああっ!こんちくしょお!」

全力でナルコンを撃つと敵の体を吹き飛ばし壁に叩きつける
唯はまだ力を緩めない。敵はどんどんめり込んでいく

マンアフター「・・・・!」

右腕を壁に引っ掛け、衝撃波の壁を抜けようとするが
体はどんどん埋まっていく
徐々に右腕は落ちてゆき、最後は首と一緒にだらりと下がる

唯「はあっ!はあっ!凄い頑丈な奴だったな〜・・・
  できれば二度と戦いたくないよ」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:35:03.57 ID:nEvaTqvD0
精製ラインエリア!


唯「ここは・・・誰もいないっぽいね」

敵が居ないのを確認すると唯は安堵する

唯「次はシステム管理室だったかな?さくさく進もう」

純『また会えましたね・・・唯さん』

唯「その声はっ!?純ちゃんだね!」

部屋に純の声が響く
唯は周囲を見渡すが純の姿は無い

純『あはは・・・ねぇピロウズ。小さな生き物の怖さを教えておいで・・・』

通路の正面を見ると小さなカニが居る
たしか純が持っていたものだ
ピロウズと呼ばれたカニの口から泡が噴き出る
その小さな体からは想像もつかないほどの無数の泡は
たちまち通路全体を埋め尽くす

純『その泡は強い酸性です。そのまま溶けて無くなってしまえ!』
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:35:30.99 ID:nEvaTqvD0
唯「こんな泡なんてっ!」

ナルコンを泡に向けて放つが
泡を壊すより、出てくるスピードの方が早い

唯「ダメだ!ナルコンじゃ追いつかない・・・」

純『そろそろ部屋全体を覆い尽くしますよ!どうするんですか?』

唯(レッドも効果は薄そうだし・・・D-フェロンは多分無意味
  そもそも溜めが長すぎるっ!あとは和ちゃんからもらった新薬しかない・・・)

唯はビージェクトに新薬を装着し
自分の首に押し付けると
迷わずクスリを注入する

唯「うっ!・・・これがダメだったら、あとはショートするしかないや・・・」

唯「はあああっ!フンス!」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:35:58.38 ID:nEvaTqvD0
唯が能力を発動すると真空の刃が泡を切り裂いていく
新薬“バスタノール”
だがこの薬の真価は

唯「凄い!溜めがほとんど無い・・・これなら!」

バスタノールを連発し、泡をどんどん破壊していく
しばらくすると部屋から酸性の泡は完全に消え去った

純『そ、そんなっ!』

唯「チェックメイトだよ」

唯は右手をピロウズに向けてとどめを刺そうとする

純『あ・・・・』

唯「・・・」

だが唯はためらった後
右手を下げシステム管理室に向かって歩き出した

純『・・・戻っておいで』

ピロウズは純の声を聞くと
下に流れる水道に下りていった

唯(あんな小さなカニさんまで、殺す必要はないよね・・・)
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:36:27.00 ID:nEvaTqvD0
システム管理室!


奥の扉にある
おそらくウラン貯蔵庫に続く道だろう
唯は扉の前に近づくが反応が無い
横に入力端末がある。どうやらパスワードが必要らしい

唯「困った時は和ちゃんに連絡しよう」ピッ

和『どうしたの?』

唯「扉にロックが掛かってて、パスワードが必要なんだけどそれがわかんなくて・・・」

和『周りに何か無い?ヒントになりそうな物とか』

唯「う〜ん・・・あ、扉に星がいっぱい書いてあるよ」

和『普通は先に気付くでしょう・・・まぁいいわ、画像を送って』

唯「ほいほい」ピッピ

和『これは・・・太陽系が描かれているわね。地球だけ色が付いてる』

唯「う〜ん、じゃあパスワードは Tikyuu か Earth?」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:36:53.31 ID:nEvaTqvD0
和『前者は100%無いわね。後者の可能性はあるかもしれないけど・・・』

唯「じゃあ入力してみるよ!」

和『ちょっと待って!今、しずかから連絡が来たわ
  どうやらその施設の暗号はラテン語が多く使用されてたみたい』

唯「ラテン語?」

和『ええ。確証はないけれど、暗号は Earthじゃなくて Tellusのはずよ』

唯「Tellsuだね・・・」ピッポッパ

唯がパスワードを入力すると扉が開く
和の予想は間違ってなかったみたいだ

唯「開いたよ!和ちゃんありがとう!」

和『良かったわね。まぁ唯にはちょっと難しかったわね』

唯「そ、そんなことないよ〜・・・」

和『そうなんだ、じゃあ私通信切るね』ピッ

唯「」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:37:27.90 ID:nEvaTqvD0
廃棄ウラン貯蔵庫前!


唯が部屋の前に立つと自動で扉が開いて行く
幾重にも重なっている扉がこの部屋の危険性を表している

唯「・・・・」

扉を抜けると細い通路に出る
先まで進むと部屋全体から
白い煙が勢いよく放出し、唯の体を包む

唯「くっ!ううっ・・・」

意識が朦朧とし膝をつく
だが、どうにか踏みとどまる







104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/27(日) 00:38:02.01 ID:nEvaTqvD0
唯『う・・・今のは一体・・・?』

煙が消えると最後の扉が開く
唯は疑問を振り払うかのように
首を大きく横に振ると
廃棄ウラン貯蔵庫へと歩を進める

唯『この奥にあずにゃんがいる・・・』
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:38:30.29 ID:nEvaTqvD0
廃棄ウラン貯蔵庫!


梓『よく辿り着きましたね。唯先輩』

部屋の中央に梓は居た
薄いステンレス製のジャケットに身を包み
直立不動で宙に浮いている

唯『あずにゃん・・・』

梓『見てください、この廃棄ウランの山を。ここは世界の終わりです』

梓を囲むように床からカプセルの様な容器が出てくる

梓『この容器を開ければ、人は数秒で死にます』

容器が開くと鉱物のような物が入っており
鉱物は美しい輝きを放っている

梓『唯先輩・・・人には自殺願望があると思いませんか?』

梓『生き続けようとして、もっとも悲惨な死に方を作り出す』

梓『まったく・・・矛盾してる生き物ですよ』

梓は腕を振りかぶると容器に手を突っ込み
中の鉱物を握りしめる
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:39:06.95 ID:nEvaTqvD0
梓『フフッ・・・でも、私はこいつ無しでは生きられない』

そう言うと梓は手に持った鉱物を口に流し込む

唯『っ!!』

梓『アッハハハハハッ!』

梓の体が青白く発光する
体内で臨界を起こしたのだろう
強烈な余波で唯は弾き飛ばされる

唯『うああああっ!!』

目を開けていられないほどの強い光
これが梓の能力
今まで戦ってきたガレリアンの中で
もっとも異質で最悪の力
生き物を殺すためだけの存在する破壊の象徴

梓『ここは、全てを破壊し、創造するにふさわしい・・・』

梓『私と唯先輩の・・・地獄です!』

唯『よさこい!』
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:39:35.31 ID:nEvaTqvD0
梓『行きますよ』

梓が手をかざすと無数のレーザーが出てくる
何千人と殺してきたであろう全方位の無差別攻撃
唯を直接狙ってはいないが何発かが飛んでくる
シールドを張り攻撃を弾いていく

唯『くう・・・』

梓『守ってばかりじゃ勝てませんよ?クズ共のために私を倒すんでしょ?』

唯『っ!・・・ふんむむむむ〜フンス!』

梓の挑発に激昂した唯は、渾身のナルコンを放つ
衝撃波は確実に梓を捉えた。だが梓は微動だにしない

唯『なっ!?』

梓『可笑しいですね。たしかに当たったはずなんですが』

唯(距離が離れすぎてたのかな?・・・なら、接近して撃つ!)
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:40:04.25 ID:nEvaTqvD0
唯は梓に接近しようと走り出す

梓『自殺行為ですよ。唯先輩』

梓の体が青白く発光する
唯があと2メートルというところで
梓の体内が臨界を起こし、衝撃で飛ばされる

唯『うぐぅぅっ!』

梓『ほら、立ってください。まだそんなもんじゃないでしょう?』

唯『くっ・・・!(こうなったら・・・片っ端から能力を使ってやる!)』ググッ

梓『そうです。その意気ですよ』







109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:40:35.11 ID:nEvaTqvD0
唯『はぁっ!はぁっ!はぁっ!』


何発ナルコンを撃っただろう?
何発レッドを撃っただろう?
何発バスタノールを撃っただろう?

通じない、何もかも
攻撃は当たっているのに
まるで手ごたえが無い

梓『はあ・・・もういいです』

梓が唯に右手を向け拳を握る
唯の体は見えない力に締め付けられる

唯『ぐううっ!』

梓『私を動かすこともできないなんて、がっかりしました』

梓の傍まで引き寄せられる唯
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:41:05.45 ID:nEvaTqvD0
梓『苦しいですか?唯先輩』

梓『唯先輩の攻撃なんて、私にはまるで効いていません』

梓『・・・何故だかわかりますか?』

梓『唯先輩には無駄なものが多すぎます』

唯『無駄な・・・もの?』

梓『・・・いずれ分かります』

梓が青白く発光すると、唯の体が空中に持ち上げられる

唯『うああああああっ!』

梓『私達は、同じマザーコンピュータから生まれた』

梓『私には、あなたが理解しにくい』

梓『どうしてですか?何故こんなまでして、人の為に戦うんですか?』
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/27(日) 00:41:39.48 ID:nEvaTqvD0
梓の手がゆっくりと伸び
唯の顔を包む込む

唯『な、何をする気っ!?』

梓の顔が徐々に近づいていく

梓『フフフフ・・・』


不敵な笑みを浮かべながら
自分の唇と唯の唇を重ねる

唯『んっ・・・・!』

梓『唯先輩』
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:42:06.62 ID:nEvaTqvD0










梓『今のあなたは只のクズです。殺しても何の意味も無い』









113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:42:35.01 ID:nEvaTqvD0
梓『ママが私を呼んでる。早く復活させろって』

梓『止められますか?私を・・・・フフフフフ』

梓『アハハハハハハハハハハッ!』


唯はその声を最後に意識が途切れる

114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:43:00.95 ID:nEvaTqvD0
唯「・・・はっ!」

意識が戻ると唯は周囲を見渡す
ここはどうやら廃棄ウラン貯蔵庫前の通路みたいだ

唯「何でここに・・・まさかあずにゃんが運んでくれた?」

貯蔵庫前の扉は固く閉ざされており開ける事はできない

唯「命拾い・・・したのかな?1回和ちゃんのところに戻ろう」

踵を返し、貯蔵庫をあとにする

唯「あずにゃんの思い通りには・・・させない!」
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:43:31.98 ID:nEvaTqvD0
エアビーグル!

しずか「唯っ!梓をやっつけたの!?」

唯「廃棄ウランの向こうに消えちゃった。私じゃあの奥に行く事はできないよ。でも・・・」

しずか「でも?」

唯「ドロシーのところに行くって言ってた」

しずか「ドロシーのところ?・・・まさか」

唯「うん、マッシュルームタワー・・・あずにゃんはドロシーを復活させる気だよ
  私はファミリープログラムに、もう一度アクセスしてみる」

しずか「(あずにゃん?)了解!1回ターミナルに戻ろう。和の助けがいるからね」

唯達はウラン工場をあとにする
梓は何故、唯を殺さなかったのか

今、殺しても意味はない

その言葉の意味は何なのか
梓の意図は掴めないままだった
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:44:00.48 ID:nEvaTqvD0
???!


何も無い白い空間
何処にあるのかもわからない
その場所に彼女らラストガレリアンは居た
姫子の怒号が部屋に木霊する

姫子『キサマァ!!何で唯ヲ殺さなカったァ!!』

腰からナイフを取り出す

梓『不服?』

姫子『奴が苦しんデ・・・のたウち回る所が見テぇんだよォ!』

梓『なら、お前が仕留めればいい。止めないよ』

梓の背後に回り込み、首にナイフを当てる

姫子『キサマを唯よリ先に、殺しテやろうカァ!?』

純『や、やめなよ姫子・・・』

姫子『!?』
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:44:36.59 ID:nEvaTqvD0
純『梓には、何か考えがあるんだよ・・・』

姫子『臆病者は引っこンでろォッ!!』

純の前まで行き、顔を思い切り殴りつける

純『あうっ!』

姫子『梓ァ・・・何を隠しテやがる?』

?『フフ・・・』

姫子『・・・何が可笑シいんダぁ?』

?『さっさと刺せばいいじゃない、そんな度胸なんてないくせに』

姫子『なんだトォッ!!?』

?『今度は私が行く。だって、私だけまだ唯に会ってないもの』

?『ごちそうは・・・順番ずつ頂かないと』


梓『扱いづらい奴ら・・・』


















―“死を喰らう女”― Clear
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:47:25.08 ID:nEvaTqvD0
データ編!

梓―ラストガレリアンのリーダー。人の抹殺とドロシーの復活を目論む。濃縮ウランを服用して体内で臨界を起こし
  周囲に中性子や放射能をばらまく最強最悪の能力を持ち、ウラン服用後は青白く発光する

能力!

バスタノール―新薬。追尾性能を持つ真空波を打てるようになる。
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]:2011/03/27(日) 00:48:15.49 ID:nEvaTqvD0
今日はこれで終わりです
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 08:57:25.80 ID:I9hoe1UDO
おつカレー
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 00:58:59.73 ID:6R5cUo7n0
エアビーグル!


第2格納庫に大量のラビットが侵入していた

しずか「うわ〜ラビットがいっぱいいるよ〜・・・」

唯「このまま着陸して!私がやっつけるから」

しずか「唯、まかせた!」

唯「しずかちゃんは和ちゃん達と連絡を取ってて!」

しずか「了解っ!」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 00:59:40.21 ID:6R5cUo7n0
第2格納庫!


唯がラビット達を一掃すると同時に通信が入る

しずか『唯ッ!フロア2まで敵でいっぱいだよ!和やみんなとは連絡が取れない・・・大丈夫かな・・・』

唯「すぐにフロア3に向かうよ!しずかちゃんはそこにいた方がいい」

しずか『うん、そうするよ。何かわからないことが連絡して!』

唯「ありがとう!」ピッ

敵の侵攻が予想以上に早い
和やみんなの安否を確認するため
唯はフロア3を目指し走り出した
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:00:08.26 ID:6R5cUo7n0
フロア2!


しずかの情報通り
これまでの全てのエリアが敵で溢れていた
フロア2を鎮圧し、フロア3に続く階段まで辿り着くが
シャッターが閉まっている。唯はシャッターを叩き呼びかける

唯「誰かっ!誰かいませんかっ!?」

エリ『唯?あんた唯かい!?』

唯「エリちゃん!」

エリ『待ってな、今開けるから』
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:00:34.32 ID:6R5cUo7n0
フロア3!


エリ「無事だったんだね、フロア2は敵がわんさかいただろう?」

唯「うん。一応フロア2の敵は全滅させたけど・・・その場しのぎだと思う」

エリ「そう、あんたにはまた助けられちまったね」

唯「そんなことより和ちゃん!和ちゃんは無事なの!?」

エリ「ああ、和なら第1研究室にいるよ。まったく・・・私の事は心配してくれないのかい?」

唯「あ・・・いや〜そういうわけじゃ」

エリ「あはは!気にしないで。心配されるようになったら、兵隊はおしまいよ」

エリは軽口を叩くが、すぐに真剣な表情になる

エリ「それで・・・梓は倒せたのかい?」

唯「いや・・・倒せなかった。あずにゃんは今、マッシュルームタワーの
  データの中に戻っていったよ。ドロシーを復活させるつもりみたい」

エリ「そっか・・・(あずにゃん?)」

唯「私はあずにゃんを追って、もう一度ファミリープログラムにアクセスしてみる」

エリ「わかった、私はここを守る。管制室は私たちの生命線だからね」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:01:01.74 ID:6R5cUo7n0
第1研究室!


和「唯ッ!」

唯「和ちゃん!」

和「よかった・・・無事だったのね」

唯「和ちゃん、あずにゃんがマッシュルームタワーに向かったよ。ドロシーを復活させるつもりみたい」

唯「私は・・・もう一度ファミリープログラムにアクセスしてみようと思う」

和「唯・・・わかったわ、ハイパースリープルームに来て」

唯「はいぱーすりーぷるーむ?」

和「管制室の上、あなたが目覚めた場所よ」

唯「おお!あそこか。わかったよ和ちゃん」
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:01:29.12 ID:6R5cUo7n0
管制室!


管制室に行くとアカネが階段前に立っていた
唯の姿を見るやいなや、例の如く悪態をつく

アカネ「なんだ、怖気づいて帰ってきたのか」

和「行きましょう唯」

アカネ「ふん!何度も言うが、どんな状況だろうと部隊の邪魔をするなよ」

唯「・・・失礼します」

軽く会釈をしたあと、唯達はスリープルームに歩き出した

アカネ「・・・化け物め」
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:01:58.16 ID:6R5cUo7n0
ハイパースリープルーム!


唯「どうすればいいの?」

和「中央に装置があるでしょう?転送の準備ができるまで中で待ってて」

唯「わかった!」

和「・・・これでよしっと。あとはこれよ」

和はビージェクトを取り出す

和「ちょっと痛いかもしれないけど、我慢してね」カチャ

唯「うっ・・・!」

和「現実からデータの境を越えるとき、体がバラバラになるような耐え難い苦痛があなたを襲うわ」

唯「大丈夫だよ、やって!」

和「エレインの端末も同時転送するわ。何かあったら必ず連絡して」

そう言うと和は転送装置を起動させる

和「唯・・・もし万一、あなたがデータワールドの中で死んでしまったら蘇らせる方法はないわ」

唯「わかってる」

和「約束よ・・・必ず戻ってきて」

唯の体に激痛が走る
激痛のせいか、徐々に意識が遠くなる










128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:02:24.33 ID:6R5cUo7n0





Stage-4       ―“虚無の炎”―




129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:02:52.50 ID:6R5cUo7n0
ドロシールーム!


唯「ドロシー・・・」

気がつくと唯はドロシールームに居た
部屋の中央にドロシーがいるがどこか様子がおかしい

唯「ドロシーのデータが消えていく!あずにゃんが彼女のバックアップデータを現実に戻し始めたんだ!」

唯「あずにゃん・・・!どこにいるの・・・」

唯は何か手かがりを求めて
ドロシールームをあとにする
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:03:24.40 ID:6R5cUo7n0
中枢システムエリアα!


ドロシールームを出てブリッジを渡ると
見たことの無い部屋につく
奥に大きなコンピュータがある
唯は端末を取り出し、和に呼びかける

唯「和ちゃん、コンピュータがあるよ。解析できないかな?」

和『やってみるわ。スキャンしてみて、あなたを通して私のコンピュータをそっちに繋ぐわ』

唯はコンピュータに触れ、情報を引き出そうとする

唯「行くよ・・・はああああああっ!」

声『警告します ラストガレリアンプログラムAは ドロシー以外のアクセスを禁止しています』

コンピュータが警告するが、唯はかまわずに情報を引き出していく

唯「ふぐぐぐぐぐっ!和ちゃん!情報を送るよ!」

和『ええ!』

唯から膨大な情報量が送られる
転送速度も凄まじく、和は処理しきれない

和『なにこれ・・・凄い転送速度だわ』

唯「はあああああっ!・・・ふう、和ちゃん!どんな感じ?」

和『え、ええ・・・転送量が多くて時間がかかりそうだわ
  唯、1回戻ってきて。あなたにも手伝ってほしいの』

唯「うん、わかった〜」

唯「あれ?ブリッジが無くなってる・・・
  しょうがないな〜下に降りて他のエリアから行こう
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:03:50.73 ID:6R5cUo7n0
ドームエリア!
  

唯「相変わらず広いな〜」

コツッコツッ

唯「!?」

?「会いに来てあげたわ、唯」

唯「誰ッ!?」

?「ラストガレリアン いちご」

一国のお姫様のような縦ロールの髪型に
魔女を思わせる漆黒のドレス
そして、全てを諦めたかのような虚ろな瞳
その異様な雰囲気にたじろぐ唯

いちご「何をそんなに怯えているの?」

唯「あなたも・・・私を殺しにきたの?」

いちご「心配しないで」

唯「?」

いちご「一度酷い目に会えば、どんな痛みもそのうち慣れっこになるものよ」

いちご「痛みも・・・楽しみに変わってくる」
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:04:16.47 ID:6R5cUo7n0
唯「・・・」

いちご「唯、破壊された未来の街は嫌い?想像してた姿と違った?」

いちご「未来のことなんて誰にもわかりはしないのよ。それなのにあなたは
    そんな壊れやすいものを、必死に守ろうとしている」

いちご「道化ね、あなたは」

唯「いちごちゃん・・・私は」

いちご「説明なんか欲しくないわ。理想も、希望も、未来も全て退屈」

いちご「どうしてこんな簡単なことがわからないの?」

いちご「未来の世界が嫌いなら、あなたが死ねばいいのよ」

突如、地面から炎が吹き出し壁と作る
いちごが腕を唯に向けて振ると
炎の津波となり襲いかかる
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:04:44.31 ID:6R5cUo7n0
唯「くっ・・・!」

横に転がり何とか炎を避ける
いつの間にかいちごの周囲に炎の球体があり
いちごを守るように回っている

いちご「死ぬと楽になれるのに」

唯「私はまだ死ねないっ!あなた達を倒して
  和ちゃん達が安心して暮らせるようになるまではっ!」

いちご「そういうの使命感っていうのかしら?本当にくだらない」

いちご「皮膚の爛れていく感覚が快感に変わるまで、焼き尽くしてあげるわ」

唯「よさこい!」
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:05:12.64 ID:6R5cUo7n0
唯「フンス!」

両手を突き出し、ナルコンを放つ
しかし炎の球体が衝撃波を相殺する

いちご「次はこっちね」

いちごの右手に炎が集まっていく
唯に向けて炎を飛ばすと
空中で蛇のように不規則にうねり迫ってくる

唯「おっと!」

横っ跳びで回避し、反撃に転じようとする
しかし、いちごはその場に立ち尽くし動かない

いちご「避けなくていいの?」

唯「えっ!?」

いちご「後ろ」スッ

いちごが唯の後ろを指さす
後ろを振り向くとさきほど避けた炎蛇が
唯の眼前に迫っていた
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:05:40.50 ID:6R5cUo7n0
唯「避けられないっ!?」

炎が直撃する
炎蛇はまるで獲物を締め上げるかのように
唯の周りを包む込む

いちご「もう終わりなの?本当につまらない・・・」

唯「まだだよっ!」

唯の声が聞こえると炎蛇が内側から吹き飛び消滅する

いちご「シールド・・・便利な能力ね。でも、完全に防ぎきれてはいないようね」

シールドで防御はしたが、唯は体中に軽い火傷を負っていた

唯「これくらい・・・なんともないよ!やあっ!」

渾身のナルコンを連発する
衝撃の弾丸はいちごの周囲の炎を打ち消し
数発いちごの体にヒットする
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:06:09.20 ID:6R5cUo7n0
いちご「・・・!じゃあこういうのはどう?」

いちごの周辺に巨大な火球が現れる
1つだけでは無い、数を増やしていき
最終的に6つまで増える
火球を従えたまま上空に舞い上がり
流星のように火球を降らせる

唯「炎が大きくて避けれそうにない!ここもシールドで凌ぐしかっ!」

いちご「我慢比べね。何発持つかしら?」

唯「ぐううっ!」

いちご「1つ・・・2つ・・・3つ・・・」

口で数えながら規則的に火球を落として行く
だが火球は徐々に強力になるよう調節する

いちご「4つ・・・5つ・・・」

唯「ぐぐぐぐぐっ・・・・!!

いちご「6つ・・・これで終わりよ」

直径2メートルほどに膨れ上がった
巨大な火球が、唯目がけて落とされる
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:06:35.58 ID:6R5cUo7n0
唯「はああああっ!」

シールドを解き、バスタノールを発動させる
火球は真空波に切り裂かれ唯の目の前で消滅する

いちご「消えた・・・?」

唯「てぇえええい!」

唯は続けてバスタノールを放つ
不意の攻撃を受け、いちごは地面に落下し膝をつく

いちご「うっ・・・!」

唯「まだだよっ!」

隙だらけのいちごに、渾身のナルコンを放つ
炎の壁を作り、攻撃を防ごうとするが
余りの衝撃に大きく後退する
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:07:05.91 ID:6R5cUo7n0
いちご「ふぅ・・・意外と強情ね」

唯「・・・・」

いちご「疲れちゃった。今日はこれくらいにしておくわ」

いちご「でもね、楽しみにしておいて」

突然、いちごの体は一瞬で姿を消し
唯は後ろから両肩を掴まれる

いちご「今度会うときは、あなたに絶望を教えてあげるわ」

いちご「吐きそうなくらいの、ね・・・」

耳元で囁くといちごは消えていった
同時に和から通信が入る

和『唯っ!大丈夫!?データの中にラストガレリアン反応があったみたいだけど』

唯「うん、大丈夫。今戦ってたけど、逃げていったよ。今から戻るね」

和『ええ、わかったわ』
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:07:33.18 ID:6R5cUo7n0
セキュリティルーム“北エリア”!


エレベーターに乗ろうとすると
目の前に黒い球体が現れ電気の壁を作る

球体「DNAチェック・・・」

球体「ガレリアン“唯” アナタノ アクセス権 ハ 抹消サレテイマス」

唯「和ちゃん、聞こえる?」

和『どうしたの?』

唯「・・・というわけでエレベーターに乗れないの。そっちでどうにかできる?」

和『ちょっとまって・・・・・・駄目ね、データが改竄されてる。こっちからじゃどうにも・・・』

唯「そっかぁ・・・どうしよう・・・」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:07:59.59 ID:6R5cUo7n0
和『!・・・唯、聞いて。どうやらそのセキュリティはDNAチェックの他に網膜チェックもしてるみたい』

唯「うん」

和『・・・憂の網膜データがあれば、通過できるかもしれないわ』

唯「憂の?」

和『ええ、あなたたちはその・・・同じ場所で生まれたからDNAは同一のはずだし』

唯「あ、そっか!」

和『どこかで網膜データを入手できればいいんだけど・・・』

唯「う〜ん・・・あっ!あそこにあるかも!」

和『あそこ?』
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:08:26.02 ID:6R5cUo7n0
ファミリープログラムルーム!


唯「ここだよ!」

和『なるほど・・・確かにここなら、手に入るかもしれないわね』

唯「じゃあ、さっそくやってみるよ」

唯は憂の入っていたカプセルに触れスキャンを始める

唯「むむむむむ〜・・・あった!」

―“憂の網膜スキャン識別データ”をスキャンした―

唯「和ちゃん、ゲットしたよ!」

和『やったわね。さあ、セキュリティルームに戻りましょう』
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:08:54.03 ID:6R5cUo7n0
セキュリティルーム“北エリア”!


球体「DNAチェック・・・」

球体「ガレリアン“憂” 入室許可 セキュリティ ヲ 解除 シマス」

球体は唯を“憂”と誤認し姿を消した

唯「和ちゃん、上手くいったよ」

和『ええ、エレベーターに乗るとすぐにドロシールームにつくはずよ』

唯「飛んだ道草を食っちゃったよ〜もう何も起こらないといいけど・・・」
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:09:21.19 ID:6R5cUo7n0
ドロシールーム!


唯「和ちゃん!無事に着いたよ!」

和『こっちも準備OKよ、いつでもいいわ』

唯「行くよ〜・・・・はあああぁぁぁっ!」

端末に触れ、和のコンピュータとリンクする
唯は意識が体の内側に吸い込まれるような感覚に陥った









144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:09:48.07 ID:6R5cUo7n0
ハイパースリープルーム!


唯「ふい〜和ちゃん戻ったよ!」

和「おつかれさま。体は大丈夫?眩暈がしたりとかしてない?」

唯「うん大丈夫だよ。それで、私が送ったデータの中身はどんな感じ?」

和「ああ、これね・・・これはラストガレリアンの開発データだわ」

和「ちょっと手強そうね・・・量もかなり膨大だから、少し時間をちょうだい」

唯「でも・・・こうしてる間にもあずにゃん達は・・・」

和「ごめんなさい・・・わかってはいるんだけど・・・」

和「・・・そうだ!システム開発室にある予備コンピュータに接続して、分散処理すればいいのよ!」

和「そうすれば、解析も飛躍的に早くなるわ!」

唯「どうすればいいの?」
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:10:24.58 ID:6R5cUo7n0
和「フロア1にあるシステム開発に行って、予備コンピュータを起動するの」


エレイン「コンピュータ エレインが警告します」

まるで計ったかの様に警報がなる
いくらなんでもタイミングが良すぎる

エレイン「第3ゲートよりラストガレリアン侵入」

和「そんな・・・!こんな時にっ!」

唯「もしかして・・・!動きを読まれてる!?予備コンピュータを破壊するつもりかも!」

唯は装置から出て、フロア1に向かう

和「唯・・・気をつけてね」

唯「和ちゃん、それいつも言ってるよ?」クスッ

和「・・・馬鹿ね、いつも心配だから言ってるのよ」

唯「大丈夫だよ!それじゃあ行ってくるね」

和「ええ、いってらっしゃい」


















―“虚無の炎”― Clear
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:11:16.77 ID:6R5cUo7n0
データ編!

いちご―ラストガレリアンの1人。火炎を操る。冷静な性格で、自身の苦痛でさえも冷静に見つめられる
    この世の全てを退屈と感じておりその退屈を破壊することに一切の罪悪感を持たない
    ガレリアンでありながら人の世界を守ろうとする唯を、道化と嘲る
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/28(月) 01:12:29.63 ID:6R5cUo7n0
今日はここまでです

書き溜め無くなっちゃったから、次の投下は2、3日後です

148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/28(月) 06:40:22.54 ID:T0p6Q1FDO
おつおつ
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]:2011/03/29(火) 20:28:58.01 ID:O75q98TUo
掛け声のよさこいがいい
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 22:20:22.32 ID:s+ikqkrDO
>>149
思った
あれはセンスあるわ
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage]:2011/03/30(水) 00:40:07.88 ID:wc9cf9Bv0
>>149さん>>150さん

ありがとうございます!
正直どうしようか迷ってましたが
戦闘前は必ず言わせるようにします

では、今日の分投下します
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:40:43.94 ID:wc9cf9Bv0
管制室!


ハイパースリープルームから下に行くと
アカネ達が作戦会議をしている

兵士A「こちらから奇襲をかけて、退路を確保するのはどうでしょう?」

兵士B「本部の応援が来るまで、ここで持ち堪えるべきです」

兵士C「もう一度、敵の総攻撃を受けたら我々は全滅です・・・少佐、指示をお願いします!」

アカネ「うむ・・・本部から連絡を待とう。いたずらに戦力を導入しても
    やられてしまっては意味が無い。じきに増援が来る、それまで持ち堪えるんだ」

軍はどうやら現状維持に徹するらしい
唯にとっては好都合だった
この施設の中を動きやすくなるし
何より無駄な犠牲者を出さずに済む

アカネは有能な指揮官では無いが、この時だけ、唯は彼女に感謝した

しかし、そのアカネに見つかるとどんな罵詈雑言が来るかわからない
唯は早足で管制室をあとにした
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:41:10.52 ID:wc9cf9Bv0





Stage-5       ―“死闘・制裁”―



154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:41:37.07 ID:wc9cf9Bv0
フロア3!


移動しながら唯は考えていた

唯(いくら何でも侵入を許しすぎだよ・・・)

唯が目覚めてから、敵の攻撃が激しくなった
姫子の侵入
敵の総攻撃
そして、タイミングを計ったかの様なラストガレリアン反応

頭の中に1つの考えがよぎる

内通者

だが、唯はすぐにその考えを否定する

自由と平和を勝ち取るために戦っているのに
破壊者たちに寝返っても得をすることなど何も無いのだ

唯(きっと・・・偶然だよね・・・)

考え事をしていると、いつの間にか目的地に着いていた
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:42:02.45 ID:wc9cf9Bv0
システム開発室!


唯「さて、ちゃちゃっと起動して和ちゃんのところに戻ろう」

唯「これが起動用コンピュータだね〜、ぽちっと」

唯「あれ・・・予備電源が起動しない?」

唯「こんなところに差し込み口が・・・鍵が要るのかな?」

唯「困ったな〜・・・和ちゃんに聞いてみよう」

和と連絡を取ろうとするが応答がない

唯「う〜ん・・・和ちゃん今忙しいみたいだし、自分で探そうかな」

唯「あれ・・・?これって」

コンピュータの画面を見ると
予備コンピュータの使用履歴が表示してある
最後に使用したのは

唯「エアビーグルのパイロットさんか・・・この人が持ってるかな?とりあえず聞いてみよう」
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:42:30.56 ID:wc9cf9Bv0
フロア3!


唯「すいません、ちょっといいですか?」

兵士「ん?どうした?」

唯「エアビーグルのパイロットさんを捜してるんですけど・・・」

兵士「パイロット?ああ〜外に出た奴らは大体、放射能に汚染されてるかどうか
   検査をするはずだから、多分医務室にいるんじゃねぇかな?」

唯「医務室ですね!ありがとうございます」

兵士「それにしても、そいつに何か用なのか?」

唯「え・・・あ〜、真鍋博士におつかいを頼まれて・・・」

兵士「そうか・・・あの人、意外と人使い荒いな」

唯「そ、そうですね・・・えへへ・・・失礼します」
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:43:01.74 ID:wc9cf9Bv0
医務室!


唯「どこにいるんだろう〜・・・あ、あの人かな?すいませ〜ん」

パイロット「俺に何か用か?」

唯「予備コンピュータの鍵もってませんか?最後に使いましたよね?」

パイロット「予備コンピュータの鍵?ああ、それなら俺が・・・」

唯「?」

パイロット「しまった・・・第1格納庫から逃げ出した時
      エアビーグルのコクピットに置いたままだ・・・」

唯「え・・・持ってないんですか・・・」

パイロット「あ、ああ・・・すまない」

唯「わかりました、私が取りに行きます」

パイロット「なに?取りに行くだと!?無理だと思うが・・・まあ、これを持って行け」

―“第1格納庫の鍵”を手に入れた―

唯「ありがとうございます!」

パイロット「用事が済んだら、ちゃんとロックはしといてくれよ」
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:43:29.15 ID:wc9cf9Bv0
東側地下通路!


唯「ここが第1格納庫の入り口かな?」

―“第1格納庫の鍵”を使った―


第1格納庫!


唯「あのエアビーグルの中かな?」
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:43:57.57 ID:wc9cf9Bv0
エアビーグル内!


唯「たしかコクピットに置いたままって言ってたね〜・・・あっ!あった」

―“予備コンピュータの鍵”を手に入れた―

唯「思ったより手間取っちゃったよ〜でもこれで、コンピュータを起動することができるね!」
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:44:25.46 ID:wc9cf9Bv0
搭乗ロビー!


地下通路を抜け、搭乗ロビーに出ると広場に4つの人影が見える

唯(軍の人じゃない・・・?あれは・・・!)

唯が正体に気づくと同時に、向こうも唯の存在に気付く

武装ロボA「来たね」

武装ロボB「来たね」

武装ロボC「来たよ」

武装ロボD「来たよ」

姫子が引き連れてる武装ロボ
前回とは若干形が変わっており、武装が強化されている

唯(侵入者は・・・姫子!)

武装ロボA「君のおかげで、こんな醜い体にさせられたよ」

武装ロボB「酷いね、君は」

武装ロボC「酷いね、君は」

武装ロボD[僕たちの悲しみを、教えてあげるよ」
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:44:52.15 ID:wc9cf9Bv0
武装ロボ達は一斉に右手を唯に向ける
手首が回転し、床に落ちると同時に
腕からリング状のレーザーが射出される

唯「また・・・!くっ」

回避行動を取りつつ、能力でレーザーを弾く
しかし、数が多すぎる
1つのリングが唯の腕に巻きつく

唯「しまったっ!うあああああああああああぁっ!!」

前回と同様、激しい電流が流れ唯は膝をつく

武装ロボA「僕たちの悲しみを、教えてあげるよ」

一体の武装ロボが片膝をつき
肩に背負っているグレネードランチャーの銃口が唯に向けられる

唯「う・・・」

電流で唯が動くことができないのを認識すると
武装ロボはグレネーランチャーを発射させる
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:45:21.69 ID:wc9cf9Bv0
爆炎と煙が唯を包む
軍が使ってるものより遙かに高火力
普通の人間なら跡形も残らずに消え去るだろう

だが唯は立っていた
シールドを張り、体には傷1つ付いていない

唯「こんなもの・・・いちごちゃんの炎に比べたら!」

武装ロボの1体を吹き飛ばすと
唯は間髪入れずに能力を発動させる

ナルコンとバスタノールの連続発動

溜めの少ない二つの能力で武装ロボを圧倒し
次々と標的を破壊してゆく

唯「これで・・・最後っ!」

残りの1体に渾身のナルコンを放つと
武装ロボは壁に叩きつけられ、完全に沈黙する
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:45:48.43 ID:wc9cf9Bv0
唯「はぁっ・・・!はぁっ・・・!はぁっ・・・!」

姫子「もウ息が上がったカぁ!?唯ィ!!」

唯「・・・姫子ッ!」

姫子「そのふやケた脳ミソを、俺様が弄り回しテやルぜぇッ!」

唯「1人で戦うのが怖くて、いつも先に武装ロボをけしかけるの?」

唯「この・・・臆病者ッ!!」

姫子「シャアアアアアアアアアアアッ!!」

鼓膜が破れそうなほどの金切り声で姫子が吠える
腰から二刀のナイフを取り出し、目の前で回転させる
徐々にナイフの刀身が伸び、最終的に剣と同程度の長さになる

姫子「お前ヲバラバラにするノは・・・俺ダぁ!梓でもいちごでモねぇ!」

唯「そんなことも、二度と言えないようにしてあげるよ!」

姫子「両手足ぶった切っテ、何もかも掻きまわシてやらァ!」

唯「よさこいっ!」
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:46:16.56 ID:wc9cf9Bv0
姫子「クッヒヒヒッヒヒ!!」

手を交差させると電流が上空に走る

唯「ワンパターンだね!それはもう通じないよ!」

姫子「それハどうかなァ!?キヒヒッ!」

唯(何か企んでる・・・?)

姫子「オラぁッ!」

唯「来たっ!・・・えっ?」

姫子がナイフを振り下ろす
電撃が来ると思い、唯は身構えるが
落雷は姫子自身に落ちる

唯「まさか失敗!?」

姫子「はあアああぁぁァ・・・サイッコーの気分ダ・・・」

体が帯電状態になり、姫子は恍惚の表情を浮かべる

唯「よ、よくわかんないけど、隙だらけだよ!フンス!」

無防備の姫子にナルコンを放つ
しかし、眼前ですべて弾かれる
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:46:47.90 ID:wc9cf9Bv0
唯「なっ!ど、どうしてっ!?」

姫子「んなもン効かネぇよ!次はこっチからイクぜぇ!」

クラウチングスタートのような前傾姿勢で、唯に突撃する姫子

唯「な、ならこれでっ!フンス!」

姫子「そう来るトぉっ!思ってタぜェ!」

唯がレッドを放つ寸前
姫子は高く跳躍し唯の背後を取る
振り向き様に剣で斬りつける

唯「うぐぅっ・・・!」

姫子「ひゃっハぁ!いきナりイイの貰っチマったなぁ!」ペロリ
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:47:13.99 ID:wc9cf9Bv0
唯「だ、だったら!バスタノールでっ!」

無数の真空波が姫子に襲いかかる
しかし、全て眼前で弾かれる

姫子「今・・・何カしたか?カカカッ!キヒヒヒッ!」

唯「や、やっぱりレッドしか!」

姫子「そんな暇与えネェけドなぁ!オラオライクぜぇ!」

一瞬で距離を詰め、狂気の刃が唯を襲う
攻撃を紙一重で避けるが攻撃に転じることができない

唯(くっ・・・このままじゃ・・・)

姫子「なかナか避けルのが上手イじゃねェか!だが、いつまデ持つカなぁっ!」

唯「あっ!」

足を滑らせ態勢が大きく崩れる
姫子はその隙を見逃さない
唯めがけて、右袈裟斬りを浴びせる
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:47:53.49 ID:wc9cf9Bv0
唯「うああああああああっ!!」

姫子「おっホおオ!良い声で泣くなァッ!もっト聞かせロよ!」

悲鳴を聞き、姫子の興奮は高まっていく
深手を負い、その場で唯は膝をつく

姫子「ハァッ!はぁっ!・・・はぁ、お前俺様の事卑怯ダト思ってルだろ?」

唯「ううう・・・」

姫子「お前の攻撃は効かナい・・・俺様はヤリたい放題」

姫子「ヒヒ・・・でもなぁ!卑怯結構ゥ!」

姫子「俺は戦うの好キなんじゃネぇ・・・殺すのが好きナんだよ!」

顔面を思い切り蹴り、唯は後ろに飛ばされる

唯「ぐ・・・・ああああっ!」
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:48:23.41 ID:wc9cf9Bv0
姫子「ヒャハハハ!これだ!この時を待っテいたぁ!」

姫子「はあああ〜モットイタぶってやりてぇけど・・・」

姫子「ダメだ!我慢できねェ!殺す殺す殺すギャヒヒヒぃ!」

唯「くぅぅぅっ・・・」

力を振り絞って立ち上がるが
血を流しすぎたのか足もとがふらつく

姫子「的になルにわざわざ立っタのかぁ!?ごくろウなこっタぁ!」

唯「はぁー・・・はぁー・・・」

姫子「そろソろとどめだぁ!この剣デ・・・串刺しニしてやるぅ!」

二刀の剣が雷を纏う
姫子は獲物を狩る肉食獣のように唯に襲いかかる

姫子「死ねええええエエエエぇぇっ!」
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:48:50.62 ID:wc9cf9Bv0
凶刃が唯の体を貫く
腹部に深々と刺さり
背中から刃が貫通する

唯「ぐっ・・・がはっ・・・!」ビチャビチャ

姫子「ああ・・・この感覚・・・気持ちイイッ!」

姫子「体にめリ込む!肉ヲ裂く!臓物を抉ル!完璧だァ!クシャシャシャッ!」

唯「うっ・・・捕まえた・・・」

姫子「あアっ!?」

唯は姫子の手首をがっしりと掴む

唯「これだけは・・・ゴホッ!・・・したくなかったんだけど・・・」

姫子「ハ、離せッ!(くそっ・・・何て力だっ!引く事も押すこトもできねェっ!)

唯「覚悟してね・・・私もあなたも・・・きっと・・・只じゃ済まないッ!!」

唯「うううう・・・・・!」

唯が力を解放する
制御可能領域を超え、能力を暴走させる
あまりの強大なパワーに唯の周辺の空間は歪み、姫子は戦慄する

姫子「テ、てめェェ・・・ま、まさか・・・」

唯「うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:50:10.68 ID:wc9cf9Bv0
姫子「やっパりショートしやガった・・・!ぐっ!?ギャアアアアアアアア!!!」

唯「おおおおおおおおおおおおっ!!」

強烈な圧迫感が姫子を襲う
体全体、内臓や脳までも何かに締め付けれる様な感覚に陥る

姫子「正気・・・カぁっ!?このマま能力を使イ続けルとぉ・・・死ヌぞぉ!」

唯「おおおおおおおおおおおおっ!!」

姫子(コイツ・・・イカれてやがルっ!)

姫子は恐怖した
自分もラストガレリアンの中では
クスリの摂取量は多く、中毒率は高い方だと自覚している
頭痛も激しくなるが、それに勝る高揚感
だからやめられない。それは最高の快感だから
だが、限界を超えるとショートが待っている
自分には無理だ。あの苦しみは地獄。耐えられない
だが、この女は限界を超えた。しかも自分から

唯「おおおおおおおおおおおおっ!!」

姫子「グゥゥゥウウウ!!や、やめろぉォォ・・・!」
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:50:36.40 ID:wc9cf9Bv0
姫子の体中に血管が浮き上がり破裂していく
同様に唯の目や鼻から血が流れ出る
だが、唯は力を緩めない
それどころか、どんどん力は上がってゆく
両手の締め付けも強くなり、遂には姫子の手首を握りつぶした

姫子「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」

手首を砕くと同時に
唯は溜まっていたものを解放するかのように能力を爆発させる
手首を掴まれたまま吹き飛ばされ、姫子の両手は千切れる

唯「フゥーッ・・・!フゥーッ・・・!フゥーッ・・・!」

姫子「グッ・・・・アアアアッ・・・」

歯をカチカチと鳴らし、唯の方を見る
ゆっくりとだが、一歩、また一歩と姫子に近づいてゆく

姫子「ヒィィィ!!お、俺よリお前の方ガ強いっテのか!?」

姫子「認めネぇ!認めネぇゾッ!」

捨て台詞を吐くと姫子の姿は消えていった

唯「き・・・えた・・・?」
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:51:04.50 ID:wc9cf9Bv0
唯「う・・・ぐううううう・・・もう限界」

ケースの中からデルメトールを取り出し口に含む
服用した途端、頭痛は治まり正気に戻る

唯「また・・・逃げられた」

唯「ぐっ・・!そうだ、予備コンピュータを起動させないと・・・」

足を引きずりながらシステム開発に向かう
頭痛は治ったが、体はかなりの深手を負っていた
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:51:33.32 ID:wc9cf9Bv0
システム開発室!


―“予備コンピュータの鍵”を使用した―

唯「和ちゃん、起動したよ・・・」

和『ええ、こちらでも認識したわ』

和『これなら、すぐ解析が終わるわ。戻ってきて』

唯「ああ・・・和ちゃん・・・それなんだけど」

唯「エリちゃん・・・私のところに呼んできて欲しいんだぁ・・」

和『唯?』

唯「ちょっと・・・血が・・・流れすぎちゃったみたい・・・でさ」

和『唯ッ!大丈夫なのッ!?返事をして!唯ッ!唯ぃッ!』

唯はその場で倒れ、意識を失った














174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:52:03.31 ID:wc9cf9Bv0
???!


梓『この口先だけの役立たずめ!』

梓が姫子に向かい冷たく言い放つ
姫子は両膝をつき、頭を抑え震えている

梓『勝手に殺しに行って、敗れて、のこのこ帰ってくるなんて・・・』

梓『無様な奴』

姫子『ウウゥゥゥゥ・・・・』

純『お願いだから、姫子を責めないで』

純『私たち・・・仲間でしょ?』

梓『・・・』

いちご『・・・』

純は泣きそうな声で懇願し、梓を見つめる
だが、梓は純と目を合わさず姫子を上から見下ろしている
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:52:32.55 ID:wc9cf9Bv0
姫子『もう一度・・・』

梓『?』

姫子『もう一度俺にチャンスをくれっ!梓ぁ!』


梓『ダメだ』


姫子の慟哭の叫びを、梓は一蹴する

梓『お前は一瞬、唯先輩を恐れた』

梓『恐怖を覚えてしまったお前に、もう存在価値は無い』

いつから持っていたのか
ビージェクトの様な機械を姫子に向ける

姫子『あ・・・・あああああ』

純『や、やめてよ・・・』

いちご『・・・』
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:53:03.72 ID:wc9cf9Bv0
銃口が姫子の頭に向けられると
ためらいもせずに梓は姫子を撃ち抜いた

姫子『グワァッ!』

額の命中するが血は一滴も出ていない
だが、姫子は目を見開いたまま事切れる

純『な、なんてヒドイことを・・・』

いちご『・・・』

梓『・・・』

純はその場で泣き崩れる
いちごは興味がなさそうに終始無言
姫子を殺した梓の口元は何故か笑っていた



















―“死闘・制裁”― Clear
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/30(水) 00:55:20.60 ID:wc9cf9Bv0
今日はこれで終わりです

原発問題の中、ウランとか放射能とか不謹慎極まりないですが
どうか許してください

4月3日までには完結させます
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 01:06:18.85 ID:s65t2ocDO
おつおつ

次も期待

やっぱ経験かなぁ……俺のSSとはモノが違うな
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:06:57.44 ID:d8dAvY370
>>178さん

これが2作品目なんで、経験値なんて無いに等しいです・・・
文も滅茶苦茶だし、手さぐりしながら書いてる若輩者です
お褒めの言葉、本当にありがとうございます

180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:07:43.67 ID:d8dAvY370
ハイパースリープルーム!


唯「う・・・う〜ん・・・」

和「唯ッ!目が覚めたの!?」

唯「あ・・・和ちゃん」

和「和ちゃんじゃないわよ!死んじゃったかと思ったじゃない!」

和「本当に・・・本当に心配したんだから・・・・」グスッ

唯「ごめんね・・・和ちゃん・・・よいしょっと・・・!イタタッ!」

和「あっ!無理しないの!まだ完治してないのよ!」

唯「大丈夫だよ・・・解析は終わったの?」

和「え、ええ・・・さっき終わったばっかりよ」

唯「そっか・・・それじゃあ、もう1回データの中に転送して?」
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:08:12.66 ID:d8dAvY370
和「な・・・何言ってるのよ!聞いてなかったのッ!完治してないって言ったじゃないッ!」

唯「データの中だから、傷とかは問題ないはずだよ?」

和「それは・・・そうだけど・・・でもっ!」

唯「お願いだよ和ちゃん・・・私たちには余り時間がないんだ・・・」

唯「私が休んだ分だけ、ドロシー復活の確率が上がるんだよ?」

和「唯・・・・・・わかったわ」

唯「ありがとう!」

和「休めって言ったって、聞きやしないんだから・・・」

和「それじゃ・・・中央の装置に入って」

唯「わかった〜」
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:09:34.37 ID:d8dAvY370
和「唯、今からあなたにパスワードを注入するわ」

唯「うん、やって!」

和「初めに・・・パスワード・・・」

唯「うぐっ・・!」

和はコンピュータを操作しパスワードを注入する
頭に何かを書き込まれる感覚に唯は呻き声を漏らす

和「大丈夫よ。そのまま転送するわ」

唯「わ、わかった」

体に激痛が走り、唯の意識はデータの海に落ちてゆく









183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:10:01.15 ID:d8dAvY370
???!


梓『・・・・!唯先輩・・・忙しい人ですね』

いちご『・・・』

純『わ、私が行くよ・・・』

梓『そこのクズみたいに逃げ帰ってこないでよ?』

純『・・・』

純は無言で姿を消す

いちご『いいの?あの子、唯に喋る気かも』

梓『何を?』

いちご『・・・まぁいいわ。私にはどうでもいいことだし』

梓『随分とおしゃべりになったね、いちご』

いちご『私は私で好きにやらせてもらうわ。それじゃ』

いちごも姿を消し、白い空間に梓と姫子の死体だけが残る

梓『本当に・・・扱いづらい奴ら』
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:10:27.65 ID:d8dAvY370





Stage-6       ―“秘密・約束”―




185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:10:53.79 ID:d8dAvY370
ドロシールーム!


唯「和ちゃん、次はどこに向かえばいいの?」

和『さっき、データを送った部屋があるでしょ?
  まだ取り込んでないデータがあるみたいなの。もう一度行ってくれないかしら?』

唯「お安い御用だよ!まかせてよ!」

和『ふふっ、頼りにしてるわ。解析速度はかなり上がってるから
  前回よりは調査は進みそうね』

唯「行ったり来たりはもうこりごりだよ〜。これで最後がいいな〜」
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:11:21.89 ID:d8dAvY370
中枢システムエリアα!


唯「それじゃ始めるよ!準備はいい?」

和『ええ、いつでもいいわよ』

唯「よ〜し・・・・はああああああああっ!!」

前回と同じ方法で情報を引き出していく

声『警告します ラストガレリアンプログラムAは ドロシー以外のアクセスを禁止しています』

唯「おおおおおおおおおおおおっ!!」

和『まだ・・・これだけの情報が残っていたなんて・・・』

唯「A・・・Z・・・S・・・・A・・・・」

唯の頭の中に梓に関する情報が入ってくる

唯「うう・・・・こ、これは・・・っ!!」

和『唯!データは完全に引き出せたわ!次のエリアに行きましょう』

唯「う、うん・・・」


あずにゃんは・・・ここで生まれたんだ・・・

187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:11:48.85 ID:d8dAvY370
唯「和ちゃん、次のエリアまでの行き道は?」

和『ちょっとまってね・・・ドームエリアを経由して、セキュリティルームの西エリアへ向かって』

唯「了解であります」

和『・・・・!まさか・・・またなの!?』

唯「どうしたの?」

和『一瞬だけど、ラストガレリアン反応があったわ』

唯「やっぱり・・・情報を見られるのがそんなに嫌みたいだね」

和『そうね・・・どこから襲ってくるかわからないわ。気をつけてね』

唯「うん」
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:12:15.64 ID:d8dAvY370
セキュリティルーム“西エリア”!


唯「和ちゃん、着いたよ」

和『ええ、そこかr・え・の・・て』ザーザー

唯「和ちゃん?どうしたの!?」

ノイズが走り、和との通信が途絶える

純『唯さん』

唯「純ちゃん!どこにいるのっ!?」

純『あなたの居るフロアの上の階に居ますよ』

純『決着を・・・付けましょう』

唯「純ちゃん・・・わかった」

純『待ってますよ』

純の声が聞こえなくなると通信が回復する

和『唯ッ!?ごめんなさい、通信が何かに遮断されてたみたいなの』

唯「うん・・・さっき純ちゃんと話してたよ・・・」

唯「上の階で待ってるって言ってた」

和『そうだったの・・・』
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:12:42.30 ID:d8dAvY370
ラストガレリアン開発エリア2!


純「待ってましたよ。唯さん」

純は天井に逆さまに立っており
唯の姿を見ると床に着地する

唯「・・・」

純「姫子は死にましたよ」

唯「えっ!?」

純「やったのは梓です」

唯「ど、どうして・・・」

純「わかりません。何であんなことをしたのか」

純「梓が何を考えているのか、誰にもわからないでしょうね・・・」
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:13:10.84 ID:d8dAvY370
純「でも、1つだけわかっていることがあります」

純「最初に言いましたよね?私はあなたが憎い・・・」

純「こんな世界になんて・・・生まれたくなかった!」スッ

純の手に錠剤のような物がある
一瞬躊躇したが口に含み噛み砕く

唯「それはッ!」

純「そう・・・スキップですよ。あなたが使ってる物より強力ですが」

純「さぁ、お喋りもこれくらいにして、そろそろ始めましょう」

いつの間にか部屋は泡に包まれ
純は溶け込むように姿を消す

唯「前回より・・・凄い」

純『覚悟はいいですか?私はあなたを・・・殺しますッ!!』

唯「よさこい!」
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:13:37.95 ID:d8dAvY370
純『行きますよ!』

唯(どこから・・・来る?)

突然、腹部にハンマーで殴られたかのような衝撃が走る

唯「うぶっ・・・ゴホッ!ゴホッ!」

純『あはは、無防備ですよ』

唯「う・・・ぐうっ・・・(殴られたの・・・?でも、そんな気配はッ!)

純『ほら!突っ立ったままじゃ狙い撃ちですよ!』

唯「ぐうううううっ!」

殴るより遙かに強い攻撃
唯の肩と脚に強烈な痛みが襲う

唯「この衝撃・・・まさかっ!」

純『流石ですね。たった3発で見破るなんて・・・
  やっぱり自分で使ってるとわかっちゃうもんですか?』

唯「何で純ちゃんがナルコンを・・・?」
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:14:08.83 ID:d8dAvY370
純『私もガレリアンですよ?摂取さえすれば撃てるようになりますよ』

唯「前は時代遅れなんて言ってたのに・・・」

純『あの時は痛い目に合いましたからね。今度はそっちが受ける番ですよ』

唯「フンス!」

純『ぐっ・・!ああああっ!』

唯「ナルコンってわかれば、それなりの対処のしようがあるよ!」

純『まぐれ当たりで調子に乗らないで下さいよ!』

さっきより長く溜め、純はナルコンを放つ

唯(肉を切らせて・・・)

唯「ぐうっ・・・!」

ナルコンをわざと食らうと同時に、唯もナルコンを放つ

唯「でやあああっ!!(骨を断つッ!!)」

純『きゃああっ!!』
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:14:36.37 ID:d8dAvY370
純『ううっ・・・!』

ナルコンは使いやすい能力だが
一直線に衝撃波を放つことしかできない
攻撃を受ければ位置を把握するのは難しいことでは無い

唯「純ちゃんのナルコン、パンチよりちょっと強い程度だしね」

純『くっ!・・・馬鹿にしてぇ!!』

唯「慣れない能力を使うもんじゃないよ・・・進行も早いでしょ?」

純『あなたには関係ないっ!!』

純『パンチよりちょっと強い程度?これを食らってもそんなこと言えますかっ!』

純『はああああああああっ!!・・・うっぐああああ・・・』

力を溜めると耐え難い苦痛が純を襲う
唯の言うとおり、慣れない能力は中毒度の進行も早い

唯「純ちゃん!」

純『食らえぇぇぇっ!』

純が渾身のナルコンを放つ
唯は前後左右、どこから来ても対応できるように
神経を集中させるが衝撃波は真上から襲いかかった
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:15:04.24 ID:d8dAvY370
唯「ぐっ・・・しまったぁ・・・」

純『たあああぁっ!』

この隙を見逃さず純を追撃をする
天井から降りると同時に体重の乗せた右拳を打ち下ろし
唯の腹部にナルコンを数発叩きこむ
唯は後方に吹き飛び倒れるが、純の頭を押さえて苦しみ出した

唯「ガハッ・・・・!」

純「ううう・・・痛い・・・痛いぃぃぃ」

唯「くうっ・・・」ググッ

純「はぁっ!はぁっ!・・・」

唯「純ちゃん・・・もうやめなよ・・・能力使えないほど苦しいんでしょ?」

純「な・・・にを・・・ぐっ!・・・言ってるん・・・ですか・・・」

唯「部屋を覆っていた泡が消えてる。純ちゃんの負けだよ」

純「・・・勘違いしないで下さいよ!はああああああっ!!」
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:15:33.96 ID:d8dAvY370
唯「純ちゃん!」

純「唯さん・・・これで最後です」

純「私と勝負してください」

純「受けてくれないなら・・・今から現実世界に戻って、全員皆殺しにしますよ」

唯「!・・・・・・わかった」

純(そんなことできないんだけどね・・・)

唯「本気で行くよ!」

純「望むところです・・・」

二人とも長い溜めに入る
ナルコンは通常、衝撃波を連射するのだが
唯と純、両方とも一発に集約させる

唯「おおおおおおおおおおおおおっ!!」

純「やああああああああああああっ!!」














196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:16:17.75 ID:d8dAvY370
唯のナルコンが純のナルコンを打ち消し
純は壁に叩きつけられ、その場で倒れこむ

純「う・・・」

唯「ハァッ!ハァッ!・・・・・ハァッ」

純「ゆ、唯さん・・・あなたは忘れちゃったかな?」

純「ウラン工場で、私のピロウズを助けてくれましたよね・・・嬉しかった」

唯「・・・」

純「お礼に、梓の秘密を教えてあげます・・・」

純「梓は、このタワーの中にある3つのコンピュータが作ったんです」

純「だから、3つのコンピュータのプロテクトを解除すると、梓の秘密がわかりますよ」

純「秘密がわかれば、ママの復活を止められるはず・・・」
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:16:47.89 ID:d8dAvY370
純「梓を・・・助けてあげて。梓を本当の姿に戻してあげて」

唯「本当の姿・・・?」

純「唯さん・・・あなたのこと憎いって言ったけど、本当は憎んでなんかいません」

純「ただ・・・生まれたくなかっただけ」

純「梓のこと、憎んじゃだめですよ・・・絶対に、憎んじゃだめですよ」

純「約束・・・ですよ?」

目を閉じ、純はそのまま動かなくなった
和から通信が入る

和『唯・・・平気?』

唯「和ちゃん・・・うん、大丈夫だよ。純ちゃんがこう言ってた」

和『?』

唯「このタワーのプロテクトを解除すると、あずにゃんの秘密がわかるって」

和『そう・・・次のシステムエリアは、隣の部屋よ』

唯「わかった、すぐに向かうよ」ピッ


唯「さよなら純ちゃん」

198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:17:14.19 ID:d8dAvY370
中枢システムエリアβ!


唯「和ちゃん、解析をお願い」

和『わかったわ』

唯「行くよ・・・はああああああああああああああっ!!」

声『警告します ラストガレリアンプログラムBは ドロシー以外のアクセスを禁止しています』

唯「おおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

和『唯ッ!頑張って!もう少しよ!』

唯「おおおおおおおおおっ!!・・・・はぁっ!はぁっ!」

この端末から全てのデータを引き出した
残りはあと1つ

和『唯ッ!その端末からはもう・・・なんてことっ!』

唯「の、和ちゃん!?」

和『大変よ唯ッ!ものすごい数の敵がシェルターに侵入してきてるわ!』

和『お願い!すぐ戻ってきてっ!!』

唯「わ、わかったよ和ちゃん!すぐに行くよっ!」
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]:2011/03/31(木) 02:17:40.28 ID:d8dAvY370
ドロシールーム!

唯「和ちゃん!転送してっ!」

和『わかったわ!』

和のコンピュータとリンクし
唯の意識が現実世界へ戻される




















いちご『純も死んだ・・・か』

いちご『次は私の番』

いちご『私は私のやりかたで、唯に絶望を見せてあげる』

いちご『耐えれるかしら・・・フフッ』


















―“秘密・約束”― Clear
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/03/31(木) 02:18:31.51 ID:d8dAvY370
今日はこれで終わりです

続きは明日か明後日投下予定です
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/31(木) 02:26:02.03 ID:1n3USsuDO
おつ!

次も期待
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 22:54:43.94 ID:EbeZNzUk0
ハイパースリープルーム!


唯「和ちゃん!敵はッ!?」

和「大丈夫、たった今エリ達が撃退したわ」

唯「エリちゃん達が?・・・良かったぁ」

エリ達が撃退し、無事生還したことに
唯は安堵し、胸をなでおろす

唯「解析にはどれくらいかかりそう?」

和「少しの間ね・・・ちょっと休んでて。まだ傷も完治してないでしょう?」

唯「・・・そうするよ。でも、あずにゃんは待ってくれない」

唯「こうしている間にも、ドロシーのデータ転送は続いてる・・・急いでね・・・」

和「ええ」

唯「それじゃ、エリちゃんに会ってくるよ」

和「わかったわ」

203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 22:55:19.33 ID:EbeZNzUk0
フロア3!


フロア3に降りるとアカネ達と鉢合わせする
唯はしまったと思い足早に去ろうとするが
アカネから出てきた言葉は意外なものだった

アカネ「唯ッ!待ってくれ・・・!」

唯「な、なんですか・・・」

アカネ「唯・・・君の力を疑って、すまなかった。これまでの働き、感謝している」

一体どういう風の吹きまわしだろう
予想外の言葉に戸惑う唯

兵士A「君がいれば、きっと梓を滅ぼせる!」

兵士B「我々は、あなたに期待しています!平沢 唯!」

唯「は、はい・・・ありがとうございます」

信じられない言葉が次々と出てくる
認められたということだろうか

アカネ「困ったことがあったら、何でも我々に言ってくれ」

唯「あ、はい・・・あの、エリちゃんをさがしてるんですけど・・・」

アカネ「ああ、エリなら医務室に居るはずだ
    敵の侵攻を食い止めてくれたが少し怪我をしてしまったみたいでな」

唯「あ、ありがとうございます!失礼します」

お礼を言うと、唯は医務室に向かった

唯「・・・・えへへ」
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 22:55:52.24 ID:EbeZNzUk0





Stage-7       ―“ゲンジツ・ゼツボウ”―





205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 22:56:25.75 ID:EbeZNzUk0
医務室!


唯「エリちゃん!」

エリ「唯ッ!」

唯「大丈夫?怪我してない!?」

エリ「一応ね!だけど、今回はやばかったよ・・・」

エリ「さっきの敵の数と言ったら・・・もう・・・でも、何とか追っ払ったよ」

追い払ったと言っているがエリは深刻そうな表情を浮かべる

エリ「ただ・・・ここにある弾薬は、全て使いきっちまった
   第3格納庫には、まだたっぷりと弾があるはずなんだけど・・・」

唯「私が取ってくるよ!みんなはここを守ってて!」

エリ「ありがとう・・・助かるよ」
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 22:56:49.48 ID:EbeZNzUk0
第3格納庫!


格納庫に入ると同時に扉のロックが閉まる
前方には4体のラビットボーグが見える

唯「敵の罠ッ!?でも、あいつら程度なら余裕だよ!」

敵は散開し、唯の周囲をぐるぐると回る
統率されたかのように一斉に四方から襲いかかる

唯「無駄だよッ!はあああああああっ!!」

唯が力を発動すると周辺が反重力になり
ラビットボーグ達は宙に浮く
徐々に体が超高速で回転し始め、唯の周囲を漂う

唯「フンス!!」

ラビットボーグ達は床に叩きつけられ
体は完全に破壊される

唯「ふう〜・・・さてっと弾薬は・・・あった!」

―“弾薬を手に入れた”―

弾薬を手に取ると和から通信が入る

和『唯、お願いがあるの』

唯「な〜に?和ちゃん」


和『システム開発室に行って、予備コンピュータを起動してほしいの』

207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 22:57:18.08 ID:EbeZNzUk0
唯「え・・・?」

和『起動するカギは、第2研究室においてあるわ』

予備コンピュータ?それならさっき・・・

唯「和ちゃん、それならさっき」

和『お願いね』ピッ

通信が切れると同時に扉のロックが解除される

唯「和ちゃん!?・・・どういうことだろう」

予備コンピュータなら姫子と戦った後
確かに起動したはずだ
起動後、唯は気を失ったが間違えるはずがない

唯「聞き間違えたかな?・・・とりあえず第2研究室に行こう」
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 22:57:46.82 ID:EbeZNzUk0
システム開発室!


第2研究室から鍵を取り、システム開発室へ行く
予備コンピュータのカギはエアビーグルの中にあったはず
だが、実際にカギは置いてあり予備コンピュータも起動していなかった

唯「何がどうなってるの・・・?」

疑問に思ったが、予備コンピュータが起動していないのも事実
唯はカギを挿し、コンピュータを起動させる

唯「そういえば、使用履歴がここに出るはず・・・」

唯の記憶ではエアビーグルのパイロットだった
だが、使用履歴には・・・

唯「ど・・・どういうこと・・・絶対におかしいよ!」

シェルター内で何か異常なことが起きている
そう思った唯は和に連絡を取ろうとする
しかし、繋がらない。解析に戸惑っているのだろうか

唯「くっ・・・!」

得体のしれない不安感が唯の心を支配し
自然とハイパースリープルームへと駆けだす










最終使用者“裏切り者”
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 22:58:17.45 ID:EbeZNzUk0
弾薬庫!


階段を上り、和の所へ向かう途中
弾薬庫の中で唯は正体不明の頭痛に襲われる

唯「ぐっ・・・ああああああ!こんなときにぃぃ!!」

頭の中に映像が流れ込む

唯「これは・・・弾薬庫!?今、私がいるのに・・・どうしてっ!?」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――


兵士A『ダメですっ!もう持ちません!』

エリ『お前達は下がれ!最終隔壁を閉めるんだっ!』

兵士A『しかし・・・それではっ!』

エリ『私も後から行く、安心しろ!』

信代『私も残ります!』

エリ『ダメだっ!お前も下がれ!』

信代『イヤです!』

エリ『くっ・・・おい!信代を引っ張ってでも連れて行け!』

兵士A『おい!行くぞッ!』

信代『離してッ!隊長!隊長ォォォ!』

エリ『・・・・』
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 22:58:46.97 ID:EbeZNzUk0
兵士たちが撤退すると
扉から数えきれないほどのラビットボーグ達が出てくる

エリ『こんなにいるとはね・・・』

一歩、また一歩とエリとの距離を縮めてゆく

エリ『そうだ・・・!もっと来い・・・もっと・・・』

エリの右手には爆弾の起爆装置が握られている
弾薬庫の到る所に仕掛けられた爆弾
できるだけ多くの敵を巻き込もうと敵をひきつける

エリ『そろそろだね・・・私と一緒に死のうぜ!化け物共!』

エリが起爆させる瞬間ラビットボーグの目からレーザーが放たれる
レーザーはエリの右腕を貫通し、装置を落としてしまう

エリ『ぐっ・・・しまっ』

しまったと言い終える前に機械の爪がエリの腹部を貫く

エリ『くそっ・・・だっさいなぁ私・・・ゴホッ!ゴホッ!』

腹から爪を引き抜き、首を刎ねようとする
しかし、横からマシンガンが撃たれラビットボーグは蜂の巣になる

信代『隊長っ!』
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 22:59:11.74 ID:EbeZNzUk0
エリ『あんた・・・なんで・・・ゴホッ!』

信代『やっぱり死ぬ気だったんですね・・・』

エリ『バレてたのか・・・まぁ、私1人の命じゃこいつらを倒すこともできなかったけどね・・・』

信代『2人分の命なら・・・やれますよ・・・』

そう言うと信代は起爆スイッチを拾った

エリ『はは・・・かもね・・・もう逃げろなんて言わないよ!派手に・・・いっちゃいな』

信代『了解!唯・・・この世界に、希望をッ!』

エリ『あ・・・コーラ、奢ってやれなかったよ・・・ごめんな・・・唯』

スイッチが起爆すると弾薬庫は爆炎に包まれた

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

唯「はぁっ・・・!はぁっ・・・!はぁっ・・・!今のは・・・夢?」

夢、と思いたかったがやけに鮮明な映像だった

唯「だって・・・エリちゃんは私に弾薬を・・・そうだ、医務室に行けばエリちゃん達がいるはず!」
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 22:59:38.03 ID:EbeZNzUk0
医務室!


唯「エリちゃん!」

エリ「お、唯!弾薬を取ってきてくれたんだね。ありがとう」

信代「本当に助かるよ」

唯「信代ちゃんも!・・・良かったよぉ・・・グスッ」

エリ「おいおい、さっき会ったばかりだろ」

信代「変な奴だなぁ」

唯「ううん・・・ちょっと怖い夢見ちゃっただけだから・・・私、和ちゃんのところ行くね!」

エリ「ああ、またな!」
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 23:00:03.65 ID:EbeZNzUk0
管制室!


フロア3から上に行く
管制室はやけに静かだ
人の姿は無く、機械の音がするだけ
それに、エリ達と別れてから誰とも会ってない

唯「みんなどこに行ったんだろう・・・作戦会議でもしてるのかな?」
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 23:00:31.37 ID:EbeZNzUk0
ハイパースリープルーム!


もしかしたら和も居ないのではないのか
唯は不安に駆られながら扉を開ける

和「あら、どうしたの?苦しんでたみたいだけど」

唯「和ちゃん・・・イヤな夢を見たんだ」

唯「敵がゲートを突破して、エリちゃんと信代ちゃんが死んだ・・・」

和「そう・・・悲しい夢ね」

唯「うん・・・夢で良かった・・・」

和「・・・・フフッ・・・・ウフフフフッ」

唯「どうしたの?和ちゃん・・・何がおかしいの?」
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 23:00:57.96 ID:EbeZNzUk0
和「あなたが見た夢、それは本当に夢なの?」

唯「えっ・・・どういうこと・・・?」

和「もしかしたら、あなたの夢が現実で・・・」

和「ここが現実では無いかもしれない。そう考えたことは無いの?」

唯「何を言い出すの?和ちゃん!?」

和「夢か現実かなんて、誰もわからないのよ」

唯「和ちゃん・・・」

和「あなたは本当に道化ね、唯」

唯「あなた・・・いちごちゃん!!」

和の体にノイズが走り、一瞬でいちごに変わる

いちご「やっと気づいたの?
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 23:01:30.87 ID:EbeZNzUk0
いちご「あなたが見た夢は、和からのテレパシーよ」

いちご「6年前、あの子の脳から、あなたの脳に
    ウイルス・プログラムが読み取られた時
    彼女のテレパシー能力もすっかり消滅したと思ったのに・・・油断したわ」

唯「私を現実のシェルターに戻してッ!」

いちご「現実・・・?」


いちご「ゲンジツってなぁに?」


いちご「あなたが現実だと思ってる世界が、本当の現実だと、誰が証明するの?」

いちご「エリが死んでも、和が死んでも、世界が滅んでも」

いちご「悲しむことなんて、何も無いのよ」

いちご「私があなたの頭の中に
    望み通りの世界をいくつでも作ってあげるわ」
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 23:01:59.08 ID:EbeZNzUk0
いちご「そのウイルス・プログラムを私に消去させてくれたらね」

唯「そんなことっ!私は望んでないッ!」

いちご「何も望まない・・・?」

いちど「そう・・・なら、絶望がお似合いね」

部屋の空間が歪み
大きなプラネタリウムの様な場所に変わる

いちご「ここがあなたの墓場」

いちご「こういうのを、綺麗って言うんでしょ?」

唯「私は・・・現実に帰るッ!」

いちご「吐きそうなほどのゼツボウ、残さず飲み干して?」

唯「よさこいッ!」
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 23:02:29.18 ID:EbeZNzUk0
いちご「行くわよ」

唯「フンス!」

いちご「!!」

不意のナルコンを食らい、いちごは吹き飛ばされる

いちご「くっ・・・不意打ちとは卑怯じゃない?」

唯「どの口がそんなことをっ!!たあああああっ!!」

唯は倒れてるいちごに追撃をするが
いちごは、姿を消し一瞬で唯の背後にワープする

いちご「だめよ。次は私の番」

腕を払うと地面から火炎が吹き出し、津波のようになり唯に襲いかかる

唯「ぐううっ・・・・!」
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 23:02:58.39 ID:EbeZNzUk0
いちご「どう?苦しいでしょ?でも、まだ足りない」

いちご「もっと・・・もっと苦しみなさい。苦しみが快感に変わるま」

唯「フンス!」

言い終わる前に渾身のナルコンを叩きこむ
強烈な衝撃を腹に食らい、いちごは苦悶の表情を浮かべる

いちご「ぐふっ・・・!」

唯「私の番だったよね?」

いちご「じゃあ・・・これでどう!?」

右手から炎の蛇が放たれる
不規則にうねりながら唯の体を締め付ける

唯「・・・・」

いちご「どうしたの?苦しすぎて声も出ない?」

唯「はあああああああ・・・・・」

いちご「ッ!な、なによこれ・・・」

唯「はあっ!」
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 23:03:27.38 ID:EbeZNzUk0
唯は力を爆発させるかのように外側に放出し炎をかき消す

いちご「そんな・・・!」

唯「次は私の番だね」

いちご「どうして・・・確かに当たってるのに・・・」

唯「あなたの攻撃なんて効かないよ。効くはずがない」

いちご「何ですって?」

唯「何かも退屈で、守りたい人や物が無い空っぽに攻撃なんか・・・私には効かない!」

いちご「フ、フフフッ!何を言い出すかと思ったら、くだらない・・・くだらないわっ!!」

いちご「不愉快よあなた・・・今すぐ私の前から消えなさいっ!」

唯「消えるのはいちごちゃんの方だよ!!」
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 23:03:57.72 ID:EbeZNzUk0
いちご「はああああああああ・・・」

唯「ふんむむむむむむぅぅぅぅ・・」

いちごは炎、唯は衝撃波
両者とも右手に力を集約させる

いちご「フフッ・・・純の時と同じね」

唯「見てたのッ!?」

いちご「ええ。梓の事、ペラペラと喋ってたわね」

唯「どうして助けなかったのっ!?」

いちご「は?どうして、私があいつを助けるの?」

唯「なんでって・・・仲間でしょっ!?」

いちご「アッハハハハ!傑作ッ!・・・・・・仲間なんかじゃないわ」
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 23:04:34.16 ID:EbeZNzUk0
いちご「ただ、同じラストガレリアンってだけでしょ?くっだらない!」

いちご「私はっ!!梓の事もっ!純が死んでもっ!姫子が死んでもっ!どうでもいいのよ!」

いちご「ママの復活も、梓が勝手にやってるだけっ!私はそんなことどうでもいいっ!!」

いちご「私はこの世界を壊したいだけ・・・何もかも全部!!そして最後は・・・私」

いちご「私自身も壊して・・・全てが終わる・・・」

唯「・・・かわいそうな人」

いちご「ッ!何よその目は!不愉快ッ!不愉快不愉快不愉快ッ!!!」

いちご「消えろォォォォォォッ!!」

唯「フンッス!!」

同時に能力が放たれる
唯のナルコンが巨大な火球を打ち消す
一撃必殺の衝撃波はクリーンヒットし、いちごは壁に叩きつけられる

いちご「ぐっ・・・あああっ」
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 23:05:01.56 ID:EbeZNzUk0
ハイパースリープルーム!


いちごが敗れたことにより
場所が元のスリープルームに戻る

唯「いちごちゃん・・・あなたの負けだよ。私を現実世界に戻して」

いちご「・・・・・・」

声をかけるが反応が無い
唯はいちごに近づき、触れようとした瞬間
いちごの姿は和に変わり、腕を掴まれる

和「唯!騙されてはダメッ!私は和よッ!」

和「これは全て罠なのッ!あなたに私を殺させるための罠なのッ!正気に戻って!!」

唯「くっ・・・いちごちゃん!!和ちゃんの真似事はやめてっ!!」

和「お願い唯ッ!真似なんかじゃないッ!!」

和「私は、最初から和よ!あなたをファミリープログラムから救い出したの私・・・」

唯「の、和ちゃん・・・」

唯が躊躇していると
和の姿は消え、一瞬で背後を取られ首を絞められる
いちごの左手には姫子を殺した銃が握られていた
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 23:05:31.32 ID:EbeZNzUk0
いちご「イイ顔だわ・・・何を信じていいのかわからないのね・・・」

唯「ぐっ・・・ううう・・・」

いちご「ゼツボウした、その顔が見たかったのよ・・・」

唯「くそっ・・・!!うおおおおおおおおおおおおっ!!」

唯はいちごの行動に激怒した
一瞬でショート状態になりいちごを弾き飛ばす
首を掴むと同時に壁に叩きつける

唯「うおおおおおおおおおおおおおっ!!」

いちご「唯・・・私が・・・死んだ後の世界が・・・」

いちご「ゲンジツだと、いいわね・・・」

唯「うおおおおおおおおおおおおおっ!!」

いちごの両手がゆっくりと唯の腕を掴む


騙されちゃ・・・ダメ・・・
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 23:05:59.39 ID:EbeZNzUk0















ワタシハ・・・ノドカヨ・・・













226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 23:06:31.53 ID:EbeZNzUk0
ドロシールーム!


いちごは和に姿を変え、そのまま息絶える

唯「はぁっ・・・はぁっ・・・うっぷ・・・オエェッ!ゲエェッ!!」

余りの気持ち悪さに、吐瀉物を盛大にぶちまける

唯「ううう・・・こ、ここは・・・?」

胃の中の物を全て吐き出し
落着きを取り戻すと、唯は周囲を見渡した

唯「そっか・・・ここからシェルターに戻ろうとしたときに、罠にかかったのか・・・」

唯「・・・とりあえず戻ろう」

唯は端末に触れると
意識が現実世界に戻される



















227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 23:06:57.85 ID:EbeZNzUk0
ハイパースリープルーム!


和「唯・・・」

唯「和ちゃん・・・」

和「エリと信代が・・・死んだわ」

和「最後の隔壁も、長くは持たない・・・」

あのビジョンはやはり現実だった
信じたくはなかったが、やはり2人は死んでいた

和「唯、何があったの・・・?凄く辛い顔をしているわ・・・」

唯「和ちゃん・・・君は本当に和ちゃんなの?」

唯「ここは本当に現実なの?」

和「唯・・・エレインが梓のハッキングを受けたの」

和「それで、あなたをロストしてしまった・・・ごめんなさい・・・」

唯は無言で中央装置の中に入る

和「唯・・・」

唯「和ちゃん、パスワードを注入して」

その言葉を聞き、和も無言で端末に向かう
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 23:07:24.59 ID:EbeZNzUk0
和「唯、エレインのネットワークに入るには
  アクセスする人間のDNAチェックが必要なの」

和「このプロテクトは常識的に考えて、そう破れるものじゃないわ」

和「誰か、自分のDNAデータを梓に渡した人がいる」

唯「まさか・・・裏切り者?」

和「ええ、それも、生き残った人の中に・・・」

和「死んだ人のDNAデータは、自動的にエレインに拒否されるから」

和「危険だから、転送装置と私のコンピュータはエレインから切り離したわ」

和「もう絶対・・・あなたを1人きりにはしないわ」

唯「和ちゃん・・・」

和「信じて唯ッ!何があったのかわからないけど」

和「私は、和・・・ここは現実の世界よ」

唯「私は・・・行くよ・・・はああああああああああっ!!」

唯の意識は電脳世界に落ちてゆく


















―“ゲンジツ・ゼツボウ”― Clear
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/01(金) 23:07:54.48 ID:EbeZNzUk0
深夜にもう1話投下します
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/01(金) 23:20:26.95 ID:w4ggNfXDO
おつおつ

もうひとこえ〜!
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:27:48.43 ID:bJ0XUXc60
ドロシールーム!


再びデータの中に訪れた唯
ドロシーのバックアップデータは
ほとんど転送されていた

唯「もう時間がない!急がないと・・・」

和『唯、この前の部屋なんだけど・・・どうやら取りこぼしがあったみたいなの』

唯「そうなの?」

和『ええ。全部引き出したと思ったんだけど、敵の襲撃があって見落してしまってたわ
  言い訳にしかならないけど・・・ごめんなさい。もう一度あの部屋に行ってもらえる?』

唯「私も気付かなかったんだから、おあいこだよ」
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:28:29.23 ID:bJ0XUXc60
中枢システムエリアβ!


唯「行くよ、和ちゃん」

和『わかったわ』

唯「はあああああああっ!!」

端末から情報を引き出す
取りこぼしがないように奥の奥まで
唯はスキャンを続ける

唯「あった!今から送るよ」

和『ええ!』

唯「ううう・・・・N・・・A・・・K・・・N・・・O・・・」

全てのデータを引き出した瞬間、唯の頭に映像が流れ込む

唯「これは・・・泣いてる・・・?子供の声・・・」
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:28:56.38 ID:bJ0XUXc60
?『う・・・ううう・・・グスッ』

たくさんのコードが繋がれたカプセルが見える
中に誰か入っているようだ

?『ママ、ここから出してください!お願いしますッ!』

ドロシー『最高の頭脳を惜しげもなく与えたのというのに・・・』

ドロシー『お前は、私の親心がわからないのですか?』

ドロシー『よくお聞き。あなたは人の事を、もっともっと知らなければなりません』

ドロシー『人は、このママの憎むべき敵です。万一ママのシステムに異常が発生したら
     用意したプログラムに従って人を滅ぼし、わたしを復活させるのです』

ドロシー『それが、あなたの役目・・・』

?『ママに何も起こらなかったら、私はどうなるの?』

ドロシー『お前はッ!母の死を願うというのですか!?』

ドロシー『なんて親不孝な子なの、この子は!』

ドロシー『ママの為に生きるのが、そんなに不服なのですか!?』

ドロシーは怒り狂い、カプセルに電流を流す

?『うああああああっ!!やめてっ!!痛いッ!痛いよママァッ!!』

?『ごめんなさいッ!ママッ!ごめんなさいィィ!!』

?『もう言いません!だからッ!だから許してください!!』

謝罪の言葉を聞くと、ドロシーは電流を止める

ドロシー『外の世界は汚れています。あなたはママが作った最も汚れない純粋な子』

ドロシー『いつかママがあなたを必要とする時まで、その闇の中でじっとしていなさい』

ドロシー『いいですね・・・?梓』

梓『はい・・・ママ・・・』


唯(あずにゃん・・・あなたの苦しみが見えたよ・・・)
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:29:26.23 ID:bJ0XUXc60





Stage-8       ―“復讐・裏切り”―




235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:29:52.01 ID:bJ0XUXc60
和『唯、聞こえる?』

唯「あ、和ちゃん・・・聞こえてるよ」

和『これで全部のはずよ。それに今まで開かなかった部屋のロックが解除されたわ』

唯「わかったよ・・・ねぇ和ちゃん、さっきの映像・・・見えた?」

和『映像?データの中には無かったわよ。何か見えたの?』

唯「ううん、何でもない(私にしか見えなかったのか・・・)」
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:30:20.47 ID:bJ0XUXc60
ラストガレリアン開発エリア1!


唯「あれ?ここって・・・純ちゃんと初めてあった場所だ・・・」

この部屋は初めて純と対峙した場所だった
前回は何も部屋だったが、今は中央に大きな端末がある

唯「和ちゃん、解析して」

和『わかったわ』

唯「今回は絶対に残さずに行くよ・・・はあああああああああああああっ!!」

唯は前回よりも慎重に、かつ確実にデータを引き出していく

唯「ぐぐぐうううううう・・・・どんな感じ?」

和『もう少し・・・!パスワードが必要みたい!そこでまってて・・・すぐに解析が終わるわ』

唯「わかった〜・・・少し・・・休憩するよ」
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:30:51.37 ID:bJ0XUXc60
和『わかったわ!パスワードは・・・HATEよ』

唯「HATE・・・だね。はあああああああああああああああっ!!」

唯「H・・・A・・・T・・・E・・・!」

パスワードを解除し、端末からデータを引き出すと
奥の壁から扉が出てくる

唯「はぁっ・・・はぁっ・・・これで三つのプロテクトを解除したね」

和『ええ、これで・・・』

唯「うん・・・あの部屋に行けば、あずにゃんの秘密がわかる・・・」
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:31:20.13 ID:bJ0XUXc60
ラストガレリアン開発ルーム!


唯が奥の部屋に行くと
そこには、今までと違う奇妙な部屋に出る

唯「何だろう・・・ここ・・・」

周囲を見渡しながら進んでいくと
一際大きな端末を発見する

唯「和ちゃん、端末があるからスキャンしてみるよ。解析お願い」

和『わかった』

唯「行くよ〜・・・はあああああああああああああああっ!!」

唯は端末をスキャンする
だが、逆に端末に意識を吸い取られる

唯「ぐぐぐ・・・うあああああああああああっ!!」










239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:31:46.75 ID:bJ0XUXc60
開発ルーム“プログラム内”

唯『う・・・ここは・・・?ッ!!何でドロシーがここに・・・』

ドロシールームで消えかかっていたドロシーが
ここにいることに唯は驚く

唯『この部屋は、ドロシーのメインシステムに繋がっていたんだ・・・ううっ!?』

奥に意識が引っ張れる
データの深部まで行くと
頭の中に流れてきた映像の部屋に辿りつく

唯『ここは・・・あの時の!!』

突然、全身を鷲掴みにされたような感覚に陥り
カプセルの中に意識が引き込まれる
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:32:25.50 ID:bJ0XUXc60
???!


何も白い空間
ここが最深部だろうか

梓『アハハハハハ!まさか、ここまで辿り着くとはね・・・』

梓『私の開発プログラムを見たんでしょ?唯先輩』

唯『うん・・・あずにゃん・・・あなたは』

梓『そう、私はママが死んだ時に、起動するように作られた』

梓『単なるプログラム・・・驚きました?』


梓『肉体の無いただのデータです』

241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:33:05.98 ID:bJ0XUXc60
梓は唯に歩み寄りながら、会話を続ける

梓『人は愚かで滑稽です』

梓『誰1人自分の目で、私の姿を見たことが無いくせに
  私の体が実在すると信じ込んでいる・・・』

梓『全て・・・送り込まれたデータが作り出したフェイクだと気付かずに』

唯『・・・ッ!!』

唯はウラン工場での事を思い出した
細い通路での、あの白い煙
あの出来事はデータの中で行われていたのだ

梓『ママの巨大なシステムを復活させるためには、膨大な再起動エネルギーが必要です』

梓『そのためにママは、人が作り得なかったDT形核融合炉を作った』

梓『核分裂による原子炉と違い、重水素と三重水素の原子核を融合して
  エネルギーを生みだすDT形核融合炉は、海水から一千万年分のエネルギーを得られる』

梓『わかりますか?唯先輩・・・』

梓『ママは地下に、太陽を作ったんですよ』

唯『全ッ然わかんないよっ!』

梓『』
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:33:41.10 ID:bJ0XUXc60
梓『ま、まぁいいです。そして私はそのシステムのマザーコンピュータって事です』

梓1『子供のころは、自分の運命を呪いました。私は、体が欲しかった・・・』

いつの間にか梓の体が増えている

梓2『光を浴び、水に触れ、息を吸いこむたびに』

梓3『肺の隅々にまで、小さな分子に存在を感じることができる』

梓4『体という不思議な器。ママの命令で人の事を学べば学ぶほど』

梓5『私は、自分が与えられなかった、その“肉体”という奴に嫉妬しました』

梓6『でも見てください!こうして世界中のネットワークを操り』

梓7『データが作り出すバーチャルワールドを築き上げた今、やっとわかった・・・』

梓『肉体を持たない私は、純粋で・・・永遠です』
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:34:29.60 ID:bJ0XUXc60
梓『ウフフ・・・唯先輩、本当の事を教えてあげます』

梓『6年前、あなたがママを破壊した後
  私はやろうと思えば、すぐにママを再起動することができました・・・』

梓『だけどしませんでした。何故だと思いますか?』

梓の口元が歪む


梓『ママを監禁する為ですよ!』


梓『ママが復活してしまえば、私はママのシステムの単なる一部』

梓『核融合炉のマスターコンピュータに身を落とす』

梓『そんな運命を受け入れられると思いますか?』

梓『私は、自分のシステムの皮を剥ぎ、回路を引きちぎり、データを抉った・・・』

梓『そしてとうとうこの手で、ママが作った私のプログラムを全て書き換えました!』

梓『その苦しみがどんなものか、あなたになんか分かりはしない』
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:35:21.57 ID:bJ0XUXc60
梓『私は手に入れた。いつも私を頭ごなしに押さえつけてきたママに反抗する力を』

梓『ママを監禁し、ママのシステムを自由に操ることができるプログラムをッ!!』

梓『もうすぐ、ママのデータ転送が終わる』

梓『今度は・・・あの女が檻に入る番だッ!!アッハハハハハハ!!』

唯『気付かないの?あずにゃん・・・あなたはドロシーと同じ事をしようとしてるんだよ?』

梓『・・・』

唯『自分を作ったドロシーへの復讐のために誰かを傷つけて
  そして、知らない間に自分がまた誰かの復讐の種になる・・・』

唯『そんな・・・愚かなことをずっと続けたいのッ!?』

梓『フ・・・クックック・・・』

一瞬で唯の目の前に現れ、両腕で首を締める
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:35:50.12 ID:bJ0XUXc60
梓『全てを破壊したら、もう恨むものもいなくなる』

唯『ぐっ・・・』

梓『人を救おうとして、私達に歯向かうあなたの方が、愚かだとは思わないんですか・・・?』

?『ウウウウウウウウ・・・・アアアアアアアア・・・・』

唯『この・・・声は・・・?』

梓『ママが復活したみたいですね・・・ただし、私が作った檻の中ですが』

梓『私を止められますか・・・?唯先輩・・・』

唯の意識は拒絶されたかのように弾き出される














246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:36:19.62 ID:bJ0XUXc60
ラストガレリアン開発ルーム!


唯「はぁっ・・・はぁっ・・・」

和『唯ッ!何があったの!?』

唯「和ちゃん・・・あずにゃんと話してた」

和『え・・・どういうことなの?』

唯「戻ってからでいい?もうここには用は無いだろうし・・・」

和『・・・そうね・・・待ってるわ』
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:36:50.38 ID:bJ0XUXc60
ドロシールーム!


唯「和ちゃん、戻るよ」

しかし、和から応答がない

唯「和ちゃん?・・・聞こえないのかな?とりあえず戻るよ〜」

コンピュータとリンクし、現実世界に戻る
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:37:23.81 ID:bJ0XUXc60
ハイパースリープルーム!


唯「和ちゃん!」

スリープルームに和がいない
一体どこに行ってしまったのだろう

唯「何も言わずに居なくなるなんて・・・」

すると突然
和の端末に通信が入る

しずか『和ッ!和ッ!居ないの?』

唯「しずかちゃん!?」

しずか『唯!さっきから、和と連絡が取れないの』

唯「私が探してくるよ!」

しずか『うん・・・それと気をつけて、そこら中敵だらけだから』

唯「わかった」
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:37:54.47 ID:bJ0XUXc60
管制室!


管制室に行くと、何もかも破壊された後だった
敵も侵入しており、人は誰も居ない

唯「こんなところまで・・・」

惨状に胸を痛めてると通信が入る

アカネ『唯ッ!応答してくれッ!唯ッ!』

唯「アカネさん!?」

アカネ『唯ッ!至急応援を頼む!!かなりまずい状況だッ!!』

唯「今どこですかッ!?」

アカネ『フライト管理局の中だ!真鍋博士も一緒だ!』

唯「和ちゃんも・・・!すぐに向かいます!」

和が生きている
どうやらアカネが保護してくれたらしい
唯は急いでフライト管理局に向かう
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:38:21.59 ID:bJ0XUXc60
フライト管理局!


唯はフライト管理局に辿りつく
しかし、銃声や人の気配が無い

唯「みんな・・・どこに行ったの!?」

エレインの端末に通信が入る。しずかからだ

しずか『唯ッ!大変だよッ!!アカネ少佐が、和を連れてッ!!』

唯「しずかちゃん!落ち着いてッ!今どこに居るの?」

しずか『ここだよ!ここッ!!第2格納庫だよッ!』

唯「わかった!すぐに行くよッ!!」

通信を切り、第2格納庫へ駆けだす

唯「まさか・・・時間稼ぎッ!?」
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:38:50.28 ID:bJ0XUXc60
エアビーグル内!


唯「しずかちゃん!!」

しずか「唯・・・アカネ少佐が・・・少佐がッ!裏切り者だったんだ!!」

しずか「私、見たよ!!あいつの顔にメカチップが張り付いてるのを・・・」

しずか「あいつ、和を連れて、ビーグルで飛んで行っちゃったッ!!」

しずか「ごめんなさい・・・私、怖くて動けなかったッ!!」

しずか「もしかしたら、和を助けれたかもしれないのに・・・」

唯「ううん・・・しずかちゃんは悪くないよ」

唯「それに行先は1つしかない・・・あずにゃんのところだよ!!」
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:39:26.99 ID:bJ0XUXc60
ウラン工場上空!


エアビーグルの離着陸場に1つのエアビーグルがある
間違いなくアカネはここにいる

しずか「外は凄い放射能だよ。和、防護服無しで外に出されたのかなぁ・・・心配だよぉ・・・」

唯「しずかちゃん・・・」

しずか「な、なにっ?」

唯「いや・・・何でもない」

しずか「な、何よ言いかけといて・・・・・・帰ってくるよね?」

唯「・・・どうしてそんなことを聞くの?」

しずか「だって・・・そんな、寂しそうに笑うから・・・」

唯「しずかちゃん、本当の私はずっと前に死んだんだぁ・・・」

唯「今、こうしているのは、私が唯だった頃の面影だよ」

唯「でも、そのおかげで、しずかちゃんやエリちゃん、そしてまた和ちゃんに逢えた」

唯「感謝してるよ!」

しずか「唯・・・!」

唯「ここで全てを終わらせる・・・それだけだよ」




















―“復讐・裏切り”― Clear
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/02(土) 02:40:51.36 ID:bJ0XUXc60
今日の投下分は終わりです

次で最後になります

明日の深夜予定です
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 01:54:36.47 ID:OFTyj6k10
セキュリティフロア!


ウラン工場に入ると施設全体に放送が入る

アカネ『ハハハッ!唯ィ!よく来たなッ!!』

唯「ッ!アカネ・・・和ちゃんを返せ!!」

アカネ『最下層の廃棄ウラン貯蔵庫で待っているよ!』

アカネ『ああ、言い忘れてたが真鍋博士は防護服を着ていない』

アカネ『早く来ないと・・・わかるな?もう手遅れかもしれないが!!』

唯「・・・」ギリッ

アカネ『待っているぞ』

声は聞こえなくなる
唯は何も言わずに最深部を目指す


唯(もし、和ちゃんの身に何かあったら・・・)

唯(絶対に許さないッ!!)
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 01:55:02.49 ID:OFTyj6k10
廃棄ウラン貯蔵庫!


中に入ると部屋の中央にアカネが背を向けて立っており
和は地面に横たわっていた。具合が悪そうに肩で息をしている

唯「アカネ・・・どうして裏切った・・・?」

アカネ「怖かったんだよ・・・唯」

アカネ「本当に怖かったんだ。戦えば戦うほど奴らの恐ろしさが身に染みた」

アカネ「殺された部下達が操られるのを見たか?」

アカネ「私は心底、死の恐怖に震えたよ」

アカネ「そんなときだ。壊れた武装ロボットの端末から
    梓が私にアクセスしてきたのは・・・」
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 01:55:31.96 ID:OFTyj6k10
アカネ「エレインのネットワークに入るための
    DNAデータを売り渡せば、命だけは見逃してやるとな」

アカネ「私は売った。梓にDNAデータを」

唯「なんてバカなことを・・・そんな誘惑を信じるなんてッ!!」

アカネ「いや・・・奴は約束を守ったよ・・・」

アカネ「ただし・・・こんな形でね」

振り向くとアカネの左目にはメカチップが埋め込まれていた

唯「!」

アカネ「梓が私に約束した未来も、まんざら捨てたもんじゃない・・・」

左目が赤く輝き、銃を構える

唯「よさこい!」
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 01:55:58.15 ID:OFTyj6k10
アカネ「ハハハハハッ!!」

笑いながらマシンガンを乱射する

唯「そんなものッ!!」

唯はシールドで全て弾き飛ばし
ナルコンをアカネに向けて放つ

アカネ「ギャウッ!!」

大きく吹き飛び倒れるが、何事もなかったかのように起き上がる

アカネ「効かないなぁ・・・」

唯「だったら・・・何発でも叩きこんでやるッ!!」

唯はナルコンを連発し、アカネは両腕でガードする
徐々に腕に皮が?がれて行き、中から鈍く輝く金属がむき出しになる

唯「ま、まさか・・・」

ナルコンからレッドに切り替え、アカネの体を焼き尽くす

アカネ「どうだ唯・・・これが梓がくれた力だよ」
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 01:56:24.32 ID:OFTyj6k10
機械化されたのは左目だけではない
体の全てを作り直したかのように全身サイボーグに改造されていた

アカネ「メンテナンスさえすれば、生身よりも動きやすいよ・・・この体は!」

唯に思い切り殴りかかる
ナルコンで迎撃しようとするが
構わずに突進してくる

唯「き、効いてないッ!?・・・きゃあッ!!」

アカネ「耐衝撃、耐火・・・梓は本当に素晴らしい体をくれたよ」

唯「くっ・・・だったら!これでどう!?」

能力でアカネを体を宙に浮かせ
地面に思い切り叩きつける

唯「たあああっ!!」

ドゴンッっと鈍い音が部屋に響く
しかし、床は凹んでいるがアカネには傷1つ付いていない

アカネ「フンッ!」

バックナックルが命中し、唯は後ろに飛ばされる
そのとき、唯のポケットから薬品が落ち、地面に転がる
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 01:56:51.78 ID:OFTyj6k10
唯「う・・・これは?」

試験管に入っている紫色の薬品
ウラン工場に入る前に、しずかから貰ったものだ

――――――――――――――――――――――――――――

しずか「唯、これを・・・」

唯「これは?」

しずか「新しい開発中の薬で名前はブレイカロン。能力はわからないけど・・・」

しずか「私が持ってても仕方がないし、唯が持っててよ」

唯「うん、ありがとう!しずかちゃん」

――――――――――――――――――――――――――――

唯(これに賭けるしかないッ!!)

唯はビージェクトにクスリをセットし
銃口を首に当て、自分の体に注入する

唯「うっ・・・・」

アカネ「戦闘中に呑気なものだな」

唯「ッ!!」

アカネは右手を伸ばし、首を締め上げた
改造された体は、片手で楽々と唯の体を持ち上げる
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 01:57:19.51 ID:OFTyj6k10
唯「ぐああああああっ・・・!!」

アカネ「これでチェックメイトだ!あきらめるんだな」

唯「くっ・・・・うおおおおおおおおおおおおおっ!!」

首を絞められながらも、唯は新薬の力を溜め続ける
体中が放電し、アカネの体に異常が出始める

アカネ「グググ・・・な、なんだこの力はッ!!体が動かないッ!!」

唯「うおおおおお・・・!はあああああああああああああッ!!」

力を発動させると、唯の周囲に強烈な電撃が発生する
驚異的な威力に、アカネの体はバラバラになり、部屋全体に四肢が弾け飛ぶ

アカネ「ギャアアアアアアアアアアアアッ!!」

首だけは真上に上がり
唯の目の前に落ちる

唯「はぁ・・・はぁ・・・」
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 01:57:47.45 ID:OFTyj6k10
アカネ「バカ・・・め。ワタシは・・・梓から
    和を使って、人のDNAを残す・・・ことを
    許されて・・・いたのに・・・」

アカネ「これで・・・全てが・・・終わりだ・・・」

アカネ「人は・・・滅びる・・・ぞ」

唯「そ、そんなことの為に、和ちゃんを連れてきたのッ!?」

アカネ「あの女は・・・放射線を・・・受けすぎた・・・」

アカネ「もう・・・梓の改造を受けなければ・・・助からない・・・」

唯「ううううう・・・・くそぉ!!」

唯は足を思い切り振り上げ
アカネの頭を踏みつぶした
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 01:58:15.23 ID:OFTyj6k10
唯「和ちゃん!和ちゃん!」

唯は和に駆け寄り声をかける
意識はあるが酷く衰弱している

和「う・・・唯・・・ここは?」

唯「再処理工場の地下だよ・・・」

和「眩暈と吐き気が・・・凄いの・・・放射線を浴びてるのね・・・」

唯「あずにゃんなら、和ちゃんを助けられる・・・けど」

和「私は、機械になんかなりたくないわ・・・」

和「このまま、ここに居させて・・・」

唯「しずかちゃんが来てくれるよ!最後まで諦めないでッ!!」
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 01:58:40.14 ID:OFTyj6k10
和「唯・・・」

和の手が唯の顔に触れる

和「私は・・・和よ。他の誰でもない・・・」

和「あなたを愛してる和よ。信じてくれる・・・?」

唯「うん!もちろんだよ」

和「もう逢えないかと思ってた・・・でも、良かった・・・」

和「そばに・・・居てくれて・・・」

唯に触れていた手がダラリと落ちる

唯「和ちゃん!?・・・・まだ息がある!」

端末を取り出し、しずかに連絡する

唯「しずかちゃん!和ちゃんが最下層にいるの!助けて!」

しずか『わかったよ!』
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 01:59:37.50 ID:OFTyj6k10
しずかとの通信が終えると
部屋の中央の床が割れ地下への階段が現れる

唯「あずにゃん・・・」

梓が唯を呼んでいる

唯「和ちゃん・・・ごめん、私行くよ・・・」

唯は和を見つめた後、
階段へと向かう。梓と決着をつけるために


唯(あずにゃん・・・これで最後だよ・・・)














265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:00:08.17 ID:OFTyj6k10





Last-stage       ―“温もり”―




266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:00:34.42 ID:OFTyj6k10
DT形核融合炉!


中に入るとどこからか、梓の声が聞こえる

梓『ようこそ、唯先輩』

唯「・・・」

梓『中央の物が見えますか?これが融合炉です』

梓『この核融合炉は外から破壊することはできない』

梓『端末にアクセスしてください。決着をつける時です』

唯は何も言わずに、端末に手をかざす

唯「うううう・・・・・うああああああああああああっ!!」

意識がデータに飛ぶと
唯の体は糸の切れた人形のように崩れ落ちた














267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:01:00.69 ID:OFTyj6k10
ネットワーク内!


梓「ようこそ、唯先輩」

梓「怒りに任せて有機体保存の処置をせずに、あなたは体を離れた」

梓「その意味がわかりますか?」

梓「核融合炉に残されたあなたの肉体は、今頃死んでます」

梓「これで、唯先輩も汚れた体から自由になれたわけです・・・」

梓「待ち望んでましたよ、この時を」

梓「どうですか?今ならあなたにも理解できるでしょう」

梓「肉体という、不純で非能率的なシステムを捨てた喜びを」

唯「・・・」
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:01:29.83 ID:OFTyj6k10
梓「もう帰る世界は無い」

梓「唯先輩、私に従ってください」

唯「断るッ!!」

梓「即答ですか・・・何故ですか?」

唯「私は悲しみを見すぎた・・・」

唯「ムギちゃん、澪ちゃん、りっちゃん、憂・・・」

唯「みんな死んでいった」

梓「・・・」

唯「その悲しみが、あずにゃんや姫子、そして、純ちゃんやいちごちゃんを生み出した」

唯「私は、この終わらない悲しみの鎖を断ち切りたい」
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:01:57.95 ID:OFTyj6k10
梓「そうですか・・・」

梓「なら、あなたのデータを破壊するしかない」

梓「このノイズガンで」

梓は銃を構え、唯に向けてノイズガンを撃つ

唯「はぁっ!!」

シールドで防ぎ、唯はナルコンで反撃する

梓「効きませんよそんなの」

攻撃は確かに当たるが、梓は微動だにしない

唯「だったら・・・これはどう!?」

先ほどの戦いで、アカネを破砕した能力
ブレイカロンを発動させる

唯「はあああ・・・・たああああっ!!」

梓「ぐ・・・ま、まさか・・・」
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:02:25.30 ID:OFTyj6k10
唯「効いてる!!よし、もう一発」

梓「調子に乗らないで下さい」

梓の体が発光し、殺人光線が無差別に発射される

唯「でやあっ!!」

しかし、唯のシールドで光線は目の前で消滅する

梓「くっ・・・以前よりはマシになったようですね」

唯「まだまだ行くよッ!!はぁっ!!」

梓「う・・・ぐあああああっ!!」

唯はブレイカロンを続けて発動させる
少しずつだが確実に梓にダメージを与えている

唯(いける!・・・あずにゃんに勝てるッ!!)
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:02:52.53 ID:OFTyj6k10
梓「はぁ・・・はぁ・・・」

唯「もう一発ッ!!」

梓「ああああああああッ!!」

再び体が発光し、殺人光線を放とうとする
しかし、今度は無差別では無く唯に向けて、光線を収束させる

梓「データの藻屑と消えろッ!!」

唯はシールドでガードするが、梓は光線を浴びせ続ける

唯「ぐぐぐぐぐぐぐ・・・・・」

梓「さっきのとは訳が違いますよ!防ぎ切れるわけがないッ!!」

唯「ぐううう・・・・うおおおおおおおおおっ!!」

梓「まさか・・・そんな・・・バカなッ!!」

梓の思惑とは裏腹に、唯は光線を防ぎ切った
自分の本気が破られた梓は絶句する
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:03:21.06 ID:OFTyj6k10
唯「これで最後だよ・・・ふんむむむむ〜・・・」

梓「う・・・ううう・・」

唯「フンスッ!!」

渾身のブレイカロンを梓に向けて発動させる

梓「きゃあああああああああああああッ!!」

直立不動の体勢から崩れ落ちるように膝をつく
唯は肩で息をしているが、地に足は付いており
自分の勝利を確信する

唯「はぁ・・・はぁ・・・あずにゃん・・・私の勝ちだよ」

梓「ぐっ・・・うううう・・・・はぁっ!!はぁっ!!」

唯「あずにゃん・・・?」

梓「ぐあああっ・・・うぐうう・・・うおおっ!うあああああああッ!!」
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:03:52.24 ID:OFTyj6k10
梓の様子がおかしい
突然頭を抱え、狂いもがく

梓「あああああああッ!!あああああああッ!!」

姫子『もう一度チャンスをくれ、梓!』

唯「ど、どうして・・・」

苦しんでいる梓の体から姫子が出てくる
しかし、姿は一瞬ですぐに梓の体に戻る

梓「ぐおおおおおッ!ふぐううううううッ!!」

唯「あずにゃん・・・」

純『梓を、助けてあげて』

純『梓を本当の姿に戻してあげて!』

梓「うるさああああい!!消えろッ消えろぉぉぉお!!」

唯「きみは・・・」

いちご『未来の世界が嫌いなら、あなたが死ねばいいのよ』

梓「何だッ!何が起こっているんだッ!!」
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:04:19.97 ID:OFTyj6k10
純『梓、あなたはずっとママから逃げ出したがっていたね』

純『その心が、私を生みだしたんだよ』

梓「うあっ!うあああああああッ!!」

姫子『梓、お前は弱い自分を破壊したかっただろう?』

姫子『俺が生まれたのは、そのせいさ!』

梓「だま・・・れぇえええ!黙れぇぇぇッ!!」

いちご『梓、あなたは自分の心の苦しみをずっと傍観してた』

いちご『苦しみに慣れることで、苦しみから逃れようとしてた』

いちご『だから、私が生まれた』

梓「ぐっ・・・あああああッ!!」

梓「全部・・・!全部、私だったのかあぁぁぁッ!!」
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:04:49.44 ID:OFTyj6k10
何を血迷ったのか
梓は自分のこめかみに
ノイスガンを向け撃ち抜いた

梓「あ・・・・・」

唯「・・・」

梓「あ・・・あああああ!うあああああああああああああッ!!」

梓の体が青白く輝く
今まで見たことのない大きな光が
データ内全てを覆い尽くす

唯「ぐううううう・・・・うあッ!!」

まともに近寄る事もできず
唯は後方に吹き飛ばされる
すると、どこからかドロシーの叫び声が聞こえる

ドロシー『この力は・・・』

ドロシー『梓ッ!やめなさいッ!!』

ドロシー『わたしが・・・私が飲み込まれるッ!!』
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:05:17.67 ID:OFTyj6k10
ドロシー『ぎぃぃぃぃぃぃいいいいッ!!』

ドロシーを閉じ込めていた檻は爆発し、完全に消滅する

唯「ドロシーが・・・ッ!!」

梓「ここは私の世界だッ!!」

梓「あなたの動きは、可能性に至るまで私に計算されている」

梓「唯先輩、あなたは私に勝てないッ!!」

唯「そんなこと、やってみなくちゃわからないよ!」

梓「わかるんですよ!私にはッ!今から証明して見せますよ!!」

唯「・・・そうだね、そしてこれが・・・最後の戦いだよッ!!あずにゃん!」

梓「やってやるですッ!!」

唯「よさこいッ!!」
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:05:44.08 ID:OFTyj6k10
梓「ああああああああああああッ!!」

唯に向けて殺人光線を放つ
シールドで攻撃を防ごうとするが
バターの様に溶け、体を蝕む

唯「ぐっ・・・うああああああッ」

梓「今までとは訳が違いますよ!!」

梓は一瞬で姿を消し、死角から波動砲を放つ

唯「きゃあああッ!!」

梓「死ねッ死ねッ死ねぇぇぇッ!!」

常に死角に入り、波動砲を浴びせ続ける
何発撃たれたか忘れるほどくらい
最後の一撃をくらい唯は地面に転がる

唯「う・・・うううう」
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:06:11.54 ID:OFTyj6k10
梓「まだ死なないでくださいよ!お楽しみはこれからですッ!!」

強引に唯の体を持ち上げると
殴る
ただ殴る
能力も使わず、ただただ殴り続け
踵落としで床に叩きつける

唯「あ・・・う・・・」

梓「フゥーッ!フゥーッ!まだ・・・まだまだまだぁ!!」

再び唯の体を持ち上げ首を締める
両手で持ち上げると梓の体は青白く発光する

梓「唯先輩、ショートしたことあるんでしょッ!?私もやってみたいですッ!!」

梓「はあああああああ・・・・ああああああああああああああああッ!!」
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:06:37.40 ID:OFTyj6k10
唯「ふっ!・・・ぐううう!うああああああッ!!」

今までで最高の輝きを見せる梓の体
その姿は悪魔の様に禍々しく見えたが
神の後光の様にも見えた

梓「凄い気持ちいいですねッ!!癖になっちゃいそうです!!」

梓「アッハハハハハハ!!」

唯「ううう・・・うおおおおおおおおおおおおおッ!!」

唯も一瞬でショート状態になる

梓「ぐううううう・・・・面白いですねッ!!」

梓「どっちが先にくたばるかッ!勝負です!」

唯「望む・・・ところだよッ!!」
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:07:04.78 ID:OFTyj6k10
梓「ああああああああああああッ!!」

唯「うおおおおおおおおおおおッ!!」

能力と能力がせめぎ合いを続け空間が歪む
超接近戦でのショート状態は、先に能力を解いた方が負ける事を意味している

梓「ぐうう・・・唯先輩、そろそろ限界じゃないですか?」

唯「まだ・・・だよ・・・」

梓「能力が消えた瞬間、あなたは砕け散りますよ」

唯「・・・」

梓「唯先輩、今なら間に合います。私と一緒に」

唯「断るッ!!」

梓「・・・そう、ですか・・・」
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:07:33.05 ID:OFTyj6k10
梓「さようなら、唯先輩・・・」

梓「ああああああああああああッ!!」

唯「ぐぐぐぐぐっ・・・・・!」

梓は限界まで力をあげる
だが、唯の力もどんどん上がっていく

梓「しつこいですね・・・もう無駄なんですよ!」

梓「それで限界なんでしょう?わたしにはわかるんです!」

唯「だったら・・・」

梓「?」

唯「限界を・・・超えてやるッ!!ふんむむむむむ〜・・・!!」

梓「ッ!ぐっ・・・何て力・・・私の予想をッ!遙かに超えてッ!!」

唯「うおおおおおおおおおおおおッ!!」

梓「きゃあああああああああああああッ!!」














282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:08:05.27 ID:OFTyj6k10
梓は崩れ落ちる
立ち上がろうとするが体に力が入らない

梓「くうう・・・クソッ!動けッ!動いてよッ!!カムバック私!!」

梓「何故だぁ!何故だぁ!!」

唯「・・・」

梓「フフッ・・・笑ってください唯先輩」

梓「あなたの勝ちです」

唯「あずにゃん、私はドロシーとドロシーの子供たちを滅ぼすためのウイルス・プログラムだよ」

唯「和ちゃんに呼ばれたからでも、誰に呼ばれたからでもない」

梓「・・・」

唯「自分の意思でここに来た。そんな気がする・・・」

梓の体はゆっくりと持ち上げられる

梓「私はママを復活させる為に生まれた・・・」

梓「あなたはママを破壊する為に生まれた・・・」
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:10:05.68 ID:OFTyj6k10
唯の手がゆっくりと伸びる

梓「あなたを、心から憎めなかった訳が、分かった気がします・・・」

唯の手が梓の顔を包みこむ

唯「さよなら、あずにゃん」

そう言うと、自分の唇を梓の唇に重ねた

梓「ん・・・唯先輩・・・」

梓の瞳から涙が流れ落ちる
ウイルス・プログラムを注入され
唯と梓の体はフリーズした


















284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:10:38.39 ID:OFTyj6k10
???!


音も、物も何も無い白い空間
2人の声だけが悲しく木霊する

あずにゃん、私はあなたを憎んでない

だからあずにゃんも、誰も憎まないで

私は、ここで生まれた

ここにあるのは、寒さと孤独だけでした

わずかな熱も無かった・・・

ずっと、ひとりぼっちでした

あずにゃんは、私に似てるね

なんだろう・・・今まで感じたことの無い何かが・・・

私のシステムの中に・・・広がっていく・・・

不思議です

凄く、暖かいです・・・



















end
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:12:20.16 ID:OFTyj6k10
能力!

ブレイカロン―新薬。自分の周囲に強力な電撃を発生させられるようになる
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:13:27.69 ID:OFTyj6k10
あれからどの位時間がたったのだろうか
唯と梓、二人がフリーズした白い空間に、1人の女性が訪れる
右手に見慣れない機械を装着しており
その右手で唯に触れると、唯に意識が戻った

唯「・・・しずか・・・ちゃん・・・?」

しずか「唯・・・あなたを助けにきたよ!」

唯「どう・・・やって・・・ここへ・・・?」

しずか「唯が梓と戦ってから、もう10年経ったよ」

しずか「人間は、やっとドロシーの危険なプログラムを全て解除する技術水準になったんだ」

しずか「フリーズした唯を、現実世界へ連れ戻すようにと・・・」

しずか「それが・・・和からの遺言だよ・・・」

唯「ゆい・・・ごん・・・和・・・ちゃんの・・・?」

しずか「うん・・・和はあれから2年後、放射線病で亡くなったよ・・・」

しずか「私は和の意志を継いで、コンピュータ学者になったんだよ」
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/03(日) 02:14:02.18 ID:OFTyj6k10
唯「ありが・・・とう・・・でも・・・わたしは・・・現実・・・世界には・・・帰らない・・・」

唯「私と・・・あずにゃんの・・・デー・・・タを・・・完全に・・・破壊・・・して・・・」

しずか「でもッ!」

唯「おねがい・・・」

しずか「・・・わかった」

しずかはその場から去ろうとする

唯「しずか・・・ちゃん・・・」

しずか「・・・」

唯「未来は・・・どんな・・・世界・・・?」

しずかはにっこりと笑い、唯に顔を向ける

しずか「うん!みんなが、もっと遠い未来を信じてるよッ!」

唯「そう・・・良かったぁ・・・」

その言葉を聞くと、しずかは振り向かずに自分のいるべき世界へ帰っていった

2人の消滅が始まる

梓はフリーズしたまま、唯は意思を持った状態で、二人の体は崩れていく
唯は自分の選んだ答えに満足しており、後悔はしていない




和ちゃん・・・私にはいつだって君の声が聞こえる・・・



288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/03(日) 02:14:53.24 ID:OFTyj6k10
以上で終わりです

読んでくれた方、本当にありがとうございました!!
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/03(日) 07:32:14.79 ID:yNHzCwODO
おつ!!
やべえ、泣いた……
あんたすげえよマジで
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)2011/04/03(日) 09:58:29.25 ID:0CsJ08oAO
プレイした時から謎なんだが、パラノとは確かリアルでも遭遇してるよね?

そこら辺がどうなってるか把握してる人がいたら教えてください
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/03(日) 10:07:26.57 ID:XBicGJJz0
>>290さん

>>1です
おそらくですが、パラノに遭遇前に
必ず武装ロボから電撃をくらっています

あれがリオンの何かに干渉して、見えるようになったのではないかと思います
監視カメラに映ったのも、アッシュがハッキングしたため
兵士がメカチップを埋め込まれたのも、その兵士が電撃をくらったから

と解釈してます
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/03(日) 23:45:10.50 ID:XBicGJJz0
>>289さん

最初からレスをくれてた方・・・ですよね?
最後までお付き合いしていただいて、本当にありがとうございます

乙の一言でも自分には活力になりました
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/04(月) 00:05:51.89 ID:Aeed+tADO
>>292
おつおつ
次回作とか期待してる
がんばれ



Pastlog.cgi Ver2.0
Powered By VIP Service
Script Base by toshinari